按理具庵 @anriguan
「あんりぐあん」 と読みます。駆け出しの発明家が勢いで一人起業してしまった会社です。
陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)をトランプの再発明として創作しました。
しなり折りカード立てが第一発明品で、これを応用した紙製ミープルやチェス・将棋駒に展開中です。
ブログ一覧
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- 純粋なゲーム用タロットのデザイン
- 今でこそ占い用具として知られるタロットカードが、実トリックテイキングゲーム(以下トリテ)用のカードであったことは、ボドゲ界隈の人でもあまり知られていないのではないか。もっと言えば日本語では「トランプ」って用具の名前として普及しているが、元はトリテの「切り札(Trump)」が語源であり、用具としては「プレイングカード(遊戯札)」が正しいことも、わりと知られてないのかも。そんなこんなで、「純粋な」、あるいは「完全な」ゲーム用タロットカード(左肩にインデックスがあり占い要素を全て排除したタロット)に興味があって探してみた。ゲーム用としてデザインされたタロットはいくつか見つかるのだが占い要素を排除した純粋なゲーム用は無かった。そもそも占い以外にゲームとして使うという需要がないし、大アルカナ22枚の抽象カード名を排したら、それはもうタロットと呼ばないので検索に掛からないのかもしれない。占い要素を完全に排して4スート14ランクの54枚に22枚の切り札を追加した計78枚のカード構成だけのゲーム専用のカードってどんなだろう、無いなら作ろうと創作意欲が湧いてきてデザインしてみた。大アルカナ(←この「アルカナ」という用語自体が占い用であるが他に適切な用語がないので使用する)22枚のカードデザインを数だけに抽象化して表現するとき、その図柄をどのように表すかということ。小アルカナ56枚は現在のトランプ同様にスートマークと3列配置のデザインに騎士(Knight)の絵札ランクを追加する。ただしインデックスの表記文字は王(King)のKと被るのでスペイン語caballoのCを用いる。大アルカナ22枚も独自シンボルマークと配置にする方法もあるが、これは新たなスートの追加で単なる変則5スートのカードとなってしまいタロットらしさが失われる。切り札はスート無しでランクのみ有する他のスートと異なる特殊なランク構造であることを示すため、やはり同じデザインは避けるべきだ。大きく算用数字(アラビア数字)を描いてもよいがデザイン的には安易なありふれた方法でとってもダサいのである。そこで欧州に残るゲーム用タロットに使われているローマ数字を使ってみた。でもローマ数字って読み難い(特に4とか9とか)し、Xが上下対称文字であるため見る方向によってIX(9)とXI(11)の区別が付かないという致命的な問題もある。算用数字の6と9も同じ問題があって下線を引いて上下を区別する方法もあるが、余計なものを加えるのはどうも美しくない。そこでスートマークに赤と黒の2色が使われていること、マイナスの数を赤字で表現することから、5-1や10-1を意味する逆配置のIを赤字で示して区別する方法を思い付いた。赤黒の2色が活かされ読みやすくなった。ローマ数字には0を表す記号がない。「愚者」は他の21枚の切り札と違って特殊な「逃げ札」として使われるため数字がなく空白で表していたらしい。現代版では算用数字の0に対応付けてアルファベットのОを使っているらしい。ついでながら日本語というか漢数字にも位取り表記のための記号文字として〇(←丸でなく漢数字)があって、例えば三百五円を三〇五円と表記するらしい。赤文字を使っている時点で既に正式なローマ数字ではないく、改変したローマ数字なので独自性を出して「・」中黒で表記してみた。でも、ローマ数字ってかっこいいけど使い慣れてないためか読み難い。カードを遠目で見ても数がいくつであるか判断できる数字のデザインはないか探しまくっていたら、楔形数字、算木数字、マヤ数字、果てはシトー会数字まで見つけて、そろばん感覚で読みやすいマヤ数字が最適と結論付けた。点が1個で1を2個で2を3個で3を4個で4を表し、5は横長の棒で、以降は足し算の規則で5の横棒と1の点の組み合わせで表記する。一応0(ゼロ)の表記もあるが規則的な記号には見えない。漢字で0を表記するとき「零」や「空」を使うのと同じ感覚の数字なのかも。本来はマヤ数字は20進数の19が最大なので横棒は3本までであるが、20や21を同じ規則で表記しても数として認識されるだろうと拡張して使うこととした。このマヤ数字を切り札のランク表記デザインに採用して汎用カードTEG7を2023年に作成した。ただし78枚の標準構成ではなく4スート9ランク18追加の縮小56枚版である。その後、このマヤ数字を独自に縦型に改変して汎用カードTEM4に採用した。標準78枚構成のタロットに適用すれば以下のようなデザインになる。小アルカナ56枚のデザインについてもトランプ互換としながらいくつかの点を改良している。スペードのAのマークが凝った図柄で大きくなったり、「1」が「A」と表記されるようになったり、絵札の図柄が顔の向きからなにやらスートごとに細かく異なっていたり、長い歴史のなかで改変が加えられ純粋な対称性や規則性が失われて抽象デザインの純粋な美しさが無くなっている。歴史的改変を一掃して純粋さを取り戻し、さらにスートマークの配置をバランスよくしてある。もっと徹底的にゲーム専用に機能性を求めて改良すれば、絵札を排して数字化し、スートマーク配置も識別性を考慮して、スート毎に4色の色分けしと、改良したのが跳躍進化形トランプを謳う陰陽五行札FESCAであり、そのサブセットの4スート版がTEG7やTEM4である。ここでは伝統的なタロットとトランプのデザインに寄せておくことにする。このタロットをデザインしている間にまた新たな疑問が生まれた。(1)トランプが52枚構成に対し、タロットの小アルカナが56枚構成なのはなぜか。(2) スートは4種あるのに、なぜ赤と黒の2色分けなのか。(3) 大アルカナの枚数は、小アルカナのランク数と同じ14ではなく、なぜ22枚としたのか。以前(1)の回答として「枚数はゲームに依る」として、4人制ペア戦のトリテをするため奇数となる13ランクが選ばれたと推測した。では56枚は当時に流行していたトリテで最適なカード枚数であったのか。既に仮説は得られているが、ここに記すには内容的に重すぎるので、また別のブログとして公開するつもりだ。(2)に関してはググってみると赤と黒の2色はは「昼と夜を象徴している」とかトンデモ回答が溢れている。タロットゲームの古(いにしえ)のルールを調べてみれば自ずと答えが得られる。黒スートと赤スートでは数字ランクの強さの順がことなっており、機能的にこれを区別しやすくするために色分けしてあるのだ。ではなぜスート毎に強弱の順が異なるのか、そこまで解説してるのは見つけられなかったが、トランプの起源を辿れば推測できる。おそらくトリテルールの進化とスートの誕生に関わっているのだろう。原始トリテ「赤と黒の起源」という名前のゲームとして公開したい。(3)に関しても回答は見つからない。当初は21枚であったが「愚者」の1枚が加わって22枚となったらしい。ではその21枚の起源はどこって、そこから先が辿れないのだ。21と云う数を頼りに勝手に推測するしかない。Wikipediaによればタロットのカード構成の起源としては、小アルカナに相当するトリテ用のカードセット(40~56枚?)に切り札専用の別カード(20~22枚)を合体させたという推察が示されている。この別カードはゲーム用であったのか、あるいは寓意が込められた絵本的なものであったのか不明のようだ。21と云う数は7×3なので1~21の連番カードセットで3人制で7回戦の数の大きさ比べの賭博ゲームを考えた。いかにもありそうであるが中途半端な21枚の構成は好まれないであろう。六面体のサイコロ2個を振って出る目のパターン数が21である。2つのサイコロを区別すれば36パターンが正しいのであるが、同じ形状のサイコロで区別できないと、ゾロ目6パターンと、残り30パターンの区別なし半分の15パターンで、合わせて21種になる。このサイコロ2個のパターンをカード化したのが牌九牌(天九牌)であり欧州に伝わりドミノの原型にもなったと言われている。もしトランプの原型となった葉子(馬弔)と同じ時期に欧州に伝わっていたとしたら、これはあり得るだろう。サイコロを2個振って吉凶を占うとすれば、その出目パターン毎に解説カードがあり、個々のパターンに名前を付けて後々の大アルカナになったとしたら…、占い繋がりで大いにありそうな仮説である。この仮説を基にドミノ風(正しくは牌九)タロットをデザインしてみた。21パターンをどのように番号付けするかが悩みどころであるが、単純な合計値で並べて同じ合計数の間では2つの出目の差が大きい順とした。関連リンクhttps://gamemarket.jp/game/184828 タロット・デ・ポーカー(ネオタロットポーカー)https://gamemarket.jp/blog/177442 FESCA(フェスカ)は78枚だけどタロットではないhttps://gamemarket.jp/blog/78350 FESCA(フェスカ)マーク配置デザイン原図https://gamemarket.jp/game/181378 TriElioGreed7(トリエリオ・グリード・セブン)https://gamemarket.jp/game/182400 エラトス(Eratos)でファンネルトリテ(Funnel-TTG)
- 2024/12/19 17:41
- 按理具庵
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- 六角格子の将棋を考える
- Twitter(現X)からの転載です。 https://x.com/anriguan/status/1340098062954373120 もう4年も前のネタになるのですが、最近「いいね」してくれた方が居て、内容を読み直したのですが、このゲムマブログに転載してなかった事に気付きました。いつか完成したら正式に書こうと思いつつ、そのまま忘れて放置となるネタがなんて多い事でしょう。未完成ながら新作ゲームのネタとしては面白いので、これを機会に転載することにしました。 以下、転載です。 #六角格子 #将棋 #ボードゲーム #六角将棋 番ちゃんの作品に触発されて、公開することにしました。 六角格子の将棋って、クリエータの考えることはみんな同じなんだなあと。 でも細かいところは、やっぱり全然異なっているのです。 昔の創作ノートを掘り出してきて再構築し作図してみました。 → 配置案1 駒の動かし方 配置案2 一手番を費やして、飛・角・銀は左右に60°回転することで移動方向を変えられるのが特徴です。 左右どちらに首を振っても前方を向けるように駒の文字はわざと傾けてあります。 回転できるのなら盤は長方形である必要がないとの発想で六角形に変化させてみました。 と昔々のお話です。 → 配置案3 駒の向き変え 配置案4 ここからゲーム創作が加速していきました。 他の駒の回転も許すとすれば、陣の概念を失くして完全に回転対称にできる。 そしたら敵味方の区別は色分けする必要がある。 駒の動きパターンは他にもあるので将棋の駒に拘わらずに増やしてしまえ。 → 陣が無くなると成りも無くなるし、だったら相手の駒を取ることで進化する仕組みにしようか。 ・・・と発想は止まらず、将棋とは全く異なるゲームになっていきました。 この図は、まだ将棋の原型を残していた時点のものです。 そのためゲームとして楽しく遊べるかの検証はまったくしていません。 → どなたか試してみて、改良して完成させてください。 #ゲムマ の#ブログに公開した「交錯干渉将棋」もよろしく。 ちなみに、 きっかけとなったバンちゃんの元ネタはこれ! https://x.com/hyacper/status/1339475919627382786 追記(2024.10.01) A3用紙に印刷して駒を自分で切り出して実際に遊べるキットを作成しました。 駒は長方形の形で切り出して中央で半分に折り曲げて糊付けし、その後に六角形に切り整えます。 初期配置では、左側に配置する角と銀が内向き(斜め右向き)であることに注意してください。 通常の将棋と同様に相手陣内に入ると裏返って「成り」昇格します。龍と馬はそれぞれ移動できなかった周囲マスに移動可能となります。他の駒は成ると金と同じ動きになります。傾き駒である飛と角は、そのまま長距離移動の方向が変わらないように左右反転で裏返します。銀は成り金の動きが正面になるように裏返します。 ↓追記(2024.10.04) 成り駒の動き 拡張案 PDF A3用紙で遊べるキットの動作未確認版を公開します。 A3六角格子将棋TypeA86_v10.pdf A3六角格子将棋TypeB85_v10.pdf A3六角格子将棋TypeC76_v10.pdf 駒の向きや陣の領域など不具合がある可能性があります。 テストにご協力いただける方は、間違いや問題に気付いたことがありましたらTwitter(現X)にて連絡願います。 なおTypeD91は近日中に作成する予定です。 A3六角格子将棋TypeD91_v10_K15.pdf 陣の灰色が印刷すると画面で見るより薄くなるようです。調整テストのため灰色レベル15%と20%を追加しておきます。 A3六角格子将棋TypeA86_v11_K15.pdf A3六角格子将棋TypeA86_v11_K20.pdf 関連リンク 交錯干渉4人制チェス(仮) 交錯干渉将棋とダブルス将棋 交錯干渉将棋ミニ リリリチェス ジュエルズチェス JewelsChess(宝石将棋)のクリア駒 重み付けはさみ将棋 蜂蜂はさみ将棋(BeeWaspBee) 蜂蜂はさみ将棋(BeeWaspBee)改定2版 変更来歴 2024.19.04 按理具庵の将棋系の関連リンクを下方へ移動しました。 2024.10.04 成り駒の動きと拡張案の画像を追加しました。 2024.10.04 PDFにTypeD91版と陣の灰色レベル調整テスト用(TypeA86のみ)を追加しました。
- 2024/10/1 10:08
- 按理具庵
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- なんでもかんでもUDバトルポーカー
- UDバトルポーカーはランク・スート型のカードゲーム用具なら、なんでも使える汎用設計のゲームです。 ゲムマ2022春ではトランプと麻雀牌を使用した場合のルールシートと役表を配布しましたが、タロット,UNO,花札など様々な用具の考察検討を進めていました。 麻雀牌でバトルポーカー ←UDバトルポーカーの詳細はこちら 麻雀牌の検討を開始するきっかけとなったTESCA(テスカ)は、元々がFESCA(フェスカ)用ゲーム開発を起点としていたので、トランプより早い時期に検討していました。さらに麻雀の字牌を拡張追加スートとみなす考えから、その類似的な発想からトランプの拡張であるタロットへの適用も麻雀牌の次ぐらいに思いついていました。それぞれをまとめ上げてゲムマ2020春に臨むつもりでしたが、UNOやうんすんカルタなど他にもある様々なカードゲーム用具への適用を思いついて検討は発散し、さらに超絶変態カード構成の花札にまで手を広げて、いよいよ収集がつかなくなってしまいました。「後で公開します」と宣言はしても興味の方向はどんどん移り変わって放置されがちなのが常であることから、完全なルールシートではないものの基本的な役と強さの関係を早めにまとめて公開することにしました。 タロットは現在では占い用に使われていますが元はゲーム用のカードセットです。追加された22枚はトリックテイキングの専用切り札と云うのが歴史的な事実のようです。 FESCA(フェスカ)は78枚だけどタロットではない ←タロットに関するブログです。ゲーム用タロットはカード構成は同じでも別物と初めて知りました。 4スートのトランプではあまりにも簡単にできすぎるため採用を断念したMW役がここでは復活して採用しています。追加分のExスートが多すぎるため、HF(ハーフフラッシュ)ではなくSeF(セミフラッシュ)を採用することで役の強さのバランスを調整しています。EFL(エクストラフラッシュ)がFL(フラッシュ)より弱いのも珍しいのですが、これもExスートの枚数が多いことが理由となっています。Exスートにきっちりと数ランクが定義されているのがタロットのカード構成の大きな特徴であり、とても興味深い役順になっていて4~5人で遊ぶにはトランプよりお勧めです。日本ではゲーム用タロットの入手は難しいのですが、銀河企画オンラインのXTAROT(エクスタロット)が使えそうです。 UNOはトランプを除けば世界中で最も多く売れているカードゲームだと思います。 汎用ゲームとしてこれだけ普及しているゲーム用具を利用しない手はありません。しかしながらカード構成をみれば、4スート・12ランクの2重デッキでトランプと全く同じ役になることが懸念されました。でも直ぐに絵札に相当する機能札のS,R,Dを不連続の非ランク札として扱うだけで全く別物になる面白い構造であることに気が付きました。さらにジョーカーに相当するワイルドカードをExスートとすると役の種類が増えて益々楽しくなりそうです。 LoXとHiF役でこの特徴あるカード構成に対応しました。ワイルドカードの枚数が少ないので、HFからW2を分離してSeFとしています。 役の数が多すぎること、SeF,RN2,FL,D2の差が少なくて強弱が不明瞭になることの問題を抱えていて改良の余地がありそうです。 麻雀牌の花牌を活用したデッキです。Exスートが3種になることでEMWが追加されます。4,3,2と枚数が段階的に減り、4+3+2が数牌のランク数の9と等しくなることから、カード構成は対称性が美しいのですが、ゲームとして面白いかはまた別問題で、標準デッキとの差があまり感じられません。本家の麻雀でも花牌は抜きドラとして使われており、やはり特殊な役割を与えて大きな変化を得るのがよいかもしれません。今後の課題です。 麻雀牌への適用を考えるきっかけとなったデッキです。FESCAで通常の5枚役のミクセルポーカーを検討しましたが、3枚役なら(3+1)スートのTESCAの方が適しているだろうと直感が働いて検討を始めました。FESCAは(5+1)スートですから3枚ミクセル役が破綻しています。予想どおり役のバランスが良くてお勧めです。枚数が少なくて多人数用にはデッキの多重化が必要で、これはFESCAの無駄遣いかもしれません。将来的にはFESCAのサブセットでない元からTESCAを製品化するべきなのでしょう。これも課題です。 FESCAでもっともっとミクセルポーカー ←TESCA52やミクセルポーカーに関してはこちらを参照 同じTESCA52のデッキなのに、麻雀牌に寄せた全く別のカード構成が作れてしまいます。我ながら凄い発想と自負しています。EMWやEFLの順位が逆の部分があり、前後役との差が小さい部分があったりと、もう少し調整が必要です。太極札を抜くとか試してみようと考えています。 より麻雀に近づけるためランク数を削減したものです。これも同様に調整が必要となっています。 うんすんカルタが元になっていますが、5スート・15ランクの構成を使用しているだけで、UnSunと表記した新規のカードセットとも言えます。トランプのA(エース)の原型ともいわれるドラゴン札(ロバイ)を10番目に配置し、絵札の扱いとしたのがUnSunAであり、数札の特殊札としたのがUnSunZであるとみなせます。 5スートであることから単純なMWが採用できないので、代わりにLoXとHiFを採用しています。 このゲームの元ネタであるカードです。ここでは詳しくは述べませんが、6スート・10ランクの構成は、既存の3カードポーカー役であるP1,ST,FL,K3,SFの5役の発生確率を最適に調整されたものであることが分かりました。下図のグラフの直線性が良いと云うことです。さすがに良く考えられています。 当然ながら、そのままRun系役を増やしたUDバトルポーカーに適用すると、RN2とSTの数が完全一致とか役順が悲惨な状態になります。 役が多くなり過ぎて役間の差が小さく役順が不明瞭な問題対策として、思い切ってRun2系役を削除してみました。良さそうです。D3とW3の役順が逆なのは作表ミスです。 変更来歴 2022.05.02 まだ各デッキに対する解説の記載が途中ですが暫定公開します。 2024.06.10 画像ファイルの再アップロードで復旧作業。
