コトノハゲームズ sasaryou
ゲーム概要
- 「旅と魔法」のナラティブRPG
- 能力が異なる「魔女の子」と「魔獣」のコンビで協力してプレイ。
- 自由な魔法システム。世界にあるカケラを集め、絆の力で〈大いなる魔法〉をつむぎだそう!
プレイ人数 | 2〜5人 | プレイ時間 | 30〜180分 |
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対象年齢 | 12歳〜 | 価格 | 1,000円 |
発売時期 | 2021秋 | 予約 | 不可 |
ゲームデザイン | 藤浪智之 | イラスト・DTP | 佐々木亮 |
ゲーム詳細
『魔女と獣とふたり旅』は、ちいさな魔法使いである「魔女の子」と、人外のちからを持つ「魔獣」になって、コンビでファンタジー世界を旅するテーブルトークRPGです。
【テーブルトークRPGとは?】
テーブルトークRPG(TRPG)とは、審判であり進行役である「ゲームマスター(GM)」と、1人がひとりのキャラクターを担当する「プレイヤー」によって行われます。一定のルールに従い、ダイスなどで判定を行い、会話で進行します。協力型ゲームであることが多く、戦闘や闘争が行われることもありますが、最終的な目的は、共にひとつの障害や謎に挑み、乗り超えることです。「参加する物語」というべき内容で、終わった後は、参加者それぞれが登場人物となった物語が、そこに出来ているような楽しさがあります。
【ナラティブとは?】
本作は「ナラティブRPG」を謳っています。
「Narrative」とは「語る物語」のこと。意味は場合によってさまざまですが、TRPGのような「自分が参加する物語」も表しているといえるでしょう。
このゲームでは、GMはもちろん、プレイヤーも積極的に「自分で語る」こと……背景設定や、場面の描写、あるいはストーリーそのものの進む方向について、参加・提案することを「ナラティブ・プレイ」と呼んで、推奨しています。
【プレイ人数】
本作は「ふたりプレイ用」TRPGでもあります。「魔女の子」と「魔獣」の2人ペアで行いますが、GMがキャラクターを兼任して、最低限「2人」でプレイすることもできます。また「2組目のペア」が参加することもできます。
すなわち、GMを含めて「2~5人」のいずれかでプレイ可能になっています。
プレイヤーは、それぞれ異なる専用シートを使って、キャラクターを作成します。
「魔女の子」は、「守護魔女」によるさまざまな奇跡や超自然的な「加護」と、人生の「経験」による日常的な「特技」を、それぞれ得ます。不思議と日常のふたつの面を持つわけです。
そして一番の特長は「魔法」を使うこと。
どうやって魔法をつかうか。その「魔法のわざ」は自分で決め、設定することができます。呪文によるもの、錬金術のような調合術、図形の組み合わせによる魔法陣(魔法円)。あるいは音楽や絵画、踊りや料理による魔法……などなども可能。ぜひあなただけの魔法を考えてみてください。
「魔獣」は、さまざまな「種族」による人外の力である「異能」を持ち、ヒトにはできない「魔獣行動」を設定します。
猫や狼、ドラゴンやゴーレムなど、いくつかの種族と異能のデータは用意されていますが、その組み合わせや、あるいは自分で設定することにより、ほかの幻獣や魔物になることもできますし、あるいは、あなた自身がオリジナルの魔獣を加えることも可能です。「翼を持ち空を飛ぶ猫」など自由に考えてみてください。
魔獣が持つもうひとつのちからは「絆」です。魔女の子との絆を意味する〔絆ポイント〕は、魔獣キャラクターが管理・使用することになっています。これを使えば、運命に介入し、相方も自分も助けることができます。また〔絆ポイント〕が尽きたとき、あなた自身の大事な物品や記憶、あるいは身体そのものを意味する「まだ残っているもの」を使って運命に介入できるのも、魔獣だけが持つ切り札となります。
それぞれのキャラクターができたら、共に旅するふたりの「旅の目的」や、互いの「関係」。そして対になった刻印や身体特徴・同じ音を含んだ名前など「絆のしるし」を決めます。ふたりで相談して、どんなコンビなのか考えていきましょう。
魔女の子と魔獣。どちらのキャラクターのデータも、1から自分で決めて作成することができますが、本書には各6・計12の「サンプルキャラクター」も用意されています。
渡る風の魔女(ほうきで空を飛び、歌で魔法を使う)
小さな森の魔女(森の加護があり、薬草術をつかう)
冒険少年(火の加護があり、工作した道具という魔法を使う)
賢者の弟子(土の加護があり、書く「魔法円」で魔法を使う)
旅する商人(商売という魔法を使う、魔女の加護を得た旅商人)
幸いの幼子(幸運という魔法を授かった、本人はかよわい存在)
魔女の猫(外見はふつうの猫だが、魔力で相方を助ける)
魔狼(ヒトの姿にも変身できる、誇り高き狼)
約束のドラゴン(火を吐く竜。盟約により相方と旅する)
生きてるリュート(魂が宿った魔法の楽器)
自分をさがす幽霊(記憶を失い、旅のなかで探すゴースト)
さいごの守護者(相方を守るため、最後の旅に出たゴーレム)
