コザイク

『キャット&チョコレート』シリーズ、『シャドウレイダーズ』、『エムブリオマシン』、『ゲスクラブ』、『ぼくらなかよし』、パッケージ型マーダーミステリー『九頭竜館の殺人』、『人狼村の祝祭』、『あの夏の囚人』などを出版している株式会社コザイクです。

『ダイスニコフ』レビュー
2019/5/19 20:20
ブログ

RAM CLEARさんの2人用ボードゲーム『ダイスニコフ』を遊ばせていただきました。

基本的なルールは、

・各プレイヤーの前に1〜9までのカードが1枚ずつ並んでいる。
・自分の手番ではダイスを2個振り、出目の合計に、あるいは合計をふたつに分けた数字に対応する相手のカードを破壊する(たとえば出目が4と5なら合計は9、相手の「9」のカードを破壊しても良いし、「1と8」や「2と7」などを破壊してもOK」)。
・破壊できない出目が出たらバースト。
・手札で出目操作可能。
・両プレイヤーがバーストまたはパスしたら上陸戦フェイズ。
・破壊されなかったカードに書かれた兵力を使い、プロッティング(バッティング)形式で陣地の取り合い。

といった感じ。

要素はそれなりに多いのですが、いずれもわかりやすく忘れにくく(これ重要)、すんなりゲームを始めることができました。このサクサク感、長いルール説明を聞くのがしんどくなってきた身としてはとてもありがたいです。



そう、このゲーム、かなり好みでした。RAM CLEAR/海猫沢めろんさんと「お互いのゲームをレビューしましょう!」という話になり、「これでもしめろんさんのゲームがおもろなかったらどうしよう」と少し不安になっていたのですが、杞憂でした。

美麗なアートワークやカードのネーミングセンスも抜群なのですが、個人的にいちばん気に入ったのは「出目操作が楽しめ、かつインタラクティブ要素の強いダイスゲームである」という点です。

『ダイスニコフ』にある「カードに書かれた能力を駆使してダイスの出目を操作する」という要素ですが、これを売りにした作品といえば、(手前味噌ですが)『王への請願』が真っ先に思い浮かびます。

『王への請願』(新版)が4年以上にわたって売れ続けていることからも明らかなように、この「出目操作」というプロセスはとても楽しい。やっていて気持ちがいい。ただ『王への請願』の場合、出目操作によってより良い結果を出す、という行為に他プレイヤーが絡む要素はほとんどありません。

一方『ダイスニコフ』の場合、「相手プレイヤーの場の状況」そして「島(得点に直結するエリア)の支配状況」が出目の選択に強く影響してきます。まさしく「生身の相手が目の前に存在するからこそ楽しめるゲーム」と言えるでしょう。

最近は「多人数ソロゲー」が増えており、その理由は「直接相手を殴るようなプレイが敬遠されるから」といった説を耳にしました。「将棋やオセロ、TCGがガチの殴り合いでも許されるのは2人用だから」「2人用だと『なんでおればっかり攻撃するんだよ!?』という不公平感が生まれない」という説も。

そう考えると、しっかりとしたインタラクティブ性を備えた『ダイスニコフ』の「2人専用」という選択はとても理にかなっています。

繰り返しになりますが、しっかりとしたインタラクティブ要素を備え、かつ手軽に「出目操作の快感」が楽しめる『ダイスニコフ』。おすすめです。

※すみません、あまり写真を撮っていませんでした。
実際のコンポーネント画像についてはこちらの予約サイトをご参照ください。