- 2022/5/2 15:36
- 按理具庵
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- 紙を折るだけボードゲーム用カードスタンド
- 長方形の紙を折るだけのカードスタンドを発明しました。 特徴 1.単純な構造で簡単に作成できる。 普通の長方形の紙だけを使用します。切り抜きや挿し込みも無しで、糊やテープによる留めも不要です。 3回の平行折りと2カ所のかしめ留め折りのみで簡単に作成できます。 チラシやコピー用紙でも(薄い紙なら2~3枚重ねて)使用できます。 構造と原理を知れば、詳細な折り方を覚えなくても自分で考え付くことができるほど簡単な折り方です。 2.畳んで収納でき超軽量なので携帯に便利です。 一度組み立てて折り目を付けておけば、使う時には直ぐ(数秒以内)組み立てできます。 畳んで収納しても、広げて複数枚を重ねて収納しても、とにかくかさ張らないのが良いです。 軽くてかさ張らないのでボドゲ会などに参加者の人数分だけ持って行くことも可能です。 3.安価でデザインの自由度が高い。 元が紙なので印刷するだけで多彩なデザインを楽しめます。 ゲームで使用するカードの大きさや保持枚数に合わせて高さや横幅を自由に設計カスタマイズできます。 ルールの要約(サマリー)など記載してゲームに付属させる専用カードスタンドとすることも可能です。 紙以外ではPPシートの使用も可能です。 折り方 欠点 軽過ぎるため風がある場所での使用には適しません。 基本は折り方の発明なので、アイデア商品としては売り難いし、売るとしても安価過ぎて儲からないです。orz 使い方 傾斜面に沿ってカードを細溝に挿し入れるようにして使ってください。 外かしめ折りとの違い 「内かしめ折り」は、元となった「外かしめ折り」の改良です。 折り方は少し難しくなりましたが、幅の狭いカードでも手前に滑り倒れることがないようになりました。 区別するために、簡単な元の折り方を「外かしめ折り」、改良した方を「内かしめ折り」と呼んでいます。 名前の由来 カシメとは、一般的に板形状の部品を塑性変形を利用して接合する加工方法の総称のようです。大別すると、リベットやハトメなどの接合用の金属具を使う方法と、金属板自体を重ねて折り曲げるハゼカシメの方法があります。 本発明の「かしめ折り」はハゼカシメに近いのですが、紙の塑性変形は復元力が強くて曲げ折り挟むだけでは外れてしまうため、底面の両端の角を三角形に折り曲げることで形状を維持しています。この三角形の折り曲げ加工を「かしめ折り留め」や「かしめ留め折り」など呼びます。そして、この三角形の折り曲げ部が形状の大きな特徴になっているので、長方形の紙を折ってカード立てや席札として使用する折り方を「かしめ折り」と呼ぶことにしています。 注意事項 発明品として意匠登録済ですが、個人が非営利で自作して使用する分には何も問題ありませんので自由に使ってください。 営利を目的として使用する場合は、権利者の許諾(ライセンス契約等)が必要となります。例えば、そのまま商品として販売したりボードゲームの付属品とする場合などが営利使用に該当します。またノベルティとして頒布する場合は無料であっても広告宣伝のための営利活動とみなします。 折り方の説明図や動画をネットに公開して広告費を稼ぐ営利目的の行為は、著作権や倫理上の問題(いわゆるパクリ行為)となる可能性があります。もちろん営利を目的としない簡単な紹介や引用およびリツイートやリンクなどは全く問題ありません。 分かり易く要約すると「個人が自作して使うのは自由だけど、勝手に金儲けに使わないでね。」ってことです。 折り方を他人に伝授して構いません。いや、むしろ積極的に広めてください。ただし発明者への敬意(リスペクト)を示して、とある発明家が考え出した「かしめ折り」って名前の折り方であることを一緒に伝えてください。 よろしくお願いします。 変更来歴 2021.03.29 折り方の詳細説明図の(2)と(3)の説明文の配置が逆になっていた間違いを修正しました。 レイアウトや誤字脱字なども一部修正しました。 2021.04.06 外かしめ折りと内かしめ折りの比較図を追加しました。 2021.04.07 名前の由来を追加しました。 2024.06.10 画像ファイルの再アップロードで復旧
- 2021/3/27 10:45
- 按理具庵
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- 変則トランプ類まとめ(その2)
- カード構成クイズの続き(その2)です。 (その1)はこちら→変則トランプ類まとめ(その1) サムネイル画像は、トランプ類の原点となる歴史的な3種のカード構成です。 トランプゲームのランクとスートの解説に、「ランクとは数字のこと、スートとはマークのこと」などと極論した説明文をよく見かけますが、「いやいやJQKとAは数字じゃないし、マークはスートの表現形式の一つであって、まったく別物なんだけど」と反論したくもなります。言葉できっちり定義するのは難しいですが、多くの実例を眺めれば自ずと理解できるようになると思います。 ついでに関連するこちらも読んで欲しいです。→ FESCA(フェスカ)は78枚だけどタロットではない 「その2」は、今まで調べ取り残してきたカードゲームと共に、比較的最近のと最新のカードゲームを取り交ぜています。1ページに上手く収まるように配置しているだけなので、順番と時系列とは一切関係がありませんのでご注意ください。 P11_1. 変則階段ランクの4スートですが、階段差さえも変則な点が特徴です。 P11_2. トランプに近い12ランク4スートの正則構成ですが、スートに点数の違いがあることが特徴です。 P11_3. やや大きめの正則構成ですが、0のランクがあって特殊な強弱関係になっているのが特徴です。 P12_1. 失点の配置構造が絶妙な15ランク4多重です。 P12_2. 特殊カードの使い方が特徴の人気ゲームです。 P12_3. ランク数とスート数と多重数が5:5:4の構成で、赤スートの失点ルールが特徴な人気ゲームです。 P12_4. 牌ってことが特徴、わりと最近のゲームです。(3+1)重がFESCAに近いものを感じます。 P13_1. 特殊ランクの強弱関係が特徴的です。 P13_2. 特殊ランクのカードがゲーム名(由来も謎?)になっている大人気ゲームです。 P13_3. 仮想スートと云う概念が斬新なアイデアの凄いトリテです。 P14_1. 点と種の二次元スートで変則多重の構成をとる通好みでステキな昨今話題のゲームです。 P14_2. 二次元のスート構成、黒い裏面カードが数枚あるのが特徴です。汎用カードとして使えないのが残念です。 P15_1. たぶん最多ランク数とスート数の正則構成です。人数により構成を変更するアイデアは他にもあります。 P15_2. ランクとスートが曖昧、もはやトランプ類とは呼び難い最新のカードゲームです。 変更来歴 2024.06.17 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2021/1/21 9:58
- 按理具庵
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- 変則トランプ類まとめ(その1)
- こんなカード構成のカードゲームをご存知ですか? 陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)はトランプの再発明あるいは跳躍進化形を謳っていますが、その最大の特徴である(12+1)ランク(5+1)スートのカード構成が真に画期的な独自性のあるものかを確認するために、市販されている様々なトランプ類のカード構成を調査しました。 この辺りの経緯は別ブログにも書いています。結果、ランクワイルドやスートワイルドに相当する+1構成を採用するカードセットは、それぞれ単独ではあるが縦横に組み合わせた構成は見つからず、一応オリジナルであると自負しています。(まだ調査が足りていなく私が知らないだけかもしれませんが...) この調査の過程で様々な特徴あるカード構成を知ることになり、情報収集(コレクション)それ自体が楽しくなって、共通の構成図にまとめることにしました。最初は、単にランク数やスート数を変えただけの正則構造のカード構成だけでしたが、ランク無しやスート無しのもの、ランク数が階段構造のもの、多重構造のものなどや、さらに特異な変則構造のものまで広げて集めるようになっていきました。ただし時系列順に見つけたものを作図しただけで、特に分類系統立てて並べているわけではありません。 コレクションを自己満足で済ませるのはもったいないので、皆様のお役立ちになることを願って公開することにしました。様々なカード構成を知ることで、ランクやスートが何であるかその本質を理解する助けになるでしょうし、ゲーム製作者の方々には独自カードゲーム創作のヒントになると思います。 またカード構成なんてものに興味のない人にも、ゲーム名を伏せてクイズとして楽しんでもらえるようにしました。答え合わせは後日、解説も逐次追記する予定です。 P01_1.歴史的な5スートのトランプです。 P01_2.トリックテイキング用の超売れてるらしいカードセットです。 P01_3.知る人ぞ知る、正に6スートのトランプそのものです。(後の伏字は旧名) P02_1.5スートのトランプのようですがAがありません。 P02_2.15ランク6スートは最大構成、人数により構成を変えます。 P03_1.通常のトランプ構成を2重構成にしただけなのに、そこそこ歴史もある有名なゲームです。 P03_2.5スート17ランクは圧倒的、☆をランクワイルドとして使うのが特徴です。 P03_3.5スート13ランクの2重構造、ランクワイルドとジェネラルワイルドがあります。 P04_1.ランク表現が数字でなくて、しかも不連続なのが特徴、日本での知名度は極めて低いです。 P04_2.カード(札)ではなく牌を使う超絶有名なゲームです。4風と3元はランクなのかスートなのか意見が分かれます。 P04_3.変則ランクの美しき極み、汎用カードとして創作したのが凄いです。 P05_1.おそらく世界一売れてるカードゲームです。 P05_2a.スート無し10ランク階段多重の汎用カードです。(括弧内は英語名です) P05_2b.スート無し7ランク階段多重です。 P05_2c.スート無し13ランク階段多重です。 P05_3.ランク無しの7スート9重です。絵柄が美しい人気ゲームです。 P06_1.8ランク4スートは普通ですが、3重が珍しいです。 P06_2.8ランク7スートです。 P06_3.5ランク5スートでも、変則多重が特徴です。 P07_1.変則5ランクのように見せて、実は13ランク変則多重です。 P07_2.13ランク8重です。 P07_3.13ランク変則多重です。 P08_1.5スート7重、緑のみ8重が変則です。 P08_2.8スート8重です。 P08_3.3と6が抜けてる特殊なランク構成です。 P08_4.4次元のスート構造が超絶特異な凄いゲームです。でも名前がねぇ。 P09_1.カードではなく駒を使う、歴史あるゲームです。駒名がランクでなくスートなのはゲームのルールによります。 P09_2.階段ランク構造もですが、さらにスートに強弱関係があることが特徴です。 P10_1.超変則ランクの3スートの人気トリックテイキングです。 P10_2.変則ランクの4スートです。 P10_3.8スートの階段多重です。 変更来歴: 2021.01.12 P10_1の図の間違いを修正しました。各ページ枚に横線を追加しました。 2024.06.17 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2021/1/12 5:52
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ)のトリテを考える(その2)
- ゲーム名:FESCAダブルリード6Sトリテ(略称:ダブリド・シックス) 創作レベル:★★(2.2) 概要:ダブルリードと云う独自ルールを採用した6スートの切り札無しのトリテ ルール説明: 標準的なマストフォローのトリテに従うが、後述するダブルリードの規則によりトリックの勝者を決める。 陰陽は第六の陰陽スートとして扱う。 空無はZATとして扱い、リードで13,フォローで0とする。 太極は陰陽スートのZAT扱いとする。 5~7人制を推奨とし、以下のカード編成を用いる。 5人:13x5=65枚(Z,1~10,太極抜き) 6人:13x6=78枚(Z,1~12) 7人:11x7=77枚(Z,1~12,太極抜き) 最も多くのトリックを取った人をゲームの勝者とする。最多トリック数が同じ人が居たら、その中で最後にトリックを取った人を勝ちとする。 ルール解説: ダブルリードとは、通常のリードに加えて第2のリードを認め、第1と第2のどちらかのスートをフォローしなければならないと云うルールです。 最初の(第1)リードスートをフォローしなければならない基本ルールは同じですが、手札に同じスートが無い場合に、他のスートを第2リードとして出すことができます。第2リードが出されたら、以降の人は第1または第2のリードスートのどちらかのスートを手札から出さなければなりません。もし手札に無ければその他のスート札を出しますが、そのトリックを降りたことになり勝負には加われません。 2つのリードスートのどちらが強いかは多数決で決めます。すなわち場に出された同スートの枚数が多い方を勝ちとします。勝った方のスートの中でランクが最も高い札を出した人がそのトリックの勝者となり、そのトリックを取ると共に次のトリックのリード権を得ます。場に出された2つのリードスートの枚数が同じ場合は、FESCAのスート強弱の規則(相生先負/相克先勝)に従って勝ちスートを決めます。第六スートの陰陽スートは他の五行スートに常に勝ちます。 例えば5人プレイで、 〔木Z、木5、金Z、金2、金12〕の順に出されたとすると、木Z(※ZはZATの意味で木の空無札)はリードですから木13の扱いで、普通なら勝利確定なのですが、金スートが第2リードとなって枚数で逆転されて多数決(木2枚<金3枚)で木スートは負けです。金スート内の勝負では、金Zも一応リード(第2リード)ですから金13となって金12より強くてトリックの勝利者になります。 〔火5、水3、金9、水7、火4〕の順に出されたとすると、火が第1リードスート、水が第2リードスートとなります。金9はフォローできずに負けが確定します。次いで水と火が1枚ずつ出て、どちらも2枚で同数なので多数決で決着できずに、火と水の相克関係の強弱を判定して「水は火に勝ち」、水スートで最も高いランクの水7を出した人がトリックの勝者と決まります。 ゲーム名:FESCAダブルリード・ワイルド・トリテ(略称:ダブリド・ワイルド) 創作レベル:★★★(2.7) 概要:ダブルリード6Sトリテにワイルドカード要素を取り入れたトリテ ルール説明: 基本ルール(カード編成、ゲームの勝利者、ダブルリードなど)はダブルリード6Sトリテに従う。 陰陽札は直前に出された札のスートに化ける特殊なスートワイルド札とする。 空無札は見習いランク化け札(ミミック・ランクワイルド)とする。 太極札は陰陽の空無扱いとするので、直前スート化けの見習いランク化け札とする。 陰陽札は「ゆるい」化け札とする。すなわち手札にフォローできる他の札を残していても、陰陽札をスートワイルドとして出せる。 ルール解説: 陰陽を第六スートではなくスートワイルド(SW)として使用するため実質的には5スートのトリテとなります。ただし後述する特殊な状況下では陰陽スートとして扱うこともあります。 見習いランク化け札とは、場に出ている他のランクの何れかにのみ化けられるという制限付きの化け札(ワイルドカード)です。ただしFESCAのワイルドカードの基本原則の「本物には化けられない」に従います。すなわちスート・ランクが共に同じになる札が場に出ていると、その札には化けられないので、他のランクに化けなければならないのです。もし化けられるランクが何もない場合はランク0の扱いとなります。 同様に直前スート化けの陰陽札(last suit wildcard)においても、場にスート・ランクが同じになる札が出るとスート化けが解除されて無効スートの扱いとなります。 また直前スート化けは連鎖が可能であり、前の人が陰陽札を出していれば、その化けたスートに化ける陰陽札を出すことができます。ただし本物が場に出されて化けが解除されると、化け解除も連鎖して後から出した陰陽札も無効化されます。 最初の(第1)リードの陰陽札は、最後に出された札のスートに化けることとします。 陰陽札が最初に出された場合は、これを第1リードであるが不確定の陰陽スートの扱いとします。もし陰陽札を持っていればフォローして出さなければならないのですが、無ければ第2リードとして他のスートを出せます。第2リードに続く陰陽札はスートワイルドとして扱われるので、第1リードの陰陽スートをフォローすることにはなりません。トリックの最後の人が札を出したとき第1リードのスートが確定され、多数決とスート強弱によりトリック勝者を決めます。ただし全員が陰陽札を出した場合は、第1リードスートを陰陽スートと確定させて、これを有効スートとみなして最も高いランクの陰陽札を出した人がトリックの勝者になります。 具体例を挙げて説明すると、例えば7人プレイで、 〔金4,SW5,水7,SW8,SW9,SW10,水8〕 と出された場合は、どうなるでしょうか。 最後の水8が出される前はSWの連鎖により、 〔金4,金5,水7,水8,水9,水10,--〕 とみなされ、金2枚の水3枚で水10(SW10)が勝ちとなるはずですが、最後に本物の水8が出されたことで、化けの水8(SW8)が解除され無効スート(XX)となります。これに続くSWも連鎖解除されて、 〔金4,金5,水7,XX8,XX9,XX10,水8〕 となり、金2枚と水2枚の同数で、金と水の相生関係の強弱は相生先負で金が負けとなり、水8がトリックの勝者となります。 補足ルール: トリックの勝者を決めるだけでなく、順位を決める必要がある場合は、第1リードスート、第2リードスートに続き、他のフォローできなかった人の順位も決める必要がありますが、これらはまとめて無効スート扱いとして単純にランクの高い順に順位を決めことにします。ただし同一ランクが複数ある場合は、第1リードと第2リードの相関係の強逆順に従って決めます。無効スートの中の陰陽スート(化け解除された陰陽)は最弱スートの扱いとなります。 例えば第1と第2が水と金なら相生関係ですから、相生先負の順位から、水>金>(土>火>木>陰陽)となります。繰り返しになりますが、無効スートはまとめて先ずランク順で判定して、さらに同ランクの中での順位を決めるときに、このスート強弱関係を使うことになります。 解説: ダブルリードと名付けた、このゲームシステムの元ネタ(発想の基)が「ゲーマーじゃんけん」であることにお気づきでしょうか? もちろんシステムが似ているというだけで細かく見れば全く違っています。「じゃんけん」は3竦み(すくみ)ですがFESCAは5竦み構造ですし、ゲーマーじゃんけんは少数勝ちですがダブルリードは有効2種の多数勝ちです。 類似点は、スート種別ごとの出現個数によって勝ちスートを決めて、同数の場合にはスート強弱関係を使って勝ちスートを決めることです。 このダブルリードを考えるきっかけは、トリテについて書かれていて久々に読み返してみたゲムマの重鎮の草場さんの以下のブログです。 私はいかにしてイコサカードを作ったか めっちゃ要約すると「多人数でトリテするにも4スートが良い。」ということです。 「FESCAは(5+1)スートなので、そもそもトリテには不向きなのか。タロットは4スートと切り札スートで実質5スート構成で成立しているのに、なぜ4スートというトランプの呪縛に縛られなければならないのか。本当に5スート以上のトリテが良くないというのなら、現行のトリテの基本ルールに適してないだけであって、5スート以上でも面白くなる多人数制のトリテルールを創ってしまえばよいのではないか。」という自己問答により、独自ルールを模索することになりました。 前回の「FESCA(フェスカ)のトリテを考える」で提案した「切り札が途中で切り替わるキリキリトリテ」や「場の相状態で切り札スートが動的に決まる天敵トリテ」など、FESCAのスートの相順序や強弱関係の特徴を活かしたトリテでしたが、今回の「2つのリードスートがあるダブルリードトリテ」も同じくFESCAのスート相関係という特徴を基に考え出したものです。ただし前回のは、元々あるリードスートと切り札スートの2者の関係は常に切り札スートの方が強い固定関係があり、従来のトリテの基本ルールに沿った範囲の改変ルールでした。これに対して、今回のダブルリードはトリテの常識を外れた第2リードを認めてしまい、2者の強弱を多数決とスート関係を基に決めるという点が斬新であり、これは多スート多人数トリテの新規ルールと見なせる独創的なアイデアではないでしょうか。 4スートのトランプでは絶対に出てこない発想だと思うのですが、5スート以上のトリテ・カードゲームはそこそこの数が世に出ていますので、もしかしたら同じアイデアのゲームが在ったりするかもしれません。ご存知の方はTwitterのDMで連絡ください。 ちなみに草場さんブログの中で述べられている「今回のゲームマーケットでもスートを増やした陰陽五行カードを見かけた。」って、これFESCAのことです。覚えていただいてたのは嬉しいのですが、「FESCAは単にスートを増やしただけのカードセットではないですよ」と言いたいです。 関連: FESCA(フェスカ)のトリテを考える ゲーマーじゃんけんの新しい名前を考えてみた。 FESCA(フェスカ):バトル・オブ・エレメンツ・レベル1(2人制)(略称 BOEL1) FESCA(フェスカ)は78枚だけどタロットではない 変更来歴 2024.06.19 画像ファイルの再アップロードで復旧させました、と書きたいが、実質サムネイル画像のみでそのファイル名が不明で復旧できず、新規にサムネイルを作成しました。
