空創Lab @kumashiro501

ブース概要
今回は1卓販売+1卓試遊になります。 「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に展示します。 ゲームマーケット2024秋で好評を博した「魔術師の杖」の新作も多数用意します。 今回、試遊プランは初めての試みですので、気になってたゲームのお試しがしたい方は是非お立ち寄りください。
出展コメント
2022秋から6回連続6回目の出展になります。
宜しくお願い致します。
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで⑦ ―アートワーク、タイトル、そして完成へ―
- ゲームがある程度形になったら、次はアートワーク――と言いたいところだが、実際はそう簡単にはいかない。ゲームマーケットは半年に一度。そのペースで新作を出し続けようと思うと、順を追って進めていたのでは、半年ごとのゲームマーケットに間に合わせるのは困難だからだ。当然、描いたイラストを使わなくなるリスクはある。それでも空創Labでは、企画とアートワークを同時並行で進めることがよくある。今回も、そのパターンだった。「ペンギンにごはんをあげる」というコンセプトが出てから程なくして、アートワーク担当のラボメン2号は、かわいくおねだりする18種類のペンギンを描き始めた。ところが、そこに“問題”が生まれる。企画の進行に応じて、ゲームの方向性が変われば、せっかく描いたイラストが使えなくなってしまう可能性があるのだ。しかも今回は、「かわいいペンギンが怒るとどうなるか?」というギミックも盛り込みたくなってしまい、“怒ったペンギン”のイラストまで用意してしまった。問題は、「どうすればペンギンが怒るのか」がまだ決まっていなかったことだ。このままだと、怒り顔のペンギンたち(これはこれでかわいいから気に入っている)がすべてボツになる……。さすがにそれは避けたい。だが、どうする?悩ましさの連続だったが、ルールの方向性がようやく固まり、ゲームとしての形が整い始めたことで事なきを得た。残る大きなイラストは、パッケージ用のメインビジュアルのみ。そして、悩みに悩んでいたゲームタイトルも、ようやく正式決定する。<タイトル決定までの道のり>最初に浮かんだのは『ペコペコペンギン』。「お腹ペコペコ」という響きはかわいくて親しみやすい。しかし、語感のテンポや視認性を考慮し、「はらぺこ」のほうがストレートで分かりやすいという結論に至った。「ハラペコ」にするか「はらぺこ」にするかでも悩んだが、ひらがな表記のやさしい印象と、視認性の高さから『はらぺこペンギン』で決定。候補には『行列のできるペンギンレストラン』という案もあった。ゲーム内容とのマッチ度では上回っていたかもしれないが、最終的には親しみやすさと覚えやすさ、そしてリズム感を優先した。<英語タイトルも決定!>英語版タイトルは『The Hangry Penguins』。「Hungry(空腹)」と「Angry(怒り)」を組み合わせたスラング「Hangry」は、空腹でイライラしている状態を指す英単語。今回のゲームには、これ以上ないほどピッタリだった。タイトルも決定した。次は販売するに当たって絶対に無くてはいけないもの、ルールブックを完成させなければ。――⑧へ続く。
- 2025/4/21 17:30
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで⑥ ―最後のピースがはまりはじめる―
- 方向性は定まった。とはいえ、まだ解決すべき問題は山積みだった。たとえば――・ペンギンが満席のときは盛り上がるけれど、着席しているペンギンが減ってくると、ゲーム難易度が低くなり、面白みに欠けてしまう。→ 「2席以上空いていても満席になるまでペンギンを追加する」ルールを採用することで、適度な緊張感を保つようにした。・「すべてのペンギンを満腹にさせる」ルールだと、終盤になるほどペンギンの数が減り、盛り上がりに欠ける。→ これは面白さの点では重大な問題だった。解決策として、規定ターン数でゲームを打ち切り、高得点を目指す形式に変更。終盤も緊張感を保ったまま終われるようにした。・規定ターン数について→ 長すぎるとダレるし、短すぎると物足りない。実際にテストを重ねて調整。・ペンギンの注文バランスについて→ 2~4ターンで満腹になるくらいを基準に設定。・得点方式について→当初は最大21点というスコアだったが、計算が複雑になると判断。