あんみつスタジオ @anmitsu_studio
ブース概要
虹の出るところからこんにちは。アナログゲーム制作チーム『あんみつスタジオ』です。 2024年6月に発足。少し不思議なゲームシステムと優しいアートワークをコンセプトに、軽~中量級のゲームを制作していく予定です。 ぜひ甘いものと一緒にお楽しみください。
出展コメント
ゲームマーケット初参加になります。 ぜひブースにお立ち寄りいただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。
その他
《出展歴》2024/09/21 第3回 BG CONNECT、2024/09/29 ボドゲガレージ2024 in TAMAコミ 《作品一覧》『虹の橋ナビゲーター』(2~4人、30~45分、10歳~) 『化け猫ハイスクール』(2~4人、15~30分、10歳~)
https://x.com/anmitsu_studio
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- 『化け猫ハイスクール』Short Story ~ある民俗学者の手記~
- ~9月12日~ この地域に化け猫の伝承があることは知っていた。今日は現地調査のために訪れたのだ。 不慣れな土地ということもあり、山中で道に迷った。そして辿り着いた先で、私はとんでもないものを見てしまった。 そこでは、人に化けた猫たちが……。 学園生活を謳歌していたのだ………。 かくして山中で発見した化け猫たちの学園。その詳細を知るべく、私は密かに調査研究を始めた。私的興味に基づく調査であり、公にする意志は無いことを留意されたし。 以下にその調査結果を記す。 ~9月13日~窓から授業の様子を覗き見ることに成功した。人間の学校と同レベルの高等教育が行われていることが確認できる。生徒はまだ人間語が流暢でない様子だが学習意欲は高く、積極的に学んでいるようだ。…多少の得意不得意はあるようだが。 ~9月15日~この地域の猫たちがいかにして化け猫になったのかは定かでないが、一種の生物的な進化なのかもしれない。二足歩行を会得した猫たちの身体能力は高く、校庭でスポーツに励む姿も見られる。なおルールはあまり気にしていない模様。 ~9月18日~授業だけでなく課外学習や部活動のようなものも実施されているようで、魚や虫を飼育研究している生徒、楽器を背負っている生徒などが確認できた。水槽や楽器等の備品は、どうやら人間が廃棄したものを再利用しているようだ。 ~9月25日~調理実習と思しき場面を目撃した。器用にフライパンを扱う彼らを見て、やはり人間と同等の能力を会得しているのだと確信した。 …それにしても、あの化け猫たちは学校にいる時以外、何処で何をしているのだろう? ~9月30日~生徒の落とし物と思われるノートを見つけた。まだ拙さの残る文字で授業の内容が書き取られている。 こっそり持ち主に返せないかと周囲を探していると、何やら賑やかな声が聞こえた。木陰から覗いてみると、そこでは…。 そこでは、生徒たちが覚えたての人間語で「しりとり」をしていたのだ。人間語の上達のために競っているのか、単に負けず嫌いなだけなのか…いずれにせよ、なんと勉強熱心なのだろう! 私は近くの木陰にノートを置き、そっと立ち去った。 …以上が調査結果である。研究として発表するつもりはない。御伽話として留めてもらえれば幸いだ。 先日、ある友人にこの話をした。笑われるかと思いきや、意外にも彼は創作意欲を刺激されたらしく、私の話を元に小説を書きたいと言っていた。完成したら読んでほしいと言われ、お互い物好きなものだと苦笑した。 確か、タイトルは…。 《完》
- 2024/11/12 23:05
- あんみつスタジオ
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- 『虹の橋ナビゲーター』Short Story ~あるナビゲーターの記録~