- 2020/7/24 10:59
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ)は78枚だけどタロットではない
- #トランプゲーム の説明図を作るのが大変なので、テキストだけで何とかならないか考えてたらUnicodeにトランプカードの絵文字があることを思い出して調べてみたら、その近くに謎のカード絵文字を見つけて、なんじゃこれ~、となった。 枚数が22枚でローマ数字が付いてることから、直ぐに#タロット の #大アルカナ だと気付いた。よく見るとトランプの方も絵札がJQKでなくJCQKとなってるし、絶対にそうだと確信した。ちなみにCはカバロ(cavallo、騎士)だ。 0は愚者、なるほどイイ感じ、 1は魔術師、えっ、ただの人?、 2は女教皇、これは誰がどう見ても赤ん坊??、 3は女帝、おさげ髪の女の子?、 月や太陽もあるので、やっぱり大アルカナらしいんだけど太陽3枚に月2枚?? で、再びの、なんじゃこれ~ってなった。 この謎はWikipediaの「ゲームとしての現在のタロット」を読んで解決した。 #トリックテイキング ゲームに使われるタロットは占い用とは全く違うんだってこと。 そんなん初めて知った。この発見の喜びを#ゲーム好き の皆にも共有したい! さらに面白い発見があって、この#ピクトグラム っぽいカードの #Unicode 文字は最新のフォントにしか含まれていないらしい。ブラウザーで表示されている文字をテキストエディタにコピペしても正しく表示されなくて、HTMLソース解析までしてしまった。 WindowsのIMEパッドでは、追加多言語面の後ろの方に麻雀やドミノ牌と共に並んでる。 色々試してみたけど含まれてるフォントはSegoe UI Symbolのみっぽい。 それにしても、このカードデザインは寄せ集めのパクリらしくて手抜き感が酷い。春夏秋冬は麻雀牌からだろうけど、春のチューリップだけ別のところから持ってきたらしく統一感がない。朝昼夕夜、風と地、火と水は、頑張った感はあるけどセンスは悪いかも。 これに関連して思い出したことがある。 #ゲムマ のブログの「FESCA(フェスカ)誕生秘話」にも書いたけど「トランプって西洋生まれなのに不吉とされる13のランク数って、どうして?」の件だ。 少しばかり手間をかけて真面目に調べれば分かることなので、あえて答えは書かなかったたけど、ネット検索で多数表示される俗説と呼ばれるウソ情報が氾濫していて、なかなか正しい答えに辿り着けないので、やっぱり明記しておく。 答えは簡単でランク数は13だけじゃない。たまたま近代に日本に伝わってきた英米式のカードが13ランク×4スート=52枚の構成だったってこと。欧州ではラテン式と呼ばれる12ランクの方が歴史的にも古くて主流であった。16世紀に日本に伝わったカードはその形式で、ポルトガル語のカードが「カルタ」で日本語の「かるた」となって、天正カルタや花札の48枚構成の元になった。 14ランク×4スート=56枚のトリックテイキング用のカードもあって、切り札専用カードを加えて78枚構成のタロットが生まれ、これにオカルト要素を追加して占い用に売り出したら大ヒットしたというのが事実らしい。古めかしいデザインで神秘感を演出したのを、後世の愚かな人が「タロットはトランプの起源」とか信じちゃって論争にもなったようだが、やっぱり歴史的な証拠資料からも否定されているそうだ。 話が逸れたが、まとめると「13だけではなく、12や14もある。日本で普及した英米式カードが13だった。」ということ。 ここで満足してはいけない。なぜ英米式カードは13ランクだったのか。ここまで突き詰めた記事は見つけられなかったので勝手に自分で考えた。 ランク数はゲームの種類によって決まる。当時はカードゲームと云えばブリッジが圧倒的な人気で、4人制の2人2組のペア戦で引き分けにならないように奇数トリック数となるようにランク数の13が選ばれたのだと考える。 訂正です。 「ラテン式の12ランクの方が歴史的に古く主流だった」は言い過ぎで、ラテン式は古いデザインを保持しているだけで、12ランクが主流というわけではなく、歴史的には13ランクの方が主流で、他のランク数がそこから派生したという可能性があります。 関連: FESCA(フェスカ)誕生秘話ートランプをゼロから再発明してみたら、こうなった。 FESCA(フェスカ)のトリテを考える FESCA(フェスカ)トリテ創作レベル3 変更来歴: 2020.07.09 「訂正です。」からの段落を追加しました。 2024.06.10 画像ファイルの再アップロードで復旧作業。サムネイル画像はこれだったかな。
- 2020/7/7 11:25
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ)トリテ創作レベル3
- トリテ(トリックテイキング)とセットコレクション(役組作り)を合わせた創作トリテです。 配られた手札で先に役作りして公開し点数を確定させて、その後トリテを普通に行う方式のゲームは古くからあります。 各トリック毎にカードを選び取って役作りするトリテは、ゲームマーケットで見かけたことはありますが、割と少ないように思います。同じスートを集めて枚数を競うだけとか、予め定められた別な役札だけを集めるとかで、ポーカーやラミーの役組のような汎用でがっつりした役組作りのゲームは知りません。 トランプにも適用できる独自性の高いゲームを創作できたと自負しています。 もし類似ゲームをご存知の方がいましたらツイッターのDMなどでお教えください。 その他 FESCAの詳細に関しては、FESCA で検索してください。 解説 FESCAトリテの切り札無しのミミックトリテを基(ベース)にしていますが、素トリテや切り札有りのミミックトリテと組み合わせても面白いかと思います。トリテでの化け札が役組作りでは普通に戻る云う札の変化が楽しそうと感じたので、この組み合わせとしました。実は、役組にワイルドカード(化け札)を使わないのは、確率計算が大変で得点表を作るのが面倒くさかったと云うのも理由です。 説明書ではポーカー役を例えに使っていますが、これはラミー役で例えるより馴染み深くて分かり易いとの考えからです。でも本格的なセットコレクションゲームであるラミーの方が枚数の変化に対応している点では近いのです。RUNやSETの英語の役名もラミーから採っています。 同種連番の連(RUN)役を2枚からとしたのは、他のゲームには無い凄い英断だと思います。 枚数を増やすごとに得点が増えるこの仕組みは、FESCAワイルドラミーRや、その派生の五色波札の「なみマ」を基にしています。ポーカーの同位揃えのワンペアが2枚から有効であることから、ラミーのSET役も2枚からと対称化しようと計算してみたら、同種連番2枚のRUNも同程度の確率であり採用できると確信したのです。 ついでながら、役名を漢字一文字で表現するところも「なみマ」の影響を受けています。 ちなみに「連」の役名はRUNと発音が近いことが採用の理由となってます。 ポーカー役に無い「彩」役は、FESCAミクセルポーカーが基になっています。4種スートのトランプと5枚手札のポーカーとからは絶対に生まれ得ないFESCA独自の役です。 一見すると役として認められない規則性の無いバラバラな札の集まりでも、逆にそれが特徴となって役として成立すると云う考えは、花札の「こいこい」のカス札集めのように枚数が増えればそれなりの役になることが基となっています。 ブログでは名前を「トリコレ」としていましたが、あまりにも単純な省略連結であり、名前本来の識別する機能が失われています。でも呼び易さや分かり易さも重要なのでどうにも捨てきれません。安易な逃げ技ではありますが、特徴を表す「彩」のミクセル(Mixwell)由来のXをお尻に付けました。カタカナ表記では「トリコレックス」でなく、アクセントを前に置き「トリコレクス」としています。これで識別力がさらに強化されます。 このゲームは本当に創作レベル3なのか。 前述のようにトリテとセットコレクションの組み合わせはオリジナルではないので、フェスカ要素の追加(レベル1)と、独創的アイデアの追加でレベル2止まりです。でも拡張ルールの「取り札の持ち越し」や「完全捨て流し」まで含めれば、元ゲームとの差が大きくなるので、融合型のレベル3でないとしても、独自性が高まり質的変容したレベル3と認めてもよいのではないでしょうか。「2位以降の人は自分の札が取れない」「フォローできなかったら取れない」の基本ルールも独自性を高めていると思います。 オリジナルゲームでも所詮は創作サンプルゲームです。FESCAトリテの形態のひとつであって、改良を施して、さらに進化させていく土台となってくれれば幸いです。 関連 FESCA素トリテやミミックトリテに関しては、こちら⇒ FESCA(フェスカ)のトリテを考える FESCAワイルドラミーRに関しては、こちら⇒ FESCAワイルドラミーR再始動 「なみマ」に関しては、こちら⇒ なみマ ミンクセルポーカーに関しては、例えばこちら⇒ ミクセルポーカーF78とF60の比較 FESCA創作レベルに関しては、こちら⇒ FESCA(フェスカ)創作の階段 TESCAに関しては、こちら⇒ FESCAでもっともっとミクセルポーカー 以下は、創作中のツイートまとめです。最終形態は構想と異なっている点も多々あります。 #FESCA トリテの創作レベル3を考える。 レベル3は質的変容だ。もはやトリテとみなせないほどにルールが大きく変化してたり、トリテと別ゲームの融合で全く違うゲームになっているとかだ。 ラミー系のセットコレクションの要素を取り入れてみる。 同ランクを複数枚揃えてセット、同種連番を3枚以上揃えてラン、その枚数に応じて難易度で対応する得点が決まって役作り、合計点を競うゲームだ。 トリテで勝つと、その場に出ているカードから好きなカードを一枚取れる。次に勝っている人か残りから一枚取る。また次の人が取るのを繰り返す。 ただしフォローできなかった人は、そのトリックでカードを取れない。残りカードは流し捨てる。あるいは次のトリックで取れるカードに持ち越しと云うのもありかも。 トリックに勝った順に好きなカードを取れるゲームは、どこかで見たことがあるのでオリジナルではない。 名前はトリックテイキング・セットコレクションで英語的な略はTTSC、日本語ならトリコレでいいかな。 よく考えたらトランプでも可能なゲームだ。FESCAを使うことで圧倒的に面白くなるルールや特徴がなければFESCAの創作ゲームとは言えない。 トランプより役が作りやすいのは特徴か。陰陽をスートワイルド、空無をランクワイルド、太極をジェネラルワイルドとすれば確かに役は出来やすくなる。でもそれだけでは物足りない。ミクセルポーカーの役を取り入れてみよう。 ミクセル役は木火土金水の5スートを1枚ずつバラで集める役だ。セットやランが枚数に応じて得点が決まるとすると、確率的にも4枚ぐらいから得点になりそうな感じだ。同じスートを集めるフラッシュ役は3枚以上から得点かな。 きっちり確率計算して得点バランス調整が必要だ。 そしてまた考える。トランプでもミクセル役は可能ではないかと。確かに有り得る。スート4種で枚数発展性はないが、フラッシュ役と共に追加することには問題ない。 そしてもう一つポーカー役の追加とするのならストレートを忘れてはならない。同種連番のランに対して、スートを問わないただの連番だ。ポーカーでは5枚揃えて役になるが、3枚以上ぐらいからで良さそうだ。 ちなみに、この辺の役作りの考えは五色波札の「なみマ」に近いと思う。 同種連番、連番、同位組、同種組、異種組の5種類の役になる。 連番は異種連番とすると役の対称構造ができて美しくなるが馴染みがないので難しいかと思う。すなわち連番はスートを全く無視してランク数が連続であればよく、異種連番はスートが全てバラバラになっていなければならない。 連番は同種連番の崩れ役になるが、異種連番は異種組の中の特別な形でスート数が連続枚数の上限になる。 ゲームの美しさと分かり易さのどちらを取るべきか悩みどころか、否、選ぶ基準はそんなものではなく、面白さが最優先されなければならない。やってみないと分からないのでアイデアは保留としとく。 変更来歴 2020.5.29 2020.5.29 解説の文を全面的に修正追記しました。関連リンクを追加しました。 修正前は、こちらです。 解説 FESCAトリテ切り札無しのミミックトリテを基(ベース)にしていますが、素トリテや切り札有りのミミックトリテにしても面白いかと思います。トリテの化け札が役組作りでは普通になる札の変化が楽しそうと感じたので、この組み合わせとしました。 役組にワイルドカード(化け札)を使わないのは確率計算が大変で、得点表を作るのが面倒くさかったのも実は理由です。 説明書ではポーカー役を例えに使っていますが、ラミー役で例えるより馴染み深くて分かり易いとの考えからです。 セットコレクションのゲームであるラミー役の方が、もちろん近いです。同種連番の連(RUN)役を2枚からとしたのは、他のゲームには無いので凄い英断だと思います。これは枚数を増やすごとに得点が増えるFESCAワイルドラミーRや、その派生でもある五色波札の「なみマ」の役組を基にしているためです。また役名を漢字一文字で表現するところは正に「なみマ」の影響です。 さらにポーカー役に無い「彩」役は、FESCAのミクセルポーカーが基になっています。規則性の無い集まりで役として認められないバラバラな札でも逆にそれが特徴となること、枚数が増えればそれなりの役になる花札の「こいこい」のカス札集めが考えの基で、採用した理由となっています。 ブログでは名前を「トリコレ」としていましたが、あまりにも単純な省略連結であり、名前本来の識別する機能が失われています。でも呼び易さや分かり易さも重要なのでどうにも捨てきれません。安易な逃げ技ではありますが、特徴を表す「彩」のミクセル(Mixwell)由来のXをお尻に付けました。アクセントを前に置き、カタカナ表記では「トリコレックス」でなく「トリコレクス」としています。これで識別力も強化されます。 本当に創作レベル3なのか、前述のようにトリテとセットコレクションの組み合わせはオリジナルではないので、元ゲームがあるとすれば、フェスカ要素の追加といくつかの独創的アイデアの追加でレベル2止まりです。でも拡張ルールの「取り札の持ち越し」や「完全捨て流し」まで含めれば元ゲームとの類似度が大きくなり、融合型のレベル3と認めてもよいのではないでしょうか。 「2位以降の人は自分の札が取れない」「フォローできなかったら取れない」の基本ルールも独自性を何気に高めていると思います。でも所詮は創作サンプルゲームです。FESCAトリテの形態のひとつであって、改良を施しさらに進化させていく土台となれば幸いです。 2024.06.18 画像ファイルの再アップロード」で復旧させました。サムネイル画像は、これでなかったかもしれません。
- 2020/5/23 11:41
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ)のトリテを考える
- 陰陽五行プレイングカード FESCA(フェスカ)の創作サンプルとしてトリテ7種(実質5種?)を考えましたので公開します。 ゲーム名:FESCA素トリテ(ふぇすか すとりて) 創作レベル:★(1.0) 概要:FESCAのトリックテイキングゲーム(トリテ)の素となる基本ルール ルール説明: 標準的なマストフォローのトリテに従う。 陰陽は固定の切り札スートとする。 空無はリードで13、フォローで0のZAT、太極は陰陽のZAT扱いとする。 最も多くトリックを取った人が勝ち。最多トリック数が同しなら、その中で最後にトリックを取った人が勝ち。 人数に応じてカード編成を変える。 3人:14x3=42枚(Z,1~6) 4人:13x4=52枚(Z,1~8,陰陽の1と2を抜く、または2枚残し未使用) 5人:13x5=65枚(Z,1~10,太極抜き) 6人:13x6=78枚(Z,1~12) 7人:11x7=77枚(Z,1~12,太極抜き) ゲーム名:FESCA転倍トリテ(ふぇすか てんばい とりて) 創作レベル:★(1.0) 概要:取得したカードの枚数と種類で決まる得失点を競うトリテ ルール説明: 標準的なマストフォローのトリテに従う。 陰陽は固定の切り札とする。 空無はリードで0、フォローで13のZAT扱い。(※素トリテとは逆になることに注意) 太極は空無のZAT扱い。 得失点 五行札:1枚1点、必ず得点(プラス点)となる。 空無札:-2点×同スートの五行札の枚数、必ず失点(マイナス点)となる。 陰陽札と太極札:陰札は-2点、陽札は+2点、太極札を0点として各枚数分の点を掛け合わせた点 例えば、陰札2枚、陽札1枚なら、(-2)×(-2)×(+2) = +8点 よって陰札の枚数によりプラス,マイナスが切り替わる。太極札があれば必ず0点となる。 ただし陰札と陽札が足して13となる補数関係にある組(1と12,2と11,3と10,4と9,5と8,6と7)は、対消滅して無効化され点数計算からは除外される。(2020.5.22追記) これら札種毎の点を足し合わせた合計点を各人の得失点とする。 勝敗 最も点数の高い人が勝ち。同点なら取得トリック数が多い人が勝ち。 さらに同トリック数なら、その中で最後にトリックを取った人が勝ち。 ゲーム名:FESCAキリキリトリテ(ふぇすか きりきり とりて) 創作レベル:★★(2.0) 概要:切り札がゲームの途中で切り替わるトリテ ルール説明: 切り札は最初のトリックのリード札のスートとする。その札のランクが奇数で陽場、偶数で陰場で始める。 太極札が場に出た次のトリックから切り札スートが切り替わる。場の状態が陽場なら相生順で、陰場なら相克順で次のスートが切り札となる。陰陽場の切り替えは、陰陽札が場に出た時点で即時切り替わる。 相生順:木→火→土→金→水→木(カード裏面のエンブレムの白矢印の順番) 相克順:水→火→金→木→土→水(カード裏面のエンブレムの黒矢印の順番) 陰陽は見習いスートワイルドとする。見習いとは、場に出ているスートにのみ化けられるということ。 後から出される札のスートに化けることも可能であるが、場にある同ランクのスートには化けられない。 空無はリードで13、フォローで0のZAT、太極は陰陽のZAT扱いとする。 拡張ルール: 太極札が場に出た瞬間に、場の状態により切り札が切り替わる。 陰札6枚が出揃うと相克順に、陽札6枚が出揃うと相生順に、その瞬間に次のスートに切り札が切り替わる。 ゲーム名:FESCAミミックトリテ(ふぇすか みみっく とりて) レベル:★★(2.2) 概要:陰陽と空無は見習いの(ミミック)化け札(ワイルドカード)とするトリテ ルール説明: 切り札スートは最初のトリックのリード札のスートとする。 