空創Lab @kumashiro501
今回は1卓販売+1卓試遊になります。
「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に展示します。
ゲームマーケット2024秋で好評を博した「魔術師の杖」の新作も多数用意します。
今回、試遊プランは初めての試みですので、気になってたゲームのお試しがしたい方は是非お立ち寄りください。
ブログ一覧
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- 【空創Lab】取り置き予約開始!
- ゲームマーケット2025春の取り置き予約を開始しました。新作『はらぺこペンギン』や人気の『王立魔術師養成学院~詠唱研究科~』等のゲームに加えて、各種グッズも色々あります。前回反響の大きかった『魔術師の杖』の新作や、今回新たに作った『魔術師の杖ケース』もあります。また、セット購入はかなり割引になっています。取り置き予約はこちらから取り置き予約特典として、空創Labオリジナルシールをプレゼント!ゲーム内容についてはこちらをご覧ください。PCでご覧になる方はゲームマーケットサイトだと画像が小さく表示されるためPCの方はこちらをご覧ください。
- 2025/4/28 19:13
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン』ができるまで⑪最終回 ―完成。そして、お披露目の日へ―
- すべての印刷物が揃えば、いよいよ“完成”となる。その到着予定は、以下の通りだった。● 4/22(火):空箱(DVDトールケース)● 4/24(木):表紙、プレイシート、日本語マニュアル、英語マニュアル● 4/25(金):カード※マーカーは既にあるものを使用するこのスケジュール通りなら、ペンギン大学イベント当日に箱詰め作業をして、そのまま完成品として持ち込むという、まさに綱渡りの進行。だが、ちょっと期待していた“嬉しい誤算”が起きた。4/22(火)――空箱に加えて、表紙、日本語マニュアル、そして何よりも懸念していたカードが到着。これは本当に大きかった。カードは一番到着が遅れる可能性が高かったため、ここで1日分の余裕が生まれた。一方で、プレイシートと英語版マニュアルは表紙や日本語マニュアルと同じ印刷所に頼んでいたにもかかわらず、なかなか届かない。最終的に届いたのは――● 英語版マニュアル:4/24(木)午前● プレイシート:同日夕方予定通りの到着だった。*気になる印刷品質については、細かいところを挙げればキリがない。だが、全体的には十分“出せるレベル”だった。ホッと胸をなで下ろす。そこから一気に、箱詰め作業へ。実はイベント当日の準備はまったく進んでいなかった。ポップ、説明資料、ブース設営イメージなど、必要なものが山積み。箱詰めと並行しながら、夜を徹して作業を進める。深夜、ようやく50セット分が完成。ペンギン大学のイベントに持ち込むには、十分な数だろう。こうして――『はらぺこペンギン』は完成した。次はいよいよ、イベントでのお披露目。一時は“出せないかもしれない”とさえ思ったこの作品が、ようやく日の目を見る。――『はらぺこペンギン』ができるまで・完――<ゲームマーケット取り置き予約、近日開始予定!>
- 2025/4/26 14:01
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン』ができるまで⑩ ―印刷発注、タイムリミット2秒―
- すべての内容が固まり、いよいよ印刷工程へ。とはいえ、今回も――いや、今回こそが、本当にギリギリだった。納期短縮とコスト削減のため、各コンポーネントを個別に発注し、自分たちで手作業で組み立てる方式を採用。中でも最も先に動く必要があったのが「カード」だった。カードの発注日は、4月11日(金)。当初予定していたのは4月14日(月)だったが、印刷所の納期が想定より2日延びていることが判明。急遽、スケジュールを繰り上げることに。それでも、カードが届くのはペンギン大学イベント当日である4月25日(金)。午前中に届けば、梱包作業をしてそのままイベント会場へ――という超綱渡りスケジュール。もちろん、カード発注後もテストプレイは続けたが、仕様の変更はもはや不可能。些細な気付き(「裏面の色を区別すべき」「注文数の数字をもっと大きく」など)はあったが、幸い致命的な問題は出なかった。そして次なる工程、ルールブック・プレイシート・パッケージの表紙の入稿だ。こちらは当初は4月14日(月)に入稿したかったが間に合わなかったので、次の4月17日(木)か18日(金)を目指すことにした(納期を短くしたので多少料金は上がる。カードは納期変更ができなかった)。これで3日以上時間ができたので、少しだけ余裕があった。