1~5点にシンプル化し、計算のしやすさと視認性を重視した。・登場ペンギンドの種類→ 「ペンギン大学」が認定する18種類すべてを登場させることに決定。・食事カードのバランスと印刷コスト→ オキアミ、イワシ、イカ、アジの順で希少になるように調整したが、枚数が均等の方が印刷コストは下がる。均等枚数だと、希少性を組み込むことが難しくなり、ゲーム性が薄れてしまう。この問題は、「カードに2種類の使い方ができるようにする」ことで解決。 例:アジ1枚の代わりにイワシ2匹、イワシ1匹の代わりにオキアミでもOKとする。・「何を食べたか」がひと目で分かりづらい→食事カードにアイコンを入れ、重ねて並べることで視認性を向上。こうして、ひとつひとつの課題に向き合い、地道に解決していった。すると不思議なことに、それまでバラバラだったパーツが次第に“ひとつの作品”としてまとまり始めた。迷いながらも進んだその先に、確かな「完成」の輪郭が浮かび上がる。「……何とか、形になった。」小さな確信が、胸の中に灯る。だが、完成への道は、まだ続いていた。次に向き合うべきは――ゲームの“顔”となるアートワーク、そして“タイトル”をどうするか。――⑦へ続く。
- 2025/4/19 14:52
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで⑤ ―光の端が、ようやく見えた―
- 4月5日(土)。制作スケジュール的にも、心の余裕的にも、まさに崖っぷちだった。この日が勝負。ここで手応えを掴めなければ、印刷・制作・梱包を含めたすべての工程が間に合わなくなる。頭では理解していても、現実はまだ遠かった。だからこそ、この日を“デッドライン”と決めて、全身全霊で挑むことにした。会う約束をしていたのは、信頼する仲間たち。これまで何度もテストプレイをお願いしてきた、頼れるクリエイターたちだ。テーブルの上には、最新版の試作品が並べられた。今回のコンセプトは、前回までの「ベルトコンベア」案を捨て、「空いている食堂の席にペンギンが着席し、食事を待つ」という形式に変更したものだった。プレイヤーは協力して、空腹のペンギンたちに食事を提供し、満腹になったペンギンは満足して帰っていく。逆に放置しすぎると、怒って帰ってしまう。完全協力型。対戦要素は、思い切って捨てた。その分、ルールはシンプルになり、展開も分かりやすくなった。ゲーム全体のテンポもぐっと良くなった気がする。そして何より――「お、これは……ちょっと面白くなってきたかも?」久しぶりに、そんな手応えが感じられた。やっとだ。やっと、“光”が見えてきた。この方向性で、もう一度ルールを細かく詰め直せばいけるかもしれない。ただ、それでもまだ“完成”とは言えない。「どのくらいの頻度でペンギンがやってくるのか?」「どのペンギンが、どの食材を、どれだけ欲しがるのか?」「満腹にする難易度のバランスは?」「カードの枚数とゲームの長さは?」そして、プレイ中に「ドラマ」は生まれるか?協力型ゲームの魅力は、成功と失敗の物語、そしてギリギリの中で得られる達成感にある。それらを確かめるためには、あと数回のテストプレイが必要だった。だが、この日、何よりも大きかったのは、「これは、ちゃんとゲームになる」という確信。それは何より大きかった。焦りと迷いでごちゃごちゃになっていた頭の中が、少しずつ整理されていく。余分なものを削ぎ落とし、本当に必要なコアが見えてきた。ようやく、“ゲーム”が形になりはじめたのだ。――⑥へ続く。
- 2025/4/18 14:06
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで④ ―名古屋へ向かう車中も、まだ霧の中―
- さて、春ゲムマに向けてのスケジュールを改めて確認する。今回、『はらぺこペンギン』には、もうひとつの“戦場”があった。それが――4月25日(金)夜に開催される「ペンギン大学『世界ペンギンの日』特別講義2025」。そこはペンギン好きが集まる場。となれば、ペンギンのゲームを出さない選択肢はない。最悪の場合、既存作で何とかすることもできなくはないが、できれば新作も出したい。数はそこまで大量ではない。20個ほど用意できれば十分。このイベントに間に合わせるためには、できれば4月2週目にはすべてを入稿しておきたい。最悪、4月第2週の後半でなんとか……いや、なんとかなるか……?ただし、印刷トラブルが起きたらアウト。加えて、直前の箱詰め作業に全力を注ぐ必要アリ。つまり、結構ギリギリな橋を渡ることになる。