サイシュピール @saispiel
合同サークルサイシュピールです。静岡を拠点とする、
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- ゲーム紹介『非実在少年少女』
- Megalomaniac Gameは2024年11月16・17日に開催される「ゲームマーケット2024秋」にて新作ボードゲーム『非実在少年少女』を販売します! この記事では今作のルールやアピールポイントを分かりやすく解説!これさえ読めば大体OKといった内容になっています。 【①基本情報】ゲームタイトル:『非実在少年少女』プレイ人数:2~5人プレイ時間:15分価格:2000円(記事中のコンポーネントはテストプレイ時のものであり、実際の製品とは異なる場合があります。ご了承ください) 【②概要】今作のジャンルは「協力型パーティーゲーム」!プレイヤー全員は協力してゲームクリアを目指します。 ゲームで重要になるのは「架空の友達(イマジナリーフレンド)」と呼称される1人の人物です。その名が示す通り、その人物は想像上の存在で、この世界に存在しません。ゲームではプレイヤーは協力して、この「架空の友達」をみんなで作り上げていくことになります。クリアのためにはプレイヤー全員がこの人物のことを深く理解することが重要になるでしょう。 とは言え、これだけでは何のことだか分かりませんので、実際のゲームの流れを解説していくことにします。 【③ゲームの流れ】ゲームは主にカードを用いて行います。準備の段階でこれらをシャッフルして山札を作ります。そしてゲームを始める前に、まずは「架空の友達」に名前を付けてこの世界に生み出してあげましょう!(名前も無いと不便ですからね)ただ、難しいことは何一つありません。先程作った山札からカードを2枚引き…… メインボードの空き枠に差し込むだけで……はい!「架空の友達」に「名前」と「年齢」が与えられ、新しくこの世に1人の人間が産まれました!(プレイヤーは名前を考える必要すらありません!)プレイヤー達はゲームを通して、更にこの人物のことを知っていくことになります。 では実際にゲームがどのように進行するのかを解説します。ゲームは主に「①君を知る」「②君を語る」「③君を想う」という3つのフェイズによって構成されます。順に見ていきましょう。 【1.君を知るフェイズ】このフェイズではプレイヤーは時計回りに手番を行います。重要になるのは「エピソードカード」と呼ばれるこのカード。これには1枚のカードに4つのエピソードが書かれています。プレイヤーは手札として2枚のエピソードカードを持っており、手番ではその中から1つのエピソードを選択します。そして選んだ「エピソード」が見えるようにメインボードの下に差し込みます。こうして差し込まれたエピソードは「架空の友達」のプロフィールに加えられます。これで1つ「架空の友達」のことを知ることが出来ました!その後手札が2枚になるように山札からカードを引いて、次の人の手番に移ります。 勿論始めは「架空の友達」についてわずかな情報しか知らないので、どのような人間かをイメージするのは難しいでしょう。しかしプレイヤー同士で互いにカードを出し合うことで、少しずつ「架空の友達」の人となりが見えてくるはずです! 既定の枚数のカードがメインボード上に出たなら「君を知るフェイズ」は終了し、次の「君を語るフェイズ」に移行します。 【2.君を語るフェイズ】このフェイズでは手番は無く、リアルタイムでゲームが進行します。とは言えここでやることもシンプル。用いるのは「質問カード」という名称のカード。ここには選択肢が2つある質問が書かれています。 フェイズの開始時、この質問カードを3枚公開し……プレイヤーは「2分間」、全員で「架空の友達」ならどちらの選択肢を選ぶかを自由に話し合います。ここで重要なのは自分の考えを押し通すことではなく、他人がどのようなイメージを抱いているのかを知り、それを共有することです。プレイヤー全員が「架空の友達」について共通の認識を持つことはクリアするのに不可欠です。自由に議論して、イメージを膨らましましょう。 「2分間」が経過したら、「君を語るフェイズ」は終了し、次の「君を想うフェイズ」に移行します。 【3.君を想うフェイズ】このフェイズでは、全員同時に手番を行います。 まずは「質問カード」の山札からカードを1枚捲り、公開しましょう。先程と同じように「架空の友達」ならどちらの選択を選ぶかを考えるわけですが、今回は相談してはいけません。今までのゲームを振り返り、最適だと思う選択肢を選びましょう。決まったら対応する「判定カード」を自分の前に伏せて置きます。全員がカードを伏せたら、同時に公開します。 全てのプレイヤーが同じ選択肢を選んでいれば大成功!最も望ましい結果です!しかし、異なる選択肢を選んでいるプレイヤーがいたなら……ペナルティとしてプレイヤー達は少数派の数に等しいライフを失います!!失敗するにしても出来るだけ失うライフが少なく出来ると良いでしょう。 この時プレイヤーのライフが0になったら即座にゲームオーバー!そうでなければ質問カードの山札が尽きるまで、これを繰り返します。 質問カードの山札が尽きた時、まだライフが残っていれば見事ゲームクリアです! 【④制作意図】今作は「特定の人に対して持っているイメージや固定観念」、いわば「偏見」や「各々の価値観」を題材にしたパーティーゲームです。こういったタイプのゲームは数多く存在していて、有名なものだと『アンユージュアルサスペクツ』、最近だと『偏見プロフィール』などがあります。実際今作のプレイ感や面白さの性質も、そのようなゲームと似たものであるのは間違いありません。こう聞くと「わざわざ同じタイプのゲームを買う必要はないな……」となる方もいるはずなので、ここでは今作がそういった既存の作品とどう差別化をしているかを解説していきます。 まず既存の作品の考察から述べましょう。いわゆる「価値観推測ゲーム」は以下の様な形式であることが多いです。 ①「特定のものに対するイメージを考える人(=親)」と「親がどのように考えたかを予想する人(=子)」が存在する。②親は「特定のもの」に対してのどのようなイメージを持っているかを考える。「特定のもの」は「存在しない人物の見た目(イラストや写真)」だったり「一緒に遊んでいる他プレイヤー」だったりする。③親は先ほどのイメージを発表し、子はそれをヒントにして親の考えを推測する。④親は正解を発表し、予想の成功失敗に応じて勝利点を得るなどの処理が入る。 ……ゲームの進行方法の違いなど、細かなバリエーションは大量にありますが、概ねこのような形式です。 そして僕はこういった形式が「クイズ」と似た構造にあると考えました。 実際に例を出して解説しましょう。「クイズ」では「出題者」が「回答者」にクイズという形で問題を出します。この時「出題者」が話すのは事前に決められた文章だけで、「回答者」側から質問などのアクションを取ることが出来ません。一方通行な関係と言えるでしょう。そして問題に対し「回答者」は考えるわけですが、基本的にクイズ中に調べたり新しいヒントを得ることは出来ないので、「回答者」は事前の知識を元に答えを考えることになります。最後に答えが発表されると、正解か否かという結果が示され、時には新しい知識を得るという面白さが得られます。 これを踏まえて既存の「価値観推測ゲーム」の形式を見ていきます。まず「親」は「子」に「お題から得たイメージ」を伝えます。基本的にこれは一度だけで、それ以降「親」は「子」に情報を伝えられず、「子」の方も親と交信することは出来ません。そして出題された後、大体のゲームでは「親がどのような価値観を持っているのか」を探ることは出来ません。そのため「子」は「自分が普通だと思っている価値観」や「事前に知っている親の情報」を元に推測を行います。答えが発表され、正解か不正解による感情の揺れ動き。時には価値観のズレが明らかになり、それを知る面白さを得られます。 こうして比べるだけで、「クイズ」と「価値観推測ゲーム」が非常に似た構造であることが見て取れます。そして似た構造であるがゆえに、「クイズ」で問題になりやすい点についても、同様にあると考えられます。 最も重要な部分は「ゲームの中で新しく情報を得ることが出来ない」という点です。そのため「クイズ」では事前に多くの知識を持っている人ほど有利です。また知識がある方が正解という成功体験を得やすいため、「クイズ」は知識を持つプレイヤーほど有利で楽しい遊びであると言えます。逆にその点が初心者にはハードルが高く、避けられる要因にもなります。 「価値観推測ゲーム」では「クイズ」のように専門的な知識は必要ありませんが、代わりに「親」のことをどの程度知っているかが重要になります。親しい関係にあれば、日常のシーンを思い返し、それら全てがヒントになるでしょう。逆に相手の事を知らなければ、薄い根拠に縋って推測をしなくてはなりません。よくこの手のゲームは「仲の良い人同士で遊ぶのがオススメ」という売り文句が掲げられることがありますが、これは逆に知らない人同士だと本領が発揮されないということを端的に示しています。 ただ僕はこういった点が致命的な問題であるとは思いません。実際クイズが面白い遊びであるのは疑いようが無いですし、「誰と遊んでもほどほどに楽しいゲーム」より「親しい人となら120%楽しめるゲーム」方が良いということもあるでしょう。またそういった無茶ぶりがゲーム全体に気楽さをもたらしていたり、他人の意外な一面を知るきっかけになったりしています。 しかし個人的にパーティーゲームは「状況を選ばず遊べて、誰とでもほどほど楽しい」方が好みです。ルールが簡単でプレイのハードルが低いことから色んな場所で遊べるのが魅力だと思いますし、「親しい人と遊ぶと楽しい」と言えども同じメンツで何度も遊ぶタイプのゲームではないですから。 そこで僕は「価値観推測ゲーム」の「面白さがプレイヤー同士の親密度に依存しすぎてしまう」部分を解決したいと考えました。 ではそのために今作はどのようなことを試みているのか。それを解説するためにゲーム中のプレイヤーの心理を想定してみます。①ゲーム開始時、プレイヤーはそれぞれ「架空の友達」に対してバラバラの人物像を抱いている。②プレイヤーAが自分のイメージにピッタリ合う「エピソードカード」をプレイする。③他プレイヤーはそれを見て、プレイヤーAが想定しているであろう人物像を推測する。④自分の想定している人物像とピッタリ合っているなら問題なし。もしズレていると感じるなら自分のイメージに修正を加える。⑤修正したイメージを元に次のプレイヤーはまた「エピソードカード」をプレイする。⑥この③~⑤を何度も繰り返すことで、全員で共通認識を作り上げていく。 重要なのはプレイヤーが「親」と「子」という一方通行の関係ではない点、そしてカードを用いることで互いに意思疎通が取れる点です。ゲーム中では「自分のイメージを相手に伝える機会」、「相手のイメージを推測する機会」、「自分のイメージを修正する機会」が何度も与えられます。このため互いに面識が無いもの同士でも、ゲームの中で相手がどう考えているのかを知ることが出来るし、逆に自分がどう考えているかを伝えることが出来ます。勿論親しい人同士の方が意思疎通は取りやすいでしょうが、初対面同士であっても比較的ゲームが楽しみやすいようになっているはずです。 少し長くなったので話をまとめます。前述の通り、既存の「価値観推測ゲーム」は「クイズ」と似た構造のものが多くありました。しかし今作の「カードという限られたツールを用いて互いに意思疎通を取り合い、少しずつ共通認識を作り上げていく」という遊びは、どちらかといえば「制約がある中で意思疎通を取り合う」、いわゆる「コミュニケーションゲーム」に近い構造になっています。 「価値観」や「偏見」という題材に対して、「クイズゲーム」的なアプローチを取るのか、「コミュニケーションゲーム」的なアプローチを取るのか。違いといえばそれだけのことですが、同じようでちょっと異なるプレイ感を味わえるゲームに仕上がっているはずです。 【⑤どこでも誰とでも、テンポよく遊びやすく】そして今作についてもう1つだけ言及したいこと、それは「誰とでも遊びやすいゲーム」を目指して制作したということです。互いに面識がない人同士でも遊びやすく、という点は先ほど長々述べましたが、それ以外にもボードゲームに馴れていないプレイヤーが遊びやすい作りを意識しています。 例えば「君を知るフェイズ」では手札の限られたエピソードの中から選択する事しか出来ませんし、「君を想うフェイズ」では常に2つの選択肢のどちらかを選ぶだけです。また「名前」と「年齢」といった一見みんなで話し合って決めた方が楽しそうな要素さえ、プレイヤーに選択する余地はありません。 こういった作りはゲームに慣れているプレイヤーにとっては物足りなく感じるかもしれません。この手のゲームによく見られる「自由回答」のゲームはプレイヤーに無限の選択肢を与え、またデジタルでは実装が難しいことからアナログゲーム特有の楽しさを秘めています。実際プレイヤーに要求するスキルが高いほど、それが上手く行った時の快感も増すことでしょう。しかし同時にプレイするハードルも上がってしまいます。 そういった中で僕が最も恐れたのは、慣れていないプレイヤーが膨大な選択肢に思考が停止し、ゲームが停滞してしまうことでした。ダウンタイムの問題はどんなゲームにもついて回るものですが、そもそものゲーム時間が短いパーティーゲームにおいてこれが起きてしまうのは本当に致命的で、ゲームの印象が極端に悪くなってしまいがちです。これが起きるのを防ぐために、勿論ある程度の悩ましさは保ちつつも、出来るだけ選択肢を減らすことを心がけました。そのおかげで誰と一緒でも、テンポ良くストレスなく遊べるパーティーゲームになっていると思います! 【⑥まとめ】……以上が新作『非実在少年少女』の紹介でした。今作は新規性があるゲームというよりは、しっかりとした面白さがあるパーティーゲームを目指して制作しました。そのため説明だけでは少し地味に見えるとは思いますが、誰とでも遊べる良いゲームだと思います!良ければプレイしてみてください! 冒頭に述べた通り、今作は11/16-17に開催される「ゲームマーケット2024秋」にて販売されます。場所は「土N-20:サイシュピール」ブースです。販売は土曜のみなので注意してください! もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非足を運んでみてください!よろしくお願いします! それではここまでお読みいただきありがとうございました!
