阪大盤上舞踏会 @banzyoubutoukai
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- 運命と偶有の間でたゆたう電脳プランクトンの皆様へ
- インターネット海洋の荒波に流されてこの淀みに辿り着いた皆様、ご機嫌いかがでしょうか。 申し遅れました、死刑執行中説明書執筆中のまっつーに替わりまして壇上に上がらせていただくのは盤上舞踏会のアートワーク担当、kawaiでございます。 ところで、あなたは自分と愛し合う人に出会えたことを”運命”だと思われますか?それとも”たまたま”(偶然・偶有とも言いますね)だと考えますでしょうか。 複雑系に支配された我々の海はたいへん数奇なもので、自らを運ぶ潮流が運命性の嵐によるものなのか、はたまた偶有性の凪によるものなのかといった疑問の前では、我々はただ敬虔な聖女のように祈ったり、大仰な哲学者のように沈黙したり、寡婦を誘惑する薬売りのように享楽に身を任せるしかないのであります。そしてその疑問が現実生活の中で確かな形を持って現れない人にとって、この疑問は無意味の神の支配する楽園にありましょう。あなた方がどう思うかに関わらずあなた方は産み落とされ、放逐され、漂流せざるを得ないという事実は、あなた方が絶えず産み落とす言葉、音楽、二酸化炭素、涙などのもろもろの分泌液、夜の住宅街の1つ1つの灯りの中の家族、昼の都市に段々と積み上がっていくビル群にとっても同じなのであります。 そして来たるゲームマーケット2021秋にてカードゲーム「ファム・ファタール」が我々から産み落とされます。 さて、 わたしの迂遠な演説にその透明な甲殻の首を傾げた皆様。わたしが申し上げたいのは、上に述べた疑問と我々が制作する「ファム・ファタール」がその制作動機に加えて、その内容までも不思議な相似形を成していることでございます。大富豪に代表される一般的なファミリートランプゲームに倣ってこのゲームも手札を減らしたプレイヤーが勝利するというゴーアウト系なのでありますが、 「カードを一枚まで減らしたプレイヤーが勝利する」というように一人の「運命の女(ファム・ファタール)」(仏語では la femme fatale) を選ぶ過程なのでございます。そしてあなたは他プレイヤーとの手札の読み合いの中で、伏せられた山札のドローというランダム性から逃れられないでしょう。 駆け引きの果てに手札を減らし一枚残した”女”が運命性の女神なのか、それとも偶有性の女神なのか。 まさにそれがこのゲーム思想の中核でございます。 そして言うまでもなく、 我々はこの疑問に関して作品の中である回答を打ち出しています。それは、 敢えて大量ドローを引き受けて勝利条件から一旦遠のくことが勝利のカギ であることでございます。人類が悠遠な歳月をかけてこの世界の不可知だと思われていた領域を狭めてきたように、様々な効果カードを駆使して他プレイヤーの手札状況を読み、適切なタイミングで可能性の塊である大量ドローを引き受けることがあなたを勝利へと導く。これはまさにより綿密な理性と勇敢さによって多くの可能性を引き受け、運命ないし偶有を支配せんと試みることであります。いわば運命でも偶有でもない、頑な意思こそ実存の喜びを与えるということですね。 と、いたしまして、 長らく弁舌を垂れていたわたしですが、そろそろお時間が来たようです。来たるゲームマーケット秋とその後、「ファム・ファタール」はどのように複製・拡散・漂流を遂げていくのでしょうか。阪大盤上舞踏会はまた今後も皆様に招待状をお渡しできるのでしょうか。それは運命と偶有の女神しか知り得ないでしょうか。いやそれは違う!
