アクサン・シルコンフレックス

中学時代からの幼なじみ2名でスタートした創作団体。プロジェクトごとにチームを組む形式で活動し、結成から3年のうちに制作したゲームは10作品に迫る。和をテーマにした本格派ゲーム(「詠天記」「大江戸地引網」「つらつら椿」等)からパーティ向けのバカゲー(「フサフサクセス」「オモゾンクライム」等)まで守備範囲は幅広い。 2023年春のゲムマからいわゆるマダミス、マーダーミステリーのジャンルに挑戦。

【詠天記 Blog No.01】作品紹介。弥生時代の巫女となって天気を当てろ!
2019/4/1 21:46
ブログ



 
こんなプレイヤー向けのゲーム


  • 軽すぎず、しかし重すぎない、60〜90分クラスの知的ゲームが欲しい!

  • 運の要素がありつつも、「論理的な思考力」によって勝敗が影響されるゲームをしたい!

  • ボードゲームならではの「会話」による騙し合い、思わずニンマリしてしまう「情報戦」を楽しみたい!



 

 

そんなボードゲームプレイヤーへ贈る、歯ごたえのあるミドルクラスゲーム。
それが「詠天記」です。

 

ゲーム制作集団アクサン・シルコンフレックスのゲームデザイナー、和田啓佑と申します。

 

この度は我々アクシルのブログページをご覧くださりありがとうございます!

 

新元号「令和」が発表され、新しい時代の幕開けを予感させる4月1日。

 

記念すべき本日をスタート地点として、これから出展する作品のご紹介や設計裏話、ゲームデザイナーの紹介など、さまざまな情報を発信していく予定です。よろしくお願いいたします。

 

さて、初投稿となる今回は、我々の出展作「詠天記」の概要と、核となるシステムについてご紹介したいと思います。

 
目次



 

 

 

「詠天記」とは??


 

舞台は歴史の教科書でおなじみの弥生時代
いくつもの小さなクニが乱立し、それぞれが併合や滅亡を繰り返しながら日本列島(倭国)の支配を目論んでいます。

 

各プレイヤーは霊的な占術を自在にあやつる「巫女」となって、自らが治めるクニの命運を見定め、倭国を統一し頂点に君臨する女王「HIMIKO」を目指します。

 



※画像は製作中のものです

 

 

基本システムは、自分のコイン(クニの資源)を賭けによって増やす&グレードアップさせていく「ベッティング」。

 

初期資源である銅5枚からスタートして、コイン数を増やしたり、「銀」「金」、最終的に「勝利点」へとコインの価値をどんどんランクアップさせていきます。最終的に、ゲーム終了時点で最も多くの勝利点をもっているプレイヤーが勝者となります。

 

しかし、単なる賭けだけではただの「運ゲー」。

もちろん「詠天記」では、賭けを盛り上げるための「知略」要素を盛り込んでいます。

 

 

 

 

天候システム


 

プレイヤーは、何を判断材料にコインを賭けるのか?
たとえばカジノのルーレットでは、玉がどこのポケットに入りそうかを「勘」で予測します。

 

「詠天記」でも「勘」による予測=運要素はもちろんあるのですが、ゲーム中に発生する様々な情報に基づいた「論理的思考」によって、賭けがうまくいくかどうか、勝つか負けるかが左右されるという半実力主義が採用されています。

 

「運要素」と「論理的な推理」
このふたつを絶妙なバランスで両立させたのが、本作のキモである「天候システム」です。

 



 

天候システムとは、「晴」「曇」「雨」「雷」という4種類×各4枚=16枚の天候カードをランダムに一列で並べることによって構成される、ゲーム内のカレンダー機能のことです。

 

全プレイヤーに共有される「フィールドの状態」や「ゲーム内時間の進行度合い」を表現する、暦(こよみ)としての役割があります。

 

ゲーム開始時は16枚すべてが裏向きにされており、どの天気がどの位置にあるかは誰もわかりません。

 



 

天候カードは、ラウンドが進むごとに1枚ずつめくられていき、全プレイヤーに対して天気の種類に応じた「天候効果」を与えます。

 

今回は効果の詳細説明は省きますが、たとえば「晴」が出れば、コインを賭けていたプレイヤーは、賭けたコインのグレードをアップさせ、勝利点の獲得へと近づくことができます。

 



 

逆に、「雷」が出た場合、きちんと対策をしているプレイヤー以外は、手持ちの全コインのグレードが最低レベルまで落ちてしまい、勝利点が遠ざかります。

 



 

このように、天候カードには大まかにプラス系の効果マイナス系の効果があります。

 

プレイヤーは次の天気が何かを推測し、適切な判断を下さねばなりません。
これを繰り返していくのが、「詠天記」プレイにおける基本作業となります。

 

天候カードは、どの天候も4枚ずつあり、その全てをゲームに使用するので、ラウンドが進むごとに「どの天気が何枚出たか」を頼りに、残りの枚数を計算することができます。

 

ゲーム後半になればなるほど、未知のカードは減っていくため、確率の計算精度は上がっていきます。

 

 

 

 

天気を占う巫女


 

この天候システムの面白さを最大限に引き出すのが、巫女(プレイヤー)が使用できる3つの「占術」です。

 

「占術」は巫女がもつ特殊な能力で、どれも天候システムと紐づいています。
これをいかに効果的に使えるかがゲームの勝敗を左右しますので、非常に重要な要素です。

 



 

 

3つの占術とその効果

天候占術:次にめくられる天気を的中することで、コインがもらえる
避雷の祈り:次に「雷」がめくられた場合、そのダメージ効果を無効化できる
予知夢:任意の裏向きの天候カードを自分だけ見ることができる&裏向きの天候カードを1ペア入れ替えられる

 

とくに3つ目の「予知夢」は、非常に重要な占術です。

 

未知の天気を予測し行動するのが「詠天記」のシステムの核ですので、天気の確定情報を自分だけ入手できるということは、戦略性に大きな影響を与えます。

 

自分だけが知っている天気の情報をいかに有効活用できるか?

 

ブラフによって相手を欺くもよし。
自分に有利なように天候カードの並び方を操作してもよし。

 

「予知夢」の存在が、悩ましくも心地よい「知略」を効果的に演出します。

 



テストプレイの様子


 

 

 

ブログ第1回 まとめ


 

16枚の天候カードによる天候システム
巫女がもつ3つの占術

 

これらが組み合わさることで、運の要素がありつつも、知的な情報戦が楽しめるゲームに仕上がりました。

 

次回以降は、「詠天記」のシステムやデザインについて、より詳しくご紹介していきたいと思います。

 

それでは、今後ともよろしくお願いいたします!

 

 

【次の記事】

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