- 2024/11/5 16:22
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- ゲーム紹介『バザールの商人たち』
- Megalomaniac Gameは2024年4月27・28日に開催される「ゲームマーケット2024春」にて新作ボードゲーム『バザールの商人たち』を販売します! この記事では今作のルールやアピールポイントを分かりやすく解説! これさえ読めば大体OKといった内容になっています。 【①基本情報】 ゲーム名:『バザールの商人たち』 プレイ時間:10分 プレイ人数:6~7人 価格:1500円 【②作品のテーマ】 今作の舞台は「バザール」! バザールとは中東や中央アジアにある「市場」のことで、その語源は「物の値段の決まる場所」という言葉から来ていると言われています。 実際バザールでは物の値段が決まっていないのが普通で、買い手と売り手で価格交渉をするのが一般的です。そのためバザールでは商人たちが大きな声を出して客を引き留め、沢山の取引を行ってきました。 そしてプレイヤーもここに生きる「バザールの商人」の1人となり、この熱狂の渦に飛び込むことになるのです! 【③交渉×セットコレクション】 次に具体的なゲーム内容を紹介しましょう! 今作『バザールの商人たち』の基本的なシステムは【交渉】×【セットコレクション】です。 ゲームでは【商品カード】といったものが登場し、プレイヤーはこれを集めることになります。 商品は全部で9種類あり、それぞれ枚数や得点効率が異なるなど特徴が存在します。 そのためプレイヤーは手札を見て、「どの商品を集めるか」をよく考える必要があるでしょう。そしてカードを集めるためには他プレイヤーとの「交渉」が不可欠です!互いにいらないカードを提示して上手く商品を集めましょう! ……と、これだけだと何の変哲もない交渉ゲームのようです。実際「交渉」×「セットコレクション」という組み合わせは、『ピット』や『ボーナンザ』といった古いゲームでも良く見られる構造で、それ自体に目新しさがあるものではありません。 そこで!今作はこの古典的な交渉ゲームの構造に「役職」と「ロールプレイ」という2つの要素を取り入れることで捻りを加えています。 【④ゲームの流れ】 今作で重要なのがゲームをプレイする場所です。この「場所」という要素が今作ではとても重要です。 なぜなら今作は通常のボードゲームのように「テーブルの上でプレイする」のではなく、「実際に歩いて交渉を行う」ゲームだからです。 これは「マーダーミステリー」の調査フェイズやシド・サクソンの『ハグル』などを思い浮かべて貰うとイメージしやすいかと思います。 これらのゲームではプレイヤーは自由に歩き回りながら、情報を集めたり、交渉でカードを交換したりします。今作も同じように、ある程度の空間の中でプレイヤーは実際に歩き回り、交渉を行うことになるのです。 では実際のゲームの流れを見ていきましょう! まず今作には「行商人」と「露天商」といった2つの役職が存在します。 プレイ人数によってどの役職が何人いるのか決められているので、それに沿ってプレイヤーはゲーム開始時にどちらの役職を担当するかを決めます。そしてプレイヤーは山札から決められた枚数のカードを引き、初期手札とします。 手札が配られたのち、「露天商」のプレイヤーは自分がどの場所でゲームをプレイするかを決めます。これは露天商が自分のお店をその場所で開くことを意味しています。 そのため「露天商」はこの時決めた場所からゲーム中一切動くことが出来ません。また各「露天商」は離れた位置にいても構いませんし(遠すぎるとプレイが困難になりますが、立った状態でプレイしても構いません。全ての「露天商」が場所を決めたらゲームが始まります。 ゲームは主に前半戦と後半戦の2ラウンドで構成されます。 ラウンド開始時にタイマーをセットし、それが鳴るまでプレイヤーは何回でもカードの交換や交渉を行うことが出来ます。 ただ前述の通り、「露天商」はゲーム中動くことが出来ません。そのため交渉を持ちかけるのはもう1つの役職、「行商人」の仕事です。「行商人」は「露天商」と異なりゲーム中自由に歩くことが出来ます。実際に「露天商」のもとへ足を運び、交渉を行いましょう。 交渉では基本的に制約は無く、両者が合意すればどのような形でもカードを交換することができます。そして取引を終えたら、行商人は露天商のもとを離れ、また別の露天商へと足を運びます。 そう、この一連の流れは現実のバザールを限りなく再現しています プレイヤーは自分がバザールにいるかのような気分でゲームを楽しむことが出来るでしょう。 このような流れを2ラウンド行った後、自分の役職に応じた得点計算に移ります。 もしあなたが「行商人」ならば勝利点を得る方法は「セットコレクション」です。 商品カードにはそれぞれ何枚で何点になるのかが書かれているので、これに参照して勝利点を得ます。 例えば上の「⑮シルク」なら3枚で3点、5枚で5点、7枚で9点!といった感じ…… 全ての商品で点数化を行い、合計点が最終的なスコアになります! 対して役職が「露天商」なら勝利点を得る方法は「マジョリティ」になります。 ゲーム終了後、各「露天商」は特定の商品カードを何枚持っているかを比べ合い、その順位によって勝利点を得ます。 例えば上の「⑪ガラス」なら最も多く集めた人は6点、2位は3点といった感じ…… そのため「露天商」は出来る限り少ない枚数で1位や2位を狙うのが非常に重要になってきます。このマジョリティ勝負を全ての商品で行い、合計点が最終的なスコアになります。 そして得点計算において重要なルールがもう1つ! 「行商人」と「露天商」の目的は「同じ役職の中で一番勝利点を得ること」なのです。 つまり「行商人」と「露天商」という役職の異なるプレイヤー同士で勝敗がつくことはありません。それぞれの役職で一番多く勝利点を得たプレイヤー2人がゲームの勝者になります! 【⑤アピールポイント:役職によって生み出されるストレスのない交渉】 今作における重要なルールは「交渉は役職の異なるプレイヤーとしか行うことができない」、「プレイヤーは自分の役職の中で1位を獲ること目指す」という二つです。二つのゲームが同時に進行するかのようなこの奇妙な構造によって、今作は従来の「交渉ゲーム」が抱える問題を解決しようとしています。 従来の「交渉を用いるゲーム」において、交渉は基本的には「WIN-WIN」のアクションであることが多いです。この「自分と相手が互いに利益を得る」というのは交渉を発生させやすくするなどの効果がありますが、同時に問題を引き起こす原因にもなっていました。 例えば自分が負けている時は逆転するのが困難だったり、不用意な交渉によって自分の利益より相手が遥かに大きな利益を得ることになったり、その結果キングメイカーが発生したり。従来の「交渉ゲーム」ではそういった部分でゲームが壊れたりストレスが発生する可能性がありました。 そしてこれらの問題は「両者が互いに利益を得る」ことが原因ではなく、「交渉相手が倒すべき敵である」という部分にあると自分は考えました。 そこで今作『バザールの商人たち』では「行商人」と「露天商」という二つのゲームに分離することで問題の解決を試みています。 今作における交渉相手は「敵」ではありません。交渉の結果、相手が大きな徳をすることになってもあなたの勝敗には関係しないのです。このため従来の交渉ゲームにありがちな「相手が得するのをどう防ぐか」を考える必要はなく、交渉の楽しい部分だけをストレスなく味わえるようになっています。 これが今作の最大のアピールポイントです。 【⑥アピールポイント:ロールプレイによって高まる面白さ】 そしてもう1つのアピールポイントは「ロールプレイ」です。 「ロールプレイ」という言葉は「想像上のある役柄を演じること」という意味で、アナログゲームではTRPGやマーダーミステリーでよく使われています。 しかしこの「何かになりきる」という遊びは、ゲームだけに留まるものではありません。日常の中でも沢山の人たちがそれを楽しんでいます。 例えばディズニーランドなどのテーマパークで世界観を再現した建造物の中に入れば、まるで自分がその世界に迷い込んだ感覚になるでしょう。映画やアニメの舞台となった場所を巡る聖地巡礼は、これもまた自分がその作品の中にいるような気分を味わえます。有名人が食べているものと同じものを食べる時は、自然とその時の情景が頭に浮かび、より満足度が上がることもあるでしょう。 こういった事象だけでなく、「何かになりきる」という遊びは日常に根付いており、意識せずとも沢山の人がそれを楽しんでいます。 つまり「ロールプレイ」は、ゲーム的な楽しさとはまた異なり、普遍的な楽しさがあるのだと僕は考えています。 そしてこの「ロールプレイ」の楽しさをゲームに落とし込もうとするなら、デジタルゲームよりアナログゲームの方が向いているでしょう。何故なら「ロールプレイ」は行われる場所がより現実に近い方がより強い体験になるからです。 勿論「デジタルゲーム」でもロールプレイの楽しさにフォーカスしたものは多くあります。 しかしデジタルゲームは全てが画面の中で完結し一人で遊べるのに対して、アナログゲームは現実の世界で行われ誰かとプレイするのが一般的です。重要なのは「他人が同じ場にいる」という点で、アナログゲームではプレイヤーは自分がどうしたいかを考えるだけではなくそれを自分の口から相手に伝えなければいけません。 こういった自分の言葉で意思を示す、リソースを得るために実際に手を伸ばすといった部分は面倒臭さもありますが、ロールプレイの楽しむ上では非常に重要でしょう。 そこで今作『バザールの商人たち』では、このロールプレイの楽しさをより追及しようと考えました。空間の中にお店を模した「露天商」がいて、「行商人」が実際に歩いてそれを回るという構図により現実のバザールを限りなく再現しようとしています。 こういった要素はゲームの戦略的面白さを高めることはないでしょう。しかしこれにより「ロールプレイ」の楽しさがより強調され、体験としては強烈で面白いものになっているはずです。 またあくまで今作は「ロールプレイ」自体を楽しむというよりは、体験を向上させるスパイスとして用いています。ですからロールプレイを強要される、無理に演技をしなくてはいけないとか、そういうことは一切ありません。ルールに則って遊ぶだけで自然と「ロールプレイ」的な楽しさを味わえるといったつくりなので、「ロールプレイ」というものに苦手意識がある方にも遊びやすい作品です。 【⑦まとめ】 以上が新作『バザールの商人たち』の紹介でした。 冒頭に述べた通り、今作は4/27-28に開催される「ゲームマーケット2024春」にて販売されます。 場所は「土L-33:サイシュピール」ブースです。販売は土曜のみなので注意してください! 価格は1500円。それなりにお求めやすい価格です。 もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非足を運んでみてください!よろしくお願いします! それではここまでお読みいただきありがとうございました!