- 2021/10/29 2:59
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- フレーバー決定の経緯
- 【ライター:まっつー】 こんにちは、まっつーです。 ワクチン二回目接種も無事に終わり、復活しました。(ベッドでずっとドミニオンしてました) さて今回のテーマはフレーバー決定の経緯についてです。フレーバーに関しては非常に苦労したので、この苦心を共有したいと思います。せずにはいられない 前回のブログ更新で書かせて頂いた通り、フレーバーの前に大本のルールが先に決まりました。 ここで最初にお伝えしたいのが、フレーバー決定以前では手札を1枚残すのではなく、全て捨てきることが終了条件でした。 これが何故今のルールになったかは、後述します。 最初期にフレーバーを決める際に注目したルールシステムは、「手札を捨てきることが目的だが、手札を増やせば増やすほど捨てやすくなる」というジレンマでした。 そこで増やせば増やすほどいいけれど、最終的には全てを捨てきらねばならないものは何か。という着眼点でフレーバーを探すことになりました。 そこでkawaiの一言「結婚詐欺師じゃね」 こいつは屑かと思いましたが、事実天才だとも思いました。確かに結婚詐欺師は沢山のカモをひっさげて、最終的には全てを切りすてるお仕事。バチコリシステム通りです。 解決!決定! 。。。。。とはならないですよね、いやできないですよね。 こんなフレーバーちょっと倫理的にアレですし。全年齢向けの健全ゲームが望ましいです。ここからが長かった! ダイエット、ネクロマンサー、呪い、罪人利用バトル。。。。などなど色々考えましたがパッとせず。正直少し行き詰まりました。 そこで周りの知り合いにも意見を聞いたりなど試みてみました。ついには親父にも。 親父「友達とかどうだ?死ぬ時は常に孤独だよな。けど1人くらい親友はいてほしいな...」 松に電流走る。1人...1人残す......これだ!! 全て捨てるでなく、1枚残す。1枚選び抜く 要求する操作を変えずに、捨てきるという負の概念を1枚選び残すという正の概念へと変換できました。 ここから全てを捨てる結婚詐欺師から、数多の出会いの中で1人の女性を選び抜くというロマンティックなフレーバーへと着地しました。 こんな感じでファムファタール(運命の女)として本ゲームは作られました。 紆余曲折ありましたがなんとか形になりそうです。 運命とは必然か偶然か、プレイを通じて思慮する機会を提供させて頂きます。今回はこれにて ???(赤だしならだしますよ。当たるも八卦)
- 2021/10/5 17:22
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- ゲームの発案からカードの効果や枚数の考案小話
- 【ライター:まっつー】 前回の初回投稿からかなり日が空いてしまいました。月日の流れは速いもので.... さて今回はゲームのルーツやルール制作時の思考の流れ、どのような話し合いをしていたかについて書こうかと思います。 僕のゲームに対する考え方や思いを少しでも共有できたらなあと思い、ひっさびさにログインした次第です。 本題の前に唐突ですがUNOの2ドロー、4ドローの押し付け合いってめちゃくちゃ面白くないですか!?!? 誰かが2ドローの口火をきって、誰かのドロー札がつき大量ドローが降りかかるまでのヒリヒリ感、回避しきった時など脳汁めちゃくちゃでますよね! このヒリヒリ感をもっと面白くゲームに組めないか、それを考えた末にできたゲームが本ゲームです。 ということで本ゲーム「femme fatale(ファムファタール)」がどんなゲームなのか軽く紹介します。 「早く手札を残り1枚にしなきゃいけないけど他人と強制ドローを押しつけ合うゴーアウトカードゲーム」です。これはめちゃ簡潔に書きましたので、詳しいルールが気になる方は近日公開する予定なのでチェックしてみてください~! さて本題のルーツに関してですが、数年前に旅行先でトランプがない中、UNOで大富豪をやろうという流れになったときでした。当時はノリで馬鹿ゲーのつもりだったのですが、いざルールを整備してプレイすると非常に面白かったことを記憶しています。 時は流れて2021ゲムマ春の次の日、感化された僕たちがゲーム作りを決めたとき。僕の頭の片隅に置いていたこの刺激的な体験が蘇りました。 「例のゲームの面白い核の部分を抽出して、蛇足な要素を削いだら相当面白くなるんじゃないか?」 早速テストプレイ。100均で大量にトランプを買ってきてとりあえず2セット混ぜてやってみる。 「ルールはどうする?」 「とりまドロー札と切り捨て渡しくらいいれるか~」 4捨て、5切り、6渡しからスタート。 テストプレイを重ねると、特殊能力をもつカードの数字が連続しているのは面白くないということで、3,5,7に変更。 