PLUTO GAMES

韓国のボードゲームデザイナーが設立したボードゲームスタジオです。 テーマを深く研究し、独創的なシステムのボードゲームを創作します。

「航路開拓者」を通じて表現したかった世界
2024/11/10 22:23
ブログ

※ 韓国語を翻訳したので文章がぎこちないかもしれません。 ご了承ください.

また、この記事を読む前に、ゲームの紹介文を最初に読むことをお勧めします。

https://gamemarket.jp/blog/190467

 

『航路開拓者』は、教科書で見たある航路図の記憶から始まりました。

地図上の線に沿って結ばれる偉大な探検家たちの航路。

私は航路を目で追って、探検の旅路を想像するのを楽しみました。

新大陸の発見、太平洋を横断する冒険、異国的な東方の世界見聞のようなもの。

 

そんなある日、こんな風に思いました。

"歴史の中の仮想の探検家になって、自分だけの航路を開拓するゲームを作ってみたらどうだろうか?"

ゲームが終わると、マゼランやコロンブスのような探検家たちが残したように

「私が開拓した航路」が地図の上に残ってほしい、それがこのゲームの核心アイデアでした。

そのようなゲームを作るためには、まず3つの大きな枠組みを作らなければならないと思いました。

 

1) 航路開拓の視覚的表現

開拓した航路がどのような形で表示され、ゲーム終了時にどのようなビジュアルを提供するのか?

2) 航海過程のシステム的表現

毎回、具体的に何をし、どのような意思決定を誘導するのか?

3) 探検の目的

これらすべてを何のためにするのか、どうすれば「うまく」できるのか?

 

今回の記事は、この3つの大きな枠組みをどのように具現したのかを中心に作成してみましょう。

 

1) 航路開拓の視覚的表現

開拓した航路がどのような形で表示され、ゲーム終了時にどのようなビジュアルを提供するのか?

「地図の上に線で続く航路図」がアイデアの出発点であったため、

初期には、実際に地図上にペンで航路を描く方法を試みました。

また、今のような一人用ゲームではなく、多人用ゲームも試しました。

世界地図をそれぞれ一枚ずつ持って描いてみたり、一つの世界地図の上に一緒に航路を描いて競争を誘導してみたりもしました。

かなり長い間、この方法でゲームをデベロップしましたが、決定的な問題が 1 つありました。

"ゲームのビジュアルが思ったより素敵ではない。"

 

教科書で見た航路図のイメージと違って、ペンで地図の上に引かれた線は何か「きれいじゃない」という感じを消すことができませんでした。 

ゲームが終わったときに写真を撮って自慢したいビジュアルかな? 考えてみればそうではなかったです。

それなら「描く行為」自体にシステム的な必然性でもなければならないのに、必ずしもそうではありませんでした。

十分に異なる方法で代替可能な行為でした。

 

結局、私はペンで航路の描き方を思い切って捨てることにしました。

代わりに「船舶マーカー」を停泊地点ごとに置く方式を採択しました。

このやり方でもどこを通って航海してきたのかがはっきりわかりましたし、むしろ船の経路の「トレーシング」の感じがしてよかったです。 

ゲームが終わった時のビジュアルも悪くなかったですね。

この過程で「多人用」もやはり果敢に捨てて1人用に集中することに決めました。

後で説明しますが、このゲームは与えられたミッションをうまく組み合わせて最適な航路を計画するゲームです。

その悩みに一人で集中するだけでもゲーム性は十分だと判断しました。

2) 航海過程のシステム的表現

毎回、具体的に何をし、どのような意思決定を誘導するのか?

 

「航路開拓者」を作り始めたとき、ゲームのコアシステムはほぼ一気に浮かび上がりました。

それはまさに「限られた資源を分配するシステム」でした。

この部分は私が学生時代に好んでいたKOEI社のPCゲーム、「大航海時代」シリーズから多くのインスピレーションを受けたと思います。

『大航海時代』シリーズでは出航のたびに物資を分配しますが、船に積める積載量は限られています。

この限られた積載量の中で、水や食料、砲弾、交易品などを適切な割合で分配する必要があります。

このように物資を船に積んで港を離れると、しばらくはこの物資に頼って航海を続けなければなりません。

水と食料が十分であれば、長距離を航行することができるでしょう。 

しかし、それだけ砲弾が不足して、海の真ん中で出会った海賊に攻撃されることもあります。

逆に、水や食料が十分でなければ、航海中に乗組員が倒れるかもしれません。

もちろん、どれが正しいかについての正解はありません。

航海の本質は不確実性を抱えて海に出ることですから。

「航路開拓者」で毎回行う行動も、このように物資を分配することです。

無作為に航海カード1枚を引いた後、カードに書かれた物資量を1)航海速度 2)船員行動力 3)武装度に分配します。

この時点で、プレイヤーは選択する必要があります。

1) 航海速度を上げてもっと遠くへ行くのか?

