青い街 @Kazuki_Sugioka
カードとアートのあわいに広がる青い街です。
「解かれたページとしてのカード」というコンセプトでカードゲームをつくっています。
今回は新シリーズ
『Ars Combinatoria』の1巻を200部限定で販売します。
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- あらためて御礼
- おかげさまで、東京ゲームマーケットで無事に 『Ars Combinatoria』を発表・販売することができました。 「無事に」とは言っても、一昨日は帰宅するやいなや 倒れるように眠り込んでしまい、 昨日おきたら喉がジンジン。 どうやら風邪をひいてしまったらしく、 昨日は朦朧とした中で一日を過ごしました。 そんなこんなで、 お礼を伝えるのがずいぶん遅くなってしまいましたが、 >お買い上げいただいた、みなさん >お手伝いいただいた、みなさん >いろいろな形で応援していただいた、みなさん 本当にありがとうございました。 売るための説明をしてみてあらためて思ったのは 「あぁ。これはぼくのライフワークなんだな」ということ。 『Ars Combinatoria』の最大の魅力は つくる楽しみを共有できることです。 直接カードやゲームをつくる楽しみもありますが、 人が集う「場」をつくる力もあります。 あと1週間ほどで52歳になりますが、 ようやく人生を通して得た知識や思いを あますところなく盛り込んだ作品ができました。 今回は創刊号 (「ディアゴスティーニみたいですね」と言われました (^-^)) ですが、これから2号・3号と出していくのが楽しみです。 それから、残念なことに解説書だけでなく カードの側にもエラーが見つかりました。 ゲームができないわけではありませんが、 きちんとしたものをあらためて(もちろん無償で) おわたしすべく準備を始めています。 おわたしする方法については、後日ご案内しますね。 何はともあれ、『Ars Combinatoria』の船出に 立ち会っていただき、ありがとうございました!
- 2017/5/16 7:41
- 青い街
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- 予約特典
- 新作『Ars Combinatoria』の箱が「本みたい」ということで それを積極的にアピールしていますし、 たくさんの嬉しいメッセージもいただいています。 「本棚から出して友達を驚かせたい」とか 「スパイ気分でワクワクします」とか。 で、あらためて思ったんですが、青い街のゲームは 以前から変わった箱に入っていたんですね。 写真の巻き込み型のケースは、代表的なタイプです。 これ、カードとほぼ同じ大きさの箱(というか紙)で 中が解説書になってるんですね。 まぁ、「知る人ぞ知る」という感じだったんですが、 世に知られないままにしておくのももったいないので、 今回在庫を一掃する形で販売することにしました。 加えて、『Ars Combinatoria』の予約をしてくださった方に (すでにしてくださっている方にも)プレゼントします。 復活祝いの大盤振舞いです。 『GRUND(裏切りの理由)』は1,500円。 『再見』は2個で1,500円なので、予約をしていただければ 『Ars Combinatoria』は実質2,000円で手に入れられます。 ご予約の締め切りは、5/13(土)のAM11時。 あと12時間ほどです。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/12 23:24
- 青い街
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- 彼女の独身者たちによって配られるチラシ、さえも
- いや、ただのチラシなんですけどね。 それもまた、美しくあって欲しいと思って マルセル・デュシャンの作品タイトルをもじってみました。 ただ、 デュシャン自身は「美しい」ということを嫌った人でした。 美しさは、秩序や何らかの規範に従った結果ですから それを窮屈だと感じたようです。 美しさよりも自由を好んだわけですね。 とはいえ、 そういう思考もまた美しかったりするわけで、 まるで合わせ鏡の無限後退のようです。 この写真はちょっとそんな風にも見えます。 マイダス王は触れるものをすべて金に変える 不思議な力を持っていました。 ぼくにはそんな力はありませんが、 整理整頓が好きなので触るものをすべてを 綺麗にすることはできます(笑) チラシの角をあわせて折るの、楽しかったぁ。 「折る」という字は「祈る」という字に似ているなぁ、 とも思います。 何かと何かを静かにあわせることで生まれる集中力。 それが手と手であれば、祈ることになるのかな? とか。 いよいよ、ゲームマーケットは明後日です。 『Ars Combinatoria』の予約締め切りは 明日(5/13)のAM11時。 唐突ですが、予約特典をつけることにしました。 予約購入をしてくださった方には 青い街の人気ゲーム『裏切りの理由』か『再見』の どちらかを差し上げます。 ※ 選択は購入時の先着順で。 多くの人に、出会いの喜びがありますように。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/12 8:03
