符亀 @Hu_games
ゲームマーケット2017秋より参加させていただいております、符亀と申します。
拙作「マジカルカナグル」「愛羅武粋逸」「ロングロングマホウ」「超超長城」「ツミカブリ」「リーサルチェックメイト」「インヴァージョン」「アマロン」「バックハンダー」「皇継の書状」「サイクリアン」「シリアリアン」については、ゲーム一覧ページをご覧ください。
- 新作トリテの「レーンフォロー」について
- 2020/8/10 19:14
皆様こんばんは。符亀と申します。
今回は、新作トリックテイキング「インヴァージョン」に向けて開発した新システム、「レーンフォロー」についてご紹介いたします。
・そもそも普通の「トリックテイキング」「フォロー」とは?
「レーンフォロー」のご紹介の前に、一般的なトリックテイキング、およびそれにおける「フォロー」についてお話しします。トリックテイキングをよくご存じの方は、ここは読み飛ばしてください。
トリックテイキング(以下「トリテ」)とは、トランプなどを使って行われるカードゲームのジャンルの1つです。プレイヤーが各ターン(トリック)に手札を出し、全員が出したらそのトリックでの勝者を決めるというのを繰り返し、最終的に一番多くのトリックで勝った人がゲームの勝者となる、というジャンルです。
そのトリテにおいて、その多くで使われるシステムが「フォロー」です。ゲームによって細部は異なりますが、基本的には「フォローすべきカードと同じマーク(や色など)のカードを出すこと」を意味します。
一番わかりやすい例が、「親のカードへのマストフォロー」でしょう。これは、最初にカードを出した人(親)のカードと同じマークのカードを手札に持っているならば、それを必ず出さなくてはならない、という縛りのことです。これにより、うまく親になり続けながら他の人の出せるカードを縛り、トリックを獲得し続ける。多くのトリテの醍醐味こそ、この「フォロー」といえるでしょう。
しかし、従来の「フォロー」には欠点もあります。一番の難点が、「どの手札をいつ出すべきかの見通しが立てづらい」ことだと思います。
基本的なルールでは、「誰が親になって」「どういう戦略をとって」「何をフォローすべきカードに指定してくるはずだから」「自分はこれをいつまで残さないといけなくて」「だから今これを出す」という思考を全トリック分(少なくとも勝ちたいトリックの分)めぐらせなければ勝てません。ぶっちゃけ慣れていないと無理です。慣れていても、計算が狂うと一瞬でボコボコにされることも多いです。
これを解決するため、例えば「山札からランダムに1枚引いてそれにフォローする」ことで戦略性を薄れさせるなどの変則ルールもいくつか作られています。しかし、この見通しをよくしつつ、かつ自分で考える楽しさは残すような仕組みを新しい「フォロー」システムを作ることで生み出したゲームは、私の知る限りありません。私の知る限りって便利な言葉ですね。
そこで今回「インヴァージョン」では、新システム「レーンフォロー」により見通しをよくし、かつその補足システム「インヴァージョン」によってフォローするカードを支配する気持ちよさを確保することを目指しました。
・「レーンフォロー」
レーンフォローとは、手札として配られなかったカードを1列に並べて「レーン」を作り、そのカードに順番にフォローしていくシステムです。
たとえば、残ったカードが「ハート、スペード、スペード、…、クラブ」という順番で並んでいるなら、1トリック目にフォローすべきカードはハート、次とその次は2連続でスペード、…というのが一目瞭然でわかります。
このレーンと手札を見比べることで、「どのトリックで勝つべきか」「そのためにどのカードを残し、代わりに今何を出すか」を見通しよく計算できます。
「レーン」のイメージ図。(Udonariumのデフォルトのトランプをイメージに使用)
しかし、この「レーンフォロー」だけでは、決められたカードにフォローすることしかできません。トリテの醍醐味である「フォローすべきカードの選択によりゲームを支配する快感」が、これだけでは得られません。
そこで、本作ではその補助システムとして、「インヴァージョン」システムを導入しました。
・「インヴァージョン」システム
このシステムは、「今回フォローすべきレーンのカードと自分が出したカードの数字が足して11なら、レーンのカードと出したカードが入れ替わる」というシステムです。
これにより、
- レーンのカードを変え、フォローするマークを変更する
- レーンのカードを奪い、自分のカードを強化する
ことができます。
例えば、「レーンの前半にはスペードが、後半にはハートが固まっている」という状況を考えてください。
このとき、プレイヤーは皆「後半のためにハートを温存しておきたい」と考えているはずです。
そこで前半の「スペードの9」に対して「ハートの2」を出し、レーンのカードをハートに書き換えたとします。
すると、他のプレイヤーは書き換えられたハートにフォローしなくてはならず(このゲームは、フォローできるならしなくてはならない「マストフォロー」です)、後半用の大事なハートを出さなくてはいけません。
さらに、自分の出したカードは9に変わっており、元の2に比べて一気に強化されています。(このゲームでは、ざっくりと言えば一番数字が大きいカードを出した人がそのトリックで勝ちとなります)
このように、うまく「インヴァージョン」してレーンを書き換えることで、相手の計算を狂わせつつ試合展開を有利にできる。これが、本作「インヴァージョン」の特長です。
以上、本作の基幹システム2つをご紹介いたしました。
現在アート面での制作も進んでおり、サムネイル画像のロゴのようなオシャレテイストでまとめられるよう鋭意励んでおります。
次回は、またなにかアートが完成した際などに投稿させていただきたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。