- 2024/4/16 4:17
- サイシュピール
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- ゲーム紹介「ハイスコアラー1986」
- Megalomaniac Gameは2023年12月9・10日に開催されるゲームマーケット2023秋にて新作ボードゲーム『ハイスコアラー1986』を販売します! この記事ではこの新作のルールや推しポイントを分かりやすく解説! これさえ読めば大体OKといった内容になっています。 さあ、前置きはこのくらいにして詳しいゲームの解説に行きましょう! 【①基本的なスペック】 ゲーム名:『ハイスコアラー1986』 プレイ時間:15分 プレイ人数:3~99人 価格:2000円 『ハイスコアラー1986』は対戦型ボードゲームで大体1プレイ15分程度で終わる、所謂「軽ゲー」と呼ばれるタイプのゲームです。 特筆すべきはそのプレイ人数! なんと3人以上だったら何人でも同時に遊ぶことが可能です。 実際にはスペースの問題で99人で遊ぶのは厳しいでしょうが、大人数で遊ぶことが出来るというのは今作の1つ大きな推しポイントですね。 【②作品のテーマ】 今作は「1980年代のアーケードゲーム」がテーマのゲームです。 1980年代はあの有名な「ストリートファイターⅡ」もまだ無く、対戦格闘ゲームの爆発的なブームも訪れていません。どちらかといえば対戦ゲームより1人用ゲームでハイスコアを目指す「スコアアタック」のような遊び方が主流の時代でした。 そんな中自然とアーケードゲームに熱中する人々は、誰よりも高いスコアを叩き出すことを目指すようになっていきます。彼らは「ハイスコアラー」と呼ばれ、次第に1つのお店の中だけでなく、ゲーム雑誌で専用のコーナーが組まれるほどになり、ハイスコア獲得という遊びは全国に広がっていきました。 (タイトルにある「1986」という年は、あの有名な「ゲーメスト」が刊行した年です) 家でオンライン対戦が出来る今では想像しにくい遊び方ではあるかもしれませんが、不便な時代だからこそ成立する楽しさがあったのでしょう。 今作ではその時代にあった「熱」に注目し、その楽しさを再現しようとしました。 【③ゲームの特徴】 『ハイスコアラー1986』で最も特徴的な部分は「スコアラー」と「観客」という2つの立場が存在し、プレイヤーはどちらかを担当することになるところです。 「スコアラー」か「観客」、どちらを担当するかでルールや行えるアクションは異なってきます。それこそ「全く違うゲームをプレイする」と言っても過言ではありません! それを説明するために、ひとまず「スコアラー」のプレイヤーのルールについて見ていきましょう 【④スコアラーのゲーム】 プレイヤーの内、誰か1人が「スコアラー」を担当します。何人でプレイしようと(3人でも、99人でも!)、「スコアラー」になるプレイヤーは必ず1人だけです。 そして「スコアラー」になったプレイヤーは、「ダイスとカードを用いたシンプルなソロプレイ専用ゲーム」に挑戦します! 「スコアラー」のゲームで重要になるのは「プレイカード」と呼ばれるマークの描かれた全64枚のカードです。 ゲームでは8種類のマークが登場し、「スコアラー」は効率よくこれらを集めていくことで得点を獲得していくことになります。 では次に実際のゲームの流れを見ていきましょう。 「スコアラー」のゲームは「手番」が存在し、ラウンド終了条件を満たすまで何度もこれを繰り返し行っていきます。(手番といってもソロプレイ用ゲームなのでひたすら1人で繰り返すことになります) 手番開始時、「スコアラー」はラウンドの山札から3枚カードを引き、用意された「プレイヤーボード」上部に左詰めで配置していきます。 (プレイ風景のサンプル) その後、「スコアラー」は公開された3枚のカードに対して1回だけアクションを行います。「スコアラー」のアクションは3種類あり、適切なアクションを選択する必要があるでしょう! ベーシックなアクションは「価値の高いカードを取る」と「価値の低いカードを取る」の2つです。「プレイカード」にはカード下部にダイスのイラストが描かれており、これがそのカードの価値を示しています。 価値は1~4まで存在し、この値がアクションの内容に大きく関わります。 「価値の高いカードを取る」では3枚のカードの中で最も価値の高いカード1枚だけを獲得し、他を捨て札にします。逆に「価値の低いカードを取る」では3枚の中で最も価値の高いカードだけを捨て札にして、他の2枚を獲得します。 例えば上の画像では「価値の高いカードを取る」を選択したなら、中央のカード1枚だけを獲得しますし、「価値の低いカードを取る」を行えば両端の2枚が獲得できます。 しかし「公開されたカード全て欲しい!1枚も逃したくない!」という状況がいつかやってくるでしょう。そんな欲張りなプレイヤーのためにあるのが3つ目のアクション、「チャレンジ」です。 「チャレンジ」を選択したなら「スコアラー」はダイスを2つロールします。 そして2つのダイスの合計値が、今回公開された3枚のカードの価値の合計値(上記の画像だと8!)を超えていれば、見事「チャレンジ」は成功です。 「スコアラー」は3枚のカード全てを獲得することが出来ます(最高‼最高‼) 逆にもし合計値以上を出すことが出来なければ?もちろん「スコアラー」はその代償を払う必要があります。失敗した場合、「スコアラー」は3枚の中で最も価値の低いカード1枚しか獲得出来ません…… つまりチャレンジは文字通りハイリスクハイリターンのアクションなのです。 上記3つのアクションから1つを実行し、まだラウンドの山札があるならこれを繰り返します。山札が尽きたなら1ラウンド終了。次のラウンドに進みましょう。 4ラウンドが終了したなら、得点計算に移ります! 「スコアラー」が獲得したカードは上記のように並べられていくのですが、どのマークをいくつ獲得したかが非常に重要になります。基本的には同じマークを沢山集める程、得点が獲得できます。またある程度、全てのマークを一定数集めることでもボーナス点が貰えます! 特化して集めるか、満遍なく集めるか、これもまた悩ましい選択になるでしょう。 そうして算出されたものが今回の「スコアラー」のスコアになります。 ゲームが終了したなら、今回のスコアを付属の「スコアボード」に記録しましょう! 「スコアラー」はプレイした日付、名前(アルファベット3文字で‼)、今回のスコアを「スコアボード」に書き込みます。色んな人が何度もプレイする事でどんどん記録が蓄積されていくので、今回の自分のスコアが何位なのか確認して楽しむことが出来ます。 そしてもしあなたが圧倒的な「ハイスコア」を叩き出すことが出来れば、その偉業は「スコアボード」上で永遠に語り継がれることになるでしょう! 全員の記憶に残る「ハイスコア」樹立を目指してください! ……と、これがざっくりとした「スコアラー」の概要です。 ここまで読んで分かる通り、「スコアラー」のゲームはそれだけで完結しており、本当にソロプレイ専用ゲームをプレイするといった感じになっています。 しかし『ハイスコアラー1986』は3~99人までプレイできる多人数ゲームという話でした!それでは他のプレイヤーは一体何をするのでしょうか? そこで重要になるのがもう1つの立場、他全てのプレイヤーが担当する「観客」という立場なのです。 【⑤観客のゲーム】 『ハイスコアラー1986』では「スコアラー」ではない全てのプレイヤーは「観客」という立場を担当します。 「観客」たちは「スコアラー」のファンであり、自分の事を最も熱狂的で優秀なファンだと信じ切っています。そしてそれを証明するため、1つのゲームを始めました。 それは「スコアラー」の行動を予想するというゲームです。 もし「スコアラー」のことをよく理解しているなら、彼がどのようなプレイをするのかも分かるはずだ‼その論理が正しいかは疑問ですが、とにかくファンの威信をかけたゲームが始まりました! 「観客」の目標は「スコアラー」の行動を予測し、他のどの「観客」よりも高得点を獲得し、自分が最も熱狂的で優秀なファンだと証明することです。 ……というのがゲームの簡単な背景。 つまり「観客」は文字通りスコアラーのゲームを「観戦」しながら、「スコアラーがどのマークをいくつ獲得するか」を予想しなくてはなりません。 この「1人がソロゲーをプレイし、他のプレイヤー全員でそれを観戦する」という構図が、『ハイスコアラー1986』の最も特徴的な部分だと言えます! では実際にゲームの流れを解説しましょう! まず全ての観客は下記の「プレイシート」とペン1本を受け取ります。 そして「スコアラー」が席に着き、全ての「観客」が「スコアラー」の盤面を目視できる位置に着きましょう。もしテーブルに十分なスペースが無いのなら、「観客」は立ってプレイすることも可能です(それこそアーケードゲームのギャラリーのように‼) 準備が出来たら「スコアラー」がゲームを開始します。 ひとまず「観客」はその動向を注意深く見守りましょう。 しかしただ観戦するだけでなく、「観客」は適切なタイミングでアクションを行う必要があります。手番という概念が存在した「スコアラー」と違って、「観客」はラウンド中であればいつでもアクションを行うことが出来ます(つまりリアルタイム要素がある) つまり「スコアラー」がどのくらいのスピードでゲームをプレイしているか、どのくらいでラウンドが終了するかをきちんと把握するのも重要になってくるでしょう。 そして「観客」は各ラウンドで決められた回数だけ「結果の予想」というアクションを行うことが出来ます。これは最終的に「スコアラー」がどのマークをいくつ獲得するかが重要になります。 実際のアクションの流れは以下の通りです。 「プレイシート」上部にはアクションボックスと呼ばれるスペースがあり、これはそのラウンドで行えるアクション数を示しています。チェックを入れていないボックスがまだあるなら、その回数分アクションを行うことが出来ます。 ひとまず「観客」はアクションをするぞ!と決めたらアクションボックスにチェックを入れます。 その後、どのマークについて予想をするかを決めましょう。 マークは全部で8つあり、それぞれのマークについて1回だけしか予想を行うことが出来ません。「スコアラー」が獲得したカード、捨て札にしたカードを参考に予想するマークを選びましょう。 例えば今回は「ボム(Bomb)」のマークが7回出ると予想することに決め…… このようにBの欄の7のスペースに〇をつけました。 これは「Bが7つ出ると予想した」ことを示しており、「スコアラー」が最終的にBのマークを7つ獲得すれば予想は成功し、プレイヤーは勝利点を獲得することが出来ます。 基本的に「観客」が行えるアクションはこれだけです! そして「スコアラー」がゲーム終了したと同時に「観客」たちも点数計算を行います。 全ての「観客」が得点を発表しあい、最も高いスコアを獲得したプレイヤーが勝者になります。 「観客」のゲームの流れは概ねこんな感じ。 つまり「ソロゲー」を対象に「競馬」のように結果を予想するゲーム、といった感じなわけです。「観客」のやることはとてもシンプルですが、これにいくつかの制約と選択肢が加わることでゲームがより悩ましいものになっています。 