YOMI DIVER @yomidiver
ゲーム概要
プレイ人数 | 2〜4人 | プレイ時間 | 15〜分 |
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対象年齢 | 9歳〜 | 価格 | 0円 |
発売時期 | 予約 | 不可 | |
ゲームデザイン | David Sirlin (Sirlin Games) | イラスト・DTP | Long Vo, Genzoman, Conner "BT" Townほか |
ゲーム詳細
『YOMI』はトランプ54枚(2枚のジョーカーを含む)で1人のキャラクターを表現し、
TVゲームの格闘ゲームとアナログゲームを絶妙に融合させた、驚異と奇跡の「対戦格闘カードゲーム」だ。
デッキ1つでトランプとしてももちろん遊べるが、トランプを知り尽くしている方も
是非、手に取ってみて欲しい。
2ndエディションになって、スートも重要な役割を持つようになり、遊べば遊ぶほど、うならされる
システムや工夫が発見できるだろう。
数札は通常の「打撃」「投げ」「防御」「回避」、
絵札は「必殺技(打撃、投げだけでなく、防御や回避もある!)」
Aは「超・必殺技(同じく超・必殺回避や防御もある。)」ともいえる重要なカードだ。
ジョーカーは「ターンの最初に使用に成功すると、Aが2枚回収できる。」または
「相手の連続技のダメージを無効にし、自分は山札から2枚引ける」の2種類の効果がある。
基本的に、カードは使い捨てなので、計画的なカード運用が必要だ。
基本ルールは1対1の2人対戦であり、相手のHP(ヒットポイント/体力)を先に0にしたプレイヤーが勝利する。
プレイヤーは相手への「行動」を決め、そのアイコンを相手に向けつつ、カードを伏せる。
お互いのカードがそろったところで、同時に表向きにして、行動の勝敗を決めるところから始まる。
行動は「打撃(赤)」「投げ(黒)」「防御(青)」「回避(藤色)」の4つが基本。また、先述の「ジョーカー」を選んでも良い。
「打撃」は「投げ」に勝ち、投げは「防御」と「回避」に勝ち、「防御」と「回避」は「打撃」に勝つ。
(※ジョーカーは「打撃」「投げ」に勝ち、Aを2枚回収できる。そして「防御」「回避」に負ける。相手もジョーカーなら、
2人ともニヤリと笑って、お互いAを2枚回収しよう。)
「打撃」や「投げ」が決まると手札状況により「連続技/コンボ」が撃てる。
「防御」が成功すると、山札から1枚カードが引ける(ほとんどのキャラクターにとって、手札は多い方が良い)。
「回避」に成功すると、相手に一撃だけ「反撃/カウンター」ができる。
これが基本中の基本ルールだ。「なぁんだ。」とガッカリするには、マッハレベルで早すぎる!
YOMIの欠点は「最初に覚えることが多く、ルール説明に時間がかかってしまう。」
「格闘ゲームの全てを再現しているわけではない(スピード感はさすがに無理でしょう?)ので、
格闘ゲームファン、ボードゲームファンの期待に応えられない場合もある。」これは認めざるを得ない。
そして、YOMIを好きでない人からは「所詮、高度なジャンケン」と揶揄されることもある。
だが、本当に「ただの高度なジャンケン」だろうか?
最初の行動判定だけがYOMIの全てだと思ってはいないだろうか?
ここからは、ゲーム内容やルールではなく、全く別な話をさせていただく。
面倒くさいと思った方はここで読むのを止めて、他のページをお読みいただきたい。
YOMIの更なる詳細ルールや、オンライン(PC/iPad/iPhone)などの詳しい案内をお求めの方は
YOMI @ wiki ver.2.0をご覧いただきたい。
YOMIには20人キャラクターが居る。それぞれ得意なこと、苦手なことがあり、
対戦キャラクター同士の「相性」がある。
そして、それぞれのキャラクターの能力ルールと戦略は、ボードゲーム、カードゲーム、
TVゲームの様々なテクニックや知恵、経験を要求される。
慣れれば1ゲーム15分以下で終わるので、ゲームの合間に挟むのも悪くないが、きっと気が付けばYOMIが
主体になっているだろう。チェス、将棋、囲碁、麻雀、バックギャモン、ポーカー…伝統ゲームだけではない。
プエルトリコ、バトルライン、カヴェルナ、カルカソンヌ、ドミニオンなどと肩を並べられる、
「頂点」を目指して切磋琢磨できる類のゲームなのだ。決して「ただの高度なジャンケン」ではない。
では、どんな人が『YOMI』に向いているのか?TVゲームの格闘ゲームファン。
現役の人に「フレーム概念があるよ。」と言うだけで、ほぼ100%興奮してくれる。素晴らしい。
ただ、格闘ゲームファンなら何でも良いというわけではない。
それぞれ、好きなタイトル、嫌いなタイトル、興味の無いタイトルがあるはずだ。
『YOMI』がお眼鏡にかなう作品ではない可能性もある。
「やっぱりTVゲームでないと。」という人もいるだろう。だが、候補者としては申し分が無い。
格闘ゲームファンにも、YOMIを広めたくて仕方が無いのだ。