- 青い街
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- あと3日
- カードゲームをつくってみたいと思ったのは たぶん2008年頃だったと思います。 なので、それから10年近くの年月が流れたわけですが、 大きな節目が近づいてきています。 ゲームの、というよりは人生全体の集大成とも言える 『Ars Combinatoria』という商品の発売です。 その舞台となる東京ゲームマケーットの開催(5/14)まで あと3日となりました。 今、日本中でたくさんの人がワクワクしながら 家内制手工業にいそしんでいると思うと それだけで楽しくなりますね。 ぼくはいろんな準備を早めにする方ですが、 それでもできていないことがたくさんあります。 当日に配るチラシの原稿を印刷所に入れたのなんて 一昨日の夜ですよ(笑) 大きな声では言えない(小さな声でも言わない方がいい) あれもこれもできていません……。 今夜と明日の夜が勝負ですね。 それでも、まぁ、商品はちゃんとそろっていますよ。 写真は出番を待つ『Ars Combinatoria』です。 200冊のかわいい子供たち。 結婚式前の娘を見守る父親の気分かな? ゲームなのに「冊」で数えるところが楽しいですね (^-^) ご予約は5/13(土)AM11時に締め切りです。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/11 6:25
- 青い街
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- はじめの一歩
- 年2回開催されるゲームマーケットには たくさんの新作が出展されます。 どうしてそんなにたくさんの新作がつくられるか と言えば、楽しいからなんですよね、ゲームづくりが。 もちろん最初からゲームをつくれる人はいなくて、 誰もが普通にゲームをするところから始めます。 そこから徐々に自分でつくってみたくなるわけです。 自分がおもしろいと思う要素を結晶化させてみたくなる。 その思いの集積がゲームマーケットの活況だと思います。 つまり、ゲームにはプレイする楽しみだけでなく、 つくる楽しみもあるんですね。 『Ars Combinatoria』は そのことに比重を置いたゲームセットです。 創刊号「出会いの喜び/錬金術」は 5種類のゲームを収録していますが、 毎号2種類の新作を入れていきます。 その新作を一緒につくることもできますし、 オンデマンド印刷を使って自分だけの オリジナルカードをつくる仕組みも準備しています。 解説書の方言版なんかもつくりたいなぁ。 青い街で一緒にゲームづくりを楽しんでみませんか? というわけで、 『Ars Combinatoria』はゲームづくりのきっかけになる 役割も持っています。 ゲームマーケット(5/14)まで、あと4日。 予約の締め切りは、5/13 AM 11:00です。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/10 5:12
- 青い街
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- カードを「おふだ」と呼ぶ理由
- 幸せな記憶を瞬時によみがえらせてくれるものがあれば 辛いことや悲しいことがあっても それを乗り越えていけると思うのです。 記憶のトリガーはくりかえし聴いた音楽だったり 懐かしい香りだったり、人それぞれだと思います。 ぼくの場合は、 人がなごやかに集い、 お互いを大切にしあう気持ちの交流に幸せを感じるので そうした場をつくってくれるカードゲームに ある種お守り的な力を感じます。 だから、 自分でもそうしたゲームを提供していきたいと思い 青い街という会社を立ち上げました。 『Ars Combinatoria』は、 その旗艦となるゲームセットです。 手にする人の「幸せのお守り」になって欲しい。 そんな風に思っています。 カードというより「おふだ」と呼びたい由縁です (^-^) 『Ars Combinatoria』1巻の予約ページはこちらです。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/6 9:21
- 青い街
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- ゲームをつくるというゲーム