例えば制約という点では、「観客」が予想するタイミングが挙げられます。 今作は結果を予想をするゲームなので、予想を行うのは情報が出揃っている方が、つまり後に行う方が的中率が高くなります。しかしアクションの回数はラウンドごとに決められており、それを持ち越すことが出来ないため、プレイヤーはある程度早いタイミングでいくつか予想を行う必要があります。 またラウンドの最後にまとめて予想を行おうと思っても、意外とあっという間にラウンドが終了してしまい、焦って考えがまとまらない!という状態も起こります。 この時間の制約がゲームをより難しく、悩ましいものにしています。 またプレイヤーの選択肢という点では予想の方法が挙げられます。 先程予想を行う際、数字の書かれたスペースに〇をつけると説明しましたが、この時連続する数字(3・4・5のような)であるなら、3つまでのスペースに〇をつけても構いません。 例えばこれはD(Diamond)の予想で「4・5・6」の3つのスペースに賭けていることを示しています。この場合、「スコアラー」がDのマークを獲得した数が4~6の範囲に収まれば見事正解となり、点数を獲得できます。 ただしこれは良いことばかりではありません。 広く予想を行った場合、獲得できる点数は少ないものになります。 そのため「観客」は広く予想を行いひとまず点数を取るか、リスクを負って狭く予想するかの選択を求められることになります。また予想が的中した数によってボーナス得点が獲得できるのも悩ましいところです。 「観客」は「スコアラー」の動向を見ながら、迅速にこの判断を行う必要があるでしょう! そして最後に1つ、『ハイスコアラー1986』の特徴的なルールとして「スコアラー、観客問わず自由に声を掛けて良い」というものがあります。 これは「スコアラー」への応援といったものだけでなく、ゲームに関するアドバイスのようなものさえ許されます‼もちろん最終的な決定権は「スコアラー」にあり、強制力を伴うものではありません。 しかし「観客」は「スコアラー」に声を掛けることで予想の的中率がほんの少し高くなるかもしれません。ゲーム中、時には応援し、時には軽く野次を飛ばしながら自分の予想が的中することを祈りましょう‼ (注:もちろん「スコアラー」の選択を責めたり、失敗を強く非難するような発言は絶対に禁止です‼) 【⑥今作のおすすめポイント】 さてゲーム自体の説明は以上です。 では次に今作の推しポイントを2つに絞ってオススメしたいと思います。 【おすすめポイント①:2つの立場が生み出す独特のゲーム体験】 今作は1人の「スコアラー」のプレイを、沢山の「観客」が見るという変わった構造のゲームです。必然的に「自分のプレイを沢山の人に見られる」「複数人が同じ空間で同じものを見る」という状況が発生し、これが他のゲームには無い体験を生み出します。 「スコアラー」の「沢山の人に見られながらゲームをする」という状況は、ソロプレイのゲームであまり味わえない緊張感を与えてくれます。また他プレイヤーの期待を背負ってゲームに挑む、自分の選択やダイスの目に「観客」が一喜一憂するというシチュエーションは貴重で、他では得難い体験と言えるでしょう。 また「観客」の「全員で1人のプレイを観戦する」という状況は、卓全体に一体感を生み出します。今作は「観客」同士が邪魔したり、影響したりという所謂インタラクションはほぼありません。しかし全員で同じものを見る、「スコアラー」の選択に目を光らせる、成功や失敗に声を漏らすといった空間を「観客」が共有することで、ソロプレイ的でないゲーム体験を全員で味わう事が出来るはずです。 この「スコアラー」と「観客」の関係が生み出す独特のゲーム体験が今作の最もオススメしたいポイントになっています! 【おすすめポイント②:プレイのしやすさ】 そしてもう1つのおすすめポイントは何と言っても「プレイのしやすさ」です。 今作は3人以上であれば何人でも遊べる上、1プレイが15分程度と非常に短いので、とてもプレイしやすいゲームになっています。 そのためオープン会などで人数があぶれて時間調整を行いたい時などのゲーム(つまりフィラー)として非常に優秀です。そういった場でゲームをする機会が多い方にとっては今作は良い選択肢になるのではないでしょうか。 もちろん人数が多くなければ楽しくないというわけではなく、最低プレイ人数の3人でもしっかり楽しめる点も推しポイントの1つです。ひとまず1つ買って遊んでみるか……と軽い気持ちで手を出しやすいゲームになっています! 【⑦まとめ】 以上が新作『ハイスコアラー1986』の紹介でした。 価格は2000円。それなりにお求めやすい価格です。 もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は是非ブースまで足を運んでみてください! それではここまでお読みいただきありがとうございました。 是非当日ブースにてお会いしましょう!
- 2023/11/26 13:37
- サイシュピール
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- ヒキダス文明誕生のヒミツ
- こんにちは。 輪骨舎のやまざきおさむです。 今回は、ゲームマーケット2023春で発売する「ヒキダス文明」がなぜ生まれたかについてご紹介します。 私は普段、ゲーム制作だけでなく、ボードゲーム会の主催者としても活動しています。 ゲーム会の主催は2016年からで、地元の静岡市でやっています。ツイッターアカウントは輪骨舎と共通です。 つい最近までは、参加者のほとんどが普段からボードゲームで遊んでいる人たちだけのゲーム会を開催していました。 皆さんでゲームを持ち寄り、各自があそびたいゲームをインストし、一日中遊ぶような会です。 そして、今年(2023年)に入って、あることがきっかけで開いたゲームかいがあります。 このゲーム会は、参加者皆さんがボードゲームなどやったことの無いような、初心者の方達です。 年齢も幅広く、時間も2時間程度と短めです。 経験者ばかりのゲーム会に慣れた私ですが、このゲーム会はそんな初心者の方達に、本格的なボードゲームを遊んでもらうきっかけになれば、と思いはじめました。 規模は最大でも12名程度ですが、主催の私以外には「誰もルールを知る人がいない」ことや、「そもそもボードゲームをやったことないから、理解しづらいことが多い」ことなど、想定を超える運営の難しさに悩まされていました。 ゲーム会の最後には、毎回簡単なアンケートを書いてもらっているのですが、そこでこんな意見をいただきました。 『自己紹介の時間が欲しい』 正直なところ、こんな簡単なことをやっていなかった自分に驚き、悔しくなりました。 普段開いているゲームは、まぁ顔見知りな方が多いのもありますが、名札を見れば名前はわかるし、それよりボードゲームを遊びたい!という気持ちが強すぎて、ろくに自己紹介などしたことなかったのです。 そんなわけで、自己紹介の時間を作ろうと思ったわけですが、ボードゲーマーの性か、ゲーム製作者の性か、「これゲームにしちゃえば良くない?」となったのです。 ゲーム内容を見て貰えばわかりますが、「ボブジテン」や「ガムトーク」などがアイデアのベースです。 「ガムトーク」のように、会話のツールとして作っても良かったのですが、せっかくなので勝敗のあるゲームにしたいと考えました。 人狼ゲームのような正体隠匿にしたり、自分だけに与えられたお題を会話の中に混ぜ込むようなものも考えましたが、ここでも浮かび上がるのは、これを遊ぶのは初心者だ、ということでした。 極力簡単な方向に、なるべくルールを無くしていった結果、今の形で落ち着きました。 ポイントとして、ゲームの大部分が遊ぶプレイヤーに任されていることです。 テストプレイ時に浮かび上がった問題点として、会話が盛り上がりすぎてプレイ時間が長くなることがありました。 もちろん初対面同士でやれば、盛り上がらないことも想定できます。 その、どちらにも対応できるようなルールを、ヴァリアントも含めて入れました。 最終的なおすすめの紹介も、今までの自己紹介に関係あってもなくても良いようにすることで、なるべく悩み込んでしまうことを減らすようにしました。 また、ポイントを宝石でやり取りすることで、わかりやすさもそうですし、「〇〇さんが良かったです」などと言いながら遊べるような、小さいコミュニケーションのきっかけを作りたいと考えました。 あわよくば、誰かと共通の話題を持つことで、その後の別のゲームの時にも会話が生まれれば…。 あわよくば、〇〇好きなら今度〇〇を食べに行きませんか?〇〇の美味しいお店知ってますよ!なんてやり取りが生まれないかな…なんて。 僕個人としては、ただただゲームがやりたいだけなんですが、意外とそうじゃない人もいるわけで。 ボードゲーム会を通して、新しいものを見つけて欲しい、そんなきっかけになって欲しいです。 ちなみに、よく行くボードゲームカフェの常連さんたちと遊んだ時も、意外な一面が見られなり、マジでおすすめなもの紹介してもらえていっぱいメモしちゃったり。ふつーに1時間以上ひたすら会話が続く場が生まれました。 いやでも自己紹介にそんなに時間かけたら、他のゲームできなくなっちゃうよ!って、変なジレンマに悩まされたりしました。
- 2023/4/24 1:31
- サイシュピール
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- ゲーム紹介『超能力者バトルロワイヤル』
- Megalomaniac Gameは「ゲームマーケット2023春」にて5人用マーダーミステリー『超能力者バトルロワイヤル』を再販いたします! 『超能力者バトルロワイヤル』は「ゲームマーケット2021秋」にて100部販売されました。 大変ありがたいことに評判も良く、今回再販という運びとなりました。プレイしてくださった皆様、面白い!と宣伝してくれた皆様に最大限の感謝を捧げます。 とはいえ『超能力者バトルロワイヤル』は発売から1年半以上経っている作品。 「そんな昔のやつ知らないよ!」という方も多くいるはずです。 なので今回は『超能力者バトルロワイヤル』がどのような作品か、ネタバレにならない程度に紹介しようと思います。 この記事を読んで興味を持ったなら、是非ゲムマにて手に入れてください! 【基本情報】 ジャンル:マーダーミステリー プレイ人数:5人 プレイ時間:180分 オフラインプレイ専用/GMレス作品 価格:2000円 『超能力者バトルロワイヤル』は5人用マーダーミステリーです。 プレイ時間は180分、GMが無くても遊べます。 オフラインでのプレイしか想定していないのでオンラインでは遊べません(オンライン版が出る予定もありません!) またこの作品は「ある程度マーダーミステリーの経験がある方」をターゲットにしています。 勿論初心者は出来ないというわけではありませんが、初めてマーダーミステリーを遊ぶ!といった方にはあまりオススメしません。 【世界観&あらすじ】 『超能力者バトルロワイヤル』は「超能力」という存在が科学的に証明された世界が舞台です。 プレイヤーは超能力者となって能力を使い、事件の解決に臨みます。 