見習いスートワイルドは、場に出ている札のスートに化けられる。トリックに勝つためには切り札スートかリードスートに化ける。ただし本物には化けられないので、場に同一の札がある場合は、化けられずに陰陽スートの扱いで負けとなる。 見習いランクワイルドは、場に出ている札のランクに化けられる。ただし本物には化けられないので、切り札スートやリードスート以外の高ランクの札が場に出ていないとトリックに勝つことはできない。 陰陽札はゆるいスートワイルドとする。手札にある内は持ち主が自由にスートを決めてよい。 すなわち陰陽札を持っていてフォローしようと思えばできるけど、別スートとみなせばフォローしなくてもよい。 ゆるいミミックスートワイルドなので、場に出ている切り札スートのつもりで場に出した後で、場の状態が切り替わって切り札でなくなっても、後からリードスートに化けて勝負できる。 陰陽札をリードで出した場合は、スートワイルドではなく陰陽スート扱いとする。 手札に陰陽札を持っていればフォローして出さなければならない。陰陽スートに勝てる切り札スートは無い。 空無札はスートが確定しているので、同スートがリードされたらフォローして出さなければならない。 太極札は陰陽の空無扱いとする。 ゲーム名:FESCA天敵トリテ(ふぇすか てんてき とりて) レベル:★★(2.2) 概要:切り札スートがリードスートに従ってトリック毎に切り替わる変則トリテ ルール説明: 場の相状態によりリードスートに勝つスートを切り札スートとする。これを天敵スートと称する。 リードスートに対して、陰場なら相克先勝で陽場なら相生先負の関係で勝てるスートが切り札スートとなる。 場の初期状態は、最初のトリックのリード札の偶奇で決める。(奇数なら陽場、偶数なら陰場) 場の相状態の切り替えは、陰札か陽札が場に出たら即時に切り替わる。トリック勝負は全員が札を出し終わった時の場の状態で動的に切り札が決まるので、フォローできなくても切り札となって勝てる場合がある。 陰陽は第六の陰陽スート(固定の切り札ではない)として扱う。五行相関から外れているので切り札スートになることもない。(2020.7.23 追記) ゲーム名:FESCAミミック天敵トリテ(ふぇすか みみっく てんてき とりて) レベル:★★(2.4) 概要:ミミックトリテと天敵トリテの合成 ゲーム名:TESCAトリテ(てすか とりて) 創作レベル:★(1.0) 概要:少人数用にTESCAのカード編成を使用したトリテ ルール説明: TESCA(FESCAから金,土スートを抜いた52枚の構成)を使用する。 2人:15x2=30枚(Z,1~8)6枚は残し伏せたまま未使用とする。 3人:17x3=51枚(Z,1~12,太極抜き) 4人:13x4=52枚(Z,1~12) その他ルールは、FESCA素トリテに従う。 キリキリトリテでは、 順序は、木→火→水→木 陽場で次のスート(正順)、陰場で前のスート(逆順)に切り替わる。 天敵トリテでは、 強さは、木<火<水<木 の関係とし、場の状態に依らない。 以下は創作過程のツイッターのまとめです。 読み易くなるように段落と改行など修正されています。 陰陽五行プレイングカード #FESCA のトリックテーキング(#トリテ) を創作中なんだけど、オリジナル版の前にFESCAトリテの基本形態を確定しておくべきだと考えた。名前は「素トリテ」、素うどんの素(す)をつけてみた。 ちなみにFESCAの花札系ゲームは「花合わせ」からの対応で「素合わせ」、元素の素で「そ合わせ」です。 #FESCA #トリテ の基本形を考える。 トランプは13ランク×4スート=52枚の構成でトリテは4人制で手札13枚が標準です。今では占い用カードとなってしまったタロットカードも元を辿ればトリテ用のカードだとか。トランプより絵札が1枚多い14ランクの4スート構成の小アルカナに、切り札専用の22枚の大アルカナの組み合わせで78枚は偶然にも、FESCAの(12+1)(5+1)=78枚と同じです。 とすれば、陰陽を切り札専用とするのもありかも。 あるいは陰陽をスートワイルドとしてリードスートに化るのがFESCAらしくて良い感じ。 #FESCA #トリテ の基本形を考える。その2 陰陽をスートワイルドとすれば、マストフォローに、どう対応するかが問題だ。 手札にリードスートが無いが陰陽札はある場合である。同じスートとみなせば出さなければならないし、別スートだとみなせば出す必要はない。どちらもトリテとして成立するだろうけど、より選択の幅が広い後者の方がゲームとして悩みどころが多くて楽しめそうだ。 また陰陽札をリードした場合は、どう扱うかも問題だ。スートワイルドとして五行スートを宣言して出すのもあり。 宣言無しなら、次の人が決められると云うのもあり。 あるいはスートワイルドと第六スートの兼用もある。通常はスートワイルドとして使うがリードされたら、それを第六の陰陽スートとして扱うと云うこと。他者は陰陽スートをフォローしなければならない。 陰陽札の二面性が現れていてFESCAらしくあっていい! FESCA #トリテ の基本形を考える。その3 次は空無札の扱い。順当にFESCAの機能を割り当てるとすれば、ZAT(0と13)かランクワイルドなんだけど、ランク数の大小比較するトリテなので、扱いはちょっと難しい。バトエレ(戦争が元ゲ)のZATは基本13だけど相手が同じスートだと0になる規則である。マストフォローのトリテで、このルールを適用すると、ほぼいつでもゼロの使えない弱いカードになってしまう。トリテ専用ルールが必要だ。 例えば全員フォローで同じスートなら13そうでなければ0とする。またはその逆もある。 さらに、同じスートが二人だけなら13だけど三人以上で0とか。またその逆もあり。さらにもっとでは、同じスート枚数の多数決で決めるのもありそう。ちょっと見方を変えて、リードに使うときは13だけど、フォローするときには0になるってのは、どうだろう。 ひとつひとつ試してみる必要がある。突出して面白いとか、破綻していて使えないというのを除けば、ゲーム毎にルールを変えて楽しむ事もFESCAらしくて良いと思う。 もう一方のランクワイルドはどうだろう。 こちらの方が厄介かも。任意のランクに化けられるとすれば、最強の12に化けるのが当たり前だけど、ほぼ常に最強だとつまらない。FESCAの基本ルールの本物には化けられないを適用してもまだ強すぎる。 もっと弱いワイルドカードにしたいと思い付いたのが、見習い化け札だ。 いつでも何にでも自由に化けられるのが師匠タヌキだとすれば、目の前に見本がなければ化けられない新米タヌキが、それだ。徒弟、弟子、見習い、研修生、練習生と様々な表現があるが、現物を見て化けるの意味が伝わる「見習い」を採用した。 英語の表現も色々検討して"mimic"とした。模倣するの"imitate"より化けて騙す感じがあって、音節も短くて動詞で名詞で形容詞なのが使いやすい。 弱っちい化け札"weak wildcard"より"mimic wildcard"の方がかっこいい。 #FESCA #トリテ の基本形を考える。その4 目的は最も基本的なトリテのルールを決めること。だとすれば、できる限り単純であるべきだ。 ワイルドカードは複雑で難しくなりがちなので、基本形にはなり得ないことに気づいた。 シンプルにまとめて行こう。 陰陽スートは固定の切り札、 空無はリードで13、フォローで0のZAT、太極は陰陽のZATとする。 これを FESCA素トリテ と名付ける。 #FESCA #トリテ レベル1を考える。 創作中レベル1はトランプのゲームを基にFESCA要素を追加したゲームだ。どの程度FESCA要素を盛り込むかにより、少数表記で細かくレベル分けする。多く強く加えるほどレベル2に近付く。 例えば空無札の扱いをレベル加点ごとに並べると、 0.0 ランク0とする ランク13とする 0.1 0と13(ZAT)とする 0.2 ランクワイルドとする 0.3 ZATとランクワイルドの両方とする など。 より細かく分けると、ZATは2種あり、 「0か13のどちらか」.「0であり13でもある」 同じくランクワイルドにも 「硬い・きつい・強い」と「柔い・ゆるい・弱い」の2種がある。 前者は化けるスートを決めるのは一人だけで一度確定させたらそのスートに固定される。 後者は逆に自分でも他者でも自由にその都度決められ変化する。 陰陽札の扱いに関しても同様であり、これらの組み合わせ分だけのレベル1トリテが考えられる。 基本形を考えるで提示した「見習い化け札」のトリテをミミックトリテと名付けると、これは化け札と云うFESCA要素を取り入れているだけなので、レベル1ではあるが、限りなくレベル2に近い。 見本が無ければ化けられない「見習い化け」は、今までにない新しいアイデアなのでレベル2の独自性ある 新しいアイデアと云う要件を満たしているけど、それはトリテだけでなく汎用的に他のゲームにも適用できる。 新しいレベル1要素とした方が面白い。 #FESCA #トリテ レベル2を考える。 その要件は新規性のある独自ルールの追加だ。既にトランプゲームでも専用カードのトリテでも多種多様なアイデアが試されているので、真に新規かどうかは難しいけど、FESCAの特徴を活かして組み合わせれば、独自性は確保できそうだ。 例えば、単純だけど万能なアイデアに「負けるが勝ち」がある。獲得トリック数が少ない人が勝者とか。 それでは単純すぎるからと、少しひねりを加えて「ハート札は一枚ごとに-1点」の基本ルールで「ハーツ」は、大人気のトリテだ。 ハートの代わり陰陽スートを減点札とする。これだとレベル0だ。陰陽を見習いスートワイルドとする。 これでレベル1にはなった。あと一捻りアイデアが必要だ。FESCAの特徴に着目して考える。 陰陽と言えばマイナスとプラスに対応するので、陰札を-1点、陽札を+1点、他の札は0点としてみる。 単純すぎて面白くなさそう。 陰札をマイナス符号、陽札をプラス符号、他札を一枚1点としてみる。陰札を一枚取ると大逆転ありで、これは面白そうだ。でも陽札が活かされていないのが気になる。陽札は×2の倍機能札とするのもあるが、陰陽の対称性が失われて美しくない。 ならば陰札は-2点、陽札は+2点、他札は点数に関与しないとして、取り札の積を点数とするのが良さそうだ。 太極を陰陽スートに含めるとすれば、0点がふさわしい。 欠点としては必ず点数が2のべき数になってしまうこと。 改良案は、陰陽スートによる点とは別に五行札を一枚1点とし、空無札は取得した同じスートの五行札の枚数掛ける-2点とするなど。 名前はどうしようか。 陰陽符号トリテ、陰陽倍々トリテ、陰陽正負反転トリテなど。やはりゲームの特徴を表す用語は使いたい。 陰陽転倍トリテ、正負符号反転と倍々を一文字ずつ取って繋いでみた。 陰陽札に減点要素を与えると、不利になる状況でわざと負けるように、リード以外のスートに化けることができるが、これは許すべきか否か。少人数なら場に出ているスートにしか化けられないという「見習い化け」の縛りが効くので許して構わないと思う。多人数では、化けられるなら必ずリードスートに化けなければならない、とすべきだと思う。 切り札有りルールなら、可能ならより強くスートに化けなければならない、とする。 ここで「可能なら」の条件が付いている理由はランク一致して同一札には化けられない原則があるためだ。 このような詳細詰めや得点のバランス調整が必要だが、今はアイデア出しなので、後回しにしておこう。 #FESCA #トリテ レベル2を考えるは、まだまだ続く。 独自性あるアイデアのネタ元はFESCA要素にあり、ということで、まだ触れていないスート関係に着目してみる。 陰陽を見習い化け札として、他の五行スートから切り札スートを決める切り札有りルールのトリテを考える。 FESCAにはスートに相生相克の順序関係がある。 ゲームの途中で切り札スートが次のスートに切り替わるトリテはどうだろう。 切り替えのタイミングは、と言えば、FESCAの定番ルールの太極札が場に出たときとする。 切り替えの順は、場の相状態で決める。 陰場なら相克の順序で次のスートに、陽場なら相生順で、場の相状態の切り替えは陰陽札が場に出たらその都度に、これも定番だ。 詳細に切り替えタイミングを考慮すると、札を出した直後とターンやフェーズ単位の境界の二つがある。 例えば陽場で陰札、太極札、陽札の順で出されたトリックで途中で切り札が替わるのか、次のトリックから切り替えるのか。 ルールの分かりやすさと面白さのどちらを優先するかにもよるが、試して見なければ分からない。 前者なら即時切り替えなとで、陰札が出て陰陽に切り替え、その状態で太極札が出て相克の順で次の切り札スートが確定する。 陽札が次に出されて陽場に戻るが、新しい切り札は既に決まったので影響ない。 フォローできずに捨て札として出した札が思わぬところで切り札になってトリックが取れてしまい、流れが変わって逆転勝利とか、はちゃめちゃ感が楽しめそう。 後者なら、最後に出された陽札で陽場のまま相生順で次のトリックからの切り札が決まる。 太極札を出しで思いどおりの切り札スートにしたつもりが、次の人に陽札を出されて、ひっくりかえされたとか、戦略的な深読みが面白いと言う人もいるはずた。 やっぱり決められない。どちらも公式ルールとしておき、市場原理に任せるのもありか。 切り札スートを切り替えるトリテの名前を決めるの忘れていた。 やはり特徴を表す名前が望ましいので、まんま「切り札切り替えトリテ」として、省略して「キリキリトリテ」はどうだろう。 英語で、切り札はトランプなのは、トリテする人は誰でも知っていることだけれど、一般人には伝わらない。 切り札と言う用語は、本来はトリテで使われて、カードを切ると云う動詞にもなった一般用語でもあるのに、元の用語を使うと、むしろ意味が伝わらない。「スイッチトランプ」はダメダメかなぁ。 #FESCA #トリテ を改良する。 #ゲムマ ブログに創作サンプルとして公開したFESCA転倍(てんばい)トリテだけど、よく考えたら陰陽札を12枚全部独占した得失点が半端なくデカくなりゲームとして破綻していることに気づいた。多人数で序盤から陰陽スートをリードすると 皆がフォローすると一気に5,6枚は集まってしまうことはざらにあり、それが2,3回続けば10枚以上の独占も容易である。2のべき乗なので、10枚で1024点、11枚で2048点、12枚だと4096点だ。五行札は1枚1点なので、1ゲームで全て独占しても60点だ。 得点バランスが悪過ぎだ。 改良案として陰札と陽札の補数関係の対消滅ルールを考えた。陰陽札で足して13になる2枚組は点数計算から除外すると云うことだ。例えば1と12,2と11,3と10の組み合わせだ。12枚全部集めたら、6ペア全て無効化されて0点だ。陰陽別に分けて集めても混在して集めても、有効枚数の上限は6枚と なるので最高得失点は2の6乗の±64点に抑えられる。 これにより陰陽札をリードする無駄遣いがなくなり、切り札として要所に使用されるだろう。 変更履歴 2020.5.22 「FESCAトリテを改良する。」以降を追加し、対応するFESCA転倍トリテのルールに、補数関係で対消滅の文を追加 2020.5.22 カード編成4人用の2枚余りを追記修正 2020.5.22 最高得失のは2の6乗の±64に抑えられる。⇒ 最高得失点は2の6乗の±64点に抑えられる。 2020.5.22 検討して"mimic"模倣するの"imitate"より化けて騙す感じ ⇒ 検討して"mimic"とした。模倣するの"imitate"より化けて騙す感じ 2020.7.23 以下の補足説明文を天敵トリテに追加 陰陽は第六の陰陽スート(固定の切り札ではない)として扱う。五行相関から外れているので切り札スートになることもない。 2024.06.19 画像ファイルの再アップロードで復旧させました、と書きたいが、実質サムネイル画像のみでそのファイル名が不明で復旧できず、新規にサムネイルを作成しました。
- 2020/4/30 19:30
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ)で花札系ゲームを考える
- 陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)の創作サンプルゲームとして、花札系の花合わせを基にしたゲームを創りましたので公開します。 点数計算の例 PDF FESCA素合わせRev11 (FESCA_SOAWASERev11.pdf) FESCA素合わせ得点計算例 (FESCA_SOAWASE_PointSample.pdf) 解説: FESCAをご存知ない人は、先ずこれを読んで下さい。 FESCA(フェスカ)をトランプと比較してみた。 FESCA(フェスカ)創作の階段 タイトル:素合わせ 創作レベル:★★★(2.8) 詳細説明: ■レベル0要素(基ゲームと同じまたは類似) ・基本ゲームシステム 手札から1枚出し山札を1枚めくり、それぞれ場札とランク(数、花柄)一致していたらそのペアを取得する基本システムは同じです。花合わせを基(ベース)ゲームとして創作しているので当然ではあります。 ・得点システム 20点,10点,5点,0点の札の素点の構成とその存在比率がほぼ同じです。素点は5点を単位に10,20と倍々になる実質的な2進数体系です。一般的には高い得点の札ほど枚数を少なくするのですが、花札は5点の短冊(タン)と10点の種(タネ)がほぼ同数という特徴があります。素合わせでは、これらを主・副スートに対応付けて踏襲しています。ちなみに花札では、20点が5枚,10点が9枚,5点が10枚,0点が24枚の構成です。花札では種,短,カスが変則スートの構成なので、五行の2つを10点と5点に、残り3つをカスの0点に、陰陽札を20点に対応させました。陰陽札はそのままだと12枚で多すぎるので、陰陽の場の状態に応じて陰札か陽札の片方が20点となるようにして高得点札の枚数を調整しています。 ■創作レベル1要素(FESCAの特徴を追加) ・4スート(2ペア)→6スート(3ペア) 花札とFESCAの最も大きな違いです。 ・多人数対応 花合わせは3人制のみですが、素合わせではFESCAの柔軟なカード編成(スケーラビリティ)を活かして3~6人で遊べるようにします。少人数では56枚使用を規定ルールとしていますが78枚を使用しても構いません。 ・陰陽場の設定(場の変化) 20点札が陰札か陽札か判らない状態から始まる悩ましさがあり、最後まで逆転の可能性があって面白くなると考えました。ただし単純に太極札が出たら切り替わるのでは、最終的に必ず初期状態から切り替わることが確実で、それでは意味を成さないため太極札が「山札からめくりで出る」ことを条件としました。 ・空無札と太極札の扱い 通常はランク一致で合わせますが、空無札を0ランクとせずにランクワイルドとして扱う「スート合わせ」の変則合わせとしています。空無札を同じスートで合わせると6枚3ペアの関係が崩れてゲームの最後に何枚か残ってしまうことになります。これを解決するため太極札の「残り合わせ」の仕組みを考えました。 ・役組の対応 花札の赤タン,青タン役は同スート3連番の役である「三連」に対応付けました。特定の短冊札の組み合わせ役を、広く一般化して全てのスートの任意のランク連番でも有効にしたことで、不要なカス札も選んで取る必要性が生じ、ゲームの戦略思考性を高めています。他人の連役を妨害する選択も時には必要となるでしょう。 「藤シマ」「桐シマ」などの同ランク(花柄)4枚集める役は「六合」役に対応させています。花合わせでは特定のランクしか役にならなくて、覚えるのが大変なのですが、素合わせは全てのランクに拡張して単純で判り易くしています。2ペア集めから3ペア集めとなり、役作りが難しくなっている分だけ役点を調整する必要があるかもしれません。 ■創作レベル2要素(独自ルールの追加) ・得点スート決め方 トランプの切り札宣言にも似ていますが、親が1枚を手札から晒す独自の方式を採用しました。ただし「公開手札として最後に使用する」という制約(縛り)により、自由に得点スートを決められる親の優位性を減少させています。手札1枚公開によるランク上げ巡回競り方式も検討しましたが、単純ルールが売りなのにあえて複雑化させるメリットがないので止めました。トリックテイキング系には使えそうです。 ・役組の宣言成立と役点の独立計算方式 花合わせでは役点は加点方式であり、役組が完成していれば自動的に素点とは別に役点がボーナス点として加えられます。