なおちゃん工房 @64SxV68OJS50943
オリジナルボードゲームを作成しているなおちゃん工房です。2025秋ではハート&ダガーというミニマル心理バトルゲームを頒布します!
- 優れたアイデアはいくつかの問題を同時に解決する。
- 2025/11/2 17:44
タイトルは任天堂の宮本茂さんの名言です。
ハート&ダガーを作っている最中まさに、とあるアイデアが複数の問題を解決したことがありました。
(任天堂となおちゃん工房では抱えている問題も思いつくアイデアも、その規模感に天と地ほどの差があるとは思いますが笑)
ハート&ダガーのサンプルが完成して、いざ子供たちとプレイした時の話です。
ルールもあっという間に覚えて楽しい!と喜んでプレイする子供たちの姿に安心したのも束の間。
しばらくするとある問題にぶち当たります。
同点による引き分け終了の割合が思いのほか多い。
ゲームのシステムを思いついた段階で同点終了があるゲームだということは理解していました。
自分はそれでもいいと考えていました。
同点なら勝負がつくまで再戦を繰り返せばいいというのが自分の考えでした。
しかし実際にプレイしてみると同点終了の割合が想定よりも多いのです。
短時間でサクッとプレイできることを売りにしているハート&ダガーには、度重なる再戦による間延び感は致命的でした。
どうしたものか。
考え込んでいると当時小学5年生だった長男が言いました。
「同点になった瞬間にハート&ダガーって言った方が勝ちにすればいいんじゃない?」
...
....
.....
なるほど....いや...どうなんだろう??
UNOやダウトのような宣言系ルールの導入。
安直というのが正直な感想でした。
しかし実際にやってみるとどうでしょう?
これが思いのほか盛り上がる。
何故なのか?
ハート&ダガーには同点終了の割合の多さの他に、もう一つ問題がありました。
それはゲームの終了タイミングがやや難解であることでした。
短剣5枚、盾5枚、心臓5枚による15枚の手札。
これら全てを場に出し終えた時、ポイントが高い方が勝ちというのが基本ルール。
しかしハート&ダガーにはゲームの途中でもお互いの手札の状況から勝敗が確定してしまう、いわゆる詰みの状況が発生することがありました。
そうなれば手札が残っていてもゲーム終了となるのですが、この終了の判断がやや難しい。
それはゲーム途中での同点終了にも同じことが言えました。
どの順番でカードを出しても絶対に同点で終了する。
自分の残りカードと相手の残りカードの内訳からそう結論づけるまでの道筋がまるでパズルのようでした。
パズル。
そうか、それならそのパズルもゲームにしてしまえばいい。
お互いの残りカード状況からいち早く同点終了すると判断できたプレイヤーがハート&ダガーコールをする。
パズルの早解き合戦にしてしまえばいい。
コール後にお互いの手札を検証して、同点以外の可能性がまだ残っていれば誤コールとなり、コールしたプレイヤーが負けとなってしまうため当てずっぽうで言えばいいということでもない。
こうして本筋とは関係なかったゲーム終了の判断作業が、パズルの早解きというゲームに昇華したのです。
このハート&ダガーコールのルールは正式に説明書へと記載させる運びとなり「同点終了の割合が多い」「ゲーム終了のタイミングがやや難解」という2つの問題を同時にクリアにしたのです。
小学5年生の長男はそこまで深いことは考えてなかったと思いますが感謝しています。
刷り上がった説明書を見て「俺のアイデアが正式にルールになってる!」と興奮気味に話していた姿はすこし面白かった。
最後に詰めハート&ダガーを一問!
下記の状況になった時、最後までプレイしても結果は変わりません。
その結果とは ①あなたの勝ち ②同点 ③相手の勝ち の内どれでしょう??
あなた 1ポイント
残り手札 短剣1枚 心臓2枚
相手 0ポイント
残り手札 短剣2枚 心臓1枚