しかしあくまで皆さんは「自称」超能力者であって本当に力を持っているかは不明です。 ……もしかしたら何人か「偽物」が混ざっているかもしれませんね。 ▼あらすじ▼ 【今作の魅力をご紹介!】 ここからは『超能力者バトルロワイヤル』のオススメポイントを5つに分けて紹介します! 『ポイント①:ネタシナリオではなく、しっかりとした面白さを味わえる』 今作はタイトルやB級映画の様なあらすじから「ふざけたシナリオ」のように思われがちですが、シナリオの方向性は意外とシリアス。 勿論あらすじのようなトンデモ要素はありますが、「一発ネタ」ではないしっかりとした面白さが味わえます。 特に刺激的な作品を求めているという方には間違いなくオススメできる1本です! 『ポイント②値段が安い!』 2つ目にこれを出すのは抵抗がありますが、そうはいっても今作、一般的なマダミスと比べて値段が安い! 事前に商品の情報を集めにくいマダミスは、どれを買えばいいのかわからなくなりがちです(特に同人作品は) しかし今作は2000円! 「せっかくゲムマに来たし、とりあえず買ってみるか!」という軽い気持ちで購入しやすい価格です。 『ポイント③個性強めのキャラクターたち』 『超能力者バトルロワイヤル』で登場するキャラクター達はどれもこれも一癖もあるものばかり。 簡単に肩書だけ紹介しても…… ・イタコの女子高生 ・新興宗教の教祖 ・日本で一番有名な占い師 ・超能力テレビタレント ・サイコメトラー探偵 と、胸やけを起こしそうなラインナップ……! 他の作品では味わえないぶっ飛んだロールプレイが味わえます。 『ポイント④ゲームを盛り上げる超能力&専用カード』 そしてゲームの中核を担うのが、各キャラクターが用いる超能力です! プレイヤーは指定されたタイミングで超能力を使い、目的達成のために役立てましょう。 また超能力を使用するときに用いる「超能力カード」はキャラクターごとに異なるデザインを用意。 バッチリかっこいいデザインでゲームの雰囲気を盛り上げます! 『ポイント⑤色んな要素がてんこ盛り!』 その他にも色んな要素が盛りだくさん! 数々のギミックがあなたを驚かせてくれるでしょう。 それが何なのかは実際にあなたの目で確かめてみてください! 【初版と2版の変更点】 「ゲームマーケット2021秋」に発売された初版と、今回販売を行う2版の基本的な内容は同じです。 しかし再販するにあたって一部の仕様が変更されています。 『変更点①エラッタを修正』 初版ではキャラシートにミスがあり、エラッタという形で対応を行っていました。 これにより一部のプレイヤーに多大な迷惑をおかけしたことをここでお詫び申し上げます。 2版ではこの部分を修正し、よりスムーズに遊べるようになっております。 『変更点②一部コンポーネントを追加・デザインを変更』 今作ではスマホで資料を参照して情報を得る場面がいくつかあるのですが、その一部が紙の資料で見れるようになりました。 またいくつかの資料はデザインを変更し、初版より見やすいものになっています。 これらの変更点により遊びやすくなっているはずです。(一応従来のようにスマホを参照して同じ情報を見ることも出来ます) 『変更点③キャラクターの名刺が付いてくる』 初版では無かったキャラクター5人の名刺がコンポーネントに追加されています。 これによって誰がどのキャラクターを担当しているのか一目でわかるようになりました! 『変更点④値段が変更』 初版は1500円という値段で販売を行いました。しかしこれは初出展ということもあって、かなり身を削った価格になっていました。 色々と協議を重ねた結果、今回は前回から500円値上げして2000円という価格になっております…… ここだけは悪い変更点ですが、それでも十分遊ぶ価値はあると自負しております。 【まとめ】 と、いうわけで『超能力者バトルロワイヤル』のご紹介でした。 かなりざっくりとした解説でしたが、興味を持つきっかけになれば幸いです。是非当日ブースにてお会いしましょう。 『超能力者バトルロワイヤル』は「ゲームマーケット2023春」の「土サ10ーサイシュピール」ブースにて頒布予定です。 日曜は出展しないので注意してください!価格は2000円を予定しています。 追記)取り置き予約の受付を開始しました!ご利用の方はこちらから→2023春「サイシュピール」取り置き予約フォーム Megalomaniac Game公式ツイッター(@Megalomaniac_G)ではゲームに関する最新情報を呟いています。 予約受付開始などもこちらで告知する予定です。興味を持った方は是非フォローをよろしくお願いします! 【おまけ】 Megalomaniac Gameでは『超能力者バトルロワイヤル』の他に新作の販売や再販を行う予定です。 マーダーミステリーではないので趣向が合うか分かりませんが、良ければそちらもチェックしてみてください。 新作『コピーキャット』は32枚のカードゲームです。 1つのパッケージで、2種類の「16枚ゲーム」と、その「どちらかがAIによってデザインされたものかを推測するゲーム」の3つが遊べる一風変わったカードゲームです。 ゲームの詳細はこちらから→ゲーム紹介『コピーキャット』 『パチスロシミュレーター』は「ゲームマーケット2022秋」にて完売した2~5人で遊べるリアルタイム推理ボードゲームです。 プレイヤーは6つの山札からドローを繰り返し情報を集めて、それぞれの山札に定められた「設定」を当てることを目指します。 ※「ゴールデンボックス ボードゲームアワード」の「ゲームデザイン賞」にノミネートされました!! ゲームの詳細はこちらから→パチスロシミュレーター:商品ページ
- 2023/4/20 5:38
- サイシュピール
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- ゲーム紹介『コピーキャット』
- Megalomaniac Gameはゲームマーケット2023春5月13日(土)に新作ボードゲーム『コピーキャット』を頒布します! この記事では未だ謎に包まれたこのゲームがどんなものなのかを細かく解説! これさえ読めばゲームのことについて大体わかる、といった内容になっています。 さあ、前置きはこのくらいにして早速紹介に移りましょう。 【概要】 『コピーキャット』は32枚のカードで構成されています。 少し変わっているのは「32枚で遊べるカードゲーム」が1つ入っているのではなく、「16枚で遊べるカードゲーム」が2つ入っている点でしょう。 つまりデジタルゲームで言う「1&2パック」のような、2つの別のゲームが一緒になって1つのパッケージに入っているのです。 これはトランプのように同じカードを使って別のルールで遊ぶといったものでもなく、本当にルールもコンポーネントもまるっきし別のゲームです。 しかし全く別物のゲームでありながら、この2つにはいくつか共通点があります。簡単にまとめると…… ・2人用対戦ゲーム ・プレイ時間が15分程度 ・ゲームで用いるのはカード16枚のみ といった感じ。これらの規定はアークライトさんが主催する「ゲームマーケットチャレンジ」に沿うものでもありますね。 ではここで2つの作品がどのようなゲームか、簡単に説明したいと思います。 【猫の楽園】 『猫の楽園』は可愛い猫を集めて誰よりも素晴らしい楽園を作る対戦ゲームです。 プレイヤーはドローを繰り返して、手札の数字の合計値を既定の数字に近づけます。しかしその数字を超えてしまうとペナルティを受けてしまいます。 ゲームシステムとしては『ポーカー』のようなリスクヘッジとブラフ、『ブラックジャック』のようなバースト、『ラブレター』のような相手の手札を推測する要素が含まれます。 【猫の王国】 『猫の王国』は猫の住む2つの王国を率いて相手と戦う対戦ゲームです。 プレイヤーは家来の効果を使って、相手の王を見つけることを目指します。手に入れた情報を憶えておくのも重要になるでしょう。 ゲームシステムとしては『ラブレター』のようなカードのプレイ、『ヌメロン』のような推測、『クラッシュ・オブ・デッキ』のような手札循環、またメモリーゲームの要素が含まれます。 と、いくつか共通点がある2つのゲームですが、これらには1つ決定的な違いが存在します。 それはどちらかが人工知能チャットボット、いわゆる「AI」のアイデアをベースに作られたゲームだということです! そしてこの2つのゲームのどちらかが「人間製」なのか、「AI製」なのかはゲーム開始時はわかりません。 プレイヤーは2つのゲームをプレイしてどちらが「AI製」なのかを予想します! この予想こそがタイトルにある『コピーキャット』というゲームの概要です。 つまり1つのパッケージで「人間による16枚ゲーム」「AIによる16枚ゲーム」「AI製のゲームを当てるゲーム」といった3種のゲームを楽しめる商品になっているのです! 【AIが制作したゲームってどういうこと!?】 その前に「AIが制作したゲームっていどういうこと!?」とお思いの方がいるかもしれないので少し解説しましょう。 先に述べた通り「AI製」のゲームとは人工知能チャットボットが出すアイデアをベースに作られたゲームです。 具体的な製作方法は以下の様な手順です。 ①条件を設定してAIにアイデアを出すように指示する。 ②提示されたアイデアの中から実現不可能なものを除外and可能性のありそうなものをピックアップ。 ③テストプレイなどを通して問題点を見つける ④見つかった問題点を解決するアイデアを出すようAIに指示する。 基本的にはこの①~④の繰り返しによって製作されています。 また上の説明のようにアイデアのピックアップや問題点の発見、細かい調整などは人間の手によって行われています。 そのため100%AIによるゲームではないですが、そこはご了承いただきたいです…… 分かりやすく言うならアイデア出しをAIが、バランス調整を人間が行っているといった感じです。 ですが基本的にはAIが出すアイデアを尊重し、人間が手を加えすぎないように意識して制作を進めました。 【ゲームの流れ】 では次に簡単にゲームの流れを紹介しましょう。 ①プロローグを読む 『コピーキャット』にはおまけ程度の短いストーリーが付いています。 文章量としては些細なものですが、ゲームを始まる前に読むことで雰囲気を盛り上げてくれるでしょう! ②2つのゲームを遊ぶ プロローグを読み終えたら2つのゲームを遊ぶ時間です! この時、細かい規定はありません。『猫の楽園』と『猫の王国』のどちらを先に遊んでも構いませんし、どちらかを何度遊んでも構いません。 遊びながら対戦相手と意見を交わしてみるのも良いでしょう! また2つのゲームはどちらも2人用であるため基本的に2人プレイを想定していますが、4人集まってで交互に遊ぶという方法も賑やかで面白いかもしれません。 このようにどうやって遊ぶかはプレイヤーの自由です。説明書を読むだけして回答するというのも問題ありません!(少々もったいないですが……) そうして全てのプレイヤーが満足したなら次のフェイズに進みます。 ③質問に答える このフェイズではプレイヤーは以下の2つの質問に答えます。 ・どちらのゲームがAI製だと思ったか? ・どちらのゲームが面白いと感じたか? この回答はプレイヤー1人ずつ行います。