フラグメイカー

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パイオニアース ~Pione e@rth~ 制作誕生秘話
2023/3/22 7:16
ブログ

皆様こんにちは。

 

フラグメイカーのゲーム開発兼 デザイナー兼 広報担当のサイトウです。

今回は、2023年春、日曜日のア-10に出展する「パイオニアース(Pione e@rth)」の制作誕生秘話を語らせていただきます。

これからゲームを作ってみようと思う方の、何かしらの参考になれば幸いです。

Ⅰ.ゲームの生い立ち

神経衰弱の、カードを貰う動作を“土地を開拓・侵略”するイメージで作ったら面白そう!

ただ、カードをめくって貰う動作に、もうひとスパイス加えたい。。。

そんなふわっとしたイメージから、神経衰弱に焦点を当ててゲームの試作にとりかかりました。

      ふわっとしたイメージ

 

案を練った結果、通常の神経衰弱に要素を3つ足しました。

①貰ったカードの数字を得点に[物価の安い土地~好条件の土地のイメージ](6のカードでそろえて入手したら、6点。のような)(その代わり、数字を1~6にして、通常よりもそろえやすくした)

②カードを2枚めくったら、入手しようがしまいが次のプレイヤーのターンになる(ゲーム後半になると、2枚そろえたプレイヤーが、そのままそろえ続けて、他の人は見ているだけのゲームルールに疑問を感じていたから)

③ルールカード(手札になる魔法カードのようなもの)で、ゲームのルールが変わるように[法律や条約みたいなイメージ](個人的に好きなゲームの魔法陣のルールから着想を得た)

 (例:自分だけor全員めくる枚数がn枚増える1人or全員のゲットしたカードを1枚捨てさせる

    鉱山(赤いカード)の点数が2倍4以上の数字のカードの得点が0点になる

    1の数字のカードでそろえると もう一度自分のターンになる

    めくったカードがめくったままになる(カードを覚えなくてよくなる)など...)

 

3つの要素を盛り込んで試作し、ウッキウキでボドゲ仲間を集って実際に遊んでみました。

(このテストプレイで好感触をつかめたら、22年のゲームマーケットに出展してみたい!楽しみ!!(22年1月時点))

テストプレイしてみた結果…

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

開口一番での感想が、「面白くない」

 

理由として挙がったのが

・終わった後の得点計算が面倒くさい(1~6のそれぞれの数字の枚数を数えて得点を計算するので、電卓を使わないとすんなり終わらない。しかもルールで数字の計算が変化するので、そのことを忘れて計算→ルール見直して気付く→得点再計算...の流れがあった)

ルールがどんどん追加されていくので、結局今はどういう動きが強いのかがわからない。(ゴールがコロコロ変わる)

⇒後日、ルールカードは2枚までしか適応されず、3枚目を出したら1番最初に出したルールを消していくようにしたが、それでも芳しくなかった。

・強すぎるルールカードと、むしろ出したら自分が不利になるカードがある。(特に、めくれる枚数がn枚増えるルールカードをたくさん握れた人が勝ちやすかった)

・1を貰ったプレイヤーと、6を貰ったプレイヤーの不公 平感が尋常じゃない。(あくまで、“数字をそろえて貰う”プレイングに差がないはずなのに、1を取ったプレイヤーにストレスがたまる)

・そもそも、神経衰弱というゲームが嫌い[ゲーム性全否定やんけ]。(盤面を凝視して覚える行為が面倒くさい記憶力の差が顕著に出るなど)

Ⅱ.ブラッシュアップ

テストプレイでボロクソに叩かれ、僕はメンタルをやられました。何が面白くて、何が面白くないのかの感覚障害を患い(通称:おもしろイップス)、このゲームを3か月間封印しました。心は荒み果て、尊い生命に対し、暴虐の限りを尽くしました(訳:ひたすらカムラの里でモンスターを狩猟していました。)

テストプレイから3か月たった時に、テストプレイに参加したボドゲ仲間のうちの一人に、ゲームの進捗を聴かれ、黒歴史として闇に葬った旨を話すと、もう少し磨けば絶対面白くなるから、頑張って作ってほしいと、叱咤激励の言葉をいただき、

最近仲間内ではまってた、ハートオブクラウンとかを参考にしたら?

