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- 『斎藤vs中村』制作秘話 その②
- 2023/4/15 4:06
こんにちは!
ボードゲームサークル AlbatrossBoard です。
前回に引き続き『斎藤vs中村』制作のバックグラウンドを語っていこうと思います。
第二回目はゲームの勝利条件と特殊行動について話していきます。
よろしければ最後までお付き合いください!
▼『斎藤vs中村』の概要について知りたい方はこちらをチェック!
▼前回(第一回目)はこちらから!
【ゲームの勝利条件は・・・?】
第一回目で「渡した名刺にミスがあったため、急いで回収する」というコンセプトが決まりました。
ある程度ゲームの方向性が見えてきたので、次に勝利条件について考えていきます。
カードを集めるゲームの勝利条件として最も簡単なのは、集めたカードの組み合わせでポイントを競うというものでしょう。
そこで、ゲーム開始時に各プレイヤーに「斎藤」や「中村」といった名前カードを配り、その名前の名刺カードを集めることでポイントを稼ぐシステムにすればよいのでは?と考えました。
ちなみに当初は自分のカードではなく他人のカードを持っていると、得点がマイナスになるイメージでゲームを作っていました。
【ゲーム性に深みを持たせる「証拠隠滅」&「告発」!】
勝利条件がポイント制というのはシンプルでわかりやすい反面、このゲームならではのオリジナル性に欠けているような気がしました。
ここで再度このゲームのコンセプトについて考えてみます。
・架空の人物が繰り広げる『仁義なき名刺交換バトル』
・名刺交換の目的は「渡した名刺にミスがあったため、急いで回収する」こと
上記のコンセプトだと、自分の名刺を集め終わることがゲームの勝利条件としてのあるべき姿のように思いました。
これが「証拠隠滅」です。
これまではポイントを競って勝者を決めようとしていたため、大幅なゲームシステムの変更を余儀なくされました。
反対に、他のプレイヤーに名刺の不備(ミス)を報告されてしまうことがあってもよいのではないかとも思いました。
ここで初めて自分の正体を隠しながらカードを回収するという考え方が生まれ、相手の正体を見破る(名前を言い当てる)というアクションをゲームシステムに組み込むことにしました。
これが「告発」です。
告発されてしまうと一発でゲームから脱落となってしまうので、どのように「告発」を行うかは慎重に考える必要がありました。
そのため、はじめは特殊カードの中の1種類としてデザインしており、1ゲーム中に告発が発生する回数を制限しようとしていました。
その後テストプレイやメンバーとの話し合いを経て、プレイヤーがとれる戦略を増やすというねらいから全プレイヤーが1度ずつ行うことができる今の形に落ち着きました。
ただし、失敗したときのリスクは重めに設定しました。(ノーリスクで「告発」ができるようになる特殊カードも存在しますが・・・)
ちらっと特殊カードについて触れましたが、特殊カードについては語りたい部分が多くあるので、次回以降でお話ししていければと思います!
「告発」の派生である「裏告発」について。
カード集めの難易度としては「証拠隠滅」と同じです。
誰かのミスの証拠を集めたのであれば、当然のようにそのプレイヤーを告発できますよね?
それに、それだけカードを集めることができたのなら、なにかボーナスが欲しい!(笑)
そんな思いから生まれたのが「裏告発」です。
【それでは、お先に失礼します!(「定時退社」)】
基本戦略は自分のカードを集めて「証拠隠滅」を図ることですが、はじめに考えていたポイント制がなくなったわけではありません。
ゲームの終わりを設定することで、それまでに「証拠隠滅」の条件を満たしたプレイヤーがいなかった場合は強制的にポイント勝負に持ち込むようにしました。
しかしゲームの特性上頻繁にカードの交換が発生するため、思うように得点の高いカードの組み合わせが集まらないことがテストプレイを重ねていく中で多々ありました。
そこで今時点での自分のカードを持ち逃げする「定時退社」を思いつきました。
ポイント勝負に的を絞った戦略が生まれたことで、他のプレイヤーがどの戦略でカードを集めているかの読み合いも発生するようになりました。
「証拠隠滅」や「告発」、「裏告発」はもちろんですが、それらの戦略と組み合わせることで複雑な読み合いを発生させる「定時退社」も『斎藤vs中村』においてなくてはならない戦略の一つです。
特殊行動まわりはテストプレイで試行錯誤しながら作り上げていった部分です。
ゲームのコンセプトにもマッチしており、バランス的にもかなりよい形に持っていくことができたのではないかと思っています。
『斎藤vs中村』をプレイして、ぜひあなたのプレイスタイルに合った戦略を見つけてみてください!