そのぶん、ルールの最終調整や英語翻訳のブラッシュアップに時間を回すことができた。だが、4月17日入稿は叶わず。残されたチャンスは、締切が迫る4月18日。入稿締切は、24時。プレイシートは23:30に入稿完了。残るはルールブック、日本語版と英語版の2種。入稿データが完成したのは、23:50。いつもなら10分あれば2つデータを入稿し、発注できる。だが、ここで事件が起こる。日本語版ルールの入稿チェックがなかなか進まないのだ。今回は安全のため、リアルタイムでチェックする方式を取っていたのだが、そのチェックに大幅に時間がかかり、発注完了が23:55に。すぐさま英語版のアップロードに移る。が、先程と同様、チェックが進まない。「間に合うか……?」祈るような気持ちで画面を見つめる。時計の針は、23:59を指していた。チェック中の歯車アイコンはまだ回り続けている。生きた心地がしない。「入稿終わった!」ほとんどその瞬間、24:00、日付が変わった。その間、2秒。「間に合った・・・のか?」確定した注文データを確認する。注文日:4/18。――間に合った。心の底から、安堵のため息が漏れた。それでも、まだ終わりではない。実はまだメインビジュアルの入稿が残っていた。ただ、こちらは折り加工がないため、1日だけ猶予がある。数時間後、表紙と裏面のデータが完成し、無事に入稿を完了。これで、全ての印刷物の準備が整った。残る願いはただひとつ――「どうか、印刷ミスがありませんように。」(実はこれまでに何度か経験があるので、毎回かなりドキドキしている)――⑪へ続く。
- 2025/4/24 18:30
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン』ができるまで⑨ ―メインビジュアル―
- ルールブックが完成し、残る最後の大仕事は――ゲームの“顔”となるパッケージイラストだ。表紙の印象で売れ行きが大きく左右されることは、言うまでもない。それほど重要な部分なのに、なぜ最後に回したのか?理由は単純。パッケージは他の印刷物よりも締切が遅いため、最後まで粘ることができるからだ。もちろん、イラストの方向性や構成案は早い段階から考えていた。候補となった案は主に2つ。●案1:18種類すべてのペンギンをずらりと並べる、かわいさを強調したレイアウト。●案2:ペンギンたちが食堂の席に座り、魚を受け取る――ゲーム中の一場面を描いたシーン。案1はペンギン好きにとってはたまらない構図なんじゃないだろうか。一方で、ボードゲーマーから見ると、やや物足りないかもしれない。案2はゲーム性を感じられるビジュアルになりそうだから、ボードゲーマーはこちらの方が好みかもしれない。だが、新たに描き下ろす必要があり、スケジュール的にはかなり厳しい。さらに、イベント事情も考慮する必要があった。ペンギン好きが中心のペンギン大学イベントは案1がウケそうだが、ボードゲーマーが中心のゲームマーケットは案2の方がマッチしそう。そこで、まずは案1を採用し、ペンギン大学イベントに間に合わせることに。可能であれば、その後に案2を仕上げてゲムマに間に合わせる――という“二段構え”で進めることにした。*案1は、以前描いたイラストをベースにすることで時間短縮が可能だった。18種類のペンギンを全部登場させる。よく映画のポスターで見るような、登場人物がズラッと並ぶ構図。それをペンギンたちで再現する。とはいえ、この構図も悪くはないがやはりどこか物足りない。「だったら、行列にしてみたらどうだろう?」お腹を空かせたペンギンが次々と来店するのだから、それまでは行列に並んでいる。そのシーンを描くのだ。そういうアイデアを話したら、仕上がってきたのは全く違うものだった。「これは……かなり良い感じなんじゃないか?」手前味噌ながら、そう思える仕上がりになった。同じ方向を向いて密集したペンギンたちの圧力と、かわいさの共存。迫力やインパクトは断然こちらの方が良い。そうして完成したメインビジュアル。もしかしたら、案2はもう必要ないかもしれない。――⑩へ続く。
- 2025/4/23 21:07
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン』ができるまで⑧ ―最後の難関、ルールブックとの闘い―
