Joyple Games @JoypleGames
ゲーム概要
- 止まると死ぬ巨獣になって世界を壊す!
- ド派手な紙ペンゲーム
- レガシー系一筆書きパズル
プレイ人数 | 2〜6人 | プレイ時間 | 10〜20分 |
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対象年齢 | 6歳〜 | 価格 | 500円 |
発売時期 | 2019秋 | 予約 | 可 |
ゲームデザイン | deztec | イラスト・DTP | イラストAC |
ゲーム詳細
地図帳に巨獣の進撃ルートを書き込んでいくゲームです。
「一筆書きパズル」とある通り、自他問わず一度通った道は通れない制限の中で、どれだけ巨獣を歩かせられるかを競います。
地図帳は3種類あり、「東京23区」「日本」「世界」から選べます。東京マップは最も線が多く、1ゲームが長時間化します。世界地図は最も線が少なく、1ゲームがすぐに終了するため、初手からよくよく考えないとなりません。
1ゲームにつき1ページまたは見開き2ページを消費します。添付の地図帳で、20回くらい遊べます。その後は、適当な地図帳を買い足して遊んでいただければと思います。
見た目はユルいですが、運要素ゼロの、どストレートな完全情報ゲームとなっています。
見た目もルールも全く違いますが、『巨獣大進撃』は『Crystareak』から派生した作品です。
『Crystareak』は当初、平面のタイルを並べてボードにする作品でした。それが「紙を破る」アイデアによって立体化&高級化し、唯一無二の作品になりました。素晴らしい作品になったと感嘆する一方、価格も相当に高くなったため、「庶民価格の廉価版もあった方がいいんじゃないか?」と強く思うようになります。そこで作ってみたのが、『ハニーコレクト』という作品でした。
ハニーコレクト_お気楽版v2(PDF)
ハニーコレクト_職人仕様v2(PDF)
見た目は悪くないのですが、実際にプレイしてみると、チップの初期配置があまりにも面倒でした。『Crystareak』ならクリスタルを入れるマスが凹んでいるから適当に放り込めるのですが、ボードが平面だとていねいにチップを置いていく必要があります。配置するチップが100枚もあるため、この小さな差が無視できませんでした。
ところで、初期の『Crystareak』は通過した箇所のクリスタルを全部取れる仕様でした。ただしクリスタルを取ると、二度とそのマスを通れなくなるため、クリスタルを取るか残すかが悩みどころ。対戦の場合、相手の邪魔になりそうな箇所だけクリスタルを取って通行不能にする、といった戦術も取れました。
『ハニーコレクト』の課題は、チップの配置が面倒なこと。ならばチップを全て排除してはどうか? チップの取り合いという要素を抜いても、「誰かが通った道は、もう誰も通れなくなる一筆書きパズル」というゲームメカニクスが、ちゃんと残る。プレイの面倒が大幅に減り、コストも下がる、いいことづくめじゃないか。
そう考えて作ってみたのが、『一筆書き対戦』です。
(ここに画像があったのですが、ゲムマ公式のサーバーが攻撃を受けた際に消えてしまいました)
使い捨てのボード、6色のペン、トランプ、サイコロ、プレーヤーコマ、得点ボード……ずいぶん、要素が多い。私のゲーム作りは、最初は複雑で大げさだったものを、だんだんコンポーネントを減らし、ルールを削ぎ落していく、ダイエット方式です。
使い捨てのボードというレガシーシステムは、ボードがあまりにもシンプルで寂しかったのと、同じボードで繰り返し遊ぶと必勝法が見つかりそうだったこと、そして「全部で100種類のボードで遊べる!」といった数を売りにした宣伝文句を付けたかったこと、などから出てきたものです。じつはこれが、私のレガシー系への第一歩でした。
後からいろいろ理論武装して「レガシー系アブストラクト」という概念を打ち出すことになりますが、最初は「たまたま思いついた苦肉の策のひとつ」に過ぎませんでした。
さて2019秋のゲムマで『一筆書き対戦』を500円で売ろうと考えたものの、このままでは目を引く要素が何もない。売るためにはまず知ってもらう必要があり、そのためには「キャッチーな何か」が必要だと思いました。
(ここに画像があったのですが、ゲムマ公式のサーバーが攻撃を受けた際に消えてしまいました)
ゲームのコンポーネントになりそうなものを100円ショップでいろいろ買って毎日眺めていたところ、天啓に導かれて『巨獣大進撃』が誕生しました。
(ここに画像があったのですが、ゲムマ公式のサーバーが攻撃を受けた際に消えてしまいました)
きっかけは、これまたくだらないことです。「100種類のボード」という売り文句を実現するコストにずっと悩まされていて、ずっとそのことを考えながらダイソーの大型店舗をあてもなくさまよっていたら、「ダイソーが100円の本をたくさん扱っている」ことに初めて気付いたのでした。
そのダイソーの100円本の中に地図があり、それを手に取ってパラパラしたとき、頭の中で何かがスパークして、動物や恐竜のフィギュアと結びつきました。
私は幼少の頃からゴジラ映画が大好きで、怪獣が人類などものともせず全てを破壊して回るシーンに、魅入られています。たぶん、その感覚があったから、「巨獣が街を破壊する」ゲームが瞬間的に完成したのでしょう。
ゲームの核となる部分は、こうして完成しましたが、その後の調整に手間取りました。
テストプレイしてみると、地図に対して巨獣フィギュアが小さく、お互いあまり絡まない。広いマップ上で、それぞれの領域でモソモソ動くだけ。これでは面白くありません。いろいろ検討した結果、巨獣フィギュアを二回り以上大きなものに変え、「1手番で3歩進む」ことにしました。これで各プレーヤーの巨獣の進路が絡みやすくなりました。
しかし巨獣を大きくしたら、ボード上がフィギュアで埋まってしまい、状況がわかりにくくなりました。また大きな立体のフィギュアは、他のプレーヤーの操作時に手が当たりやすいことも問題でした。そこで、1つの巨獣フィギュアを共同で使うことにしました。各プレーヤーの現在位置はカラーキューブのコマで示すのです。
そうして、現在の『巨獣大進撃』が完成しました。
『坊主ガチャ』の記事では、『坊主ガチャ』が私の初作品となっていますが、着手したのは本作品の方が早く、いちおうの形になったのも本作品が先です。最終的には本作品も「オリジナル」になったと自負していますが、本作品は入口が「他人の作品の廉価版を作る」でした。私の中で「自分の作品」としてまとまったのは、『坊主ガチャ』がいちばん早かったのでした。