全員で回答を揃える必要はありません。 また少し特殊なのは「AI製はどちらか?」という質問だけでなく、「どっちの方が面白いか?」という質問もあるという点です。このためプレイヤーはAIを見抜くだけでなく、まるでコンテストの審査員のような目線でゲームに触れる必要があるでしょう! ④エンディングを読む 回答が終わったならエンディングを読んだ後、ゲームは終了です! またエンディングはプレイヤーの回答によって分岐するので、ちょっとしたアドベンチャーゲームのような要素がありますよ。 【まだまだあるぞ!アピールポイント】 ここからは『コピーキャット』の魅力について更に深堀していきます。 本作はAI頼りの一発ネタじゃありません!それを証明するためにアピールポイントを3つに絞って紹介していきます。 「アピールポイント①:16枚ゲームに一切の手抜き無し!」 今作に含まれる『猫の楽園』と『猫の王国』という2つの16枚ゲームですが、こちらの方も手を抜いていません。決しておまけのような作品ではないのです! 僕1人で制作した16枚ゲームの方は「AI」と似せるためにちょっと手を抜く……なんてことは一切なく普通に自分が面白いと思う作品を作りました。 またAIの方も何度もテストプレイや改良を重ねた結果、僕から見てもかなり面白い作品になったと感じています。 もちろんゲーム自体が2人用、15分程度という点から好みじゃない人もいるでしょうが、単体で見てもどちらも悪くない、むしろ良い作品に仕上がっています。 なので単純に「2人で遊べる軽いゲームが欲しいんだよなぁ~」という方にもオススメです。 「アピールポイント②:色んな方法でゲームが楽しめる!」 『コピーキャット』には様々な楽しみ方が用意されています。もちろん全てを遊ぶことが強制ではありません! 例えば「小難しいこと考えずに単純にゲームで遊びたい!」なら「コピーキャット」をプレイせず2つのゲームの気に入った方を遊ぶのも良いでしょう。 「3つのゲームを遊びたいけど時間をかけるのが面倒くさい!」ならどちらがAI製か直感に従って選んでみるのも良いでしょう。 「ゲームをじっくり分析して楽しむのが好き」なら2つのゲームのシステムに深く注目してみるのも良いでしょう。 「AIについて興味がある!」ならゲームのどの部分にAIらしさを感じたのかを自分なりに考えてみるのも良いでしょう。 このようにいろんな方法でゲームを楽しめるのも今作の魅力です。 「アピールポイント③:制作記録をまとめた資料が付いてくる!」 またゲームシステムを分析するのが好きな人のためにプレイ後のおまけとして制作過程をまとめた資料、いわゆるデザイナーズノートが3つ付いてきます(urlからアクセスする形を予定しています) これは「コピーキャット」「猫の楽園」「猫の王国」の3作品を作者自身がそれぞれ細かく解説したものになっています。 「コピーキャット」のデザイナーズノートでは作品全体の制作意図や調整過程をまとめています。 「人間製の16枚ゲーム」のデザイナーズノートではゲームシステムを1つ1つ丁寧に解説しています。 「AI製の16枚ゲーム」のデザイナーズノートでは実際にAIを使ってどのように制作を進めていったか、また具体的にゲームのどの部分がAIの手によるものなのか、人間の手によるものなのかを解説しています。 プレイ後に読んで「やっぱり俺の思ってた通りだったか」「この部分は自分の考えと違うぞ!」といった比較をして楽しむのも楽しいかもしれません。 もちろん興味が無ければ読む必要はありません! と、このように『コピーキャット』はたった32枚のゲームでありながら、盛り盛りな内容となっております。 今作の一番の魅力はこのボリューミーさだと言えるでしょう! (イラストも可愛い!!) 【なぜこんなゲームを製作したのか?】 最後に「流行りもので分かりやすく注目集めようとしてんじゃねえぞ!!」という方がいるかもしれないので、ここで僕が「なぜこんなゲームを製作したのか?」を少し説明させてください。今回AIというものを用いたのは多くの人に興味を持ってもらうためという魂胆があるのは否定しません。 しかしそれ以上に僕が気にしたのは「購入してくれた人をどうやって満足させるか」という点なのです。 『コピーキャット』に同梱されている2つのゲームが属する「ゲームマーケットチャレンジ」はインスト5分プレイ時間15分程度といった超軽量級ゲームというべき作品が対象になっています。この手の短時間ゲームは手軽に何度も遊べるのが良い点なのですが、逆にプレイ時間が短すぎて「何だか分からないうちに終わってしまった……」ということもよく起こります。もちろんプレイ時間が短いので何度も遊べれば良いのですが、ボードゲームは一人では遊べないという特性上、好きな時に何回も遊ぶというのは難しかったりします。 その結果「せっかくゲームを買ったけど全然遊べてないし、よく分からなかった……」となってしまう人はいるんじゃないでしょうか?(僕は結構ある) これは買ってくれた人たちも悲しいし、ゲームを作ってる方としても悲しいです。せっかく自分達のゲームに興味を持ってくれたなら満足して貰いたい。 そこで考えたのが今回のゲームです。 通常のボードゲームでは「どのようにして相手に勝つか」「これは自分の好きなゲームか?」といったことに焦点が当たります。 しかし『コピーキャット』では「16枚ゲーム」を楽しむプレイヤーに「審査員ごっこ」といった遊びを同時に体験してもらうことで、普段注目しないところへ強制的に目を向けさせます。 例えば「どちらがAI製か?」「どちらの方が面白いか?」という問いに答えるためには、従来のように「勝つ方法」「自分の趣味に合うか」といったことだけでなく、細かなシステムやルールに目を向ける必要があります。そうすることで自然とプレイヤーはゲームをより深く見るようになり、満足度も向上するのではないか?という考えです。 これはプレイヤーにとって色んなゲームを楽しめてHAPPY!だし、作者にとっては作品のことを深く見て貰えるきっかけになるのでHAPPY!だと思うのです。 この試みが成功するかどうかはわかりません!(めちゃくちゃ炎上したらどうしようと思っている) でも僕としては誠実に、「遊んでくれる人を満足させたい」という気持ちで作ったゲームです。 出来れば「何か変なことやってんなー」くらいの感じで見守っていただけたら嬉しいです。 【コピーキャットはこんな人にオススメ!】 ・手軽にできる2人用ゲームを探している人 ・色んなゲームを遊びたい人 ・一風変わったゲームを探している人 ・同人らしいゲームを探している人 ・ゲームについて考えるのが好きな人 【まとめ】 随分長くなってしまいましたが新作『コピーキャット』のご紹介でした。 この記事を読んで興味を持ってくれた方がいたらとても嬉しいです。ぜひ当日ブースにてお会いしましょう! 『コピーキャット』は「ゲームマーケット2023春」の「土サ10ーサイシュピール」ブースにて頒布予定です。 日曜は出展しないので注意してください!価格は1500円を予定しています。 追記)取り置き予約の受付を開始しました。ご利用の方はこちらから→2023春「サイシュピール」取り置き予約フォーム Megalomaniac Game公式ツイッター(@Megalomaniac_G)ではゲームに関する最新情報を呟いています。 予約受付開始などもこちらで告知する予定です。興味を持った方は是非フォローをよろしくお願いします! 【おまけ】 「ゲームマーケット2023春」ではMegalomaniac Gameの過去作をいくつか再販する予定です。 簡単に紹介するので是非そちらもチェックしてみてくださいね! 『再販予定①:パチスロシミュレーター』 価格2500円 『パチスロシミュレーター』は「ゲームマーケット2022秋」にて完売した2~5人で遊べるリアルタイム推理ボードゲームです。 プレイヤーは6つの山札からドローを繰り返し情報を集めて、それぞれの山札に定められた「設定」を当てることを目指します。 ※「ゴールデンボックス ボードゲームアワード」の「ゲームデザイン賞」にノミネートされました!! 『再販予定②:超能力者バトルロワイヤル』 価格2000円 『超能力者バトルロワイヤル』は「ゲームマーケット2021秋」にて完売した5人用マーダーミステリーです。 超能力者となったプレイヤーはとある屋敷にて奇妙で不可思議、奇天烈な事件に巻き込まれます! プレイ時間は180分程度。GMレスで遊べます。ある程度マダミス経験がある人向けの作品です! 再販予定は以上2作品です。 ゲムマ公式に商品ページがあるので興味を持たれた方は是非そちらもご覧ください!
- 2023/4/11 15:53
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- サイシュピール「ゲムマ2022秋」取り置き予約受付中!
- 土イ37「サイシュピール」ブースでは以下の作品の取り置き予約を受け付け中です。 確実に商品を手に入れたい方はこちらのフォームをご利用ください! ▼ゲムマ2022秋「サイシュピール」取り置き予約フォーム https://forms.gle/zfuVVBnCEmArjcQX7 【予約受付作品】 『①パチスロシミュレーター』2500円 ゲーム紹介→パチスロシミュレーター:商品ページ 『②トリテラトプス』1000円 ゲーム紹介→トリテラトプス:商品ページ 『③コンクルージョン』1000円 ゲーム紹介→コンクルージョン:商品ページ 『④解脱RTA』2000円 ゲーム紹介→解脱RTA:商品ページ 『⑤ホシノトレイン』3000円 ゲーム紹介→ホシノトレイン:商品ページ 『⑥くるリッチ』1500円 『⑦ゲーム会のための名札』300円 詳細→ゲーム会のための名札:商品ページ
- 2022/10/19 0:03
- サイシュピール
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- 【新作ボドゲ】パチスロシミュレーター必勝ガイド