- ゲームが完成した――でも、それだけでは終わらない。作品として世に出すためには、ルールブックの存在が不可欠。そしてこれが、毎度ながら最後の難関となる。初めて遊ぶ人にとって、ルールブック読むことは“最初の壁”だ。ルールブックを読んだだけでルールを理解するのは案外大変だ。ルールブックは分からない部分を全て解消してくれるものでなければいけない。だが、制作者にとっては「分かっていること」を説明する作業でもあるため、つい説明不足や誤解を招く表現になりがち。おそらく、ルールブックを書くのが得意な制作者は、ほとんどいないだろう。『はらぺこペンギン』のルールは、決して複雑ではない。ざっくりまとめると、① ペンギンが来店する② プレイヤーが魚カードを出す③ 注文が揃えば満腹になって退店、揃わなければそのまま残留④ 一定ラウンド魚が届かないと"荒ぶり"状態になり、さらに放置すると“激おこ退店”。3回でゲームオーバー⑤ 規定ラウンド内での協力プレイで高得点を目指すこの程度の内容でも、いざ文章にまとめるとなると難しい。まずは思いつく限りの情報を盛り込んだ“素案”を書き上げる。その後、初見プレイヤーにルールだけを渡して遊んでもらい、「自力で遊べるかどうか」を検証する。分かりにくい点をフィードバックしてもらい、修正。また読んで、また修正。その繰り返し。今回は、校正チェックにAIも活用した。何度も「完成した」と思っては、見直して違和感を覚える。ようやく日本語版が完成したら、次は英語版の制作。こちらも、伝わりやすさ・言い回し・雰囲気のニュアンス調整に苦心しながら、何度も見直す。スケジュールはギリギリだったが、「せっかくなら海外の方にも届けたい」という思いで、どうにか間に合わせた。気がつけば、修正データは日本語版も英語版もは10ファイルを超えていた。こうして、日本語版・英語版ともにルールブックが完成。ゲームは、ようやく“届けられる形”になった。――⑨へ続く。
- 2025/4/22 20:50
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで⑦ ―アートワーク、タイトル、そして完成へ―
- ゲームがある程度形になったら、次はアートワーク――と言いたいところだが、実際はそう簡単にはいかない。ゲームマーケットは半年に一度。そのペースで新作を出し続けようと思うと、順を追って進めていたのでは、半年ごとのゲームマーケットに間に合わせるのは困難だからだ。当然、描いたイラストを使わなくなるリスクはある。それでも空創Labでは、企画とアートワークを同時並行で進めることがよくある。今回も、そのパターンだった。「ペンギンにごはんをあげる」というコンセプトが出てから程なくして、アートワーク担当のラボメン2号は、かわいくおねだりする18種類のペンギンを描き始めた。ところが、そこに“問題”が生まれる。企画の進行に応じて、ゲームの方向性が変われば、せっかく描いたイラストが使えなくなってしまう可能性があるのだ。しかも今回は、「かわいいペンギンが怒るとどうなるか?」というギミックも盛り込みたくなってしまい、“怒ったペンギン”のイラストまで用意してしまった。問題は、「どうすればペンギンが怒るのか」がまだ決まっていなかったことだ。このままだと、怒り顔のペンギンたち(これはこれでかわいいから気に入っている)がすべてボツになる……。さすがにそれは避けたい。だが、どうする?悩ましさの連続だったが、ルールの方向性がようやく固まり、ゲームとしての形が整い始めたことで事なきを得た。残る大きなイラストは、パッケージ用のメインビジュアルのみ。そして、悩みに悩んでいたゲームタイトルも、ようやく正式決定する。<タイトル決定までの道のり>最初に浮かんだのは『ペコペコペンギン』。「お腹ペコペコ」という響きはかわいくて親しみやすい。しかし、語感のテンポや視認性を考慮し、「はらぺこ」のほうがストレートで分かりやすいという結論に至った。「ハラペコ」にするか「はらぺこ」にするかでも悩んだが、ひらがな表記のやさしい印象と、視認性の高さから『はらぺこペンギン』で決定。候補には『行列のできるペンギンレストラン』という案もあった。ゲーム内容とのマッチ度では上回っていたかもしれないが、最終的には親しみやすさと覚えやすさ、そしてリズム感を優先した。<英語タイトルも決定!>英語版タイトルは『The Hangry Penguins』。「Hungry(空腹)」と「Angry(怒り)」を組み合わせたスラング「Hangry」は、空腹でイライラしている状態を指す英単語。今回のゲームには、これ以上ないほどピッタリだった。タイトルも決定した。次は販売するに当たって絶対に無くてはいけないもの、ルールブックを完成させなければ。――⑧へ続く。
- 2025/4/21 17:30
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで⑥ ―最後のピースがはまりはじめる―