- ぼくがつくったゲームを買ってくれたりプレイしてくれたりする人に 申し訳ないと思っていたことが1つあります。 それは、ぼくが一番楽しいと思うのは「ゲームをつくること」。 つまり、一番おいしいところを自分で食べちゃってたわけです。 それは、まぁ、仕方のないことではあって、 魚だって野菜だって、採れたてが一番おいしい。 釣ってすぐに船の上で調理すれば、それ以上新鮮な刺身はありません。 あるいは、とうもろこしは採ったあと急激に糖度が落ちるので、 市場経由では本来の甘みを味わうことが困難です。 同じようにゲームをつくる楽しみが味わえるのは ゲームメーカーだけ、と一旦は言えるわけです。 「一旦」と書いたのは、それは限定的なことではないな、と。 運び方を工夫すれば、実は一緒に楽しんでもらえるものだと 思うからです。 ぼくは、つくることには それ自体の楽しみが宿っていると思っています。 つくる側が苦しくて、 消費する側だけが楽しいものもあるでしょうが、 つくることには根元的な楽しさがある。 脳は感情的な主語を区別できないので 「これはこんな風に楽しんでもらえるだろうな」 と想像しながらつくることは、 実際に使ってもらう人の楽しさを 先んじて味わっていることになるわけです。 つまり、一番新鮮な状態の楽しさ! 『Ars Combinatoria』プロジェクトの最も大きな野望は、 そんな風に「つくることの楽しさ」を 一緒に味わってもらうことなのです ( ̄^ ̄)ゞ 『Ars Combinatoria』では、 自分だけのオリジナル・カードをつくることができますし、 一緒にゲームや解説書を開発していく仕組みも現在準備中。 本当に提供したいのは「つくる喜び」なんです。 とはいえ、料理教室に通うのは 自分で食べることを楽しみ始めた後だと思います。 いきなり「ゲームづくり」から始められはしませんよね。 その意味で、今回リリースする『Ars Combinatoria』1巻は 最初の一歩になるものです。 一緒にゲームづくりの楽しさを味わいたい方はぜひ! 『Ars Combinatoria』1巻の予約ページはこちらです。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/5 8:30
- 青い街
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- 意味の詰め合わせセットです
- 『Ars Combinatoria』1巻では 5種類のゲームが遊べますが、 それぞのゲームには正方形のロゴがあります。 写真の左上が『運命の人』。 ハイタッチする手と漢字の「八」をかけています。 漢字の八は牛の角からつくられた文字ですが 末広がりのめでたさにも通じています。 その右は『秘密のサイン』。 2人一組のチームが向かいあって座り、 カードをやりとりするゲームの動きを 秘密をあらわす「X」に重ねました。 真ん中は『時の祭壇』です。 すすむ時間をあらわす矛とまわる時間をあらわす盾の 組み合わせ。 矛盾する時間のイメージをかけあわせています。 左下は『幸せな時間』です。 砂時計の砂が落ちていくヴィジュアルによって 過去・現在・未来を可視化しました。 最後の横だおしの「8」は無限大の記号(∞)と重なる 『再会の約束』のロゴです。 デジタル数字の「8」は すべての要素が点灯する有限の象徴なので、 それを逆転させることで無限をあらわしています。 ぼくにとっては それぞれがかわいい子供達のようなゲームです。 いずれはすべてのロゴでTシャツとかまんじゅうとか つくりたいなぁ(笑) 『Ars Combinatoria』のご予約はこちらから。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/2 8:43
- 青い街
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- 坊主頭は英語で Shaved head です
- 『Ars Combinatoria』の解説書は、 日本語と英語で書かれています。 それらが併記されているので、 英語を解する人と一緒にゲームのインストを することができます。 その英訳を担当してくれたのは ボストン出身のアレン・サミュエルさん。 いろんなご縁をたどってつながった方ですが、 とても丁寧に翻訳してくださり、 また、表現上のサジェストもたくさんいただきました。 作者以上に思い入れを込めて 「伝える」ことを工夫してくれた感じです。 多謝! で、風貌も穏やかな方なのですが、 スキンヘッドにされていて、 そんなところも親近感を覚えた次第。 せっかくなので、ぼくと写真を並べてみました。 左が日本語の「坊主頭」で、 右が英語の「Shaved head」です(笑) サミュエルさんの略歴は、以下の通り。 ぼくが「魔法」と呼ぶ すぐに人を仲良くしてくれるカードゲームの魅力に 深い共感があることも嬉しいですね。 アレン・サミュエル アメリカ出身。 