Joyple Games @JoypleGames
ゲーム概要
- 苦手意識がある方も、これなら安心、全自動! おみくじ感覚、気楽にトリテ
- 認識と現実のズレを意識する、小さなアハ体験を積み重ねていくゲーム
- 全自動、半自動、そして全手動……ステップバイステップで理解が進みます
プレイ人数 | 2〜6人 | プレイ時間 | 1〜60分 |
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対象年齢 | 12歳〜 | 価格 | 500円 |
発売時期 | 2023春 | 予約 | 不可 |
ゲームデザイン | deztec | イラスト・DTP | イラストAC |
ゲーム詳細
「トリックテイキングゲームの入門」というスタイルで、新しいトリテ体験を提供する作品です。
第1章
最初のラウンドでは、配られた手札を、裏向きの山のまま、表は一度も見ずに、1人1枚ずつ、上から順に出して、トリックの勝敗を決めます。
悩む余地がないゲームのため、1ラウンドは、かなりゆっくり進めても3分以内に終ります。なので、参加者の習熟度を見て、必要なだけ、ラウンドを繰り返してください。
慣れた方には、かったるく思われるでしょうが、できれば、それでも3回程度、繰り返してみてほしいです。きちんと1枚ずつカードを出していくと、「予想が、案外外れる」ことに、気付かれると思うのです。
「勝ち確」と思ったカードが、思わぬ伏兵にやられてしまう。どうしてそうなった?
1ラウンドだけなら、何も意外なことは起きないかもしれません。が、3ラウンドほどやると、1~2回は「読み切れなかった」場面が出てきます。「全自動」だから、誰の意思も介在してはいません。ただの確率、です。それなのに、わからない。
この感覚を、楽しんでいただきたいのです。
第2章
次は、配られた手札を、裏向きの山のまま、表は一度も見ずに、リード以外は一斉に1枚出します。そして場の中で最強のカードを、最も早く正確に指摘したプレイヤーが、トリックの勝者となります。
トリテの進行自体は全自動ですが、勝敗はプレイヤーの対戦となります。
『全自動トリテ』にはマイナス点のカードがあり、トリックに勝っても嬉しくない場合があります。全員が勝者の指摘を避けた場合、トリックに勝利したカードを出したプレイヤーが、そのままトリックに勝利します。
1枚ずつ場に出てくれば容易に判定できるカードの強弱も、一斉に場に出てくると、判断に苦慮します。複雑なトリテで時々発生する、「まずトリックに勝ったのは誰なの?」問題を、ここでは早押しクイズゲームにしています。
第3章
さて、騒がしいゲームに疲れたら、また1枚ずつ出していくスタイルに戻しましょう。今度は、配られた手札を見ます(やっと!)。そして、カードの順番は一切変えず、マストフォローのルールにのみ従い、上から順に出していきます。
ここで再び、ゲームは全自動に復帰します。悩む余地なく、ルールに従い、カードを出すのみです。何も選択できないのに、面白いのでしょうか? 私は、面白い、と思います。勝てると思ったトリックで勝てない、捨てたつもりのトリックで勝つ……数ラウンド行うと、そんな場面が必ず生じます。
一種、映画を観る体験にも近いと思う。観客である自分には何もできない。なのに、心を揺さぶられますよね。
このゲームも、期待を裏切られたり、予想通りに展開したり、想定外のことが起きたり……人が介在しなくても、世界はこんなにも驚きに満ちていた、大袈裟にいえば、そんなことに気付かされると思うのです。
第4章
最初に全員が手札を公開し、30秒、お互いに観察します。そして、勝者を予想して投票します。後は3章と同じです。
30秒しかないので、じっくり読み切ることはできません。
ここで体験してほしいのは、他のトリテで配られた手札を見た瞬間の、期待も、絶望も、全くの的外れではないけれど、それほど高精度には当たっていない、という事実の確認です。
自分だけでなく、他のプレイヤーの手札まで、全部見えているのです。そしてカードが場に出てくる順番は、全自動で完全に決まっています。これだけの条件が揃っていながら、単に最多勝のプレイヤーを確実に当てることさえ、私たちにはできません。
「しょうもない手札」のはずが、なぜか勝ててしまう。いったいどうなっているのか。その認識と事実とのズレを、意識してみてください。
第5章
第3章の、手札非公開のプレイに戻ります。ただし今回は、プレイ可能な1番上のカード、または一番下カードから、いずれかを選んでプレイすることができます。
全員、マストフォローのルールには従います。誰が何をフォローできないのか、見えてきます。その情報を活かし、これなら狙い通り勝てる/負けるだろう……と思ってプレイするのですが、そうそう思うようにはなりません。
たったの二択。どちらを選ぶ、べきなのか。
選択肢を絞ることで、手なりのプレイを減らし、僅かなりとも「考えてみる」ことを促しています。たった二択だからこそ、適当にプレイしても、勝手に頭が何かを考えます。
トリックの一つ一つについていえば、「どちらでもよかった」となる場合も多いでしょう。しかしながら、ゲーム全体を考えるなら、「本当は、あっちの方がよかった」となることも、少なくないはずです。
第6章
配られた手札のうち、1枚だけ、任意の順番に変更できます。後は3章と同様の全自動。
……とまあ、こんな感じで、ふだんは「自由な選択の奔流」の中で意識しないようなことを、ひとつひとつ意識していくのが『全自動トリテ』です。