- 方向性は定まった。とはいえ、まだ解決すべき問題は山積みだった。たとえば――・ペンギンが満席のときは盛り上がるけれど、着席しているペンギンが減ってくると、ゲーム難易度が低くなり、面白みに欠けてしまう。→ 「2席以上空いていても満席になるまでペンギンを追加する」ルールを採用することで、適度な緊張感を保つようにした。・「すべてのペンギンを満腹にさせる」ルールだと、終盤になるほどペンギンの数が減り、盛り上がりに欠ける。→ これは面白さの点では重大な問題だった。解決策として、規定ターン数でゲームを打ち切り、高得点を目指す形式に変更。終盤も緊張感を保ったまま終われるようにした。・規定ターン数について→ 長すぎるとダレるし、短すぎると物足りない。実際にテストを重ねて調整。・ペンギンの注文バランスについて→ 2~4ターンで満腹になるくらいを基準に設定。・得点方式について→当初は最大21点というスコアだったが、計算が複雑になると判断。1~5点にシンプル化し、計算のしやすさと視認性を重視した。・登場ペンギンドの種類→ 「ペンギン大学」が認定する18種類すべてを登場させることに決定。・食事カードのバランスと印刷コスト→ オキアミ、イワシ、イカ、アジの順で希少になるように調整したが、枚数が均等の方が印刷コストは下がる。均等枚数だと、希少性を組み込むことが難しくなり、ゲーム性が薄れてしまう。この問題は、「カードに2種類の使い方ができるようにする」ことで解決。 例:アジ1枚の代わりにイワシ2匹、イワシ1匹の代わりにオキアミでもOKとする。・「何を食べたか」がひと目で分かりづらい→食事カードにアイコンを入れ、重ねて並べることで視認性を向上。こうして、ひとつひとつの課題に向き合い、地道に解決していった。すると不思議なことに、それまでバラバラだったパーツが次第に“ひとつの作品”としてまとまり始めた。迷いながらも進んだその先に、確かな「完成」の輪郭が浮かび上がる。「……何とか、形になった。」小さな確信が、胸の中に灯る。だが、完成への道は、まだ続いていた。次に向き合うべきは――ゲームの“顔”となるアートワーク、そして“タイトル”をどうするか。――⑦へ続く。
- 2025/4/19 14:52
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで⑤ ―光の端が、ようやく見えた―
- 4月5日(土)。制作スケジュール的にも、心の余裕的にも、まさに崖っぷちだった。この日が勝負。ここで手応えを掴めなければ、印刷・制作・梱包を含めたすべての工程が間に合わなくなる。頭では理解していても、現実はまだ遠かった。だからこそ、この日を“デッドライン”と決めて、全身全霊で挑むことにした。会う約束をしていたのは、信頼する仲間たち。これまで何度もテストプレイをお願いしてきた、頼れるクリエイターたちだ。テーブルの上には、最新版の試作品が並べられた。今回のコンセプトは、前回までの「ベルトコンベア」案を捨て、「空いている食堂の席にペンギンが着席し、食事を待つ」という形式に変更したものだった。プレイヤーは協力して、空腹のペンギンたちに食事を提供し、満腹になったペンギンは満足して帰っていく。逆に放置しすぎると、怒って帰ってしまう。完全協力型。対戦要素は、思い切って捨てた。その分、ルールはシンプルになり、展開も分かりやすくなった。ゲーム全体のテンポもぐっと良くなった気がする。そして何より――「お、これは……ちょっと面白くなってきたかも?」久しぶりに、そんな手応えが感じられた。やっとだ。やっと、“光”が見えてきた。この方向性で、もう一度ルールを細かく詰め直せばいけるかもしれない。ただ、それでもまだ“完成”とは言えない。「どのくらいの頻度でペンギンがやってくるのか?」「どのペンギンが、どの食材を、どれだけ欲しがるのか?」「満腹にする難易度のバランスは?」「カードの枚数とゲームの長さは?」そして、プレイ中に「ドラマ」は生まれるか?協力型ゲームの魅力は、成功と失敗の物語、そしてギリギリの中で得られる達成感にある。それらを確かめるためには、あと数回のテストプレイが必要だった。だが、この日、何よりも大きかったのは、「これは、ちゃんとゲームになる」という確信。それは何より大きかった。焦りと迷いでごちゃごちゃになっていた頭の中が、少しずつ整理されていく。余分なものを削ぎ落とし、本当に必要なコアが見えてきた。ようやく、“ゲーム”が形になりはじめたのだ。――⑥へ続く。
- 2025/4/18 14:06
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで④ ―名古屋へ向かう車中も、まだ霧の中―
