BDS(秋葉原集会所 & りば工房)

ゲムマ2024春に共同出展します。 複数サークルの共同ブースになります。 発表ゲーム等は随時更新します。 参加サークル ・秋葉原集会所 ・Uesama Games ・A team ・りば工房

「あくまのやさい」の正体 ゲームが出来上がるまで
2022/4/10 20:23
ブログ

Ateamでゲームデザインを担当しているARAOです。

今回はゲムマ2022春の新作「あくまのやさい」について完成までの道のりを紹介していきます。

「あくまのやさい」は、なるべくカードを引き取らないように駆け引きをしていくゲームです。
メカニクス的には「ゲシェンク」や「インフェルノ」などが近いゲームですかね。
上記のゲームが好きな方なら、きっと楽しんでもらえるんじゃないかと思っております。

 

■ルールの完成
「あくまのやさい」はなんと、作成して最初のテストプレイを行って以降、ひとつもバランスをいじることなくルールが完成しました。
これは自分の作品では初めてのことで、メカニクスのデベロップ期間が非常に短い間で終了しました。
ルール量が少ないことも影響しているのかもしれませんが、アイデアの段階からスムーズに進めることができたと思います。

簡単なゲームでありながらゲーマーのテスターにも好評をいただいている印象です。
ゲーム自体も数ラウンド遊ぶことを基本としていますが、1ラウンドにかかる時間が短いため、キリの良いところまでの時間調整で、重いゲームの合間に遊ぶのにも適しているかもしれません。

 

■メカニクスのポイント
このゲームの面白さはカードを出すか引き取るかの駆け引きにあると思っています。
カードはなるべく引き取らない方が良いのですが、手番が1周してしまうとさらに多くのカードを取らないといけない、という場面にゲームをやっていると何度も出会うと思います。そのため「この流れなら行けそう!」「今回は無理かも!」と状況を判断しながら、上手くリスクマネジメントをしていく必要があります。カードを引きとる決断も試されるゲームだと思っています。

運の要素もありますが、手札の数や他の人の動きなどをよく見ることで、ゲームを自分のペースにコントロールできるため、経験を積めば上手になっていく実感も持てると思います。

 

■テーマ
プロトタイプの段階で既に野菜がテーマだったのですが、悪魔は一切出ず、オヤブンの野菜は腐った野菜として登場していました。
ゲームのイラストを作っていく過程で、擬人化した方が見た目もかわいいし、引き取りたくない感が出るのでは、という方向から、野菜に顔を入れて悪魔っぽくしていこうという流れになりました。
世界観も野菜を残した子どもが夜に見た夢の話、というフレーバーを入れることで、ゲームメカニクスとテーマが矛盾なく両立するようになったと思います。

 

■あくまやさいの正体(フレーバーの話)
私は普段、児童福祉に関する仕事をしているため、子どもの偏食の話に触れる機会がよくあります。
子どもが食べたがらない食べ物には、食物アレルギーや味覚過敏、触覚過敏、カラダが受け付けないなど、それなりの理由が考えられます。
偏食への指導の在り方も昔とは違い、食べたがらないものを無理に食べさせようとするのはやめよう、という考えに変わりつつあります。
そういった視点で見ると「あくまのやさい」は野菜を食べない子どもへの罰として現れるのではなく、野菜嫌いの子どもへ無理に野菜を食べさせようとする大人たちによって産み出されているとも言えます。
もし子どもとこのゲームで遊ぶ機会があったなら、そんなことも頭に入れつつ楽しんでもらえたらと思っています!

 

詳しいルールについてはPDFをご覧ください!

あくまのやさい ルールPDF