空葉堂(KUYODO) Silentalk_Spiel
こんにちは! 空葉堂(KUYODO)と申します。
ふだんは東京都新宿区で空葉堂書店という本屋さん運営等をしております。ゲームマーケット2025秋では『黙談-Silentalk-』を、販売させていただきます。協力ゲームで、コミュニケーション制限系で、150以上のパズルミッションが楽しめます。皆さまとお会いできますことを楽しみにしております☺️
- なぜボードゲーム哲学は、「読む遊び」なのか?
- 2025/9/27 16:50
「ボードゲーム哲学」略して「ボ哲」というプロジェクトを今月始めました🚃💨
(詳細は前回エントリに書きました。)
「ボ哲」ことボードゲーム哲学は、「AI時代にボードゲームをもっと楽しむための読む遊び」と謳っております。
今日は、なぜボ哲が、「読む遊び」なのか? をお届けしたいと思います。
(リンク構造を維持したまま「遊び」のように読みたい方は、ボ哲Cosenseページへどうぞ。同じ内容をお読みいただけます。)
✅ なぜボ哲は「読む遊び」なのか
合目的でない
各ページは、「ビジネススキルを向上させる」とか「より良いコミュニティを作る」といった、直接的な「有用性」を目的としていません。
もちろん、結果として、あなたのゲーム/遊び体験や日常が豊かになることは心から願っています。しかし、それはあくまで副次的な結果です。
🔹「有用だから、読む/遊ぶ」ではなく、「読んだら/遊んだら、有用だった」なメディア。
🔹すべてのボードゲームがそうであるように、自己充足的な営みとしてのメディア。
🔹アーレントにとっての孤独の確保
→ 詳しくは、アーレントにとっての“一人であること”
ルールが存在し、そして自由
ボ哲は、完全に自由な連想ゲームではありません。
ここには、先人たちが築き上げてきた「哲学や人文学というルール」が存在します。
たとえばカントの概念を、功利主義の文脈で語ることはできません。
それぞれの言葉には、守るべき定義と文脈があります。
しかしこのルールの制約の中で、私たちの思考は、新たな発見へと向かう自由な遊びを開始することができます。
例えば、ガチャの倫理のページでは、ガチャや運の概念を、メリトクラシーやロトクラシーといった、異なるルール体系の中で捉え直す遊びを試みています。
始まりも終わりもない、言葉の盤面
通常の文章や書籍は、多くの場合、著者によって始まりと終わりが定められ、読むべき順序 order が示された、一つの閉じた世界です。
それは、著者(ボードゲームでいえば、デザイナー)の秩序 order がそこに存在するということ。
他面、このボ哲の空間は、Cosense(コセンス)というシステムを採用しており、通常の文章や書籍と様相が少し異なります。
一つ一つのボ哲ページは、それ自体で思考の断片として存在します。
しかし、Cosenseページ内のリンク(特に青色のリンク)は、あなたを別のページへと、あるいは、別の文脈へと、その道を示します。
そこには、定められた道筋はありません。
つまり、本来のハイパーリンク(テッド・ネルソン)です。
このページ群を読むという体験が、あたかも「読むボードゲーム」だと思っています。
あるページを読み、あなたの心に浮かんだ思考や問いは、あなただけの「一手」。別のページへのリンクを辿り、新たな概念と出会うとき、あなたは盤上の別の場所へコマを進め、あるいは、盤外から現れた新たなプレイヤー(思想家や、別のあなた自身)と遭遇します。
昨日打った「一手」が、今日、まったく異なる意味を持つ一手に映ることさえあるでしょう。
ボ哲には著者である私の思考や嗜好が色濃く反映されています
しかし、それはゲームマスターの絶対的な声ではありません。
ここには、互いに応答し、継承し、批判し合う、数多の思想家たちの声が響き合っています。
読み手であるあなたもその響き合う声へと参加する1人になるでしょう。ちょうどボードゲームのデザイナーが、自らの定めた魔法円(ホイジンガ)の中で、自由に遊ぶことをプレイヤーに期待するように。
この「読み遊び」を通じて、思考と感情の大きな盤面を、どんどん拡張していってもらればと思っています。
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同じ内容をポッドキャスト(ネットラジオ)でも配信しています。
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このポッドキャストは、上記文章そのままと、関連リンク先ページの内容を、Google NotebookLMを使って音声解説させたものです。
私が書いていないことまで、解説役として内容を補強するように話してくれていて、音声コンテンツとしても非常に面白い内容になりました。
こちら👇から、お読みいただけます👀https://t.co/Q0HqdMDs3Z
— ボードゲーム哲学@ハト (@Spiel_humanitas) September 20, 2025