偶然に揃う役ではなく、積極的に狙って役を作ることでゲーム性を高めるため、素合わせでは宣言と独立(分離)計算方式を採用しました。役は揃った時点で宣言しないと役と認められません。駆け引きが重要になります。 ・スート集め系の役 FESCAポーカーからの流用でフラッシュ役「五粋」(1色揃えで5枚)とミクセル役「五散」(各色1枚ずつの5枚)を適用しました。花合わせに対応する役が無い独自の役です。ただし花札の「こいこい」の種(タネ)や短(タン)を5枚以上集めると点になるルールが類似しています。 ・連役の一般化と拡張 花合わせの赤タン,青タンに相当するのが三連(←レベル1)ですが、素合わせでは特定のスートやランクに限定せずに全ての札に適用することで役の作り易さを求めました。さらに四連、五連と拡張(←レベル2)することで得点が大きく伸びる構造とし一発逆転の可能性も高めています。作るのは難しいですが連役を上手く作ることが勝利へのカギとなっています。 ・空無札のマイナス点化 空無札はスート合わせなのでランク合わせより容易に取れる構造となっています。当初は5点×同スート枚数とするプラス点のルール設定でしたが、手札に空無札が2枚もあれば高い確率で勝利できてしまい運ゲー要素が強すぎました。また場札の枚数が常に少なくなる傾向があるのも問題でした。取りたくないスートがあれば場札が増えて選択肢が広がりゲーム性が高まると期待して、マイナス点化を検討することにしたのです。単純で簡単なゲームを目指していたのでマイナス計算の複雑さは敬遠していたのですが、そもそもゲームは楽しくなければ意味がありません。楽しさは単純さに優先しますのでRev1.1として採用となりました。 ・役流し 花合わせの「雨シマ」の役流しに対応(←レベル1)していますが、空無札の集め枚数で無効とする役を3段階に切り替わる仕組み(←レベル2)にして戦略性を高めました。 ・平場 親の手札が(確率的には極めて低いが)全て陰陽札だと得点スートが決められない、というルール上の欠陥を見つけてしまい、その対策として考えました。実は空無札のマイナス点化はこれが元になっています。 ■創作レベル3(質的変容)か否か? 多くの独自性あるルールを積み重ねることで、総体としてゲームが元のゲームと全く異なるモノになることがあると考えています。個人的な主観での評価ではありますが、花合わせは、運7,論理2,心理1で賭博性が強いものでしたが、素合わせは麻雀に近く、運3,論理5,心理2で競技(ゲーム)性が高まったのではないでしょうか。すなわち高得点札を集めるだけの単純で簡単なゲームから、連役をどう作るか空無札をどう押し付け合うかなど考える要素が増えて、「単純ルールだが奥深い」ゲームに変容していると考えるのです。ちなみに心理2は太極札を誰が持っているか推理する要素です。特に手札の枚数が多い78枚の3,4人制が選択肢が多い分だけより競技性が強いと思います。 創作レベル3までは届かないかもしれないのでレベル2.8としています。四捨五入して★は3つです。 関連: 最新のFESCA創作ゲーム2作品 論理と心理のお邪魔虫 陰陽寮の呪符と護符 ミクセルポーカーのリンクまとめ FESCA60ポーカーを考える ミクセル・ポーカー/FESCA60ポーカーをもっと真剣に考えた FESCAでもっともっとミクセルポーカー FESCA78ミクセルポーカー役の確率計算 ミクセルポーカーF78とF60の比較 宣伝: FESCAは、Amazon, イエローサブマリン,ボドゲーマの通販でご購入いただけます。 昨年10月の価格改定で、よりお求めやすい価格になっています。 変更履歴 2020.01.23 PDFファイルの添付を忘れてました。追加しました。 2020.01.23 修飾が変で判り難い文を修正します。「独自の親が1枚を手札から晒す方式を」→「親が1枚を手札から晒す独自の方式を」 2020.01.24 「ボドゲ―マーの通販で」→「ボドゲーマの通販で」 2020.01.24 「てにをは」の修正です。 単純で簡単なゲームを目指していたのでマイナス計算の複雑さを敬遠していたのですが、そもそもゲームが楽しくなければ意味がありません。 ↓ 単純で簡単なゲームを目指していたのでマイナス計算の複雑さは敬遠していたのですが、そもそもゲームは楽しくなければ意味がありません。 2020.01.24 「役組の対応」の項に、以下の文を追加しました。 「藤シマ」「桐シマ」などの同ランク(花柄)4枚集める役は「六合」役に対応させています。花合わせでは特定のランクしか役にならなくて、覚えるのが大変なのですが、素合わせは全てのランクに拡張して単純で判り易くしています。2ペア集めから3ペア集めとなり、役作りが難しくなっている分だけ役点を調整する必要があるかもしれません。 2014.06.19 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。サムネイル画像は変わっているかもしれません。
- 2020/1/21 16:02
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- サイコロの雌雄の謎
- 長編ツイートのまとめ転載です。 対向する面の和が7は有名だけど、化学で云うところの光学異性体に相当する雌型と雄型の2つが存在していて、でも市販されているほぼ全てが雌型だとかはWikipediaで調べたりしない限り知る由もない。 一方の型だけが普及している理由とか、なぜそちらを雌型と呼ぶのかは謎である。 | 一般人は雌型と云われてもどちらか判断できないので、普及している方を正しい用語で「右手系」と呼ぶべきだ。 すなわち1を親指、2を人差し指、3を中指としたフレミングの法則のあの手の形の向きの関係である。(←「の」が多過ぎ!) | とすれば右手系を標準座標系(x軸:右向き,y軸:上向き,z軸:紙面上向き)とする世界にあって、そちらを標準品とみなして市販することは納得もできる。 でも座標系という概念が生まれたのは歴史的にも新しいことなので、意図的に一方を選んだということは考え難い。 | サイコロの歴史はもっと古いはずなので、ここでは「手作業で順番に目を彫り込んでいく製造工程に起因する」という説を唱えてみる。 右手に彫刻刀を持ち、左手でサイコロを支えるとすれば、作業面を上面として、左手の親指で前面を人差し指で背面(後面)を摘まみ持つはずである。 | そして人間の手の構造から水平よりやや右上がりの斜めに持って作業するだろう。このとき左手を外す(放す)と上面と前面と左面の3面が見え、右面は角度的にやや見え難い配置になる。 1,2,3の目の順に彫るとすれば、先ず上面に1を彫って、次は左に倒して2を彫るだろう。 | なぜなら左面に1が見えていると隣接する面に2を彫っていることを確認できるから。左に倒す代わりに手前側に倒して1を前面にする方法もあるが、前面と背面を指で支えているのに態々持ち替えるような非効率な動作はしないだろう。 | このような作業の効率性を考慮すると、上面に1を彫ったら2を彫るために左に倒し、そして3を彫るために手前に倒すという手順が最適であり必然なのである。1は左面、2が前面、3が上面で、これら3面が確認できる右手系の位置関係になっている。 | 残りの4,5,6は対向する面の和が7になるように彫る。そう決めたから。なぜそう決めたかといえば、補数関係にある数が対向面にあるのが自然であり、覚えやすくて間違いがないからだろう。 残る問題は「なぜ雌なのか?」 | その前に「雌雄を決する」という「雌」と「雄」は熟語にすると、なぜこの順番か、と云うことが気にかかる。 2種類あるものを区別するのに、その存在比に偏りがあって多少(主従)の関係があれば、「多」に対応する1番目の「雌」を使うのは納得できる。3種以上なら「甲乙丙丁戊…」を使うだろう。 | 「雌雄」はメス・オスの順並びなのに、「男女」「父母」などの熟語はその逆である。これは「兄弟」「姉妹」などと同じく儒教文化の影響であろうか。 「雌雄」がこの順であるのは「陰陽」に対応させたという説がある。では「陰陽」はなぜこの順番か、と堂々巡りになりそうであるが、 | 「陰」から「陽」に転ずる上昇運を良しとする易占の思想によるのではないか。すなわち主従の順ではなく時間順の並び熟語ということだ。同じく北半球の太陽の運行から「東西」や「左右」の順も決まったのだろう。 諸説あると思います。 ご存知の方は紹介願います。
- 2019/11/28 15:12
- 按理具庵
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- おじゃま虫の描き方
- 2019秋の新作「論理と心理のお邪魔虫」のイメージキャラのおじゃま虫の描き方です。 ※ゲーム名は漢字ですがキャラ名は区別するためにひらがなにしています。 ツイッターの方では公開済みですが、見ている人が少ないので、こちらでも紹介しておきます。 https://twitter.com/anriguan/status/1187981067409485824 新作の2つどちらもFESCA用のルールだけゲームでA4表裏の1枚に詰め込む予定でしたが、「陰陽寮の呪符と護符」の方は1ページに収めるのが厳しかったので「論理と心理のお邪魔虫」を先に印刷することにしました。その際に余った裏面を白紙のままとするのは、もったいないので「おじゃま虫まんだら」を付録として付けることにしました。 曼荼羅はほぼ正方形で上下が空いていたので、ツイートのネタと絡めて「バグ退散!」の呪文を追加してお守り(護符)アイテムとしています。 お1人様1枚限りで無料頒布します。 ↓こんな感じに仕上がってきました。 関連: 「論理と心理のお邪魔虫」お試しキット 論理と心理のお邪魔虫 ↑説明書を暫定版からレイアウトを微修正した正式版に更新してあります。 変更来歴 2024.06.19 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2019/11/10 17:02
- 按理具庵
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- 「論理と心理のお邪魔虫」お試しキット
- 「論理と心理のお邪魔虫」は陰陽五行プレイングカードFESCA(フェスカ)を使って遊びます。 使用する枚数が12枚,22枚と少ないので、手軽に体験できるお試しキット(A4サイズの厚紙に印刷して切り抜く)をご用意しました。 FESCAのサブセットのTESCA52のさらに枚数の少ないTESCA21インデックス版+お邪魔虫カードの22枚構成です。 PDFファイルはこちら↓ TESCA21でお邪魔虫 (TESCA21_OJA_master_x1a.pdf) FESCAは既存のトランプゲームを基にゲームを創って遊ぶをコンセプトとしていますが、このようなオリジナルな創作ゲームも逐次ご提供していくつもりです。 また消費税UPのタイミングに合わせて値下げも予定していますので、この機会にどうかご購入を検討ください。 関連 論理と心理のお邪魔虫 最新のミクセルポーカーについて FESCA78ミクセルポーカー役の確率計算 FESCAでもっともっとミクセルポーカー ミクセル・ポーカー/FESCA60ポーカーをもっと真剣に考えた FESCA60ポーカーを考える 2018秋の力作なんだけど FESCAワイルドラミーR 創作サンプルなど多数あり FESCA(フェスカ):神経衰弱系2種 FESCA(フェスカ):スピード系6種 FESCA(フェスカ):バトル・オブ・エレメンツ・レベル1(2人制)(略称 BOEL1) FESCA(フェスカ)創作ゲーム、フェスカでラミーとワイルドラミー FESCA(フェスカ)創作ゲーム、フェスカババ抜きとシンクロババ抜き FESCAに関しては FESCA(フェスカ)七変化 FESCA(フェスカ)誕生秘話ートランプをゼロから再発明してみたら、こうなった。 FESCA(フェスカ)マーク配置デザイン原図 FESCA(フェスカ)創作の階段 FESCA(フェスカ)をトランプと比較してみた。 FESCA(フェスカ)はゲームの具材です。 変更来歴 2024.06.19 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。元ファイル名が分からないためサムネイル画像は変わっていると思います。
- 2019/9/26 19:00
- 按理具庵
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- ミクセルポーカーF78とF60の比較
- FESCA78ミクセルポーカーとFESCA60ミクセルポーカーの比較です。 ミクセルポーカーという名前はスート数が5以上のカード構成のカードセットでポーカーを行うときの汎用的な名前のため、頭にカードセット構成の修飾名を付けて区別していますが、後ろに識別コードを付ける表記も可能であり、それぞれ ミクセルポーカーF78 (Mixwell Poker F78), ミクセルポーカーF60 (Mixwell Poker F60)と表記することにします。 例えば15ランク・5スートの「うんすんカルタ」でもミクセルポーカーが作れて、名前はミクセルポーカーUS (Mixwell Poker US)とかになるかもしれません。 ベン図表記で通常のトランプポーカーとF60とF78を並べてみました。ミクセルポーカーF60にはミクセル(Mixwell)という役とその完全複合役のストレート・ミクセル(Straight Mixwell)とフルハウス・ミクセル(FullHouse Mixwell)が追加されています。ついでに5スート化によるファイブカード(5 of a Kind)も追加になっています。F78では新たにハーフフラッシュ(Half Flush)が定義され、その複合役であるストレート・ハーフフラッシュ(Straight Half Flush)とともに追加されています。 次に役順の変化を比較してみます。 F78ではミクセル役の定義は五行スートのみと変化しています。この影響でファイブカードにもミクセル複合役ができました。 新規役の追加と2カ所の役順の入れ替えがみられます。このように整理して並べてみると役順も覚えやすくなると思います。 関連 FESCA78ミクセルポーカー役の確率計算 FESCAでもっともっとミクセルポーカー ミクセル・ポーカー/FESCA60ポーカーをもっと真剣に考えた FESCA60ポーカーを考える 変更来歴 2024.06.19 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2019/9/14 16:40
- 按理具庵
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- FESCA78ミクセルポーカー役の確率計算
- FESCA78ミクセルポーカーの役の確率を厳密に計算してみました。 10億回シミュレーションの結果と一致しているので計算式はこれで正しいと思います。 関連 FESCAでもっともっとミクセルポーカー ミクセル・ポーカー/FESCA60ポーカーをもっと真剣に考えた FESCA60ポーカーを考える 変更来歴 2019.9.6 表中のSTの補正式の記述間違いを修正 STFH → SFHF、(フルハウスFHとハーフフラッシュHFが紛らわしい)計算内容は正しいです。 2024.06.19 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。サムネイル画像は以前のものと異なっていると思います。
- 2019/9/6 7:26
- 按理具庵
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- FESCAでもっともっとミクセルポーカー
- PCシミュレーションという魔法の杖を手にすることで難解な確率計算から解放され、割と簡単にポーカー役の確率が求められるようになりました。 詳しい経緯はこちらから ⇒ ミクセル・ポーカー/FESCA60ポーカーをもっと真剣に考えた FESCAの特徴の一つにカード構成の自由度が高いことが挙げられます。 これも詳細はこちらから ⇒ FESCA(フェスカ)七変化 ミクセルポーカーもカード構成を変化することで様々なバリエーション展開ができます。 今回は基本の数種に関して役の確率を求めてみましたので、それらを紹介します。 先ずは比較元となるFESCA60です。 表において役は強い順(確率の小さい順)に並べています。また表の下にはカード構成を示しています。 次にFESCA65です。五行札のみのFESCA60に空無札の5枚が加わります。 ミクセルポーカーでは空無札はZAT(Zero And Thirteen:0と13)機能のみとしています。(ワイルドポーカーではランクワイルドの機能も兼用しています) ZATを追加したことで、ストレートの組み合わせが増えます。1と12がZATを介して繋がるためランクの循環構造ができ、以下の5つをストレートとみなします。 (ZAT,1,2,3,4), (12,ZAT,1,2,3), (11,12,ZAT,1,2), (10,11,12,ZAT,1), (9,10,11,12,ZAT) FESCA60と比べてみると、ストレートとフラッシュの確率が高まり、ランク揃え系の役は相対的に確率が低くなっていることが判ります。ストレートの組み合わせが多くなって、ランク方向に1枚分広げて同じスート枚数が増えたので、これは当然の帰結ではあります。 その結果としてミクセルとツーペアの確率が近づいてしまいました。 たった5枚の追加ですがFESCA65はFESCA60よりミクセルポーカーには適してないようです。 ランク方向に伸ばしたのが良くないとしたら、スート方向に伸ばしたらどうでしょう。 陰陽スート12枚を追加したFESCA72です。 6スートになるとファイブカード役にミクセル複合役を追加しなければなりません。五行だけで揃える同位5枚組をファイブカード・ミクセル役と定義して、陰陽を含む同位5枚組を通常のファイブカードとします。 さらに新たに2つの役を追加してみます。ハーフフラッシュとストレート・ハーフフラッシュです。 マージャンの清一色(チンイツ)は英語ではフラッシュと呼び、混一色(ホンイツ)はハーフフラッシュと呼ぶそうです。FESCAの陰陽をマージャンの字牌に例えるなら混一色に相当するポーカー役が有ってもよいではないかと考えました。フラッシュは完全に同じスートで5枚揃える役ですが、ハーフフラッシュは陰陽が1~4枚混じってもよい不完全なフラッシュ役と云うことです。以前はセミ・フラッシュという1枚だけ陰陽が混じる役も検討していましたが、確率的によりできやすいハーフフラッシュの方を採用することにしました。 追加した役と共にいくつかの役の順序が入れ替わっていますが、確率の差がはっきりと表れていて、ミクセル役がスリーカードより強くなる点など、よりミクセル役が強調されていてFESCA60より好ましいかもしれません。ただし役の数が多くなり過ぎるて覚えられないという難点があります。 FESCA78の本来のフルセットのカード構成はどうでしょう。FESCA65とFESCA72の中間ぐらいで、そこそこ良さげな結果を期待します。 FESCA72に近いのですが、ZATが加わりストレート系の組み合わせが増えることで、ストレート系の確率が相対的に大きくなりいくつかの役順の変動がみられます。 ストレート・ミクセル役とフルハウス・ミクセル役の確率が計算上でも完全に一致しています。これは役順を決めるには大問題なのですが、発生確率が極めて低い上位役であり競合することはほぼ無く、同じ役順と定義しても構わないと思います。むしろ同じとする方が覚えやすいかもしれません。 これも役の種類が多すぎるという難しさはありますが、標準カード構成のミクセルポーカーとして、これを本流(正統)とすべきかもしれません。 結論としては、FESCAのカード構成の自由度を生かして様々なバリエーションのミクセルポーカーが考えられて、どれでもそれなりに楽しめそうということです。 ただし役を覚えきれないので役順表は欠かせないようです。中途半端な構成のFESCA65,FESCA72は捨て去るべきかもしれません。 最後にオマケです。 FESCAから"土”,"金"を抜いた陰陽と三行の特殊なサブセット構成を考えます。これはThree ElementS playing CArd ですからFESCAではなくTESCA(テスカ)と呼ぶことにします。TESCA52はトランプと同じく4スート13ランクの構成ですが、厳密には(3+1)スート(12+1)ランク構成となっています。 ミクセル役は、陰(黒),陽(白)の2色と、木(緑),火(赤),水(青)の3色を合わせた5色を各1枚ずつ揃える役とします。 フラッシュ役の5枚中の1枚が陰陽に置き換えられた不完全なフラッシュをセミフラッシュと定義します。FESCA72,FESCA78で追加したハーフフラッシュ役はTESCA52では計算するとツーペアより弱い役になってしまうため、1枚だけ置き換えたセミフラッシュ役の方を採用することにしました。 同じ52枚構成のトランプと比較すると、同ランク揃え系の役の確率は同じになりそうですが、ミクセル複合役の影響で少し異なっています。またストレート系の役もZATの影響でパターン数が増えているため確率が少し大きくなっています。 頻繁に発生する低位の役に、ミクセルとセミフラッシュが追加され、ポーカー役の選択の幅が広がる分だけきっと楽しくなると思います。 TESCA52確率計算 (TESCA52_MixwellPokerExcel.pdf) 変更来歴: 2019.8.10 「最後に~」から始まるTESCA52に関する段落を追記しました。 2019.8.31 FESCA72,FESCA78のsemi-Flush の確率が間違っていました。セミファイブカード役を追加し全面的に修正しました。 2019.9.4 FESCA72,FESCA78のsemi-Flush役を廃して、替わりにHalf Flush役を追加しました。記述内容も合わせて変更しました。 2019.9.5 TESCA52はsemi-flushをそのまま採用とし、関連する記述内容を変更しました。 2019.9.6 誤変換文字を修正「通所の」→「通常のファイブカード」 2020.10.11 TESCA52の確率計算の間違いを修正しました。 2020.10.16 TESCAの説明に重大なスペル間違い(タイポ)があるのに気づいてしまった。こっそりと直したいけど戒めのため晒す。Tree → Three 2020.10.20 TESCA52の確率計算表を追加しました。 2024.06.19 画像ファイルとPDFファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2019/8/6 16:14
