Popipopo Games @bookstanax
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- 「モンスターハ2度倒セ」制作秘話
- 2020/4/24 11:29
今回は「モンスターハ2度倒セ」の制作秘話を書いてみたいと思います。
カード運に依存しすぎない
アイデアを思いついたのは「鏡の迷宮のドラゴン」の制作後でしたが、きっかけはサイコロについて考えていた時のことでした。
サイコロの数字は、1つずつの差しかありませんが、倍数で考えると6倍も差があるんです。すごろくで考えてみても「1」を連続で出してしまうと、思いっきり差が開いてします。
仮にマリオパーティーのような特殊サイコロ「3、3、4、5、6、6」のとかが普通に手に入れば、かなり面白いのにとか思っていたのですが、カードゲームでも同じなのではないかと考えました。つまり「1」が一番小さいカードだという先入観があると思ったのです。
「5」~「10」くらいの数字カードを用意して、2枚の合計で競う「ハゲタカのえじき」のようなシステムはどうだろうと、検討を始めました。
目指したのは運の要素は残しつつ、でも依存しすぎないゲーム。わずか「1」違うカードを出すだけでゲームの展開や手札の内容が変わっていく。そんなプレイ感覚としてのゴール地点は漠然とあったように思います。
まずは初期手札を「4、5、6、7、8、10」の各1枚、合計6枚(無属性)の同じ条件にしました。
一方で4人プレイの場合、補充する剣のカードは全て属性付きです。モンスターと同じ属性の剣を使ったら、ダメージをプラスして与えられるというのは、子供から貰ったアイデアで、即採用しました!
補充するカードが強すぎないようにしつつ、タイミングが合えば強くなる、とても良いルールだと思います。
最後まで気が抜けない戦いに
「2度倒せ」というタイトルにも繋がるのですが、獲得した点数に比例して、最後にもう一度、強いカードが必要になるルールも考えてみました。
各ラウンドでは、プレイヤーは次にどんなモンスターが出るのか分からないので、強いカードを使うのか、それとも温存するのか迷うようになっています。
ですが最終ラウンドだけは、最も強いカードが出せてしまいます。ゲームを最後まで諦めないように、逆転の可能性は残しておきたい。途中で獲得したコウモリを、最後にもう一度倒すことで勝利点として確定するアイデアは、ちょっと面白いと思います。
良い勝負になるように
常に良い勝負になるように、強さの平均化というのを考えました。剣は必ず補充する必要があるので、弱いカードを出した人は、使用済みのカード1枚と山札から1枚補充出来るようにして、強いカードが巡ってくるというルールを加えました。
一方で、きちんと勝敗が決まるように、人数に合わせて戦うラウンド数を設定しました。
ラウンド数を人数で割ると下記の通りになります。
・5ラウンド/2人の場合、2.5
・7ラウンド/3人の場合、2.333
・9ラウンド/4人の場合、2.25
つまり出来る限りプレイヤーの強さを平均化することで、2回までなら勝てるようになる。その中で3回勝つプレイヤーが最終的に勝利する可能性が高いという訳です。
ルールは多少複雑かもしれませんが、8歳くらいの子供でもちゃんと把握でき、しかもウケが良いです。
ぜひ、遊んでみてください!