- さて、春ゲムマに向けてのスケジュールを改めて確認する。今回、『はらぺこペンギン』には、もうひとつの“戦場”があった。それが――4月25日(金)夜に開催される「ペンギン大学『世界ペンギンの日』特別講義2025」。そこはペンギン好きが集まる場。となれば、ペンギンのゲームを出さない選択肢はない。最悪の場合、既存作で何とかすることもできなくはないが、できれば新作も出したい。数はそこまで大量ではない。20個ほど用意できれば十分。このイベントに間に合わせるためには、できれば4月2週目にはすべてを入稿しておきたい。最悪、4月第2週の後半でなんとか……いや、なんとかなるか……?ただし、印刷トラブルが起きたらアウト。加えて、直前の箱詰め作業に全力を注ぐ必要アリ。つまり、結構ギリギリな橋を渡ることになる。そう考えると、3月中にルールの骨格が固まっていなければ間に合わない。だが、気づけば3月が終わろうとしていた。「もう、名古屋で考えるしかないな……」3月30日(日)。この日は名古屋で開催されるボードゲーム楽市に出展する日だった。正直、気持ちは落ち着かないまま、名古屋へと向かった。<名古屋に天使は現れるのか?>結果は――やはり、というべきか、天使は今回もやって来ない。多少の進展はあったが、「これでいける!」という決定打にはならない。悩みを抱えたまま、次の一週間に全てを託すことにした。ここまで来たら、残された時間はもうわずか。次のテストプレイ予定は4月5日(土)・6日(日)。そこが本当の最後のチャンスとなる。<迫るタイミリミット>それまでの間は、これまでのアイデアを一旦リセットし、まっさらな気持ちで向き合うことにした。これまでは、「ベルトコンベアに乗ってペンギンが流れてくる」方式だった。お腹を空かせたペンギンたちが次々と現れ、満腹になれば去っていく。このコンセプトは気に入っていた。だが、調整すべき要素が多すぎて、収集がつかなくなっていた。「1ターンで何マス進む?」「流れきるまで何ターンかかる?」「ペンギンごとに出現間隔を変えたほうがいい?」「どうなったらペンギンが怒り出す?」……とにかく要素が多すぎて、整理が追いつかない。「だったら、いっそのこと、ベルトコンベアをやめよう」発想を転換することにした。新たに考えたのは、ペンギンたちは空いている食堂の席に座り、食事を待つという形式に。プレイヤーは協力して、順番にやってくるペンギンたちに食事を出していく。満足したペンギンは帰る。不満なら怒る。ようやく、ようやく、アイデアがまとまり始めた。4月5日(土)。ここでのテストプレイで手応えがなければ、本当にアウト。いよいよ運命の週末へ――。――⑤へ続く。
- 2025/4/17 15:05
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで③ ―天使はまだ、降りてこない―
- 「これはいけるぞ。」前回のテストプレイで手応えを感じたラボメン1号は、どこか安堵と期待を胸に、新たな制作の日々へと踏み出していった。ベースはできた。あとはテーマを「ペンギン」に乗せて整えていけばいい――そう思っていた。しかし――現実は甘くなかった。一見、ある程度“面白い”と感じたゲームだったが、時間が経つにつれて違和感が浮かび上がってくる。「……これ、本当に“ペンギン”である必要、あるのか?」空創Labの作品には、一つのポリシーがある。――テーマとルールに“整合性”があること。ただ可愛いだけの見た目でなく、その存在が、ゲームの仕組みや世界観とマッチしていることを重視している。だからこそ、ペンギンというテーマに“ずれ”を感じてしまった。それは、“モヤモヤ”として開発の足を引っ張りはじめる。<ゲームシステムへの迷い>ゲームシステムについても悩みは続いた。協力型にするか? 対戦型にするか?それとも、両方の要素を組み合わせた“半協力型”にするか?いくつかの案が生まれ、実際に試すことに。■案1:対戦型18種類のペンギンが場に並び、プレイヤーはポーカーのように食材を集めてペンギンを獲得していく。→ だが、運に左右されすぎて役が揃わず、テンポも悪く、想定していたプレイ感にならない。■案2:協力型プレイヤー全員で、ベルトコンベアに乗って次々と現れるペンギンたちに食事を与えていくスタイル。腹を空かせた18種のペンギンたちが、列を成してやってくる――そんなイメージが脳裏に広がった。→ こちらの方が、テーマとの相性は良さそうだった。だが協力型には協力型で、別の難しさがあった。・1ターンに何回プレイする?・ペンギンは何ターンで進む?・出現タイミングに変化をつけるには?・怒ったらどうなる? 天敵に襲われる?「基本は協力なんだけど、対戦要素も少し入れられないか……?」考えれば考えるほど、頭の中は混乱していった。<天使待ち>「こんなときは、“天使待ち”だな。」“天使待ち”――それは、漫画家・衛藤ヒロユキ氏が名付けた、行き詰まりの中で奇跡的なひらめきが“舞い降りてくる”瞬間をじっと待つこと。ラボメン1号も、行き詰まったときは天使に頼るのだ。だが、その日、その週、その月、天使は、来なかった。アイデアも、突破口も、訪れない。ただ時間だけが、音もなく過ぎていく。気づけば、カレンダーは3月の下旬を指していた。――④へ続く。
- 2025/4/16 16:25
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで② ―運命の分かれ道、そして「ペンギン」の目覚め―