そう考えると、3月中にルールの骨格が固まっていなければ間に合わない。だが、気づけば3月が終わろうとしていた。「もう、名古屋で考えるしかないな……」3月30日(日)。この日は名古屋で開催されるボードゲーム楽市に出展する日だった。正直、気持ちは落ち着かないまま、名古屋へと向かった。<名古屋に天使は現れるのか?>結果は――やはり、というべきか、天使は今回もやって来ない。多少の進展はあったが、「これでいける!」という決定打にはならない。悩みを抱えたまま、次の一週間に全てを託すことにした。ここまで来たら、残された時間はもうわずか。次のテストプレイ予定は4月5日(土)・6日(日)。そこが本当の最後のチャンスとなる。<迫るタイミリミット>それまでの間は、これまでのアイデアを一旦リセットし、まっさらな気持ちで向き合うことにした。これまでは、「ベルトコンベアに乗ってペンギンが流れてくる」方式だった。お腹を空かせたペンギンたちが次々と現れ、満腹になれば去っていく。このコンセプトは気に入っていた。だが、調整すべき要素が多すぎて、収集がつかなくなっていた。「1ターンで何マス進む?」「流れきるまで何ターンかかる?」「ペンギンごとに出現間隔を変えたほうがいい?」「どうなったらペンギンが怒り出す?」……とにかく要素が多すぎて、整理が追いつかない。「だったら、いっそのこと、ベルトコンベアをやめよう」発想を転換することにした。新たに考えたのは、ペンギンたちは空いている食堂の席に座り、食事を待つという形式に。プレイヤーは協力して、順番にやってくるペンギンたちに食事を出していく。満足したペンギンは帰る。不満なら怒る。ようやく、ようやく、アイデアがまとまり始めた。4月5日(土)。ここでのテストプレイで手応えがなければ、本当にアウト。いよいよ運命の週末へ――。――⑤へ続く。
- 2025/4/17 15:05
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで③ ―天使はまだ、降りてこない―
- 「これはいけるぞ。」前回のテストプレイで手応えを感じたラボメン1号は、どこか安堵と期待を胸に、新たな制作の日々へと踏み出していった。ベースはできた。あとはテーマを「ペンギン」に乗せて整えていけばいい――そう思っていた。しかし――現実は甘くなかった。一見、ある程度“面白い”と感じたゲームだったが、時間が経つにつれて違和感が浮かび上がってくる。「……これ、本当に“ペンギン”である必要、あるのか?」空創Labの作品には、一つのポリシーがある。――テーマとルールに“整合性”があること。ただ可愛いだけの見た目でなく、その存在が、ゲームの仕組みや世界観とマッチしていることを重視している。だからこそ、ペンギンというテーマに“ずれ”を感じてしまった。それは、“モヤモヤ”として開発の足を引っ張りはじめる。<ゲームシステムへの迷い>ゲームシステムについても悩みは続いた。協力型にするか? 対戦型にするか?それとも、両方の要素を組み合わせた“半協力型”にするか?いくつかの案が生まれ、実際に試すことに。■案1:対戦型18種類のペンギンが場に並び、プレイヤーはポーカーのように食材を集めてペンギンを獲得していく。→ だが、運に左右されすぎて役が揃わず、テンポも悪く、想定していたプレイ感にならない。■案2:協力型プレイヤー全員で、ベルトコンベアに乗って次々と現れるペンギンたちに食事を与えていくスタイル。腹を空かせた18種のペンギンたちが、列を成してやってくる――そんなイメージが脳裏に広がった。→ こちらの方が、テーマとの相性は良さそうだった。だが協力型には協力型で、別の難しさがあった。・1ターンに何回プレイする?・ペンギンは何ターンで進む?・出現タイミングに変化をつけるには?・怒ったらどうなる? 天敵に襲われる?「基本は協力なんだけど、対戦要素も少し入れられないか……?」考えれば考えるほど、頭の中は混乱していった。<天使待ち>「こんなときは、“天使待ち”だな。」“天使待ち”――それは、漫画家・衛藤ヒロユキ氏が名付けた、行き詰まりの中で奇跡的なひらめきが“舞い降りてくる”瞬間をじっと待つこと。ラボメン1号も、行き詰まったときは天使に頼るのだ。だが、その日、その週、その月、天使は、来なかった。アイデアも、突破口も、訪れない。ただ時間だけが、音もなく過ぎていく。気づけば、カレンダーは3月の下旬を指していた。――④へ続く。
- 2025/4/16 16:25
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