切るの効果は強いので3に左遷。ここで3,5,7だけにこだわる理由もないので、1と9にも特殊効果を加えて奇数群が特殊カード、偶数群が無能力カードとして構成としても対照的になり美しくしようとなる。さて肝心の1と9の効果についてですが、まず9から。基本的にこのゲームではある程度カードがドローできないと上がれません!しかしドローが上家依存なので、上家がドロー札を握っていないと一生ドローできません。これを解消するために9には手番順が逆転する能力を付与しました。これに加え、9は数字の中でもかなり強い数字ですので、他プレーヤーの選択肢が10と特殊札に限定され、ドロー札を引き出しやすいといった効果もあります。 次に1ですが最弱の数字ですので他の奇数カードとは一線を画した毛色の異なる効果がいいなとなりました。色々考えた結果、最弱の奇数1には全ての偶数とつながる札(あらゆる偶数札と併せて出せる能力)になってもらいました。また逆転カードがプレイされている状況下では最強のカードに変貌しますので、状況によって異なる顔を見せてくれる個性の強いカードに。 以上で奇数達の奇妙なカード群が完成した訳です! 次に偶数たちですが、この時は各6枚ずつとくそつまんねーカード構成でした。というか最強札の10と無個性最弱2が同じ枚数っておかしいだろって話で。てことで2,4,6,8,10のカードらは9, 8,7,6,5枚という感じで弱いほど重ね易く調整しました。鰯は群れてなんぼです。 次にドローカード。こいつらは2ドロー7枚、3ドロー5枚、4ドロー3枚という構成になっています。ところでこのゲーム、僕たちの推奨プレイ人数は4人としています。またデッキの総枚数は81枚です。ここから4人の時の初期手札40枚を引くと41枚残ります。察しのいい方はお気づきかもしれませんが、実はこの41枚というのは全てのドロー札が使えた場合の可能ドロー総枚数と一致しているんですよね。というかそうなるように調整しました。ですのでこのゲーム、4人以下でやる分には絶対にリシャッフルという行為が発生し得ません。はい嬉しい~。カードゲームやってて一番だるいというか虚無な時間ってリシャッフルしてる時間だと思うんですよね。その間ゲーム途切れちゃうし。軽量ゲームはテンポがなんぼです。 以上な感じから山札の構成が決まったって感じでした。ちょこっとカード効果について補足すると、ゲームのテンポが損なわれる効果は全て作成段階でカットしました。例えば選んだプレーヤーと1枚ずつ手札を交換するなどは、選ばれたプレーヤーからすると心の準備?ができてないのでプレイしたプレーヤーより少し悩みが入ります。もうこの時点でテンポが悪い。捨て札をサルベージも考えましたが捨札をあさる時点でテンポが悪い。とのことでテンポを損なわない効果だけが、本ちゃんのゲームに残存しました。 色々書きましたが、フレーバーにかんしては何も語っていないので次回更新ではフレーバーの決定秘話について書こうと思います。それでは長々とこの世の終わりみたいな文章見ていただきありがとうございました~ ???「ええやんええやんRから始まる飲料を買ってこい、でなければ帰れ」
- 2021/9/29 18:46
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- 初投稿:挨拶とちょっとした話
- ライター:まっつー はじめまして、阪大盤上舞踏会のまっつーです。 この度2021秋ゲムマに初参加させて頂く事になりました。僕たちにとって初めての事も多く、至らぬ点も多々有りますでしょうが、盤上舞踏会をよろしくお願い致します。 挨拶もこの程度に(特に書く事無いので)当サークルの発足話でも綴ろうかと思います。 そもそもサークルといってもメンバーは僕とkawaiの2人で、集いという程のものでもありません... 彼と僕は大学の同期で1回生の頃からの関係です。2人とも大学のボードゲームサークルに所属しており、よくゲームを遊ぶ仲です。(ゲーム以外も色々) さて、発足のきっかけですが、それは今年の春の大阪ゲムマでした。アーアーアーゲームズさんの売り子として、2人でお手伝いをやったんです。アーアーアーゲームズのぬうんさんは僕の先輩で、そのつてでやることになりました。 会場の雰囲気や熱気に圧倒され、興奮した事を記憶しています。冷め切らぬ翌日、「俺らもなんか作ろう!」kawaiからのLINEのその一言が結成の瞬間でした。 初投稿なのでこんなとこで締めましょうかね。今回はゲームとは関係ない内容だったので、次回以降はもう少し実のある事を書けていけたらなと思います。 それでは今後も盤上舞踏会を生暖かい目で見守って頂けると幸いです!
- 2021/9/9 20:17
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