- Megalomaniac Gameはゲームマーケット2022秋にて新作ボードゲーム『パチスロシミュレーター』を頒布します! 「パチスロかあ……知らないし興味ないね」とか「テーマだけのゲームなんでしょ?」とお思いの方はちょっと待っていただきたい。確かにテーマは「パチスロ」ですが、ゲームとしてもかなりヘンテコで面白いものに仕上がっていると思います。 この記事では『パチスロシミュレーター』の概要やシステムを詳しく解説。 これだけ読めば大丈夫!というくらい細かく紹介していきます。 今は興味のない方も、是非とも判断はこの記事を読んだ後に! (この記事で登場する一部のコンポーネントやアートワークはテストプレイ時のものです。実際のものとは仕様が異なります) 【基本情報】 プレイ人数は2~5人。プレイ時間は30分。 そしてジャンルは……「推理」です。 謎解きなどと違ってネタバレやレガシー要素は無く、何度でも遊ぶことが出来ます。 代表的なものと言えば「クルード」。最近の作品では「厄介なゲストたち」や「ザ・キー」などが有名ですね。 【概要】 重要な役割を担うのは「子役カード」と呼ばれる8種類のカードです。 ゲームではこれら8種類のカードで構成された20枚の山札が6つ登場します。 これらは一見すると同じように見えますが、実は「設定」と呼ばれるものが1~6まで存在し、それに基づいてカード構成が決められています。 例えば「設定2」の山札では…… このような構成。 それに対して「設定3」の山札では…… このような構成になります。かなり違いがあるのが見て取れるでしょうか? この「設定」の異なる6つの山札をどれがどれだか分からないように場所を入れ替え…… 「台番号カード」を載せたら準備完了です。 この「台番号カード」はあくまで目印であり、「001」の山札だから「設定1」というわけではありません。 ゲーム開始時、プレイヤーはどの山札がその設定なのかはわかりません。 プレイヤーの目的はこれらの山札の「設定」をより多く、より早く正解する事です! 【ゲームの進行】 では次にどのようにゲームが進行していくのかを見ていきます。 ゲームではいくつかのアクションが存在しますが、一番よく行われ、重要なアクションについて説明しましょう。 プレイヤーは6つの山札から1つ選び、自分の手元に置くことが出来ます。 そして手元にある山札からカードを3枚引き確認します。 その後、「記入シート」という専用のシートへ…… 「台番号」の一致する欄に出たカードの内容を記録します。 その後、引いたカードを山札に戻しシャッフル。 これが基本的なアクションの流れです。 プレイヤーはこれを繰り返すことで、それぞれの台で出現したカードの記録がどんどんたまっていきます。これは「設定」を推測する上で最も重要な手掛かりになるでしょう! そしてもう1つ重要な要素。 ゲームはラウンドで管理され、4ラウンド行った後ゲームは終了するのですが…… アクションを行う「メインフェイズ」ではリアルタイムにゲームが進行し、4分経過すると強制的に次のフェイズに移ります! つまり『パチスロシミュレーター』は推理ゲームでありながら、リアルタイムゲームでもあるのです! プレイヤーは4分間の「メインフェイズ」の間、上記のカードを引くというアクションを何度でも実行できます。つまり素早くアクションを行えば行うほど、大量にデータが集まり、ゲームを有利に運ぶことが出来るのです! 【設定の推測】 ここで「確立を基に設定を推測することなんて本当に出来るのか?」という疑問が生じる方もいるでしょう。 確かに「カードを引く」という行動は運に作用され、確率通りに出るとは限りません。 ですが、それぞれの「設定」の特徴を知ることである程度の正確さで推測することは可能になるはずです。 例えば「設定」は1~6まで存在しますが、それぞれには分類によって共通点が存在します。 例えば「奇数設定(1・3・5)」では…… 「奇数示唆」と「スイカボーナス」のカードが必ず2枚入っています。 逆に「偶数示唆」と「チェリーボーナス」のカードは必ず1枚だけです。 対して「偶数設定(2・4・6)」では…… 先程の構成が反転し、「偶数示唆」と「チェリーボーナス」が必ず2枚。 「奇数示唆」と「スイカボーナス」が必ず1枚ずつ入っています。 これらの出現率を見るだけでも「奇数」か「偶数」かというのはある程度判断が出来ます。 この他にも「低設定(1・2)」「中間設定(3・4)」「高設定(5・6)」という分類でもある程度共通点が存在します。 そしてゲームでは必ず「設定1~6」まで1つずつ存在するため、情報が集まってくれば 「この3つが奇数で、こっち3つが偶数だろう」 「これの設定はピンとこないけど、こっちが多分設定③だから設定①だろう」 といった推測が可能になります。 それぞれの「設定」のカード構成は「ついたて」に全て記載されており、ゲーム中いつでも確認可能です。 慣れていない内はグラフの形を見て、大雑把に推測することも出来ます。 乱数の偏りも、試行回数を増やせば増やすほど確率は収束し、より正確に推理を行うことが出来ます。 これらの情報は説明書に「設定判別の目安」という項目で載っているので、これを共有することで初めてプレイする方もが推理を楽しむことが出来るでしょう。 とは言え、乱数の偏りによってはどうしようもない時はあります。 しかし長い目で見れば正しく立ち回りを行うプレイヤーがより多く勝利するはずです! 【その他の要素】 『パチスロシミュレーター』の中核を成す要素は以上の通りです。 この項ではゲームを盛り上げるその他の要素を少し紹介します。 プレイヤーが持つ「記入シート」には「ボーナスチェック」という欄が存在します。 これは「ボーナス」と名のつくカードを引いたときにチェックを入れることが出来ます。 (ボーナスと名のつくカードとは「ボーナス」「スイカ ボーナス」「チェリー ボーナス」の3種類です) チェックを進めると、「スキル」と呼ばれる能力が使用可能になります。 これはアクションで引ける枚数を一時的に増やしてくれるので情報を集める上で役に立つことでしょう。 そして「ボーナス」と名のつくカードは低設定より高設定の方が多く出現します。 ゲーム序盤にキープした山札が高設定だと確信できれば、ある程度回してボーナスチェックを溜める……というのも1つの戦略です。 他にもゲーム中、プレイヤーが「もうこれで完璧!」だと思えば、回答を行うことが出来ます。 その後、プレイヤーが1枚ずつ所持しているメダルを…… (このメダルは実際にお店で使われている物と同じものです!) ラウンドボードにある「稼働終了」のところに置きます。 この時、置いたマスの数字を記録しておきます。 ゲーム終了時、より多くの山札の「設定」を当てたプレイヤーが勝利しますが、同点の場合はこの数字が小さい方が勝利します。 つまり早く回答を行ったプレイヤーがタイブレークで有利になるのです。 このため、正確さと同時にスピードも非常に重要になってくるでしょう。 【どんな部分がオススメか?】 『パチスロシミュレーター』のベースとなるのは「推理」です。 この手のタイプのボードゲームには『クルード』を始祖とする「論理パズル」系の作品と、謎解きなどの1度しかプレイできない「シナリオ」系の作品、「人狼」を始めとする「正体隠匿」系の作品と、大きく3つに分類することが出来ると思います。『パチスロシミュレーター』はどちらかと言えば1つ目の「論理パズル」系の作品と言えるでしょう。 しかしそれらのゲームと比べると『パチスロシミュレーター』は少し異質なゲームかもしれません。 「論理パズル」系の多くは正しい情報を繋ぎ合わせ、様々な可能性を潰していく形式です。 例えば「凶器はAではない」「Bは何時にアリバイが無い」といった情報を整理していきます。 その体験はとても面白いものですが、非常にパズル的だとも言えます。 それが苦手だというプレイヤーはそれなりにいるのではないでしょうか? 対して『パチスロシミュレーター』で得られるのは「正しい情報」ではなく「何かの法則に基づいて形成されたデータ」です。 大量のデータから逆算して推理を行う。 「統計を取るような形で進行する推理ゲーム」というのはあまり無いアプローチでしょう。 そして「論理パズル」を解くような能力はそこまで重要ではなく、むしろ素早く情報を整理する能力の方が必要になります。 このスタイルは従来の「論理パズル」系でありがちな「終盤に既に知っている情報を引いて無駄手になる」といったストレスはありません。引けば引くほど確率は収束し、アクションが無駄になるという心配はないのです。 加えて「長考が発生しやすく、プレイ時間が延びがち」という問題も、リアルタイムにゲームを進行させるという方法で解決しようと試みています。 この「生成されるデータから何かを推測する」というアイデアはテーマであるパチスロから来ているものです。 パチスロを遊戯する方にはそれなりに馴染みのあるゲーム性ですが、逆に他のボードゲームやデジタルゲームではこういったシステムのゲームはあまり見られません。 僕がこのゲームを作ろうと思ったのは、この面白さを再現したゲームを作れば、パチスロを知らないボードゲーマーには新鮮なものとして映るのではないかと考えたためです。 なので変わったゲームがしたい。新しいものに触れたいという方にはオススメ出来る作品だと思います。 もちろんパチスロが好きな方はいつもの面白さを体験できるので、十分に満足できると思います。 【この部分は人を選ぶ!】 ここまで今作のオススメポイントを取り上げてきました。 しかし良い部分だけを取り上げて、宣伝を行うのはあまりフェアではないでしょう。 この項では『パチスロシミュレーター』の良くない点、というか人を選びそうな点をいくつかまとめます。もちろん沢山の人に買っていただきたいですが、買ったけど自分に合わなかったという方がいるのは悲しいので…… まず1つは「従来の推理ゲームのようにカッチリとした推理は行えない」という点。 『パチスロシミュレーター』で行うのは「生成されたデータからの推測」であり、それには常に不確実な点が伴います。 もちろんゲームを進めることで「この山札の設定は90%これだろう」というところまでは導くことが出来るでしょうが、「100%この設定だ」というところまで導くのは非常に困難です。ゲーム中、本当にこれで正しいのかという不安は常に付きまとうでしょう。 この確定させることが出来ないという要素は、地道に可能性を潰していくタイプの推理ゲームが好きな方にとってはストレスに感じる可能性があります。 またリアルタイムでゲームが進行し、ゆっくり考えている暇がないというのが好きではないという方もいると思います。 『パチスロシミュレーター』は「ある程度推測を踏まえて可能性の高い選択肢にBETするゲーム」です。 「緻密な論理の積み重ね」のようなイメージでプレイすると期待に沿えない可能性があります。 もう1つは「基本的なゲームの流れは極めてシンプル」という点です。 『パチスロシミュレーター』をプレイする多くの時間は「山札をシャッフルし、カードを引き、その内容を記録する」という行為で費やされます。 もちろんそれと同時に推測を進めたり、時間をどのように使用するかという選択肢はあります。 しかし根本的には「カードを引き、記録する」の繰り返しであり、ゲームとしては地味です。 自分はこの要素を「パチスロの面白さを再現する」上で許容できる範囲であると判断しましたが、どうしてもストレスの方を強く感じてしまう方もいるでしょう。 これらの要素から万人受けするというよりは、人を選ぶタイプのゲームです。 ですがそこを差し置いても、自分は同人らしい新しさと魅力がたっぷり詰まったゲームだと思っています。 この記事を読んで気になったなら、是非とも当日ブースへ遊びに来てください! 【まとめ】 『パチスロシミュレーター』はゲームマーケット2022秋に「土イ37‐サイシュピール」ブースにて頒布されます。 価格は2500円。それなりにお求めやすい値段です。 出展日は10/29(土)のみ。日曜日の出展は無いのでご注意ください。 追記)取り置き予約受付開始しました。 確実に入手したい方はこちらの利用がおすすめです。 https://forms.gle/Eon5u5e8NP9jJJiN9 Megalomaniac Game公式ツイッター(@Megalomaniac_G)ではゲームに関する最新情報を呟いています。 興味を持った方は是非フォローをよろしくお願いします!