- 2025年2月11日。ブラッシュアップ会。その日、空創Labが持ち込んだのは、まだ“ペンギン”の影も形もない、別のゲームだった。その名も――『刀を研ぐゲーム』。聞いただけで分かる。地味である。否、超地味である。だが、“ゲーム”とは、まず面白くなければ始まらない。テーマが地味だろうと、魅力的な駆け引きがあれば、きっと人は夢中になるはず――そんな信念のもと、静かにテストが始まった。■刀を研ぐゲーム・研ぎ回数で切れ味が変化。研ぎすぎれば折れる。・研ぎ回数カードを各自1枚選び、一斉に出す。出たカードの合計回数分自分の刃物カードを研ぐ。・刃の切れ味に応じて、敵キャラや食材を切る。・最終的に得点の多いプレイヤーが勝利。参加者たちは、砥石に見立てたカードを握りしめ、慎重に研ぎ回数を決める。時にバキン!と刃が折れ、時にスパッと高得点の食材を斬り裂く。笑いも、ため息も混じりつつ――試作は進んだ。何度も繰り返すうちに、手応えのようなものが、うっすらと浮かび上がる。「お、悪くないかもね」「ちょっと戦略や駆け引きも出てきた」「でも、やっぱり……地味だよなぁ」そう、それが問題だった。面白さの芽は確かに感じられた。だが、それを“作品”に昇華させるためには、もう一押しが足りなかった。そのとき――「いっそ、ペンギンにすれば良いんじゃない?」一瞬、時が止まったように感じた。まるで凪いだ湖に、小さな石が投げ込まれたような感覚。ペンギン。かつて空創Labは、ペンギンをテーマにした2作のゲームをリリースしていた。その可愛らしさ、どこか憎めない動き。今もなお「空創Lab=ペンギン」の印象を持っている人は多いかもしれない。「ペンギンに……エサを与えるゲーム……。 それ、いけるかも。」そう口にした瞬間、気分が変わった。“久しぶりに、ペンギンをやろう。”そう決めた瞬間、方向性が定まったように思えた。けれど、それは同時に――終わりなき調整と試行錯誤の日々の、始まりでもあったのだ。――③へ続く。
- 2025/4/15 15:36
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- 【ゲムマ2025春 新作開発記】『はらぺこペンギン(仮)』ができるまで①
- ――それは、寒さの残る二月のある日のことだった。「この日を、新作の第一歩にしよう。」空創Labが、ゲームマーケット2025春に向けて動き出した瞬間だった。*私たち「空創Lab」が初めてゲームマーケットに出展したのは、2022年の秋。あの日から、春と秋を交互に駆け抜けて、今回でなんと6回目の出展となる。 これまでに送り出した作品は6つ。そして、今手掛けているのが7作目――その名も『はらぺこペンギン(仮)』。……いや、実はまだ名前は決まっていない。「仮」と書いている通り、現在はまだ名もなきペンギンだ。とはいえ、あと数日もすれば正式タイトルも決まる……はず。順調にいけば、の話だけれど。*時を少し巻き戻そう。この『はらぺこペンギン』が生まれるまでには、ちょっとした紆余曲折があった。そもそも、今回出すつもりだったのは、まったく別のゲームだったのだ。そのゲームは何度もテストプレイを重ね、完成度はすでに90%に達していた。春に出すには十分だった。内容も悪くない。……けれど、どうしても、心に引っかかるものがあった。「これは……売れるのか?」面白い。けど、地味じゃないか?。遊べば楽しんでもらえる気はする。でも、その“入り口”に立ってもらえる自信が、持てなかった。制作者なら、誰しも一度は味わうであろうこのジレンマ。「面白さ」と「伝わりやすさ」は、いつだってイコールじゃない。*そんな葛藤の中で迎えた、2月11日。この日は、元々他の制作者とゲームのブラッシュアップ会を予定していた日。ラボメン1号(※空創Labゲームデザイナー)はここで、新たな可能性に賭けることにした。「――新しいゲームを、走らせてみようか。」それはまだ、名前も決まっていない、よちよち歩きの企画。だが、何か新しい風が吹く、かもしれない。――②へ続く。
- 2025/4/14 19:29
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- 【空創Lab】名古屋ボードゲーム楽市の出展情報
- 明日3/30(日)は名古屋ボードゲーム楽市ですね。空創Labは応募するも落選しました。でも、カクザトウさんのブース半分使わせて頂けることになったので出展できることになりました。名古屋初出展です!ハンドキャリーなのであんまりたくさんは持って行けませんが、種類は結構持っていきます。当日は【カクザトウ(D-1)】ブースにいるので、是非お越しください!<当日のラインナップ>各ゲームの詳細は画像をクリックしてください。BIRTH or BURSTCATCH and RUNCUATRO×QUATTRO-Bee(クアトロ・クアットロ・ビー)totoANIMO(トトアニモ)王立魔術師養成学院~詠唱研究科~
