劇団Question

はじめまして!サークル「劇団Question(クエスチョン)」と申します。
今回がゲームマーケット初参加です。

開発中の新作カードゲーム『シュレディンガーの猫系彼女』をお持ちします!

テーマは 量子力学×恋愛。
色んな表情の〝彼女〟を「観測する?しない?」でその本心を確かめるか、あえて時間を置くかで駆け引きをする、ゆるくてシンプルなパーティゲームです。
価格 ¥2,000/プレイ人数:2〜4人 / 対象年齢:10歳〜大人まで / プレイ時間:10〜20分(予定)/ 出展:11/22(土)のみ)
ぜひお気軽にお立ち寄りください!
「笑顔」と「怒り」と重ね合わせ状態……あなたの恋の行方は観測してみるまでわからない!?

【シュレカノ】どこがどう“量子”なのか?(改めて) ちょっぴり真面目なサイエンス解説
2025/11/18 23:04
ブログ

■ 《シュレディンガーの猫系彼女》はどこがどう“量子”なのか

こんにちは、劇団Questionです🎭
ゲムマ本番がすぐそこまで迫ってきております……!

そこで改めまして、《シュレディンガーの猫系彼女》をより楽しんでいただくための"ゆるふわサイエンス解説記事"について、
再掲させていただきます!
 

《シュレディンガーの猫系彼女》
  💰 価格  ¥2,000
  🐱 プレイ人数  2〜4人
  🎂 対象年齢  10歳〜大人まで
  ⏱️ プレイ時間  10〜20分(予定)
  📍 出展ブース  土曜のみ/X05
  📦 予約フォーム  https://forms.gle/mZzx9tpR8E5P3ttc9


「よく分からんけど、なんとなくこういうものなんだな〜🤔」くらいの気持ちで、用語や雰囲気を掴んでいただければと思います。
 

※なお、ゲームそのものは30秒で分かる簡単ルールですのでご安心ください!👉30秒ルール動画

 

■ そもそも「量子」って何?

……という疑問がまず浮かぶかと思いますが、
ざっくり言うと原子や電子のように「超ミクロな世界で、”量子力学”にしたがって振る舞う粒子とかのこと」です。
(厳密にはエネルギーの単位のことを指すとか、“量子的に振る舞う粒子”という形容詞的な使い方が正しいとか言う話もあって、あまり深掘りすると「素人質問で恐縮ですが……(ゴゴゴゴ)」と専門家の先生から即死攻撃を受けて強制敗北イベントになるので、このへんでやめておきましょう😇)

とにかく今から100年ぐらい前、この宇宙にはアインシュタインが提唱した主にマクロな世界を支配する「相対性理論」と、もうひとつミクロな世界を支配する「量子力学」の物理法則=自然界の2大ルールがあることが発見されました。


そしてこの量子力学で言うところの“量子的な振る舞い”には、一般常識に反する性質があります。
代表的なところでは、

  • 波の性質を持ちながら、粒の性質も持つという"波動と粒子の二重性"
  • 複数の状態を同時に持ち、観測されるまでどちらの状態に収束するか確率でしか分からない"重ね合わせ"
  • 2つの粒子がどんなに遠く離れていても、まるでお互い通じ合っているかのように、片方の状態が決まるともう片方の状態も決まるという”量子もつれ”

すでに「なんのこっちゃ🤗 」という感じですが、あまりにも不思議なのでかのアインシュタインでさえ信じきれなかったというエピソードは有名ですし、私たち一般人にとってもにわかに信じづらいポイントです(そしてともすれば、スピリチュアル的な怪しい方向性にも結びつけられやすいのが難点だったりします…)。

しかしとにかく、言わば"自然界の裏ルール"のごとく、ミクロの量子の世界⚛️ではそういった現象が実際に起こっているのだ…ということを人類は提唱し、確かめてきました。

最初はニールス・ボーアやハイゼンベルク、そしてシュレディンガーなど、偉大な物理学者たちによって理論として確立——やがて様々な実験によって証明されていき、最近では量子コンピュータなどで話題ですが、実は半導体やレーザー、GPSなどの原子時計といった日常技術にも応用されていたりします。

 

■ シュレディンガーの猫って?

さて、タイトルに使われている「シュレディンガーの猫」は、この中で特に量子の”重ね合わせ”という性質について、かつて物理学者のエルヴィン・シュレディンガー先生が提唱した思考実験から来ています。

これは先ほども申し上げたとおり、原子や電子が観測されるまで位置や向きなど同時に複数の状態を取る性質——言わばオセロのコマが白でも黒でもあり、ガイスターのおばけが青でも赤でもあり得るような、「なんのこっちゃ」な性質だと思ってください👻