あなたはこれを使って、すぐに旅をはじめることもできますし、一部変更して使用したり、それを参考にキャラクターを作ることもできます。性別・年齢・外見の変更は自由なので「魔女の猫」を(黒猫ではなく)トラ縞や三毛猫にしたり、「冒険少年」を「冒険少女」や「冒険老翁」にしてもOKです。
【ルールシステム紹介】
ゲームプレイは、2人で協力してマップを描いていくことによって進行します。
そこで見つけたものは「ピース(カケラ)」と呼ばれ、マップに書き込まれていきます。これは、ゲームのなかで、利用できる状況や環境になりますし、また魔法の材料にもなります。
判定システムは、6面体ダイスを多数ふり、一定の出目以上が出たダイスを「成功ダイス」として、それが何個あったかで、どれだけの成功になったか判定する、というものです。
振ったなかに「1」の出目があれば「災いダイス」となり、様々なトラブルが発生してしまいます。「災いダイス」は「成功ダイス」で打ち消すことができますが、成功数を減らさないため、あえて「災いを受ける」という選択もあります。
そして、魔獣キャラクターの〔絆ポイント〕を使えば、運命に介入して、ダイスの出目を動かすことができます。
(〔絆ポイント〕が尽きたら「まだ残っているもの」も投じるか、決断することになります)
そうやって活動していくと、舞台のマップが出来上がっていきます。
その場所でおきている出来事や事件に介入するか、どうやって解決するかも、あなたたちに任せられています。
(このままでよい、自分たちには関係ない、と去ることも、ひとつの選択です)
そのいっぽうで、条件が整うならば、大いなる魔法〈グラン・マジック〉を使うことができます。これは、その場所自体に大規模な魔法をかけて、環境そのものを変化させたり、あるいはその地の呪いを解いたり、魔法の歪みを正すというものです。
この〈グラン・マジック〉の判定にも「成功数」と「災い」が起こりえます。奇跡を起こして長くその地に、あなたの伝説に残るかもしれませんし、解決したものの妙な習慣が生まれてしまったり、事実と異なる伝説が伝わってしまうかもしれません。
【旅する世界と物語】
背景世界として、サンプルワールド「瑠璃(るり)色の大地」が用意されています。
(広大な大地に、島のように小王国や都市・村落が点在し、世界全体に潮流のように魔法がめぐっている世界です)
これに参加者が、自分の「世界の決まり」(○○という食べ物がある、等)を加えたものが、実際に旅する世界となります。
また、参加者全員で、1から「世界の決まり」を決め、オリジナルのワールドを設定して、そこを旅することもできます。
本書には、4本のゲームシナリオが掲載されています。
シナリオ規模を意味する「シナリオ値」が1~4のシナリオが1本ずつ。プレイ時間30分のごく短いものから、プレイ時間2時間程度のものまであります。
『旅の道で出会ったもの』(シナリオ値1):旅の道での出来事を扱う、ごく短いシナリオ。最初に体験してルールを覚えるためのお試しプレイにも向いています。シナリオ内の出来事が変化するため、何度かプレイすることもできます。
『雨宿りの洞窟』(シナリオ値2):洞窟を舞台にした小さなシナリオ。内容も変化するので、何度かプレイすることができます。
『夢見る泉』(シナリオ値3):ある森のなかにあるという魔法の泉を探るシナリオ。発見した泉をどうするか、という選択もあなたが決めることになります。
『きえた名産品』(シナリオ値4):名産品のウワサをきいて、その村へ行ってみると……というシナリオ。村を舞台に調査活動をします。謎がとけるか、どう解決するかは、あなたが選択することになります。
また、あなた自身がシナリオを作るための「シナリオメイクガイド」も用意しました。これを読めば、あなた自身のオリジナルシナリオをつくることもできるでしょう。アイデアの元になる5つの「シナリオのタネ」も付いています。
さらに、シナリオを用意せず、参加者全員で舞台やそこにある場所自体を考えていく「フリーシナリオ・ツーリング」という方法も収録されています。
まず「どんな舞台か」を参加者が1つずつ言葉を出して持ち寄って決めます。プレイ中は、その言葉から新しい言葉を導き出していき、舞台も物語も作られていきます。
自分自身が出した言葉が重要な意味を持ちつつ、ほかの参加者との共同作業によって、どんな意外な方向に進むかわかりません。
まさに「行き先不明の旅」の面白さがあるでしょう。
【さあ、「旅」に出よう!】
このゲームのテーマは「旅」です。
ナラティブ・プレイによって、会話で描写を広げていくと、ゲームのなかで出会った景色や出来事も、豊かな色彩をおびてくるでしょう。
ひとりだけの考えではない、参加者みんなの発想と会話の組み合わせによって、思いがけないような景色が生まれるかもしれません。
テーブルで(あるいはネット上で)会話しながら、本当に旅をするような体験ができ、ゲームが終わってみると、参加者みんなで旅行したような「旅の体験」も残るはずです。
さあ。「魔法」を手に「旅」に出ませんか?
追記:サポートについて(2021.12.9)
下記サイトで、ゲームに使用するシート類PDFと、エラッタ(正誤表)データの無料ダウンロードを行っています。
→魔女と獣とふたり旅・付属データDLセット