との何気ない一言で、自分の中でかみ合わなかった歯車がかみ合う感覚を得てゲームのブラッシュアップを決めました。

 

<改良するにあたって>

A.「得点計算が面倒くさい&数字の不公平感」「盤面覚えるのが面倒」との意見を参考にし、あくまで1枚を1点として数え(従来の神経衰弱と同じ計算)、それとは別に、数字が書かれていない「財宝カード」を追加しました。(財宝カードは、めくれたらそのままもらえるカード)

B.「記憶力の差が顕著に出る」意見を参考にし、場には20枚までしか伏せられず、誰かがめくって貰うたびに、場の空いたスペースに裏向きで補充されるようにしました。(記憶力が良い人でも、既に取られたことを忘れてめくってしまうことを目的として導入)また、1枚だけ初めから表になっているカード(ボーナスエリアとする)を作り、ボーナスエリアのカードをめくったことにできるようにしました。(従来のルールだと一番初めのプレイヤーが不利であったため)

C.ハートオブクラウンの、女王を擁立(キャラクターを1人だけ、お金を支払って手に入れる)するシステムから着想を受け、キャラクターカードを追加しました。(キャラクターによって、ゲームの動き方が少し変わるように)ただし、キャラクターは2人だけ場に出て、そのどちらかを選んで雇う形にしました。(なんかのゲームの(何だったか忘れた)酒場に行くたびに雇えるキャラクターが毎回変わるような)

D. ルールカードのなかで、ゴール地点が変わってしまうカード&デメリットになるカードを排除して、手ごろに出しやすく、使った1回しか効力のないカード(アクションカードに改名)に変更しました。

E. 財宝カードを、ローリスクローリターンのカード。数字の書かれた土地カードをハイリスクハイリターンのカードにするために、アクションカードでバランスを調整しました。(財宝カードはめくったら貰えるが、アクションカードで取られやすい)ただし、キャラクターを雇っていれば、財宝を取られるのを防げるようにしました。(キャラクターを雇うメリット)

 

これら5つの要素を追加(②の、めくったカードを入手しても次の手番になるルールだけそのまま残した)し、再度同じメンバーでテストプレイをしてみた結果…

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

結果としては、おおむね好評な意見を得られました

ゲーム性は、なかなか良い評価を貰えました。(財宝カードの導入キャラクターの有用性覚えゲー:運ゲーのバランスなど)

ただ、この時のキャラクターカードは試作段階で、ピクトグラムみたいなものでした。(好きなんですよねぇ、こういうパワポで簡易的に表現できる絵が)

       こんなの

 

 

そのため、キャラクターに魅力を感じず、こんなおっさんみたいなキャラクターじゃなく、かわいい女の子しか雇いたくないといわれたため、ピクトグラムから、ちゃんとしたイラストに変更を余儀なくされました…。ただ、僕自身、イラストを描くのがあまり得意ではなく、何も決めていない状態からペンタブもなしにマウスで10キャラ分+アクションカード15種類分を描くのは、時間の都合上不可能だと思っていました…。

 

 

 

 

 

 

まあ、描くんですけどね。

マインクラフトで培ったドット力で、難なく突破しました。ノッチありがとう!!(キャラクターの素体さえ決まれば、あとは素体に属性を盛っていくだけだったので、10キャラに1週間程度で済みました。)アクションカードも、キャラクターのポーズを変え、背景を雑に描くので3週間ほどで済みました。(ただ、入稿用のデータづくりに手間取って、結局22年内には仕上がらなかったというのは内緒です)

 

その後、このテストプレイから細かなルール改定はありましたが、この時のブラッシュアップでゲームの8割ぐらいが完成したので、非常に良かったです。仲間の一声がなければ永久にお蔵入りでしたので、本当に感謝しています。

 

ちなみに、ゲームのタイトルである「パイオニアース(Pione e@rth)」は、土地を切り拓く開拓者の意味の[pioneer]に、地球上・大地を意味する[earth]を無理やりくっつけた俗語です。(@を抜くことで、複数形であるpioneerth(本当は”th”じゃなくて”s”だけど、許して)になり、プレイヤーと雇ったキャラクターを指す言葉に変わります)開発当初のイメージをうまく表現できないか考えた結果のものです。(結構おしゃれで、僕は気に入っています)

 

Ⅲ.最後に

ここまで駄文を通読いただき、ありがとうございます。

この記事を読んでいただいて、少しでもご興味がわいていただけましたら幸いです。

なお、当日は僕の準備にミスがなければ、試遊スペースを取ってありますので、軽いノリで遊びに来ていただけると、控えめに言ってバチクソ嬉しいです。

当日は、現物を3000円で、データ版を500円で販売予定です。(データ版については、当日僕に聞いてみてね)

なお、今回の売れ行きが良ければ、次回は拡張カードを出そうかと目論んでいます。

 

一応、このゲームのホームページも作ってあります。

https://flagmaker3110.wixsite.com/boardgame/pioneearth

(ゲームのカードでルールがわからなくなった時用に全てのカードにQRコードが書かれていますので、そちらを読み取ることでQ&Aに飛べる設計にしています。(TCGにこういう機能ついてたら便利かなっ?てことで導入しました))

現状で把握できている分かりにくい部分は各種まとめておりますが、それ以外にわかりにくい部分が出てきましたら、僕のツイッターのDMか、ホームページ下部に書かれたEメールにご連絡いただけたら幸いです。

Twitter: @Flagmaker3110

 

 

以上、サイトウがお送りしました。

Twitter

@Flagmaker3110