シュレディンガー先生曰く、もしここに重ね合わせ状態の量子が「A」と「B」のどちらに収束するかによってそれを検知し、結果によって箱の内部に毒ガスを噴出するという仕組みを発明した上で、その中にかわいそうな猫を閉じ込めてみたとします。つまり、量子が「A」に収束したなら装置が起動して毒ガスが箱の中に満ち、猫は死んでしまう。「B」なら装置は起動せず、猫は生きたまま……というジグソウも真っ青なデスゲーム的ガジェットです。
もしこういう状況を作ったら、ミクロの世界だけじゃなくマクロの世界にまで量子の"重ねあわせ"が現れることになるよね。つまり中の猫は誰かが観測するまで「生きている状態」と「死んでいる状態」の"重ね合わせ"ってことになるよね? え、量子力学ってやばくない? という例え話でした。

※もっとも、シュレディンガー自身は量子力学の生みの親の一人でもありながら、この現象には懐疑的な立場からこの話を持ち出したわけですが、名前のかっこよさとか微妙に中二心をくすぐるサイコな世界観設定も相まって(?)独り歩きしてしまい、量子力学は知らなくても「シュレディンガーの猫」という言葉は知っている、量子といえば猫だよね🐈‍⬛という状況を生み出すことになりました。

 

■ このゲームでは……

前置きが長くなってしまいましたが、《シュレディンガーの猫系彼女》は、まさにこの”観測するまで状態が確定しない”という量子の重ね合わせをテーマに作っています。

プレイヤーであるあなたは彼女との大事な記念日を忘れてしまい、おそるおそる帰宅します。ところが不思議なことに、彼女はなぜかにこにこと笑顔。良いことでもあったのか、あるいは逆に心底怒っているのか。あれえ、なんだろうこれ。どっちのやつ……? まさに観測するまでその本心は探れない、笑顔☺️と怒り💢の”重ね合わせ状態”というわけです。

そこであなたは、山札の上で微笑む彼女カードを前に、勇気を出してめくってその本心を観測するか、あえて大人しく伏せたまま未観測でキープしておいて様子を見るかを迫られる……というのがゲームの基本設定。

そして実際の量子がそうであるように、同じ重ね合わせでも「笑顔(0)」と「怒り(1)」のどちらに収束するかは完全に五分五分ではありません。

「どっちかというと笑顔に収束しやすい状態」とか「怒りに収束しやすい状態」があって、これはあくまで確率でしか推しはかることができないのです(それを示すため、このゲームでは例えば「80%」と書かれた彼女は、山札の5枚中4枚が笑顔で1枚が怒り、として表現しています)。
※なお当たり前ですがカードはめくられる前から本当の状態は決まっているわけですが、そこは皆様の脳内補完力もお借りして「めくるまで収束していない」つもりになっていただければ幸いです🥺

 

こうして箱の中の猫を観測するがごとく、彼女の心と場の空気を読みながらゲームを進めていくわけですが、この量子の”重ね合わせ状態”というのは実のところ、とってもデリケートです。そっと未観測にしていても、時間とともに勝手に壊れてどちらかに収束したりしてしまいます。※これをデコヒーレンスなどと呼んだりします。

《シュレカノ》でも、未観測を選択したプレイヤーは代わりにボード上の「時間発展チップ🕒」をめくらないといけません。そしてチップの効果次第では、せっかくそっと伏せておいたはずのカードをどれか強制的にめくらされたりします。
 


言ってみれば、「時間を置いたらむしろ逆効果だった」という危機的状況……そう、彼氏なら見て見ぬフリなどせず、時には漢気を持ってしっかり目の前の彼女に向き合うことも必要なのです(というか、たぶん現実だったらそっちをおすすめします)。


 

■ 量子モチーフのイベントカードたち

そんな《シュレディンガーの猫系彼女》では、彼女の〈怒り〉を2枚観測してしまうと、イベントカードを1枚ランダムに引いて発動します。
そして、それらのイベントカードもすべて、量子力学や量子コンピュータの用語をモチーフに、恋愛あるあるを絡めたものになっています。

以下は、そんなイベントカードについて一部、ご紹介です!

 

①【誤り訂正】 〜土下座〜

量子コンピュータは、とても繊細な量子ビットで計算を行いますが、わずかなノイズなどで誤動作してしまいます。
そこで、周囲の正しい量子ビットの情報から間違いを見つけて直す"量子誤り訂正"という仕組みが使われます。

このイベントカードでも同じように、〈笑顔〉の隣の〈怒り〉を取り除いたり、〈笑顔〉2枚に挟まれた〈怒り〉を〈笑顔〉に上書きして、そっと修正することができます。

自分の致命的な計算ミスに気づいたら──ひたすら土下座で謝り、訂正しましょう🙇

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②【もつれ】 〜イケメンカフェ店員〜

量子もつれ(エンタングルメント)とは、2つの粒子が強くつながっていて、片方の状態を観測しただけで、もう一方の状態も一瞬で決まってしまうという不思議な現象です。このつながりは、どれだけ遠く離れていても壊れません🔗

このイベントカードでは、自分と相手が1枚ずつカードを引き、片方を観測すると、2枚のカードが“量子もつれ”しているかのように、もう一方の結果も自動的に同じになります
※ゲーム上では、両面リバーシブルの〈笑顔/怒り〉カードを重ねて上書きします。