- 按理具庵
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- 五色波札(ごしきなみふだ)
- トランプや花札のような汎用のカードゲーム用のカードセットです。 日本ではあまり馴染みがないのですが、四色牌と云う麻雀に似たラミー系ゲーム用のカード(紙牌)を基に大胆にアレンジして創作しました。 基(ベース)になっている物は何か分かるが、もはや別物と云えるほどに改変・改良することをリノベーション(刷新)と呼んでいます。例えば、団扇(うちわ)を基に扇子(せんす)が創られましたが、これは単なる改良品ではなく、まったく新しい発明品と誰もが認めることでしょう。 既出の陰陽五行プレイングカード FESCA(フェスカ)は、正にトランプのリノベーションであり、五色波札は四色牌のリノベーションなのです。リノベーションをもっと分かりやすい今風の言葉で意訳すると「魔改造」が適しているのかも... 五色波札は四色牌を基にしてはいますが、基本コンセプトのみを残し全てをゼロベースで再構築(創作)したものです。 基本コンセプトとして残っているのは、(1)変則的な不連続なランク構造と、(2)スートの色分けと、(3)少ないランク数、(4)ランク・スートの基本構成を多重化することです。しかし、スートの色分けは他のカードゲームでも多用されているし、多重化構成は麻雀やラミーキューブなどがあってこれも一般的です。少ないランク数も7→8と変化していて、トランプの13と比べれば少ないけど麻雀は9ランクだし、結局、原型を留める真の特徴は、変則的なランク構造だけになってしまいます。むしろFESCAの特徴の方を多く取り込んで造られています。基本5スートの構成で、白をスートワイルドとしても使え、ランクワイルドにもなる0のランクがあるところなどです。そしてカードの一部だけで識別できる機能デザインのコンセプトも同じです。さらにスートに順序(強弱)の関係があることも同じですが、FESCAは二重循環型、五色波札は単純直線型と異なっています。 五色波札は汎用のカードセットであってゲームではありません。 基になっている四色牌のラミー系ゲームはもちろんできますが、それだけでは物足りないので、このカードセットの特徴を生かして新たに創作したゲーム2種を用意しました。まだ細かいルールは調整中ですが2019春に向け、追って紹介したいと思っています。 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2019/3/15 13:46
- 按理具庵
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- ゲーマーじゃんけんの新しい名前を考えてみた。
- ゲーマーじゃんけんを普及させるためのネーミング案です。過去のTwitter投稿をまとめて掲載します。 ボドゲ会に初参加で、4人でも当たり前のように #ゲーマーじゃんけん をしていたのに驚いた。多人数で効率的なジャンケンという知識はあったけど、4人も多人数なんだ~と。最も「あいこ」が連続する確率が高くなる2人組を、なるべく発生させないために、実は3人からでも有効なのかな? | #ゲーマーじゃんけん + 平均回数でググったら、既に計算した人のブログを見つけた。やっぱり3人からでも有効らしく、2.25回→1.5回に改善されるそうだ。だったら この改良された方を標準 #じゃんけん として普及させるべきと思う。そのためには良いネーミングが必要だよね。 | と云うことで、#ゲーマーじゃんけん を普及させるための名前を考えてみた。 少数勝ち抜きじゃんけん ←規則を分かり易く示した名前だけど、長過ぎる。 少数決じゃんけん ←「しょーすうけつ」って言い辛い。 多数負じゃんけん ← と書いて「たすふ」と読ませる。短くて呼びやすい。 | 大人じゃんけん←子どもには難しいから、ってこれは差別的、子どもだって理解できるはず。 現代じゃんけん←Wikipediaによれば、石・鋏・紙のじゃんけんが生まれたのが明治期で、本格的に普及したのは昭和になってからなそうで、「近代」に対抗して「現代」と付けてみた。 | #現代じゃんけん、日本語の標準的な呼称の省略規則に従えば、#ゲンジャン となるはず。 じゃん・けん・ポン!の掛け声が、ゲン・ジャン・ポン!となって使い勝手もいい感じ。 ゲーマー→ゲーム→げむ(gem)→げん(gen)→ゲンという変化との、こじ付けも可能で、これをイチ押しで提案します。 以上、 ちなみに私の考える良いネーミングとは、短めで呼び易く、覚え易く、それが何かを名前から容易に類推できることです。 さらに大前提として、名前は識別子ですから独自性がある(ユニークである)こと。他の事物の名前と被ってはならないし、同音異義語や発音の類似も避けるべきです。 容易に類推できる名前は長くなってしまいがち、短めで呼び易いという条件と相反するので、標準名と省略名の2つがあって普及と共に省略名が一般名と認識されるのがよいと思います。(現代じゃんけん→ゲンジャン) 例えば、今では誰でも知っている「コミケ」ですが、通常の省略規則に従って「コミマ」としなかったことで一般名として親しまれるようになったのだと思います。「ファミコン」も然り。「ファミマ」は? 同様にゲームマーケットも「ゲムマ」と呼ぶのを、そろそろ標準にした方がいいのかも...。 ついでに、2018年の名作アニメのあれ、タイトルが長いからといって「よりもい」って、ひらがなだけ拾って省略する方法が斬新で感心したのですが、一般人には全く通じないです。でも完全にユニークな名前なので、検索ワードとしては完璧なネーミングなのです。 変更来歴 2019.11.11 ツイッター引用部に適用した「番号なしリスト」の文字がなぜだか小さくなってしまったのでリスト書式を止めた。 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2019/3/14 10:00
- 按理具庵
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- 交錯干渉将棋ミニ
- 交錯干渉将棋をより実践的に楽しめるようにミニ版を作りました。新たに独自ルールを追加しているので従来の15x15版の単なる縮小版ではありません。 交錯干渉将棋とダブルス将棋←こちらが15x15版(大盤)です。 既存の将棋盤(9x9マス)を使えるように、使用する駒を大幅に削減して縮小しました。どの駒を削るかとすれば、まずは桂馬と香車に消えてもらうしかありません。この2つは打ち駒としては役立ちますが、どちらかというと守備的で機動力が乏しくて、あまり使い勝手が良くありません。また盤面が狭くなるので長距離移動の飛車と角行も不要と割り切って、金将・銀将が各2枚と歩5枚と玉将の構成(Type S)を考えました。 しかし駒の種類が少なくなり過ぎて、これは全く将棋らしくありません。金将は縦横1マス+斜め前1マスに動け、縦横どこまでも進む飛車と動きが似ています。同じく銀将は斜め1マス+前方1マスに動けるので、斜めにどこまでも進む角行と似ています。飛車を金将の強化型、角行を銀将の強化型と考えることで、片側の金将と銀将をそれぞれ飛車と角行に置き換える非対称な配置(Type A)を思いつくことができました。 公式ルールとしては、Type Sを練習用として、Type Aを5x9版の標準としておきます。 左右向きの駒を障害物と考えて1つ飛び越えられる動きが交錯干渉将棋の基本ルールです。 5x9マスでは縦横比が2倍に近く細長いので、角行の動きが著しく制限されます。このため他の変則将棋にある反射移動を取り入れることにしました。ただし長辺側だけ有効という違いがあります。そして長辺側だけなら短辺側にも何かあると面白いのではと考えが進み、移動不能なマスが約半分もあるという角行の根元的な弱点を克服するために、特殊な筋替え移動ルールを創作しました。発想の元は、特殊な条件において特殊な動きを許可するチェスのキャスリングにあります。 交錯干渉将棋でなくても、この非対称の初期配置と角行の特殊移動ルールを採用した5x9マス(5x7や5x8も可?)のミニ将棋も案外と面白いかもしれません。 以前の交錯干渉チェスや交錯干渉将棋で曖昧なままであった全方位乱戦のルールも整備しました。 全方位乱戦では陣の概念を無くすために、駒を打てる場所を玉将の周りに制限することにしました。 対消滅のルールは全くの新規です。全体的に各駒の移動量が増えるので盤面が窮屈に感じられることと、守備側が優位となって補給と消耗を繰り返すのを避けるのが目的です。 実は5x9のミニ版を創作している間に、交錯干渉する共通領域を9x9の全面にすることを閃いてしまいました。そのまま進めて5x9と9x9を2本立てするか、9x9だけに絞るかを悩みましたが、どちらにも個々の面白さがあると考え、その盤面の特性に合わせたルール構成で別物とすることにしました。 9x9版の飛車・角行の配置が絶妙です。(これしかないとも言えますが...) 二人制交錯干渉将棋のイメージ図です。二人零和有限確定完全情報ゲームとして、盤面がコンパクトな割に最も難しい部類になるのではないでしょうか。 PDF 交錯干渉将棋5x9版 (cotjc59_v100.pdf) 交錯干渉将棋9x9版 (cotjc99_v100.pdf) ちなみにファイル名のCOTJCは、Cross Over Tangle Japanese Chess(仮)の省略です。 Tangle Shogi(もつれ将棋)も英語名の候補です。 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルとPDFファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2019/2/15 17:24
- 按理具庵
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- ミクセル・ポーカー/FESCA60ポーカーをもっと真剣に考えた
- 「計算できないなら、試してみればいいじゃない。」とマリー嬢が申されたので、PCシミュレーションでMix wellの複合役の確率を求めてみました。 って、唐突に何を言っているなか分からないという人は、 まずはこちらをお読みください。→FESCA60ポーカーを考える Mix wellはそのままカタカナ表記するとミックスウェルですが、Maxwellがマクスウェルでマクセルとも短縮発音表記されるのに倣って、ミクセルと表記することにします。また役名を固有名詞化し2単語を連結したMixwellと表記することもあります。 そしてトランプのポーカーと比べたとき、この役の存在が大きな特徴となるのでFESCA60ポーカーの別名としてミクセルポーカーと呼ぶことにします。 前回のブログでは厳密に確率計算をしてトランプのポーカーとFESCA60ポーカーの役を比べる検討をしたのですが、ミクセルとの複合役を無視して計算したため正しい役の発生確率にはなっていなかったということです。というかミクセル役の定義自体が曖昧であったので、正確な確率を求めることも諦めていました。 トランプのポーカー役の確率計算式はググったら色々と見つかって、それを基に12ランク5スートのFESCA60に当てはめて計算しました。しかしミクセル役はまったくの独自役であり、単体なら計算式も思いつく事ができたのですが、数々の複雑なミクセル複合役の計算式を正しく求められる自信がなくて、また数学が得意な知人も居なくて、ひとり悩んでいたのです。 と、その解決方法として冒頭の言葉が出てきたということなのです。ああ、もちろんあの有名な王妃の言葉をもじったものですよ。 確率計算は中高生レベルの能力しかありませんが、幸いにしてプログラミングは一応プロでしたから自信があります。なんやかんやで半日ぐらいかかりましたが結果はこちらになります。Core i5のMac Miniで10億回が5分です。一晩かけて一億回ぐらいかと覚悟していたのですが、やはり技術の進歩は凄いです。 前回求めた確率計算の結果と比べてみると、最も発生確率の低い役でも誤差は1%未満で有効桁2桁は保証できてます。結果は見事に一致しているので、確率計算もプログラムも正しい事が確認できました。 さてここからが本題です。 ミクセルはスート系の役なので、同じスート系のフラッシュとは複合しません。もちろんストレートとフラッシュの複合役のストレート・フラッシュとも複合しません。その他の同ランク揃え系とランク順並べ系の役との組み合わせを考えると、 ファイブカード・ミクセル フォーカード・ミクセル フルハウス・ミクセル ストレート・ミクセル スリーカード・ミクセル ツーペア・ミクセル ワンペア・ミクセル があります。 この中でファイブカード・ミクセルは、そもそもファイブカードが5つの同ランクを揃える役であり、必然的に5つのスートが集まることになるので、これは複合役とはみなしません。残り6つの役と単独ミクセル役と合わせて7つを追加すると、これは複雑極まりなく、とても覚えきれなくなります。そこで、完全複合という概念を基に、この中から幾つかを選ぶことを考えます。ここでの「完全」とは手札の5枚の全てのカードが役に関わっているという意味になります。5枚役はフルハウスとストレートの2つなので、完全複合役は、 フルハウス・ミクセル ストレート・ミクセル の2つだけとなります。 その他の複合役は、単独のミクセル役とするか、より強い役の特殊形とみなして、独立した複合役としない事にします。例えば、スリーカード・ミクセルは、発生確率ではスリーカードの方が小さくて役としては強いので、これをスリーカード役に含まれる特殊形とします。その一方でツーペア・ミクセルではミクセルの方が強いので、これはミクセル役の特殊形とします。 2つの役の組み合わせ複合役において、強い方の役を主役(main hand)、そうでない方は副役または補役(sub hand)と呼ぶことにします。副役(補役)は前述したとおり正式な役ではないのですが、同じ主役どうしで比べたら副役(補役)のある方をより強い役と判定します。すなわち同じ役どうしで、どちらが強いかを比べる場合、トランプのポーカーでは単に役のランクの高い方を勝ちとしますが、ミクセルポーカーでは副役(補役)がある場合は、その役がある方を勝ちとします。副役(補役)がない場合は同じくランク比較となりますが、同ランクの場合であってもFESCAはスートの強弱関係があるのでスート比較を優先して決めることになります。 正式採用とする複合役も決まったことなので、この定義に従って確率を求めてみます。合わせて自信のなかった複合役の確率計算式も真剣に考えてみました。10億回の試行確率とも一致しているので、これで正しいはずです。 前回の複合役を考慮していなかったミクセル役の確率からは0.3ポイントほど減少(4.56%→4.26%)しています。これは複合補正式に示すように上位複合役の合計分が減ったためです。ツーペアやワンペアの確率もミクセル役に昇格した分だけそれぞれ減っています。複合役で重複している計算が無くなったので、役無しの確率も求めることができます。これでミクセルポーカー役の確率が求められ、役の強さの順が確定しました。 では元のトランプのポーカー役と比べてみましょう。 前回のブログで比較検討したのと大枠で同じです。全般的にランク揃え系の役の確率が大きくなり、スート揃え系の役の確率が小さくなっていますが、これはスート数4→5の影響です。これによりフラッシュとフルハウスの順位が逆転していることが重要な変化点です。ミクセル役はスリーカードとツーペアの間にあって、いい感じに確率もバラけて強さ順が明確になっています。また新たに正式役としたストレート・ミクセルとフルハウス・ミクセルですが、ストレート・フラッシュの次にきれいに並んで追加され複合役の強さをよく表しています。ただし通常のフルハウスとストレートの順位関係とは逆転しているところは注意しなければなりません。 次に個別の役の比較ではなく全般的なポーカーゲームとしての比較をしてみます。役の数が合わないので、確率の常用対数の符号反転値を元に(最強、強、中、弱、最弱)の5段階にレンジ分けしてみました。-log(p)はざっくり言ってしまえば発生頻度の桁数を示しています。例えば整数部が2なら2~3の範囲ですから100~1000回に1回の発生確率ということになります。当然ながらドローポーカーのように数枚を交換したり、セブンカード系ポーカーのように7枚から5枚を選ぶ場合は、役の発生頻度はさらに高まります。 こうしてレンジ別の比較をしてみると、勝負の大半を決めるであろう「無、最弱、弱」の範囲にあって、「弱」の比率が約2倍ほどに高まっって、「無」も0.86と下がっています。これは「最弱」のワンペアどうしのランク比較や「無」の役無しハイカード比較などの同順役の判定が少なくなることを意味しています。判定にメリハリが効いて楽しくなると思います。さらに「強」の役の確率も7倍と大きく高まっています。一日中プレイを続けていて1回あるかないかの大役が、1時間に1回程度の発生頻度になったら、これも大いに楽しくなることでしょう。 最後にFESCA60ポーカーの一種として、ミクセル・ポーカーの役一覧表を示しておきます。 補足 冒頭文のマリー嬢とは、もちろんマリー・アントワネットのことです。 最近、「~じゃない。」がアウラ構文と呼ばれるように一般化してきているので、誤解なきように注記しておきます。 「パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃない。」と言ったと伝わっているけど、実はマリーの言葉ではないこと、一般常識としてもっと広まって欲しい。 変更来歴 2019.02.22 表中のFlashの略号がFLとFSで混在していたのをFLに統一しました。 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。補足を追加しました。
- 2019/2/6 17:34
- 按理具庵