「ああ~このキャラ、あのキャラがモデルなんだー!」とか「あー!この技、あのキャラの技のオマージュだね!」
などと喜んでくれるのを見るのは、私もなんだかやたらに嬉しい。
(ゲームとは直接関係が無いが、Fantasy Strikeシリーズの世界観とキャラクターはさまざまなゲーム、
小説、映画、漫画などのパロディやオマージュが隠されている。
それらを探ってみるのも一興だ。しかしそれらを踏まえつつ、設定はきちんと独自なのがすごいところ。)
次。TCG(トレーディングカード)経験者。なかでも、Magic: The Gathering。
熟練者ほど、ルール説明の理解が早い。まったく恐れ入る。
ただ私は超超超短期間で脱落したので、デッキのタイプや特殊能力の用語でキャラクター解説をされても
申し訳ないが分からない。
(このため我々も今回のルール説明や記事で格闘ゲーム用語はできるだけ使わない方針でいる。)
ただ、YOMIはTGCとは異なり「そのデッキ1つで全て解決する」ゲームのため
「デッキ編成が命!」という方には「やはりTCGの方がイイナ…。」と思わせてしまうかもしれない。
上を目指せるゲームであるということはおそら共感していただけるだろう。
さて、ボードゲーマー。これを読んでいる皆さんだが、ここは定義が難しい。あまりに範囲が広い。
TVゲーマーがRPGが好きだったり、格闘ゲームが好きだったり、STGが好きだったりするように、
ボードゲーマーもパーティーゲームが好き、トリックテイキングが好き、好きな作家が居る、
このジャンルは苦手など、それぞれ事情が違う。
更に残念だが、「上2つに該当しない上、全くのボードゲーム初心者」のファーストゲームとしては
おそらくYOMIはかなり厳しい、もしくは避けるべきゲームだろう(自分からYOMIに飛び込んだ人を除く)。
正直に言って、ゲーム会でYOMIを紹介された時、最も理解が遅かったのは私だった。
「ボードゲーム歴が浅い(当時1年半)他の伝統ゲームの経験が殆ど無い
(オセロくらいしかやったことがない)、TCGの経験も無いに等しい」
というのが原因だと思っているが、ルールを理解できなかったことが悔しくて、
初めて「覚えよう!」と強く思った「戦略的ゲーム」だったのだ。
ここで先達が「wiki」を立ち上げて居てくださらなかったら、私は今こうして
ゲームマーケットには参加していない。
気が付けば、wikiを読み、その日のうちにオンラインに入会、2回CPUで練習しただけで、
対人戦に飛び込んだ。
やがて「覚えよう!」から「上を目指そう!」と人生で初めて思うようになる。
なので、あえて挙げるとすれば、私と同じ
「ボードゲームを始めたは良いが、自分のプレイングに課題を感じるようになった人。」
ではないのだろうか、と私は考えている。
YOMIの作者、David Sirlinも
「何かの頂点を目指す場合、必ず1つに絞り、あとは息抜きとしてやること。」
と自著に書いている。これを読んでいるあなたが仮にYOMIを好きになってくれて、
同じように始めても、YOMIの頂点は目指さないかもしれない。
それでも、YOMIがきっかけでプエルトリコやバトルライン、カルカソンヌ、ドミニオンなど、
名作ゲームの上を目指すようになったとしたら、私はすごく嬉しい(実際そういう人が身近に居る)。
私は、YOMIを始めるまでは、負けるのが惨めで2人対戦ゲームは避けてきた。
プエルトリコ、アグリコラなど「難しそう」と思うゲームも避けていた。
ゲームをやっていて、全く何の気なしに打った手が「なぜそんな非効率な手を打つの?」と指摘された
数もかなりあった。今は違う。2人ゲームに抵抗は無くなったし、プエルトリコ、アグリコラ、バトルラインも覚え、
中でもプエルトリコ、バトルライン、Last Willはかなりお気に入りだ。
もともとのひどく不注意な性質のため、ひどい手筋はまだ発生するものの、 数はだいぶ減り、
ゲームを台無しにするようなことはかなり少なくなった。
格闘技やチェスの練習のようにYOMIをするので、全く身に付かなかった英語でゲームを始め、
遠征を2回もしてしまい、こうして「ゲームマーケットでYOMIを広めよう!」というところまで来てしまった。
おかげさまで、今まで経験していなかったことをかなり経験することになったし、学ぶこともたくさんあった。
「上を目指そう」と初めて思えたゲームがYOMIだったのは、たまたま、全くの偶然かもしれない。
ただ言いたいのは、ドイツゲームの名作と全く遜色なく、このゲームはよく練られて作られているし、楽しい、面白い!
なぜか私の周囲は「アメリカゲームは大味」という風潮がある。そのなんだかよく分からない、変なイメージも払拭したい。
そしていつかはプエルトリコやアグリコラ、カルカソンヌ、ドミニオン、バトルラインと知名度が並ぶくらいの、
いや超えてしまうくらいの超有名ゲームになってほしい。
だから、まずとにかく遊んでみてほしい。百聞は一見にしかず。
中身はすでに保証済みなのだから。