まるで2人の運命が共有されるよう──。彼女がイケメンカフェ店員に見惚れていても、あなたの心は決してゆらいではいけません☕️

 

③【量子テレポーテーション】 〜SNSチェック〜

量子テレポーテーションは、ある量子の状態だけを、離れた場所にそっくりそのまま“転送”できる技術です。※すでに東京大学などで実証されており、光を使った量子コンピュータなどにも応用されています。
その仕組みには「ベル測定」という、2つの量子のもつれ関係を調べる間接的な測定方法が使われます🔍

このイベントカードでは、他プレイヤーにこっそり見てもらったカードの中身(笑顔か怒りか)を、言葉だけで信じるかどうかを問われます

恋人のSNSをチェックして曖昧な情報に右往左往しているうちに、気づけば相手の心が遠くに瞬間移動していた……なんてこともあるかもしれません📱

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④【トンネル効果】 〜未読スルー〜

量子トンネル効果とは、本来なら越えられないはずの“壁”を、粒子がスルッとすり抜けてしまう現象です👻 半導体の技術などにも応用されている、重要な量子現象です(2025年のノーベル物理学賞も、この量子トンネル効果に関係する研究でした🏅)。

このイベントカードでは、山札の一番下からプレイヤーの人数分のカードを引き、それらを好きな順番で山札の上に戻します。山札という“壁”をすり抜ける、まさにトンネル効果のような動きです。

いつまでたっても付かない既読……何か大事なことが、あなたの意識からすり抜けていませんか? 見えないものを先に読む力も、ときには必要かもしれません👀

 


⑤【ノイズ】 〜空気読めない友人〜

量子の重ね合わせ状態は、ほんのわずかな刺激や環境の変化で簡単に壊れてしまいます。これを「ノイズ」といい、たとえば熱や振動、他の粒子との衝突など色んな要因がその原因になります💥 量子コンピュータにおいては、いかにこのノイズをを抑え、正しい計算結果を保つかが最大の課題のひとつです。

このイベントカードでは、脇に取り除いていたはずの「時間発展チップ」を誰かに強制的にめくらせ、その効果を発動させられます。その効果によっては、手元の未観測カードがめくられてしまうことも。

“空気を読まない友人”によって場がかき乱される様子は、まさに量子システムがノイズで崩れる瞬間そのもの。量子の観測にも恋の空気にも、外からのノイズには気をつけましょう📢

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⑥【干渉】 〜母からの電話〜

量子干渉とは、量子の“確率の波”が重なり合い、強め合ったり打ち消し合ったりする現象です⚖️

このイベントカードでは、全員の未観測カードを回収し、好きなように配り直すことで他プレイヤーの場に干渉することができます

大事なデートの最中に母から電話が鳴ると、せっかくの雰囲気が打ち消されるかもしれない……ふたりの運命の確率が変動するかもしれない。このカードはそんな恐怖の場面を表しています😱
 

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他にもゲーム内には、「ゆらぎ」「エラー」「スピン」などなど、量子用語をモチーフとしたイベントカードが収録されています。ぜひ観測してみてください!🔍

 

■ 追加ルール:アドバンストモードにも量子ネタ

《シュレディンガーの猫系彼女》には、"標準モード(付き合いたてモード)"のほかに、2つの「追加ルールモード」が存在します!

そのうち第2のモード──“アドバンストモード(3年目モード)”は、特殊効果を持つ3種類の彼女カードを混ぜて遊ぶ、中上級者向けルール😎
「生成」「消滅」「伝搬」という名前を冠した彼女たちのモチーフは、量子演算の“場”において粒子を生み出したり、消したり、状態を伝えたりする「生成消滅演算子」や「伝搬関数」から着想を得ています⚡️


恋愛の駆け引きがいっそう進化し、より複雑な感情がもつれ合うこのモードでは、まさに量子世界のようなカオスが展開します……🌀
──“恋の状態方程式”を解き明かす準備はできましたか?

 

■ まとめ

いかがだったでしょうか……?
少しでもこのゲームやコラムが、不思議で深遠な物理世界への興味の入り口になっていただければ幸いです💫

量子100周年の2025年は、国際量子科学技術年…… 11/22(土)、ぜひお気軽にブース【X-05】にお越しください!!

取り置き予約フォームはこちら👉 https://forms.gle/mZzx9tpR8E5P3ttc9


※なお本記事は、科学的な厳密性はふわーっとざっくり曖昧な”重ねあわせ状態”となっております🙇
 本当に興味を持たれた方は、研究者の方々が分かりやすく書かれた素敵な本がたくさんありますので、ぜひそちらを手に取って”観測”いただければと思います! 
 
※《シュレカノ》の製品版には簡単にですが、それぞれの量子ネタの短い解説コラムも同封しておりますので、よろしければぜひそちらもご覧ください!🙇
 

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