アメリカの大学を卒業し、直後に来日。 現在まで東京でゲーム全般の翻訳に携わっています。 近年は、 かねてより興味のあったデジタルゲームだけでなく、 ボードゲームを中心としたアナログゲームにも 関心を広げて翻訳活動を展開しています。 アナログゲームには、一緒にプレイするだけで あかの他人を友達に変えてしまう不思議な力があります。 日本のゲームの素晴らしさを世界の人々に伝えるため、 これからも努力し続けたいと思います。 というわけで、 『Ars Combinatoria』のご予約はこちらから。 5月14日(日)ゲームマーケットで 200個を限定販売します。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/5/1 8:24
- 青い街
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- 予約ページをオープンしました
- 昨日は、関係者をお招きしての 『Ars Combinatoria』お披露目会でした。 20数人の方にお集まりいただき、 『時の祭壇』を中心に楽しく遊んでもらいました。 ※『Ars Combinatoria』はカードセットの名称で 第1巻では5つのゲームを紹介しています。 『時の祭壇』はその中で最も重要なゲームです。 今後は、少なくとも年に1巻。 できれば2巻づつのペースでリリースしていきたいと 思っています。 そして、 一度リリースしたデザインの再販は行わない方針です。 というのも、『時の祭壇』のサブテーマは多様性なので 同じものを増やすよりも、種類を増やしたいんですね。 なので、1巻を増刷する場合にも、 カードのデザインはその都度変えていきます。 つまり、今回ゲームマーケットに出展する200冊は 今回限りの販売ということです。 厳密には カード自体はエッセン・シュピール用のものを含めて 500部つくってあります。 が、日本語バージョンのカバーは230部限定で 二度と市場に出まわらない希少品。 プレミアムですね (^-^) というわけで、本日、 ゲームマーケット用の予約ページをオープンしました。 気になる方はお早めにどうぞ。 http://aoimachi.net/?page_id=4050
- 2017/4/30 23:12
- 青い街
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- 秘密の小箱
- 『Ars Combinatoria』を開くと、 中はこんな風になっています。 左側には解説書を入れるポケット。 右側にはカードを差し込めるスロープ。 なぜそこがスロープになっているかと言うと、 この形だと箱を裏返さずにカードが取り出せるからです。 実はぼく、箱をひっくり反してカードを取り出す動作が あんまり好きではないんですね。 鮨をにぎる時に、あまったシャリをおひつに返すような 「本来の目的に反する、あまり美しくない行為」 だと感じてしまうのです。 いずれにせよ、パタンと閉じればほとんど「本」。 棚に平積みではなく、本棚に立ててしまっておけます。 ちょっとしたスパイ気分です(笑) ちなみに、外交は英語で「Diplomacy」ですが 接頭語に「2」を表す「Di」がついているのは 外交文書を二つ折りにしたことからなんですね。 つまり、そこには秘密があった。 で、スパイには「見る」という意味があって、 二つに折られた紙を開いて見る。 隠されている秘密を暴く人だったんですね>スパイ そんなこんなに思いをはせてつくった「箱」です(笑)
- 2017/4/29 11:10
- 青い街
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- 箱なのか、顎なのか
- 通常、アナログゲームはルールなどを考える人と イラストを描く人は別々ですが、 ぼくは一人でやっています。 いずれは他のゲームデザイナーさんや イラストレーターさんとご一緒していきたいですが、 まずは自分でできることは自分で。 というか、まぁ、そうするしかなかったわけですね(笑) 今回もイラストを自分で描きました。 で、昨日 ゲームマーケット用のカバーができあがってきました。 印刷物というのは、 刷り上がりを見るとやっぱり軽く興奮しますね。 これまで出していたカバー写真は ロサンゼルスのアートフェア用だったので 表記が英語だったり、仕様が少し違っていたわけですが、 いよいい日本語版が届きました。 箱、というか本を開くとこんな感じ。 太陽娘と月の女王です。 で、彼女たちの顎がとがっています。 いや、自分では特に意識したつもりはなかったのですが、 ぼくをよく知る人からの第一声は 「顎がとがっているね」 でした(笑) 顎フェチ? なのかな? 確かに、『羊たちの沈黙』で ジョディ・フォスターが叫ぶシーンを見て その顎の鋭角さにホレボレしたのは事実です。 田中麗奈がデビューした時に その顎を見て「新しい時代が始まった」 とも思いました。 進化というべきかどうかわかりませんが、 人間はだんだんと硬いものを噛み砕くことを しなくなっているので、 顎が細くなってきているのだとか。 カバーの話じゃなく、顎の話に終始してしまいましたが 『Ars Combinatoria』の予約ページは 4月30日(日)20時オープン予定です。 大河ドラマにぶつけてみました(嘘です) だんだんいい加減な人間になってきています(笑)
