符亀

ゲームマーケット2017秋より参加させていただいております、符亀と申します。
拙作「マジカルカナグル」「愛羅武粋逸」「ロングロングマホウ」「超超長城」「ツミカブリ」「リーサルチェックメイト」「インヴァージョン」「アマロン」「バックハンダー」「皇継の書状」「サイクリアン」「シリアリアン」「バーグリアン」「レイリアン」「フォッシリアン」「エンジェリアン」については、ゲーム一覧ページをご覧ください。

【第1章】ジェントリアン 制作記【Fw: Re: テオフィールの猫】
2025/11/6 19:45
ブログ

どうも、紳士です。間違えました符亀です。

ゲムマ2025秋の新作、他人を進ませる紳士なすごろく「ジェントリアン」ですが、私史上で最も完成までに時間をかけた作品です。

ようやくカードを入稿し、時間も余裕もできたので、ここでこれまでの悪戦苦闘をまとめようかと思います。ぶっちゃけコンテンツ化して宣伝に使わんと元が取れん。

なお、説明書はまだ入稿してないので、本当に余裕があるのかは微妙だったりします。ハッハッハ。

 

全部を書くと長くなるので、適当なところまで書きます。何回の連載になるのか。ゲムマまでに終わるのか。

 

・テオフィールの猫

まず、本作の着想元をお話しします。

 

本作の元ネタは、久遠堂さんの「テオフィールの猫です。

ダウト系のゲームで、猫の「毛の色」「目の色」「しっぽの長さ」が全て異なるカードだけを出せますが、バレなければ出せないはずのカードを出してもOKです。

 

これ、説明も簡単だしカードは数字も言語依存もなくてシンプルだしオシャレだしで、すごく良いゲームなんですよ。

ただ、手札を出し切れば勝ち系のダウトの宿命として、「最後の1枚が嘘をつかなくても出せるやつ」だけが勝てる仕様になっています。なので、最後だけ急に運ゲーになってしまう。

手札出し切り系ダウトの中でトップクラスの作品だとは思うのですが、だからこそジャンルの限界のようなものを感じてしまいました。

 

なお、ゲーマー目線だとこういった感想も生じますが、シンプルなブラフゲームとして「テオフィールの猫」は名作だと思います。そうじゃないと「ジャンルの限界」みたいな書き方しませんよ。

 

・Re: テオフィールの猫

そんな訳で、「手札を出しきる以外の勝ち筋を目指すダウト」を作ろうとしました。

その結果生まれたのが、

・手札から1枚を裏で伏せて得点化するゲーム
・カードには「1、2、3、4、-1」のどれかが書かれており、それがそのまま得点
・この時、何を伏せたのかは宣言しないといけない
・宣言できるのは、「1か2か3」だけ、かつ前の人が言った数字以外の2つだけ
・宣言が嘘だと思ったら、ダウトを宣言し、伏せていたカードを表にさせられる
・宣言と伏せていたカードが異なれば、ダウトを宣言した人がそのカードをもらう
というゲームでした。

さっそく試作品を作り、意気揚々と某有名デザイナーの方々にテストプレイしていただきました。

当時の試作品データ。もう20ヶ月も前の話なんすかこれ。

 

その結果ですが、まあゲームにはなっていたものの、「4や-1を引けないと気持ちよく嘘をつけない」などの問題点がありました。何より、ゲーム自体に面白さを生む機構が足りず、伸びしろがなさそうでした。

なので、とりあえず塩漬けにして様子見しました。

幸いにも5月には「フォッシリアン」の原型ができたので、その秋に出すゲームまでは決まっていましたからね。まあ一旦いいや気長に育てよう、とか考えていました。この頃は余裕があったねえ。

 

・Fw: (/Re:) Re: テオフィールの猫

こんな流れとは全く別の話として、当時、「符亀っぽくないジャンルで符亀ゲーを作る」ことに取り組んでいました。

「符亀ゲー」という言い方はアレですが、私の作るゲームは「シンプルなルールなのに難解でクセが強い」と評価されており、ある種のブランディングになっています

というか「ミニマリアン」シリーズに至っては自分から「シンプルなルールなのに難解」を名乗っています。クセの強さについては、そんなにか?と思っていますが。

 

とはいえ同じことばかりやってると芸がないので、この1年ほど、ブランディングの中で幅を出せないか取り組んでいました。

その1つが、戦略性を出すのが難しそうなジャンルで、シンプルながら考える価値のあるゲームを作るという挑戦でした。

数多の挑戦を繰り返しましたが、この標的の1つこそ、「ジェントリアン」のジャンルである「すごろく」でした。

 

そして、ある時ヒラメキました。

「あの昔作って寝かせてたダウトゲーの『前の人が言った数字は選べない』システム、すごろくと相性よくね?」と。

「あいつの進みたいマス数とオレの進みたいマス数が違うけど、邪魔するためにその数字言うの?」みたいなジレンマ、よくね?と。

 

というわけで、2025年4月27日、ゲムマ2025春の試遊会である「水道橋ボドゲ会」にて、このシステムを盛り込んだ試作品すごろくをテストしてもらいました

なお、この記事の原稿を書いている現在は、ゲムマ2025秋向けの「水道橋ボドゲ会」からの帰路です。丸半年かかっとるやんけ。

 

こうして、「テオフィールの猫」から生まれたブラフゲー (未完) のギミックを流用し、「ジェントリアン」の原型は生まれました。使い回しのことを「Fw (転送)」と表現するな。

このすごろくがどんなゲームだったのか、そしてそれがどのように「ジェントリアン」になったのかは…長くなってきたので次回にしましょう。

 

ちなみに、このギミックの流用が決まった瞬間、塩漬けされていたブラフゲーは完全に息を引き取りました。

誰かこのアイデアを復活させてくれるネクロマンサーがいれば、ぜひ蘇生させてあげてください。連絡をくれれば宣伝します。

 

ちなみにちなみに、このメインギミックを抜かれて骨と皮だけになったブラフゲーに「トリックテイキング」という肉をミチミチに詰めたのが、ゲムマ2025春の「エンジェリアンだったりします。

だからそっちの箱裏には「Re: Re: テオフィールの猫」って書いてあるんですね。半年ぶりにネタバラシすな。

とってもわかりやすい系統樹

 

・宣伝タイム

最後に宣伝タイムです。
ゲムマ2025秋では、土-U30で出展いたします!新作『カクテルポーカー』についてはサークルカットをチェックだ!まだ入稿できてないからゲムマブログには情報ないぞ!ウチより遅いトコいて嬉しいね~。

これ久遠堂さんか。

 

改めて宣伝タイムです。

われわれ符亀は、土-P26で出展いたします!新作「ジェントリアン」や、同じ元ネタの「エンジェリアン」などを頒布します。なお、この2作をまとめて予約していただけるとセット割引をいたします。

流れを知らないと意味不明なセットの名前

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 

 

Re: 久遠堂さん

チェックしていただきありがとうございました。