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- 交錯干渉将棋とダブルス将棋
- 交錯干渉チェスの将棋版を考えました。 交錯干渉4人制チェス(仮) ←交錯干渉チェスはこちらを参照してください。 従来の4人制将棋と異なるのは、対局者を時計回りに順にA,B,C,Dとすると、互いに対向するA vs CとB vs Dの2組の対局が同じ盤面上で同時に行われるところです。Aにとっての敵はCであって、左右のB,Dは中立無関係でその駒は盤上では障害物として扱います。これを交錯干渉戦と呼びます。そして誰かひとりが負け抜けると残る3人は敵どうしとなって戦います。これを全方位乱戦と呼びます。手番はA,B,C,Dの順で、負け抜けた人の手番は飛ばされます。 ここでは将棋駒を宝石名にしたJewels Chessの駒名で説明しますが、もちろん将棋駒をそのまま使用することも可能です。 ジュエルズチェス ← JewelsChess(宝石将棋?)に関してはこちらを参照してください。 ↓将棋駒とJewelsChess駒の対応表 盤面は、交錯干渉戦では縦長の15x9マスですが、全方位乱戦では15x15のマスに変化します。 駒の動きは将棋に準じますが、交錯干渉戦では進行方向にある障害物を1つだけ飛び越えて進めるという点が異なっています。そして縦長の盤面になったため、角行に相当するR(ルビー)の動きを拡張して1回だけ側面反射ができるようにしました。詳細は図を参照してください。駒名記号にXが付いているのは成り駒です。 金将に相当するE(エメラルド)と玉将に相当するD(ダイヤモンド)の成りの動きも独自に定義してみましたが、これはJewelsChess独自の拡張ルールと考えてください。将棋駒を用いる場合は、もちろん金や玉の成りはありません。 全方位乱戦ではチェス駒のように前後左右の区別なく動けるようにする必要があります。将棋駒の元の動きを4方向に拡張しました。ただし金将に相当するE(エメラルド)と銀将に相当するG(ガーネット)は、元の動きの特徴を強化するように、それぞれ縦横方向に2マス、斜め方向に2マスとしました。全方位の動きは駒名に*を付けています。 全方位乱戦への移行時のルールに関しては、実はまだ検討中です。死力を尽くして(戦力を消耗して)やっと対向する敵に勝ったと思ったら、両脇から同時に攻撃を受けてあっけなく負けるという不条理を無くすため、交錯干渉戦の勝者には、その後の全方位乱戦を優位に戦えるように何らかの褒賞が与えられるべきです。 案1)負けた側の駒をすべて引き継ぐ。(盤上の駒は向きを反転させ自駒にし、持ち駒は自分の持ち駒に加える。) 案2)持ち駒のみ引き継ぎ、取得したD(ダイヤモンド)を再使用できる。 案3)取得したDを最強の駒(飛・角を重ね合わせた動き)として使用できる。 例えばAがCに勝ち、案1でCの駒をそのまま引き継ぐと、B,Dに対しては約2倍の戦力と強くなり過ぎて、暗黙の裡にB,Dが連合して戦うことになりそうです。案2は王さまの命が2つになると考えると如何にも魔術的で変ですが、後継ぎとなる太子ができたと考えたり、強い影武者が居ると考えたりもできます。ただしB,Dからしてみれば攻撃対象が2つで、では協力してひとりずつを相手にしようかとなる可能性が大きいでしょう。案3が良さそうですが、これだけで十分な優位性を与えたことになるか疑問です。全方位乱戦でのA,B,Dの勝率が(50%,25%,25%)から(40%,30%,30%)ぐらいになるように上手くバランス調整する必要がありますが、小学生で将棋を終えてしまった私にはとても無理です。妥協の案4として「持ち駒のみ引き継ぎ、取得したDは再使用できない。」を暫定公式ルールとしておきます。盤上に残るCの駒は、B,Dにとって障害物ではなくなるので逐次狩られていきます。直接対峙していたAはCの主戦力に近い位置に居るため、より多く狩ることができるという優位性があると考えます。 以上が交錯干渉将棋のルールですが、後半の全方位乱戦は無くてもゲームとして成立するのではないかと考えました。4人対戦だから一人になるまでバトルロイヤルしなければならない訳なので、2x2のチーム戦にしてしまえば交錯干渉戦だけで勝敗が決まるということです。先手後手の有利不利がありますので、(A,D) vs (B,C) のペア戦にすべきでしょう。これを交錯干渉ダブルス将棋と呼ぶことにします。チーム内の意思疎通すなわち会話や身振り手振りは禁止とします。ただしアイコンタクトぐらいは認めてもよいかもしれません。 さらにこの考え方を突き進めれば、二人対戦ということも可能です。すなわち(A,D)を一人で受け持ち、もう一人は(B,C)を受け持つということです。2局を同時にしかも互いに交錯干渉するように対局するわけですから、もう常人の棋力の及ぶ範囲ではありません。名前には「超」とか「スーパー」とか付けたいところではありますが、ここは抑制を利かせて、二人制交錯干渉将棋としておきます。 変更来歴 2019.02.15 以下を修正しました。 誤)全方位乱戦でのA,C,Dの勝率が 正)全方位乱戦でのA,B,Dの勝率が 2019.02.19 以下を修正しました。 誤)交錯干渉戦の勝者には、その後の全方位対戦を優位に戦えるように 正)交錯干渉戦の勝者には、その後の全方位乱戦を優位に戦えるように 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。サムネイル画像は変わっているかもしれません。
- 2019/1/28 14:05
- 按理具庵
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- リリリチェスのクリア版(展示用)
- ゲムマ2018秋の展示用として製作したリリリチェスのクリア版の写真です。 ダイソーで売ってるカラー4色入りクリアフォルダと水色とピンクの別物をカットしたものに透明印刷シールを貼ってます。 現場の実写真は酷いですが、光の当て具合だけでこんなに美しく映えます。 紙を折るだけの簡単で安価が特徴のしなり折り駒ですが、これなら高く買ってもらえるでしょうか? こちらが実際のブース展示写真です。風に飛ばされないようにマスキングテープを両面テープ代わりに使ってます。 寄りで 上から 関連 リリリチェス ジュエルズチェス 交錯干渉4人制チェス(仮) 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2018/11/26 15:15
- 按理具庵
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- 交錯干渉4人制チェス(仮)
- しなり折り駒を用いた4人制の変則チェスです。 概要: 対向対局フェイズと全面対局の2つのフェイズがあります。 しなり折り駒は向きにより自駒/敵駒を区別します。 将棋のように取得した駒を再使用できます。ただし打てるのは自陣内のみです。 対向対局フェイズでは、左右向きの駒を障害物とみなします。 しなり折り駒をチェスに適用したリリリチェスですが、ボビーフィッシャーのチェス960と駒の再使用を認めるクレージーハウスを組み合わせて改良しただけのチェスでもあり、ゲームの創作レベルはそれほど高くはありません。チェス960の配置表をゲーム盤に記載した点や独自デザインのしなり折り駒という用具の新規性は強くアピールできるのですが、ゲームルールの新規性あるいは独自性という観点から見ると、あるにはあるのだけれどインパクトが弱いと言わざるを得ません。そのため、立体的な駒で向きがある「しなり折り駒」だからこそ実現可能な、もっと独自性の強い真に創造的なチェスをずっと考え続けていました。 そんな中で思い付いたのが、この交錯干渉チェス(仮)です。 まだ暫定版で名前も決まっていませんが、大枠のルールは一応できていると思いますので公開することにします。 4人制のチェスは、その起源とされるチャトランガの時代からあったのですが、二人制チェスの交錯対局方式の4人制は、これが初であると信じます。(←検索調査能力の限界です。もし類似の変則チェスをご存知の方はTwitterにてお知らせ願います。) [0] 共通ルール (a) 手番はABCD順を基本とする。負け抜けた人は飛ばす。 (b) 駒を打てるのは自陣内(8x2マス)のみとする。 ・ 対向対局フェイズで始めて、誰かひとりのK駒が取られたら負け抜けとなり、その時点から局面は全面対局フェイズとなる。 [1] 対向対局フェイズ(交錯干渉戦:2人x2) (a) 対向する相手のみが敵であり、それ以外の他者の駒は障害物とみなす。すなわち、A vs. Cと、B vs. D である。Aにとっての敵はCであり、Cの駒は敵駒となり、他者であるBとDの駒は全て障害物となる。 (b) 4隅にある2x2領域および左右の他者陣への進入は禁止とする。 (c) 障害物は取れない。障害物のあるマスへは進めない。 (d) 長距離移動できるR,B,Q駒は、障害物を一つ飛び越えて移動できる。 (e) Pは直前の障害物を一つ飛び越えて移動できる。 (f) Pが敵陣最深段まで移動させるとP駒は昇格する。 盤上の敵のK以外の任意の駒と交換して置き換え。P駒は敵の持ち駒となる。 [2] 全面対局フェイズ(混乱戦:3人→2人→1人) (a) 他者はすべて敵となる。よって障害物は無くなり自駒以外は全てが敵駒となる。最後まで生き残れば勝ち。 (b) 12x12の全面マスへ移動可能となる。 (c) 負け抜けた人の全ての駒はそのまま盤上に残る。すなわち勝ち残り組に取られ放題となる。またその持ち駒も、勝ち残り組が一手番を費やして取ることができる。 (d) Pは前後左右4方向に1マス移動可能となる。ただし敵駒を取るときは斜め方向への移動となる。 (e) Pの昇格は無くなる。(4方向へ移動可能であるため) (f) 取得したK駒は打てない。(K駒の再使用は禁止) 「交錯干渉チェス」が日本語では、その特徴をよく表していているのですが、対応する短い英語表現が思い付きません。 cross over(交差)、tangle(もつれ)が候補となってます。前者は日本人にも馴染みがあって理解されやすいのですが、交錯とか干渉などの深い意味は含まれていないと思います。後者は一語で意味を伝える良い単語だと思うのですが逆に馴染みがありません。良い名前がありましたらご提案ください。 ゲムマ2018秋に参考出品します。 A3両面コピー紙ですが、リリリチェスをお買い上げの方に枚数限定(20枚を予定)で無料進呈しますので、その旨お申し付けください。 2018.11.23 更新 Rev0.20 13x13盤への変更を検討中です。 以下の図のように初期配置が左にひとマス分寄って右に空きマスができます。これで序盤の駒の混雑具合が緩和されます。美しい対称性が失われますが、実用性は向上すると思います。いっそのこと、QとPを1駒ずつ追加して隙間を埋めるようにRNBQKBQNRの配置にしてしまおうか...。 2019.02.19 誤字訂正です。 誤)2011.11.23 更新 正)2018.11.23 更新 関連 リリリチェス ジュエルズチェス ANRIGUNO しなり折り Sheetuple (シートゥプル) 紙製ミープルSheetupleとその原型 FESCAワイルドラミーR FESCAワイルドラミーR用カード立て 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2018/11/21 15:44
- 按理具庵
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- FESCAワイルドラミーR用カード立て
- FESCAワイルドラミーRのルールのダイジェストを記載した「しなり折り」カード立てをゲムマ2018秋に頒布予定です。 元はA4の紙(やや厚)↓です。 ↓このように3回折って、 紙のしなり反発力を利用したアーチ構造を作ります。 カードは手前にできた隙間に挿し込んで立てます。 FESCAワイルドラミーRに関してはこちら→FESCAワイルドラミーR再始動 こんな感じに並べて使います。 さて、待ちは何かな? 関連 紙製ミープルSheetupleとその原型 ANRIGUNO しなり折り Sheetuple (シートゥプル) 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2018/9/13 9:56
- 按理具庵
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- FESCAワイルドラミーR再始動
- 2018秋に向けて再始動です。 FESCAは既存のトランプゲームを基にゲームを創作して遊ぶことをコンセプトにしていますが、やはり何か代表的なキラー・コンテンツがなければ売れないのではと思うようになりました。 フェスカでラミー、フェスカワイルドラミーまでは、誰でも考えられる単なる創作サンプルゲームでしたが、このワイルドラミーRは違います。従来のラミー系ゲームには無いオリジナル要素がてんこ盛りで、自信をもって新作ゲームと呼べるものになっています。 創作サンプルのラミーはこちら→ FESCA(フェスカ)創作ゲーム、フェスカでラミーとワイルドラミー 以前、投げやりに公開したルールブックPDFには、本当に恥ずかしい大きな間違いがありました。 以前の公開はこちら→ FESCA(フェスカ):ワイルドラミーRが間に合わない 相順の上限は5枚としているのに何故か図の説明では6枚並んでいました。 この修正と誤字訂正など合わせタイトル付けて体裁を整えました。 まだ正式なルールブックとするには内容が足りてないのですが、たたき台として公開することにします。 公式ルールブックはPDFで16ページです。 内容が盛りだくさんなので、これから何回かに分けて詳しく解説していきたいと思います。 今回はゲーム名についての解説です。 ゲーム名の末尾の「R」は、もちろん再使用(Reuse)の意味です。(ちなみにFESCA説明書のエスタ12RのRはRevolution(革命)のRであり、被ったのは単なる偶然です。) ワイルドカード(ジョーカー)を再使用するルールは七並べで有名ですが、実はラミーキューブやラミー17のワイルドカードにも再使用ルールがあることを知りました。ラミーキューブはジョーカーと同じ万能ワイルドカードが2枚、ラミー17はFESCAのランクワイルドに相当する☆マークが各スート毎に1枚で計5枚です。FESCAは3種18枚のワイルドカードで、通常の使用方法とは逆の「抜き札」というルールもあって独自性があります。ワイルドラミーの「ワイルド」は元はワイルドカード(化け札)の意味でしたが、相手からカードを取ったり取られたりのゲーム性から、ワイルド本来の「荒ぶる」とか「野生の」という意味になってきています。 今後、点数調整やワイルドカードの使用制限など細かいルールを詰めるなどしてゲームとしての完成度を高め育てて、ワイルドラミーと云えばFESCAと認知されるほどに広く普及させたいと思っています。皆様のご支援(=ご購入)をよろしくお願いします。 PDF WildRummyR_Rev10.pdf 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルとPDFファイルの再アップロードで復旧させました。PDFダウンロードのセクションを分離しました。「これから…解説して…」のくだり、実態が伴わないため線引き消去しました。
- 2018/9/13 9:16
- 按理具庵
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- FESCA60ポーカーを考える
- 陰陽五行プレイングカード FESCA(フェスカ)のポーカー役を考えます。 フルセットの78枚を使用するフェスカ・ワイルドポーカーも考えてみたのですが、役が多く複雑で役の強弱を決める確率計算が複雑極まりなく、まったくお手上げ(ギブアップ)状態です。このため、まずは基本からということで、五行札(12ランク・5スートの60枚)のみを使用したFESCA60ポーカーを考えることにしました。 ほぼトランプと同じカード構成なので、トランプのポーカー役でそのままでいけそうです。トランプは13ランク・4スートですから、ランクを13→12に縮めて、スートを4→5に広げることになります。しかしフェスカは5スートなので、トランプとは異なるファイブカード(5 of a Kind)という役が新たに追加されます。トランプでもジョーカーを含むポーカーで、フォーカードにジョーカー1枚の組み合わせてファイブカードという役で呼んでいますが、フェスカでは同ランクの5枚組の純粋ファイブカードが作れます。なおフェスカではトランプと異なり、絵札が無いのでロイヤル・ストレート・フラッシュという役はありません。そもそもトランプの役でもストレートフラッシュの最高位として扱うべきものなのですが、わざわざ分離した役になっているのは謎です。 ポーカー役は、(a)同ランク揃え系、(b)ランク順並べ系(ストレート)、(c)スート揃え系(フラッシュ)の3種およびその組み合わせで成り立っているのですが、フェスカは5スートなので、スート揃え系に「5つのスートを各1枚ずつ集める」という役を追加することが考えられます。一つのスートに揃えるのがフラッシュですが、その逆でバラバラに5つ揃えるということです。感覚的にはフラッシュよりずっと簡単にできる役と思われますが、でもワンペアよりは難しそうで、ツーペアやスリーカードと比べると確率的にどうかなというところです。この役名を最初は「ファイブ・エレメンツ(5つの元素)」としたのですが、どうもフェスカに縛られた名前であり、他の多スート系トランプでも使える汎用的な名前の方が良かろうと考えて「ミックスウェル(Mix Well、よく混ぜる・よく混ざっている)」としました。このミックスウェルは他の役との複合も可能なのですが、それぞれ区別すると役の数が増えすぎて覚えられないし、また複雑になり過ぎるため、複合役は補助的に考えることにします。例えば手役がスリーカードどうしで競合して、一方にミックスウェルの複合があった場合に、スリーカード・ミックスウェル(3 of a kind with mix well)として複合している方が役順が高いとします。 以上まとめるとトランプのポーカー役との違いは、 (1)ファイブカードがある (2)ロイヤル・ストレート・フラッシュがない (3)各スートを1枚ずつ集める「ミックスウェル」という役を追加 となります。 「ミックスウェル」の強さがどの程度になるのか、役の出来やすさがトランプとどの程度違うのか興味深いところで、厳密な確率計算をしてみました。ただしミックスウェルの複合役は除外しています。 計算式の C(n,r) は組み合わせ数関数であり、数学表記だとは nCr で、Excelの関数ではCONBIN(n,r)に相当します。式中の x は乗算記号の×(かける)で、数学的には省略されるべきですが、式の意味を分り易くするためにあえて挿入しています。 ^ はべき乗記号です。 結果を見てみると、まずは赤枠で囲った部分が最重要です。フラッシュとフルハウスの確率がトランプのポーカーと逆転しています。スートを広げてランクを縮めることで、(a)同ランク揃え系の役が出来やすくなり、(c)スート揃え系(フラッシュ)が出来にくくなるため、強弱順位の逆転が生じたということでしょう。元々のトランプのポーカーでも、このフラッシュ,ストレート,フルハウスの役の強さ順は、3系統の役が混在して感覚的に覚えにくいところでもあり、滅多に競合(同じゲーム中で成立)することもないので、順番を覚えなくていなくてもゲームは楽しめると思います。FESCA60ポーカーでもフラッシュが出来にくくなり順位が変わったことだけを記憶に留めておくだけでよいでしょう。 次の注目点は「ミックスウェル」(※短縮発音表記でミクセルとしたい)です。ツーペアとスリーカードの中間にほどほどイイ感じの確率で収まってくれてます。ワンペアでは勝負にならないのは当たり前で、より高いツーペアやスリーカードを狙ってカードチェンジするのが通常で、時々ストレートやフラッシュも狙ったりすることもありという状況にあって、新たにそこそこ確率が高めで出来やすく、しかも複合役としても使える「ミックスウェル」は役として、とてもおもしろい(興味深い)と云えるのではないでしょうか。 この確率計算は、最初の5枚配りの段階で役が成立している確率であり、カード交換するとさらに高まります。ワンペア以上の何かしらの役ができる確率はトランプで約50%であるのに対し、フェスカ60ポーカーでは約60%と高まってきます。役無しハイカードでのつまらない勝敗判定の確率も減ってゲームが楽しくなるはずです。 今回は、FESCA60ポーカーの紹介でしたが、実はFESCA65(五行札と空無札)の検討もしています。空無はZAT(0と13:Zero and Thirteen)使い限定の場合だけです。13ランク・5スートになりトランプとのカード構成の差が小さい分だけFESCA60より特徴が表れにくく、少し物足りない感じがしています。空無をZATとランクワイルドの兼用としたら、大きく変化して面白くなりそうな気がしているのですが、最初に述べたようにワイルドカードを含む計算が複雑で詳細分析できていません。数学に強い人、誰かチャレンジしてもらえませんか。 最終的には、フルセット78枚で、陰陽札をスートワイルドと陰陽スートの両使い、空無札をランクワイルドとZATの両使い、太極札をジェネラルワイルド使い、としたフェスカ・ワイルドポーカーを完成(新役追加と厳密な役順確定)させたいと思っています。参考までに現状で、考えてある役の一部を公開しておきます。陰陽や空無をワイルドカードとして使う役をセミ(Semi)+元の役名としています。フェスカの特徴である相生・相克順を適用した並び役もあります。 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。サムネイル画像は以前のと異なっているかもしれない。