2) 船員の行動力を高め、到着したところで多くの行動をするだろうか?

3) 武装度を高めて海賊との戦闘に備えるのか?

3 つのすべてに十分な物資を分配することはできません。

ある部分は果敢にあきらめなければなりません。

さらに、海賊との戦闘ではサイコロが使用されるため、不確実性はさらに大きくなります。

このように3つの項目に物資を分配するというシステムは早くも決まり、かなりうまく機能しましたが、

それをどのような構成物で表現するかについては多くの悩みがありました。

写真に見られるように、初期の航海日誌は最終版の航海日誌と大きく変わりません。

しかし、その後、クリエイターとして多少「欲」を出した時期がありました。

ただ数字を書くのではなく、本当に「船舶」の形をした構成物を作りたいという欲でした。

船の形をした個人ボードを作り、その上に航海速度を表す「舵」と武装度を表現する「大砲の卵」、そして船員が働く「甲板」と「特産品倉庫」まで全て具現しようとしました。

​かなりの時間をかけてプロトタイプを完成させ、その結果は思ったより悪くありませんでした。

今になって振り返ってみると、このプロトタイプこそ、本当に純粋な心の創作だったと思います。

実際、個人クリエイターがこのような構成品が入ったゲームを製作するのは非現実的なことだからです。  

(制作難易度はもちろん高い費用まで)

「ここにしがみついている時間がない」と現実を自覚した後、再び元の航海日誌に戻りました。

ただ、だからといって航海日誌が相対的に見栄えがしないように見えるのは望んでいませんでした。

このゲームのアートディレクターを務めていた「木星文庫」の木星さんにお願いして、私が望んでいたアンティークな感じが詰まった航海日誌のアートを完成することができました。

私が望んでいたビッグスケールの船舶個人ボードは、いつか『航路開拓者』が本当に多くの愛を受ければ世の中に出てくることになるかもしれません。

 

3) 探検の目的

これらすべてを何のためにするのか、どうすれば「うまく」できるのか?

ゲームを設計する際に最も重要なことの一つだと思うのは、プレイヤーに適切な「長期目標」と「短期目標」を設定することです。

ゲームを全体的にどのようにプレイしていくか(長期目標)と、今すぐ何をすればいいか(短期目標)が適切に調和してこそ、プレイヤーは道に迷わず最後までゲームに没頭することができます。

「航路開拓者」の長期目標は、ゲーム開始時にランダムに与えられる9枚のミッションカードです。

ゲームの目標は最大限高い名声点数を獲得することであり、そのためにはミッションカードに表記された目標をどのようにすれば最大限多く達成できるのか悩む必要があります。

プレイヤーが9枚のミッションカードを受け取った時、すべて達成しやすくてもいけないし、逆に全て達成しにくくてもいけないという点が核心でした。

私が考える理想的な達成回数は5枚~6枚の間でした。

そのためには、ミッションを世界地図のあちこちにバランスよく広めることが重要でした。

それでミッションカードの種類自体も、1)地域と地域を結ぶ航路ミッション 2)特産品を特定の港に配達する交易ミッション 3)探査地に停泊する探査ミッションに分けて、それぞれ一定の割合で分配できるように設計しました。

それにもかかわらず、本当に最適な動線でぴったりとつながるミッションカードだけで9枚が出てくる可能性がないわけではありません。

ただ、その確率が非常に低く、そのようなカードだけを全て受け取ったと仮定してテストプレイをしてみた時も、幸いとんでもなく高すぎる点数が出ることはありませんでした。 

(もちろん私がゲームをよくできなかったことかも知れないです)

とにかく、このゲームで高い点数を獲得するためには、与えられた9枚のミッションカードを見てから「達成するミッション」と「放棄するミッション」をうまく区分しなければなりません。

​それと同時に「短期目標」として、前の2番項目で説明したように、毎回適切な物資分配をしていくことが重要です。 

(「今度はあまり欲張らずにあの港まで行こう」「今度は海賊に絶対負けない」など)

 

あとがき

私は「航路開拓者」を通じて、未知の世界を開拓した探検家たちに対する憧れと「大航海時代」というゲームをしながら感じた航海に対するロマンを表現したかったです。

もちろん、そのような世界が持つ深さをすべて盛り込むには足りず、残念な点も多いのが事実です。

それでも、部屋の隅で航海を夢見ていた一人の少年が、クリエーターとして成長し、その時代に送る献詞としては、この程度で十分ではないかと思います。

 

「航路開拓者」は11月16日(土)【L09】ブースにて出展いたします。

どうぞよろしくお願いします。

 

遊び方説明書

より詳しい遊び方は説明書をご参照ください。

https://drive.google.com/file/d/1IAJF9PkFXA6WmJK1n27XSm8Jmf4FVasR/view?usp=sharing

 

予約フォーム

https://forms.gle/fGQgUF1G56uzWeZ8A

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