Play With Us Design @PWUDesign
Play With Us Design は、台湾発のボードゲームブランドです。 「一緒に遊ぶ時間を、もう一度大切にしたい」という思いから、 小さく持ち運びやすく、気軽に遊べて、何度も楽しめるゲームをつくっています。 手に取ったときの質感や、遊んだあとに残るちょっとした会話も、 ゲームの大切な一部だと考えています。 今回のゲームマーケット2026春では、 新作『リーブス』『エーブス』『ウップス!』を中心に、 いくつかの作品をお持ちします。 エリア55でお待ちしています。 気になる作品がありましたら、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
- 迷路に出口はあるのか?『八歩』が『リーブス』になるまで
- 2026/5/2 5:17
迷路に出口はあるのか?
『八歩』が『リーブス』になるまで
文/Shi Chen 編集/Amoon
『リーブス(Leaves)』は、静かで、ミニマルで、すっきりとした抽象カードゲームです。
けれど、このゲームが皆さんにお届けできる形になるまで、私たちは何度も立ち止まり、何度も引き出しにしまってきました。
前回お話ししたように、私たちは一度、『八歩』をもっと重く、もっと完成されたゲームにしようとしました。
しかし、その方向では、だんだんと本来のシンプルで澄んだ面白さから離れてしまうことに気づきました。
そして、また最初の問いに戻りました。
このゲームは面白い。
では、どうやって出版すればいいのか。
しばらくは良い突破口が見つからなかったため、私たちは当初の出版計画に沿って、先に『ヴィータモーズ』の続編である『ヴィータモーズ.コンスピロ』の制作を進めました。
私たちは普段から、ひとつのゲームだけを編集しているわけではありません。
複数の企画を並行して進めながら、その時々で優先度を判断しています。
当時は現実的な状況として、より急いで形にする必要がある作品に力を注ぐことになりました。
その後、COVID-19が世界中に広がりました。
テーブルゲームにとって、人が集まれないこと、店やイベントが止まることは、とても厳しい状況です。
こうして『八歩』は、しばらくのあいだ再び引き出しの中に戻ることになりました。
やがて少しずつ日常が戻り始めた頃、私はあきらめずに努力を続けました。
つまり、出社するたびに「私は本当に『八歩』が好きなんです」とチームに言い続けた、ということです。
その甲斐もあって、2023年のはじめ、年間計画を話し合う中で、私たちはもう一度『八歩』をテーブルの上に戻しました。
そしてついに、その年の主要な開発タイトルのひとつとして取り上げることになりました。
私は本当に『八歩』が好きでした。
時間が経つほど、シンプルで洗練されたゲームを作ることの難しさを強く感じるようになりました。
そして『八歩』には、私がプレイヤーに体験してほしい感覚がたしかにありました。だからこそ、どうしても出版したかったのです。
ただ、物語はここでもう一度曲がります。
2023年の初め、私たちは『八歩』のテーマや美術の方向性を探し続けていました。
その一方で、私は別の新しいゲームアイデアを思いつきました。それが、のちの『ドゥードルパズル』の中心ルールになります。
当時、『八歩』はまだ壁にぶつかっていました。
一方で『ドゥードルパズル』は、形になる道筋が見え始めていました。
そのため、私たちは開発の重心を『ドゥードルパズル』に移し、『八歩』は会議の残り時間で引き続きアイデアを出し合う、という形になりました。
2023年末、『ドゥードルパズル』が発売されました。
その後、過去作のリメイクや新しい商品ラインについて話し合う中で、Drayがひとつの提案をしました。
もっと軽く、手に取りやすい価格で、これまでの Play With Us Design のラインナップとは少し違うシリーズを作ってみてはどうか。
この提案は、私にとって大きな扉が開いた瞬間でした。
まるで、ずっと解けないと思っていた『リーブス』の問題に、実はちゃんと解き方があると気づいたような感覚でした。
最初の『八歩』では、9枚のカードをそのまま場に並べ、プレイヤーがそれらをひとつの山にまとめるルールでした。
しかしこの形式では、確率は低いものの、どうしても「解けない問題」が発生する可能性がありました。
私たちは、プレイヤーが問題そのもののせいで止まってしまう状況を避けたいと考えました。
そこでルールを変更しました。
場に並べるカードは8枚。
中央には空きマスをひとつ残します。
そしてプレイヤーは、手札3枚の中から1枚を選んでその空きマスに置き、そこから問題を解き始めます。
つまり、問題を解く鍵はプレイヤー自身の手の中にあるのです。
テストプレイ中、プレイヤーからよく聞かれました。
「これ、解けないことはありますか?」
今なら、はっきり答えることができます。
ありません。
なぜなら、問題はもう閉じた9枚のカードではないからです。
プレイヤーは、そのうちの1枚を自分で選ぶことができます。
そのおかげで、ほとんどの問題には非常に多くの解き方が生まれます。私たちはこの点について、プログラムでも検証を行いました。
振り返ってみると、『八歩』が『リーブス』へと変わっていく過程も、少しこのルールに似ていたのかもしれません。
一見すると解けないように見えても、本当に道がないわけではない。
ただ、どのマスから始めればいいのか。どの1枚を置けばいいのか。
私たちがまだ見つけられていなかっただけなのです。
だからこそ、私たちはこのゲームをあきらめませんでした。
何度も試し、何度も方向を変え、何度も引き出しから取り出して眺めました。
そして、商品ライン、美術の方向性、ルールの形が少しずつかみ合っていったとき、ようやく迷路の出口が見え始めました。
では、なぜこのゲームは最後に「落ち葉」になったのか。
そして、どんな美術案が採用されずに消えていったのか。
それは、もうひとりの当事者が語る物語です。
次回は、Yawen に『リーブス』になる少し手前の、いくつもの姿について話してもらいます。
作者紹介
Shi Chen(チェン.シー)
Play With Us Design のゲームデザイナー。2010年にボードゲームと出会い、2015年に仲間とともに Play With Us Design を立ち上げ、ゲームデザインと出版の道へ。好きなゲームジャンルはデッキ構築。運の要素が強すぎるゲームは少し苦手。現在の目標は、より多様なタイプの作品を生み出していくこと。