- 2025/3/29 12:36
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- 【空創Lab】SPBS TOYOSUポップアップイベント
- ららぽーと豊洲内のSPBS TOYOSUさんで、3/1(土)~3/16(日)の期間で開催された「家族で楽しむアナログゲームの世界」。こちらのポップアップイベントに出店させて頂きました。期間中は4つのサークルが2~3種類のボードゲームを展示し、試遊もできるというイベントです。SPBS TOYOSUさんは一言で言うと本屋さんなのですが、そこではイベントが行われたり、喫茶店のような使い方ができたりと、普通の本屋さんとはちょっと違う感じです。イベント時の入口の様子。エレベーターから出ると正面に店舗があるので、まずはこの画面がお出迎えです。奥へ進むと4つのサークルの作品が展示されています。大分みっちりですね(笑)左から簡単に紹介します(紹介文は奥に貼っている文章と同じです)。らいるず(公式HP・X(旧Twitter))かんたん&シンプル! 短い時間で遊べてもゲームはしっかり本格派。遊びの中にも、ほんのり学びのあるゲームを目指しています。モノビーズ(X(旧Twitter))ゲームデザイナーは10歳の小学生。2023年にデビューし受賞歴多数。 木駒を動かすアナログならではの楽しさ、運や戦略性を盛り込み、 こどもと大人が手加減なしで遊べる多世代向けゲームを作っています!大行列スベルンダー1世空創Lab(Web(Game)・X(旧Twitter)・公式LINE)「空想」と「創造」をテーマに活動している研究所。誰でも楽しめる!初心者でもある程度勝てる!シンプルながら奥深い!面白いだけじゃなく、ちょっと学びもある。そんなゲームを開発しています。王立魔術師養成学院~詠唱研究科~BIRTH or BURSTCUATRO×QUATTRO-BeeQʼs games(HP)人と人のコミュニケーションを盛り上げるゲームづくりを。Question ・ Quick ・ Quality全てのQに「遊び」で応える。全てを遊びに。mob7どっと・ゾンビハッピーハムスター各サークルのゲーム内容や最新情報などは、上記リンク先のページにてご覧ください。この続きはこちらのページよりご覧ください。
- 2025/3/24 17:39
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- 【空創Lab】ボードゲーム体験&レトルトカレー食べ比べ会(3/22)
- 空創Labはボードゲームを作っているサークルですが、ボードゲーム以外の企画も行っています。その中でも反響の多い「レトルトカレー食べ比べ」を3/22(土)に行います。普段中々手を出さなそうなものを複数出す予定です。ラインナップは決まり次第載せていきますが、多分全部で10種類くらいになると思います。食べ比べの合間にボードゲーム会を行います(軽めのゲームを想定)。テストプレイがメインの会ではありませんが、ご希望の方が多い場合はテストプレイ用の卓を立てる予定です。イベントの詳細はこちらになります。https://twipla.jp/events/667788レトルトカレーの食べ比べに興味のある方、空創Labのゲームを体験したい方等、誰でも参加できます。参加方法は上記ページ(Xをやっている方は参加ボタンを押すだけ)からか、或いは空創Labの問い合わせフォームへご連絡ください。
- 2025/3/9 21:13
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- 魔術師の杖ができるまで
- ゲームマーケット2024秋の新作「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」に登場する魔術師の杖。 最初から同梱されているシンプルな魔術師の杖と1本1本手作りした拡張グッズ版の魔術師の杖がありますが、 今回は同梱版の魔術師の杖ができるまでの様子を公開します。 1. 魔力をまとった特殊な絵具を杖に塗り、魔力を付与していく 2. 絵具が乾いたら、2度目の塗り 3. 3度目の塗り 4. 4度目の塗りで完成 実は同梱版も全部手作りで、拡張グッズ版程ではありませんが、そこそこに手間がかかっています。 どんなゲーム?って気になった方はゲームの紹介ページをご覧ください。 王立魔術師養成学院~詠唱研究科~
- 2024/10/30 0:07
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- ゲームマーケット2024秋ブース番号決定