- 2022/10/10 8:00
- サイシュピール
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- 【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【テーマ編】
- ゲームマーケット2022春に頒布される新作ボードゲーム『解脱RTA』の解説記事を書きました。 今回はテーマの部分に焦点を当てて、ゲームを深く掘り下げています。 ボードゲームのテーマに興味がない人でもそれなりに面白く読めるようになっています。 少し長いので、興味ある方は以下のリンクからどうぞ 【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【テーマ編】 前回の記事。ゲーム内容をおおまかにまとめたものはこちら。 【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【概要編】 こちらはシステムに目を向けて掘り下げたものになります。 【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【テーマ編】
- 2022/4/19 18:44
- サイシュピール
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- 【ゲーム会のための名刺】
- こんにちは。輪骨舎です。 ゲームマーケット2022春にて「ゲーム会のための名札」を頒布します。 「ゲーム会のための名札」は、自身もボードゲーム会を主催する中で使いやすいように設計された名札です。 名前を記入する欄はもちろんのこと、ゲーム会をスムーズに進行するための様々な工夫が詰まっています。 おすすめポイントその①「推し色を塗る」 推し色とは、使いたいミープルやプレイヤーカラーのことです。 ある程度ボードゲームを遊んでいると、自然と出てくる推し色。 だけど、初めて会うような人に対して、それをなかなかアピールするのは難しいですよね。 この名札には、そんな推し色を塗る部分がついています。 あらかじめ好きな色を塗っておくことで、ゲームを始める際にアピールできます。 また、他の参加者の名札を見ることで、「あ、赤なんですね〜。自分は青です」や、「同じ黄色ですね!今回は譲ります」など、 自然と話しかけやすくなります。 おすすめポイントその②「好きなゲームと苦手なゲームを書く」 ゲーム会に参加するにあたり、不安な要素があります。そう、苦手なゲームを遊ぶこと。 次のゲームを遊ぶ際、雰囲気におされて苦手なゲームを遊んでしまうこともありますよね。 せっかくの楽しいゲーム会、なるべく好きなゲームや、やってみたいゲームを遊びたい! そんなためにあるのがこの部分です。 どちらとも、ゲームそのものを書いたり、システムやジャンルを書くことで、他の参加者に伝えられます。 同じことを書いている参加者を見つければ当然話が合いますし、苦手なゲームをあえて誘ってくる人はいないでしょう。 「そのゲーム好きなら、きっとこれは楽しめますよ!」「これ私も苦手なんですぅ〜。○○の部分が…」など、会話も弾みます。 おすすめポイントその③「記録を残そう」 ゲーム会の名札というと、ずっと使うもの、として作っていることもあるかと思います。 この「ゲーム会のための名札」は、敢えて一度使い切りのスタイルにしています。 名札の裏面には、今日の日付と、遊んだゲームを10個まで記入できるようになっています。 初めて遊んだゲームって、名前を忘れちゃったりするものですよね。その場で記入して、あとで見返せます。 また、順位も書けるので、何人で遊んで、何位だったのか書いておくと、後から思い返しやすかったりもします。 思い出として、残しておくのも楽しいですよ。 そんな、お進めポイント満載の「ゲーム会のための名札」を、100枚入り300円で頒布します。 また、ご自宅でも印刷できるよう、一般的な家庭印刷用のデータまでダウンロードできるようになっています。 是非、全国のゲーム会主催者さんに試していただきたものになっています。
- 2022/4/19 13:44
- サイシュピール
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- 新作ボドゲ【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド
- こんにちは!Megalomaniac Gameです。 当サークルはゲームマーケット22春にて新作ボドゲ【解脱RTA】を発売します! 「解脱……?」「RTA……?」「よくわからんが気色の悪いゲームだな……」 そんなことを思っているあなたも、この記事を読めば購入したくなること間違いなし! 今日はこの【解脱RTA】の魅力を余すところなく解説する。 (この記事で登場する製品はサンプルであり、実際のコンポーネントとは一部異なる場合があります) 【①基本情報】 まず初めに、『解脱RTA』は3~4人で遊べるボードゲームだ。 箱は小さめで、いわゆる小箱と呼ばれるタイプのゲームに属する。 全員で協力するといったものではなく、プレイヤー同士がバチバチに競い合う対戦形式。 1ゲームは30分程度で終わる。慣れてくればもっと早くプレイすることも出来るだろう。 【②テーマ・世界観】 ボードゲームを紹介する上で重要なのはテーマ、つまりどんな世界の話かを知って貰うのが手っ取り早い。 『解脱RTA』の舞台は異世界である。 といっても私たちの住む地球とほとんど違いはない。 たくさんの人間が暮らし、技術水準や知能レベルもそう変わらない。 1つ違う点があるとすれば、そこでは気が遠くなるくらい昔から人間同士が戦争を続けていることだ。 この世界には大きく分けて4つの陣営が存在している。 プレイヤーはその4つの陣営の1つに属し、兵士となって終わりなき戦争に参加することになる。 これが『解脱RTA』の基本的な世界観だ。 【③基本的なゲームシステム】 さてテーマの話ばかりしていても退屈だ。一度ゲームシステムの方にも目を向けることにしよう。 『解脱RTA』は多くのゲームで見られるターン制で進行していく。 手番の人のターンが終わったら時計回りで次の人のターン、これを終了条件を満たすまで繰り返す。 手番でやることもそう難しくはない。 ここで重要になるのは数字の書かれた「活力チップ」と呼ばれるものと 4つの陣営が争いを繰り広げる舞台となる6枚の「戦場カード」だ。 プレイヤーはそれぞれ手元に「活力チップ」を何枚か持っている。 これは手札の様なものとイメージすると分かりやすい。 「活力チップ」とは言わば人間の活力、生命力、エネルギーを意味している。 手番プレイヤーは自分が所持する「活力チップ」を一枚選び、任意の戦場カードに配置する。 この時重要になるのがプレイヤーの所属する陣営。 例えば手番プレイヤーは「森」の戦場カードにチップを配置したい。 今は黄色の陣営に属しているので…… 「活力チップ」を1枚選び、「森」の黄のスペースに配置する。 基本はこれだけ。手番になったら所持するチップを1枚どこかの戦場に配置する。 そしてチップを配置した後、戦場に描かれた「イベントマス」によって何らかの効果が発動したり…… 一つの戦場にある程度の枚数のチップが置かれると、そこでの戦争が一時的に終わりを迎える。 ゲーム的に言うなら、これは決算だ。 決算が起こるとそれぞれの陣営のスペースに置かれた「活力チップ」の数字を比べる。 そしてその順位に応じて所属する兵士に栄誉が送られる。 こうやって書くと一見数字を比べあうシンプルなエリアマジョリティのゲームのように見える。 しかしこのゲームを複雑、そして魅力的にしているのが【寿命】【転生】【解脱】という要素になる。 【④寿命、転生、そして解脱】 プレイヤーは手番のたびに所持する活力チップを配置していく。 だがこれは手番の終わりに補充することはない。必然的にその枚数は減っていく。 さっきも述べたように活力チップは生命力であり、エネルギーの象徴。 つまり活力チップの数は、その人間の寿命の長さそのものだ。 だから活力チップが全て無くなってしまった人間は……死んでしまう! もし死んでしまったらそれで終わりなのだろうか?いや、この世界ではそうではない。 死んだ人間は輪廻の輪に導かれ、全く別の人間として新しく生まれ変わる! これがいわゆる「転生」。 システム面で言うなら陣営が変更され、新しく活力チップを何枚か得るという処理が入る。 (自分が次にどの陣営になるかは決まっている。例えば画像のプレイヤーは次に青、赤、黄の順で転生する) ここで君は死んでも生まれ変われるなんて羨ましいと思うかもしれない。 でも考えて欲しい。この世界では本当に昔から戦争が続いている。 生まれ変わっても結局戦争に参加するしかなく、きっと同じように死ぬ。 「転生」が続く限り、この無限ループからは避けられない。 多分それは何と言うか……嬉しくはない。むしろ最悪な気分だ。 だから君たちはこの繰り返しをやめたい。輪廻から脱却したい。 その唯一の方法がこのゲームのタイトルにもある「解脱」なのだ! 「解脱」というのは実際に仏教やインド哲学に存在する概念だ。 正確に説明するのは難しいので非常にざっくりと解説するなら、 「修行を重ねて苦しみ一つもない最強の状態になる」と言った感じだ。 (色々と語弊があると思うので気になる人は詳しく調べてください) ゲーム中にプレイヤーが目指すのも「解脱」になる。 戦争で活躍したり、良いことをしたりするとプレイヤーは「徳」を積むことが出来る。 これはいわゆる他のゲームでいう勝利点だ。 そしてこの「徳」を一定以上積んだ状態で「死亡」すると…… プレイヤーは「解脱」し、このゲームの勝者になる! (白のプレイヤーは十分に徳を積んでいるので、この状態で死亡すると「解脱」する!) つまりこれはタイトルの通り、プレイヤーが一番早く「解脱」するのかを競い合う…… 「解脱RTA(=リアル・タイム・アタック)」なんだ。(なんて悪趣味なゲーム‼) ※一応補足。こんなテーマのゲームは不謹慎だという声はあるだろう。 だがこれは特定の宗教や戦争を揶揄する意図は全くない。 この部分は後に公開予定であるテーマについての記事で詳しく触れる予定だ。 【⑤その他のゲームシステム】 テーマの話はこのくらいにしてゲーム部分をもう少し見ていこう。 先程説明した通り、ゲームの骨格となる部分はエリアマジョリティになる。 しかし勝敗を分けるのはそこじゃない。 勝利点を得るために重要なのは決算の時の自分の陣営だ。 (この戦場では1位の陣営に所属する兵士に4点、2位に3点、3位に2点が入る) 例えば1つの戦場で頑張っても、決算の直前で「死亡」してしまえば点数は入らない。 逆に死亡するタイミングが嚙み合えば何もしなくても点数が入る時もあるだろう。 つまりエリアマジョリティの要素は今どの陣営に旨味があるのかを示す指標だ。 重要なのはいつ死ぬか、即ち陣営を変えるか。いつ決算を発生させるかという差し合いに詰まっている。 そして自分一人だけでタイミング良く決算を発生させるのは困難だ。 相手の動向に目を向けたり、一時的に協力することが不可欠になる。 その思惑のぶつかり合い、プレイヤー同士の駆け引きがこのゲームの魅力だ。 これは他のシステムにも表れていて、例えばさっき言及した戦場カード。 これにはイベントマスと呼ばれるものがついている。 活力チップを配置するとイベントマスに対応した有益なアクションが行える。 ここで重要になるのはその戦場に何枚チップが存在しているか。 例えば先ほどと同じく手番プレイヤーは「森」に活力チップを配置しようとしている。 そして「森」には既に3枚チップが置かれており、これは4枚目のチップになるため…… イベントマスの左から4番目にある「栄誉」の効果が発生し、プレイヤーは勝利点を1得る。 このイベントマスはその戦場カードのチップ総数に紐づいている。 つまり自分がチップを配置する(=チップの総数を増やす)という行為は、次のプレイヤーが強力なイベントマスを使用できる可能性がある。 自分の点数を伸ばすのは当然、誰の点数を伸ばさないようにするかも重要となる。 手番でやることはチップを配置するだけだが、非常に悩ましいものに仕上がっている。 他にもゲームでは「御利益チップ」というものが登場する。 これはとあるベントマスで入手可能で、使用することでチップの内容に対応したフリーアクションを行える。 そして何の「御利益チップ」を入手できるかはランダムで、他のプレイヤーがどのチップを持っているかを知ることは出来ない。 「御利益チップ」を活用するためにどう立ち回るか、相手が何を持っているか。 プレイヤー同士の読み合いを加速させる一つの要素になっている。 さてここまでで分かるように本作はプレイヤー同士の絡みが強い。 自分のミスが誰かの利益に直接繋がってしまうシビアさがある。 こういったタイプのゲームが苦手で敬遠する人は多いだろう。 だが「解脱RTA」は30分くらいで終わる。 加えてチップに多少引きの要素が絡んだり、邪魔されることがあっても点数にマイナスを喰らうようなことはない。 このようなトラウマにならない工夫がいくつかあるので類似ゲームと比べて遊びやすいはずだ。 僕はこの手のマルチと呼ばれるゲームが大好きだ。(だからこのゲームを作った) 確かに他人に邪魔されて嫌な気持ちになることもある。 しかしそれぞれのプレイヤーの行動が他人に強く影響を与え、場の雰囲気を読み切ることもゲームの勝敗に大きく関わる。 これは皆で同じ卓を囲むアナログゲームならではの魅力が詰まっていると感じる。 だから先入観を無くして、色んな人にこのゲームをプレイして欲しい。 やっぱり合わないかもしれないが、新しい面白さに気づくかもしれない。 【⑥まとめ】 『解脱RTA』はゲームマーケット2022春にて発売されるボードゲームだ。 プレイ時間は短めながらも、しっかりと駆け引きを楽しめるゲーム性。 独特のテーマとゲームシステムが上手く融合した世界観。 非常に同人らしい魅力に溢れており、自信をもってお勧めできるものに仕上がっていると思う。 出展日は4/23(土)のみ。ア‐26『サイシュピール』ブース内にて販売を行う。 日曜日の出展は無いので十分注意して欲しい。 Megalomaniac Game公式ツイッター(@Megalomaniac_G)ではゲームに関する最新情報を呟いている。 現状もう少し深くゲームシステムを掘り下げた【システム篇】とテーマについて掘り下げる【テーマ篇】の2つの記事の公開を予定している。 この記事で興味を持った方は見逃さないよう、公式ツイッターをフォローすることをお勧めする。 【⑦補足】 ……とは言っても何も知らないサークルのゲームを買うのは躊躇してしまうという人はいるだろう。 そんな方に参考にしていただきたいのは当サークルの過去作だ。 当サークルは今までに2つのマーダーミステリーを製作している。 中でも2人用の『七つの死体と一人の男』は特にお勧め。 七つの死体と一人の男 これはマダミスをやったことない人向けに制作した作品だ。 2人用マーダーミステリーと銘打っているが、実際は協力型の謎解きゲームに近い。 マダミス初心者が敬遠しがちなロールプレイを無理にせずとも楽しめるようになっている。 加えて本作品は無料でプレイできるうえ、オンラインやオフライン問わず遊ぶことが出来る。 ゲーム自体も1時間程度で終わるので、『解脱RTA』を購入するかの参考基準にするには向いているはずだ。 最後に。この記事をここまで読んでくれてありがとう。 次は【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【システム篇】でお会いしましょう。 【追記】続きの記事出ました。こちらのリンクからどうぞ! 【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド【システム編】
- 2022/3/18 3:57
- サイシュピール