- …ここはどこだろう。 ああそうだ。今日から配属先が変わったんだった。まさかこちらに来てまで動物に縁のある仕事に就くとは思わなかった。人を相手にするよりは幾らか得意だ。うまく務まると良いが。新しい配属先の支給品は、何やらマークが描かれたこのバインダーとペンのみ。状況に応じてあれこれ記入するよう説明を受けたが…まあやりながら覚えることにしよう。 早速、最初に案内する相手の元へ向かうよう言われた。…あの雲の丘で寝ている子だろうか?どうやらこのポメラニアンで間違いないようだ。生前はとある夫婦の家で愛され、20歳まで長生きしたらしい。お爺ちゃんだ。 なかなかお昼寝から起きてくれなかったが、ようやく目を覚ましてくれた。…少し警戒されているような気がするが気のせいだろうか?ひょっとしたらこの格好のせいかもしれない。…こればかりは仕方ない。こちらの世界に来た時、自動的にこうなってしまったのだ。個人的には気に入っているのだが…。 ともかく準備はできた。出発するとしよう。黄昏時が終わる前に。 ここはいわゆる「虹の橋」。人間に愛されて生涯を終えた動物たちはこの橋を渡ってこちらの世界に来る。そして1年に1日だけ、再び橋を渡って家族の元に帰れるのだ。そして彼らを家まで案内するのが、我々「ナビゲーター」の仕事である。ここが彼の家がある街、黄昏台一丁目。その名の通り夕陽がよく映える。 …問題は、詳しい住所が分からないことだ。虹の橋を渡ってくる子たちは大体、自分の家の場所をはっきりとは覚えていない。実際どの家も同じに見えるが…。だが、探す方法はちゃんとある。彼の記憶を見せてもらおう。とある夫婦の家にいた、という情報も彼の思い出を見て分かったことだ。これができなくてはナビゲーターは務まらない。とはいえ動物なので、あまりはっきりとは映らない。ヒントだけでも分かれば良いが…。…ふむ、何か見えてきた。なるほど。家の側に木があるらしい。これでいくらか絞れるが…まだ候補が多いようだ。ここは少し歩きながら、次の手がかりを思い出してもらうことにしよう。…と思ったらまた寝てしまった。マイペースな子だ…。間に合うかどうか心配になってきた。 ~30分後~ 途中やたらとコンビニに寄りたがるので、B区画j番地のコンビニに寄った。生前に散歩でよく寄ったのだろうか?ふとバインダーを見ると、コンビニの番地がいつの間にか記録されていた。案内する子のリクエストに応えると記録されるようだ。…評価に響くのだろうか。寄り道に時間を取られてしまったので、地下鉄で一気に移動してしまおう。生前に毎日経験していた帰宅ラッシュを思い出す…。今日は空いていてよかった。…周りから見えないせいで、座れる場所は限られるが。 ~さらに30分後~ 少しずつ思い出のヒントも揃ってきた。…が、もう少し先を急ぎたい。仕方ない。無駄遣いはできないが、支給されたおやつを使うことにしよう。好物の力で更に思い出が蘇るはずだ。…よし、これでヒントが揃った。さて。この子の記憶を見るに、これらの条件を満たす家を探せば良さそうだ。この辺りだと思うのだが…どこだろう? 見つけた。ここだ! …まずい。思ったより距離がある。この子のペースで向かっていては日が沈んでしまいそうだ…。仕方ない。奥の手を使おう。支給品の羽で直接飛んで行こう。貴重なものなので緊急時のみ使うよう言われているが…背に腹は変えられない。短時間しか飛べないが、この距離ならなんとかなりそうだ。見えてきた。あそこだ。 〜とある夫婦の家〜「…あ、そのおやつ」「うん、小太郎のお気に入り。コンビニのやつ」「…まだ1年も経ってないんだね」「ほんとにね。一緒にいるのが当たり前だったから…」「…お盆だし、もしかしたら帰って来てるかもしれないね」「そうだといいね…」 やれやれ。何とか送り届けられて良かった。 ここに来る途中、他の家にも何人か同僚の姿が見えた。お盆のこの時期、皆忙しく勤めを果たしているようだ。私も新人ながら少しは役に立てたようで良かった。 さて、後は…。 後は、帰りも送り届けるだけだ! 《完》
- 2024/11/11 22:48
- あんみつスタジオ
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