- 2018/8/22 13:17
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ)七変化
- フェスカを跳躍進化形のトランプと呼ぶ理由の一つが、カード構成の柔軟性が極めて高いことにあります。 トランプは13ランク4スート構成であって、これにジョーカーを加えるかどうかの変化はありますが、基本はそれだけです。ある種のゲームにおいては数札のランクを幾つか抜くことが行われたりもしますけど…。 フェスカは(12+1)ランク・(5+1)スートの構成なので、この“+1”に関わる陰陽,空無,太極の有無で、原理的に2^3=8通りの変化があります。さらにトランプの絵札のような特殊なランクがないので、フェスカでは上位ランクから単純に削ることで、参加人数に応じた枚数調整ができたりします。 ※FESCAのカード構成の詳細は、 こちら→FESCA(フェスカ)はゲームではない! タイトルでは七変化としていますが、実用性のある構成はもっと多くあるでしょう。図に示すように、カード構成の名前はFESCAの後に総枚数を付けることで区別しています。 FESCA54とFESCA42は、ランク数を削減した少人数(1~4人)用の構成です。陰陽札の白黒の枚数を揃えるために2ランクずつ削るようにします。(0、1~10)の11ランク構成のFESCA66も有り得ますが、元の78枚からの差が小さくて有益性は低いようです。 ※少人数用の枚数に関しては、 例えばこちら→FESCA(フェスカ)創作ゲーム、フェスカでラミーとワイルドラミー ※他に枚数を少なくして難易度を調整するゲームの例は、 こちら→FESCA(フェスカ):神経衰弱系2種 FESCA53は、完全なトランプ互換(52枚に1枚ジョーカー付き)で、金スート削除という変則構成となります。5つの元素の中から何故に“金”を削除の対象とするか気になる人もいるでしょう。もちろん理由があります。西洋の四元素説では、火,水,風(空気),土であり、これがトランプの4スートに対応するという説があります。東洋のトランプとも云われる陰陽五行説の5元素のFESCAから、風にそよぐ木の葉のイメージで木と風を無理やり対応付けて、一つの元素“金”を削除(5-1=4)したということです。もう一つには、4つの代表色(赤,青,緑,黄色)を残すため、シアン(空色?水色?青緑?)を削ったということです。しかし実のところ色の方は話が逆で、FESCAのカードデザインの段階で西洋の4元素に対応するように代表4色を割り付けたという裏話もあります。 ※裏話をもっと知りたい方は、 こちら→FESCA(フェスカ)誕生秘話ートランプをゼロから再発明してみたら、こうなった。 ※四元素説や陰陽五行説についてはWikipedia等で検索して調べましょう。 FESCA60,61,65,72は、先に述べた“+1”による変化構成です。同じゲームでもカード構成を変えるだけで、難易度が変わる進化型のゲームができたりします。 例えばフェスカ・スピード、最初は五行札だけのFESCA60で相生回しのルールだけで始めて、太極札を追加したFESCA61で、「太極札が出たら相克回しに切り替え」というルールを追加し、陰陽札を追加したFESCA72でスートワイルドとして扱い、さらには陰陽の数上げ下げルールに変化させ、最終的には空無札を含めた標準の78枚構成で、空無ランクワイルドやオプション機能起動のルールを追加して完成させます。 ※スピード系ゲームに関しては、 こちら→FESCA(フェスカ):スピード系6種 このようにFESCAは、既存のトランプゲームを拡張適用して、新たなゲームを創造して遊ぶカードです。 と、実は長い長いマエフリなのでした。本当のお楽しみは、次回につづく!! ※ゲームの創作レベルに関しては、 こちら→FESCA(フェスカ)創作の階段 ついでに、 ※お買い求めは、 こちら→FESCA(フェスカ) Amazonで販売はじめました。 変更来歴 2024.06.20 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。「ついでに…」は古い情報なので線引き消去しました。
- 2018/8/18 14:20
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ):神経衰弱系2種
- ゲーム名:フェスカでスーパー神経衰弱 創作レベル:☆(1.0 - 0.3 = 0.7) ルール説明: フェスカは6スートあるので、3枚揃えで取ることにする。 解説: トランプの神経衰弱は2枚揃えですが、上級者用ルールとして4枚揃えのルールがありウルトラ神経衰弱とか呼んだりするそうです。6スートあれば3×2=6なので3枚揃えは誰でも簡単に思い付くことができます。ノーマルとウルトラの間だからスーパーを付けてみましたが、ゲームの難易度(必要とする記憶力)が高まるだけで、それは面白さに繋がらない気がします。 2枚揃えルールでは新たな1枚をめくって揃うと取れるので記憶すべき枚数は1枚、それに対して3枚揃えルールでは2枚を記憶していなければならないので、記憶すべき枚数が2倍になるということです。トランプの4枚揃えルールでは3倍記憶であり、いくら上級者とは云え、いきなり3倍は乗り越えるべき壁が高すぎます。このように元ゲームとの難易度の差が大きいので4枚揃えルールが普及しないのだと思います。だからと言って3枚揃えなら良いのかと云えば、それでも2倍の記憶を必要とするので、これも厳しいと言わざるを得ません。 フェスカの6スートという要素を取り入れてはいるのですが、これは全くもって悪い創作例です。フェスカでなくても従来からある6スートのトランプでもできるし、難易度が急に上がるだけで楽しくもないからです。フェスカは単なる6スートではなく(5+1)スートが特徴なのですから、それを活用すべきです。 ゲーム名:フェスカ神経衰弱相縛り 創作レベル:★☆(1.4) ルール説明: 2枚揃えで取れるが、場の相状態により取れるスートの組み合わせが制限される。陽場なら相生関係の組み合わせが取れ、陰場なら相克関係の組み合わせが取れる。 陰陽札はスートワイルドとして扱い、片方に陰陽札を含む2枚組であれば、場の状態が陰場でも陽場でもどちらでも取れる。同時に場の相状態が切り替わる。すなわち偶数の陰札を含めば陰場になり、奇数の陽札を含めば陽場になる。 空無札と太極札は特殊で6枚揃えでなければ取れない。しかも必ず太極を最後にめくらなければならない。空無太極の6枚が取られると、その時点で相縛りが解除され、スートに関係なく同ランクの2枚揃えで取れるようになる。 場の初期状態は適当な方法で決める。例えばゲームの開始時に一番最初にめくったカードが偶数なら陰場で、奇数なら陽場で始めることにする。(空無と太極なら無視して最初に現れる五行か陰陽のカードで決める。) 解説: フェスカの(5+1)スートと相生・相克関係と場の相状態変化の要素を取れ入れたお手本のようなルール構成です。 場の相状態を使う相縛りは、解除の条件を設けていないと、いつまでも取れない札が残る可能性があります。空無と太極札は形が大きく白抜きで特徴的で記憶されやすいこと、色が共通のマゼンタであることから6枚まとめ揃えとし、加えて相縛り解除に適用するルールがよくできています。 3枚の内の2枚は必ず相生か相克の組み合わせになるので、記憶すべき枚数は1枚または2枚であり、平均すると1.5枚と云えます。しかも6枚の内の1枚は陰陽札なので実質的には、この1.5枚よりは少ないと考えられます。すなわちトランプの神経衰弱に比較して1.5倍弱の難易度です。加えて相縛りを意識して取る順番を考慮する必要性が生まれて戦略思考的な要素が加わり、さらに空無太極を取ると相縛りが解除されて多数まとめて取れるので大逆転の可能性も高まります。 名前に関してですが、ゲームの本質を伝えるため「メモリ・ペア取り」を考えていたのですが、元祖の「神経衰弱」があまりにも良くできた強力なネーミングであるため、このまま使うことにしました。これがフェスカの神経衰弱系ゲームのスタンダードになるのなら、「相縛り」の識別修飾語は省略されることになるかもしれません。どなたかもっと面白いゲームを創作してみませんか。 実例: 上の図で戦略思考性の具体例を説明します。 今、場の相状態は「陰」で、10枚を記憶しているとします。単純に考えれば、相克のペア2つしか取れませんが、陰札と陽札を含む組み合わせを使って、場の相状態を「陽」に変化させれば相生ペアも取ることができます。ただし自分だけがこの10枚を記憶しているのではなく、相手もこの内の何枚かを記憶しているはずです。なるべく多くのペアを取りつつも相手にとって不利となるような状況で終わらせたいのです。さて、どのような順番で取ればよいでしょうか? 関連 FESCA(フェスカ)はゲームの具材です。 FESCA(フェスカ)創作の階段 FESCA(フェスカ)創作ゲーム、フェスカババ抜きとシンクロババ抜き FESCA(フェスカ):スピード系6種 FESCA(フェスカ)創作ゲーム、フェスカでラミーとワイルドラミー FESCA(フェスカ):ワイルドラミーRが間に合わない FESCA(フェスカ):バトル・オブ・エレメンツ・レベル1(2人制)(略称 BOEL1) FESCA(フェスカ) Amazonで販売はじめました。 変更来歴 2024.06.21 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2018/5/3 15:12
- 按理具庵
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- FESCA(フェスカ):スピード系6種
- ゲーム名:フェスカでスピード 創作レベル:☆(0.1) ルール説明: トランプのスピードとぼぼ同じでランクの上げ下げで出す。 空無をZATランクとして12,ZAT,1と繋ぐ。太極札はZAT扱いとする。 解説: フェスカでは使う札は1.5倍と枚数が多くなりますが、ゲーム構造は全く同等であるため創作性は全くありません。ただしトランプのJ,Q,K,Aが幼児には順番を理解し辛いのが、フェスカでは12, ZAT(0&13), 1 となって分かり易くなっています。この改善で0.1ぐらいはフェスカ要素加点があってもいいかも。 ゲーム名:フェスカ・スート・スピード原型(プロトタイプ)(FSSP) 創作レベル:★(1.2) ルール説明: 陰陽札と太極札の13枚を除く65枚または5行札のみ60枚を使用し、ランクの昇降順に替えて2種類のスート順で出す。 相生順出しの積み山(陽山)と相克順出しの積み山(陰山)の2つを設ける。 解説: フェスカには相生と相克の2つのスート順序関係がありますが、これを別々の山に分けて出すようにします。トランプではランクは昇降順で2方向でしたが、フェスカのスートは5つしかないので片方向の順番のみで回すことにします。すなわち陽山では 木→火→土→金→水(→木)の相生順で、陰山では 水→火→金→木→土(→水)の相克順で出すことになります。どちらの山に出しても構いません。相生相克のスート順は交錯しているので、どちらの山にどのような順で出すと連続して出せるかを素早く考える必要があります。なお2つの山は陰陽マーカー札を横に並べることで区別するようにします。 フェスカ要素であるスート相関係を上手く使っているのでレベル1に認定されます。相生と相克で山を分けた点が工夫であり、ゲームをやや複雑で面白くしています。ただし陰陽札と太極札を使っていないので創作点は低く抑えられています。 分析: トランプのスピードのランク昇降順で、4枚手前に表並べ、出し山が2つの条件での確率をざっくりと計算してみます。 ある台札があってそのランクに対し+1側(昇順)の4枚と-1側(降順)で4枚があり計8枚を出せるので8/52(≒0.154)が基本確率です。これに開けて置ける枚数の4と台札積み山の2を掛けると、(8×4×2)/52=64/52(≒1.23) となり、1を少し超えているのでほぼ連続的に札が出せることになります。このように4枚開きと2つ山は良く調整された数であることが分かります。ではフェスカ・スート・スピード(60枚)はどうでしょう。ある台札スートに続けて出せる札は1種のスート全部の12枚なので、ざっくり基本確率は12/60(=0.2)、同じく4枚開きの2山ですから(12×4×2)/60=96/60=1.6になります。したがってトランプのスピードよりも確率が高いので連続的に出し易くなるはずです。どちらを先に出すかの迷いも多くなって楽しさも高まります。 ゲーム名:フェスカ・スピード・スート&ランク(FSS&R) 創作レベル:★☆(1.6) ルール説明: スートスピードのスート回しのルールと通常のランク昇降順を太極札によって切り替える。 太極札はジェネラルワイルドでどの台札にも対応して出せて、そこに積む札も自由に選べる。 太極札が積み山に出された瞬間からルールが切り替わる。太極札めくったら自分の場に置かずに即使用しなければならない。 ランク⇒スートにするかスート⇒ランクにするかは最初に話し合って取り決める。 陰陽札はスートワイルドとして扱う。スート回しモードでは、どのスートに対しても出せるし、出した後のスートも早いもの勝ちで自由に出せる。空無札はランクワイルドとして扱う。ランク昇降モードでは、どのランクに対しても出せるし、出した後のランクも早いもの勝ちで自由に出せる。空無札はZATとして扱わないので、ランク昇降モードでは12, 1が連続する。 解説: 陰陽をスートワイルド、空無をランクワイルドとして扱い、太極札でルールを切り替える点がフェスカ的であり、創作レベルは高まっています。しかし、この太極札による変化もフェスカ要素のひとつであって、独自性があるとまでは言えないのでレベル2には達していません。 ゲーム名:フェスカ・スート・スピード・リミテッド(FSSL) 創作レベル:★★(1.9) ルール説明: ランク昇降順ルールを局部的に適用する。 基本はスート回しルールでありながら、陰陽札にのみにランク昇降順のルールを適用する。すなわち陰陽札を出すときは台札のランク+1/-1でなければ出せないし、出した後(陰陽札が台札)は、+1/-1のランクの札しか出せない。陰陽札はスートに関してはスートワイルドであり、ランク縛りを満たした任意のスートの札を出せる。 空無札はランクワイルドとして扱う。ZAT扱いとしないので12と1が連続する。ランクワイルドなので陰陽札の直後にも出せる。 太極札はジェネラルワイルドとして扱う。 解説: 陰陽札を単なるスートワイルドとすると、簡単に連続出しできるようになり過ぎて、本当に反射神経だけのゲームに陥いってしまいます。頭も少しは使って出す順番を考えるようにランク昇降順のしばりを加えるように改善しました。局部適用という発想は独自性が高いので創作レベルは2にしても良いくらいです。独自性があってゲームバランスも良く、完成度は高いと思います。 もしフェスカのスピード系ゲームの標準となるのであれば、名前はフェスカスピードまたはフェスカ・スート・スピード・スタンダード(FSSS)にすべきだと思います。 ゲーム名:フェスカ・スピード偶奇回し(FSEO) 創作レベル:★★(2.0) ルール説明: ランク昇降順に替えて偶数昇順と奇数昇順を採用する。 奇数昇順は 1→3→5→7→9→11(→1)、偶数昇順は 2→4→6→8→10→12(→2)とする。偶数と奇数の枚数を等しくするため空無札のZAT(0と13)は使わない。さらに偶数と奇数の切り替えに「13の補数」関係を使う。「13の補数」とは2つの数を足して13になる関係であり、例えば2に対する「13の補数」は11である。フェスカの世界では単に「補数」と云えば「13の補数」であると決めると「2の補数は11」のように省略できる。 一例を示すと、2の後に出せるのは偶数昇順である4と補数である11の2種となる。もう一つ例を挙げれば、5の後に出せるのは奇数昇順の7と補数の8の2種になる。 空無札と太極札はランクワイルドとして扱う。 解説: ランクワイルドは台札がなんであっても出せて、出した後にもなんでも出せることになります。あまりにも強力なので、制約を付けても良いかもしれません。ランクワイルドを出した後は自分は連続して出せない(=必ず相手に出させる)と云うルールが良いでしょう。 偶数(Even)/奇数(Odd)なので略称がFSEOとなっています。 偶奇回し補数による切り替えは独創性があって創作レベル2ですが、スート関係が未使用であること、空無札・太極札が単なるランクワイルド扱いであることから、創作点としては低く抑えられています。偶数と奇数および補数の概念を学ぶのには最適なゲームと云えるでしょう。学習用としては良いかもしれませんが、単にややこしいだけで、あまり楽しくないかもしれません。というか、実はこのゲームは次の発展形への布石であって前振りになっています。 ゲーム名:フェスカ・スピード・スート&偶奇回し(FSS&EO) 創作レベル:★★☆(2.4) ルール説明: スピード系ゲームの集大成であり、スートモードは相生相克回しで、ランクモードでは偶奇補数回しとする。 解説: モードをどのように切り替えるか、陰陽・空無・太極札をどのように扱うかなど、皆さんで考えてみてください。 ランク/スートのモード切替は複数回発生した方が面白いでしょう。ただし多すぎるても良くありません。 陰山と陽山の切り替わりとか、スート順の逆回しとか、さらに難しくするアイデアもあります。 ただし複雑なルールで難しくし過ぎると大人でも遊べなくなってしまいます。適度に難しくし、その難しさを克服することが楽しいと感じられる程度に抑えることは重要です。ゲーム創作において、このようなゲームバランスを考慮することは、とても大切なことなのです。 オプション ルール名:利き手スイッチ 説明: 空無札を積み山に出すとき、「スイッチ(切り替え)」と宣言して、相手の右手と左手の役割を切り替えさせる、あるいは「解除(リリース)」と宣言して、自分の左右の手の役割を通常の状態に戻す。 解説: 右利きの人は左手に札束を持ち、右手でめくって出すのが普通です。もし左右の手の役割を切り替えたら、札を出すスピードが低下するはずです。 トランプのスピードにも同じルールは適用できますが、条件札をどうするかが悩みどころです。例えばAにその機能を与えるとすると、A、2、Aと出すときわめて短時間に解除されてしまい面白くありません。スペード♠の絵札(J,Q,K)でスイッチ、ハート♥の絵札(J,Q,K)で解除など機能を分離すると良いかもしれません。Aと8とかの離れたランクにするのもありでしょう。 関連 FESCA(フェスカ)はゲームの具材です。 FESCA(フェスカ)創作の階段 FESCA(フェスカ)をトランプと比較してみた。 FESCA(フェスカ)はゲームではない! 変更来歴 2024.06.21 画像ファイルの再アップロードで復旧させました。
- 2018/4/30 13:50
- 按理具庵