- ゲームマーケット2024秋のブース番号が本日発表されました。 空創Labは「両-I05」となりました。 新作「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」を中心に、CUATRO×QUATTRO-Beeやペンギン王国シリーズも少し持ち込む予定です。 また、チャック横丁に初出展となります。ブース番号は「土-横丁42」です。 こちらではtotoANIMOを頒布します。 お会いできるのを楽しみにしています。 ▼作品一覧 https://gamemarket.jp/booth/game/4497 ▼取り置き予約 https://forms.gle/MuArzNzuVt5usttHA
- 2024/10/18 22:20
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- ゲームマーケット2024秋新作「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」
- ゲームマーケット2024秋リリース予定の新作のタイトルが決定しました。 その名も「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」です。 長くて分かりにくいタイトル・・・かもしれませんが、魔術師が主人公の学園モノです。 ゲーム内容は簡単に言うと、オリジナルの魔術の詠唱を作って、その詠唱を唱えて、最後に魔術名をカッコよく叫ぶというゲームです。 うまく発動できればモンスターを倒せます。 この説明だけでは良く分からないかもしれませんが、PVを作ったのでこれを観れば分かるはず? もし分からなければ、続報をお待ちください。 「王立魔術師養成学院~詠唱研究科~」ページ
- 2024/10/1 21:06
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- 「CUATRO×QUATTRO-Bee」のオリジナルアクリル盤面
- 「CUATRO×QUATTRO-Bee」のオリジナルアクリル盤面のサンプルが届きました。 とても良い感じです! この盤面は、いくつかのマスが取り外しできるようになっているので、複数の盤面に変化します。 外したマスの部分は下の色が見えるようになります。 これ無しでもプレイ可能ですが、使うと雰囲気がグッと良くなります。 数に限りがあるので確実に手に入れたい方はお早めにご予約ください。 ▼詳しくはこちらのページをご覧ください。 CUATRO×QUATTRO-Bee(クアトロ・クアットロ・ビー) ご興味のある方は空創Labブース「テ-02(両日)」までお立ち寄りください。 取り置き予約フォーム
- 2024/4/15 20:16
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- ゲームマーケット2024春~新作紹介②~
- ゲームマーケット2024春の新作として「totoANIMO(トトアニモ)」を頒布します。 1対1の心理戦を楽しむゲームです。 手札のアニモカードとトトカードはほとんどが相手と共通ですが、1枚ずつ引く相手に分からないカードがあることで、読めそうで読めない絶妙な駆け引きが行われます。 4種類の数字のカードと3種類の勝敗のカードが3セットずつ、計21枚のカードを使うだけです。 短時間で終わるのと、ルール説明が簡単なので普段ゲームをしない友人も誘いやすいと思います。 でも、思っている以上に深い心理戦が行われるはずなので、ゲーマーの方でもきっと楽しい(はず)。 ▼詳しくはこちらのページをご覧ください。 totoANIMO(トトアニモ) ご興味のある方は空創Labブース「テ-02(両日)」までお立ち寄りください。 取り置き予約フォーム
- 2024/4/12 15:00
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- ゲームマーケット2024春~新作紹介①~
- ゲームマーケット2024春の新作として「CUATRO×QUATTRO-Bee(クアトロ・クアットロ・ビー)」を頒布します。 前回のゲームマーケットで初日に完売と好評だった「CUATRO×QUATTRO」シリーズの第二弾になります。 前作は四角形だったタイルの形が六角形になり、ちょっとした変更ですが、随分プレイ感が変わっていると思います。 タイルのサイズも大きくなり、遊びやすさがアップしました。 ▼詳しくはこちらのページをご覧ください。 CUATRO×QUATTRO-Bee(クアトロ・クアットロ・ビー) ご興味のある方は空創Labブース「テ-02(両日)」までお立ち寄りください。 取り置き予約フォーム
- 2024/4/8 16:27
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