- 2017/4/28 8:21
- 青い街
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- 宝物は紙でできている
- 世の中的に価値が高いとされる宝物は石や鉄でできていますが、 ぼくはあんまりそういうものに惹かれなくて、 大切なものはだいたい紙でできてます。 小学生か!(笑) 先日取り上げた高山宏さんの『メデューサの知』もそうですが、 要するに「本」なんですね、大切にしたいものが。 だから、必然、素材は紙になるわけです。 ただし、今回取り上げるモノは、厳密には本ではなくて、 ルーズリーフのレプリカ。※写真 マルセル・デュシャンが自分の遺作を移動させるためにつくった 手引書(マニュアル)を再現したものです。 つまり、金具のように見えている部分も写真。 冊子全体を再現した写真集と言えるかも知れません。 だからなんでしょうね。 「宝物をつくりたい」と思った時に、 宝石とかでつくることに発想がいかないわけです。 もっと言えば、紙すら乗り物であって、 本当は言葉やイメージなんでしょうね。 大切にしたいものが。 じゃぁ、デジタルでもいいのかと言えば、 いいっちゃいいんですが、そこはやっぱり「手」に取りたい。 目で見るだけではなくて、手で触りたいわけですね。 手の快楽というか。 手を意味する接頭語の「マニ」は ラテン語の「manus(マヌス)」から来ています。 マニキュアとか、マニュファクチュアとか。 だから、マニュアルを「手引書」と訳したのは、絶妙! ものごとを要素に分解して再構成する 組み合わせ術(アルス・コンビナトーリア)は マニエリスム(手法主義)の大きな特徴ですが、 目ではなく、手なんですね、興味の対象が。 『i want to hold your hand』ですよ。
- 2017/4/26 21:45
- 青い街
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- 30年ぶりの返信
- 新しいカードゲームセットの名称『Ars Combinatoria』は ラテン語なんですが、その言葉を初めて知ったのは かれこれ30年ほど前でした。 憧れの英文学者・高山宏さんの『メデューサの知』所収の 『カルヴィーノのアルス・コンビナトーリア』という評論が その言葉との初対面。 で、まぁ、当時はなんのことやら、さっぱりわからず(笑) ほぼ呪文ですよね>カルヴィーノのアルス・コンビナトーリア この本の目次には、他にも 『エンキュクリオス・パイデイア』とか 『パラドクシア・アナモルフォティカ』とか 覚えるだけで強くなった気のするタイトルが たくさん並んでいました。 まだネットのない時代でしたから、広辞苑や英語の辞書、 『現代用語の基礎知識』なんかを総動員して それらを一所懸命に解読したものです。 とはいえ、この本のおもしろさはハンパなくて、 ぼくが「人生の一冊」を選ぶとすれば 間違いなくこの本です。 内容はと言えば、「言葉」にまつわる おもしろいエピソードが目白押し。 くだんの『カルヴィーノのアルス・コンビナトーリア』は イタロ・カルヴィーノのという小説家の方法論が 非常に組み合わせ術(Ars Combinatoria)的であると 指摘した評論です。 他にも、言葉が正確じゃないから行き違いが起きるんだ ということで、 物に対して一対一で対応する言語体系を つくろうとした 奇人たちの話とか。 同音異義語を徹底的に潰そうとしたわけですね。 人 類が言葉にたくしてきた夢と熱意と憧れが その限界の悲しさとともに、 おもしろおかしく語られた 破格の名著でした。 実は、ぼく、 一度だけ高山さんに直接手紙を書いたことがあります。 初めて個展を開いた際、 案内状に著作からの引用をさせて欲しい旨の打診でした。 たしか当時勤務されていた都立大学宛に出したと思います。 高山さんからは申し出を承諾するとともに ぼくの略歴を見て、 自分の母の出身が広島の呉であると 書かれた葉書が 返ってきました。 その葉書は、 呉の実家の机の上に今でも飾ってあります。 そんなこんなから、かれこれ30年が経ち、 ようやく「作品」の形で返信ができる。 ぼくにとって、『Ars Combinatoria』には そんな思いが込められているのです。 そして、 争いを避けるために言葉に願いをたくした 先人たちの夢を、 ぼくもまた追いかけている。 そんなタイトルのカードゲームです。
- 2017/4/24 22:45
- 青い街