青い街 @Kazuki_Sugioka
カードとアートのあわいに広がる青い街です。
「解かれたページとしてのカード」というコンセプトでカードゲームをつくっています。
今回は新シリーズ
『Ars Combinatoria』の1巻を200部限定で販売します。
- 宝物は紙でできている
- 2017/4/26 21:45
世の中的に価値が高いとされる宝物は石や鉄でできていますが、
ぼくはあんまりそういうものに惹かれなくて、
大切なものはだいたい紙でできてます。
小学生か!(笑)
先日取り上げた高山宏さんの『メデューサの知』もそうですが、
要するに「本」なんですね、大切にしたいものが。
だから、必然、素材は紙になるわけです。
ただし、今回取り上げるモノは、厳密には本ではなくて、
ルーズリーフのレプリカ。※写真
マルセル・デュシャンが自分の遺作を移動させるためにつくった
手引書(マニュアル)を再現したものです。
つまり、金具のように見えている部分も写真。
冊子全体を再現した写真集と言えるかも知れません。
だからなんでしょうね。
「宝物をつくりたい」と思った時に、
宝石とかでつくることに発想がいかないわけです。
もっと言えば、紙すら乗り物であって、
本当は言葉やイメージなんでしょうね。
大切にしたいものが。
じゃぁ、デジタルでもいいのかと言えば、
いいっちゃいいんですが、そこはやっぱり「手」に取りたい。
目で見るだけではなくて、手で触りたいわけですね。
手の快楽というか。
手を意味する接頭語の「マニ」は
ラテン語の「manus(マヌス)」から来ています。
マニキュアとか、マニュファクチュアとか。
だから、マニュアルを「手引書」と訳したのは、絶妙!
ものごとを要素に分解して再構成する
組み合わせ術(アルス・コンビナトーリア)は
マニエリスム(手法主義)の大きな特徴ですが、
目ではなく、手なんですね、興味の対象が。
『i want to hold your hand』ですよ。