はたやまかずや
異世界に転生した歴史上の人物を特定する対戦推理ゲーム、ド忘れ勇者と導かれし異邦人たちを頒布します。 また、前作の戦前の国策標語を題材とした大喜利ゲーム、ぜいたくはス敵だ!を2, 3部頒布いたします。
- 異邦人を理解する試み〜ド忘れ勇者と導かれし異邦人たちのテーマについて
- 2025/8/27 0:17
こんにちは、はたやまと申します。
2025年秋のゲームマーケットにて
『ド忘れ勇者と導かれし異邦人たち』
というゲームを出展いたします。
この場をお借りして、拙作のテーマについて少し語らせてください。
まず簡単に概要を申し上げると──
プレイヤーは剣と魔法の世界の住人となり、日本という異世界からやってきた「異邦人」たちの中から、誰が世界を救う運命に導かれし者かを推理する。
そんな対戦型の推理ゲームです。
ポップな絵柄のブースカットとは裏腹に、登場するのは与謝野晶子、芥川龍之介、伊藤博文など。
歴史や国語の教科書で誰もが一度は目にした人物たちが、剣と魔法の世界でどのように生きるのか──。
そこを考える、少し風変わりな歴史ゲームになっています。
さて、タイトルでひときわ印象的なのが「異邦人」という言葉です。
文学好きならカミュの『異邦人』を、音楽好きなら久保田早紀の『異邦人』を思い浮かべるかもしれません。
本来「異邦人」とは、その国の人ではない者、つまり外国人を意味します。
対して「邦人」とは日本人を指す言葉です。
私は、この「異邦人」という言葉に本作のテーマを込めました。
異文化や共生、寛容といった事柄は、現代社会を考える上で切っても切り離せません。
ただ、その是非を論じる前にまず大切なのは、私たち邦人も日本を一歩出れば「異邦人」になるという視点です。
ましてや、踏み出した先が「剣と魔法の世界」なら、私たちは完全に「異世界から来た異邦人」でしょう。
このゲームでは、プレイヤーがファンタジー世界の住人となり、異世界からやってきた馴染み深い人物たちの姿を推し量ります。
彼らの人柄や生き様を想像することで、異邦人と呼ばれる人々もまた私たちと変わらぬ人間であることに気づけるはずです。
だからこそ、このゲームの舞台は「剣と魔法の世界」であり、私たちが暮らす「日本」こそが異世界なのです。
……と、ここまで社会派ぶって語りましたが、制作の動機はもっと単純です。
「大正・昭和の人物を使ってゲームを作りたい!」という、歴史オタクの偏愛から生まれたにすぎません。
小難しいことは抜きに、まずは気軽に手に取っていただければ嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
